僕のヒーローアカデミア 僕の師匠は異世界最強の魔導士!? 作:ポップ推しの視聴者
目標だった。
自分にとって常に前を歩く、すごいヤツだった。
だからこそ、少しでも【近づきたい】と思っていた。
「…その呪文は決して簡単な呪文じゃないぞ?」
魔法使いの師匠が緑谷に簡単な警告する。
その呪文は初級であっても決して難易度の低い呪文ではなく、それを覚えるくらいなら
だがそれでも、少しでも早くこの呪文を使いたかった。
それくらいにはこの呪文に思い入れがあった。
それを理解してか、師匠もその呪文を覚える手伝いをしてくれた。
お陰で、容易ではなかったが、何とか使えることができるようなったのだ。
使いこなせる訳では無いが、それでも何とか形にすることができたのだ。
なぜか?
それはきっと、ただの憧れだったのだろうと思う。
でもその憧れは
「
「くらえやあ!!!」
互いの攻撃が相手の体にヒットする。
緑谷の呪文は爆豪の胴体に、爆豪の爆破は緑谷の左腕にガードされるもその上から強烈なダメージを与える。
そしてその衝突によって2人は共に背後に向かって吹き飛んでいく。
モニタールームはその様子を食い入るように見つめる。
心配するもの、その衝突にかっこよさを感じるもの、恐怖を感じるもの、感情は様々だが全員がその光景に魅入られる。
爆豪は、吹き飛びながらも自身の両足でブレーキをかけて倒れることはなく堪らえる。
緑谷はそのまま吹き飛んでいき、先ほどの爆撃で崩壊した穴からビル外へと飛び出してしまう。
「どうだデク!俺の勝ちだ!!」
(さ、さすがかっちゃんだ…今の僕にはまだ勝てない…。)
爆豪の力を実感し、力の差を理解する。
だがそれでもまだ緑谷の目の炎は一編たりとも消えてはいなかった。
(でも、この
動かない左腕を無視して右手を地面に向ける。
「
真空呪文を発動させて飛び上がる。
そして核があるはずの部屋の階層へと飛んだのであった。
そしてその窓を見るとボロボロで簡単に蹴り壊せそうなほどであった。
先ほどの爆撃によって、道路側の窓はほとんど崩壊しているような状況だった。
これなら侵入も容易だ。
「
今度は部屋とは反対方向に右手を向けて、真空呪文を唱えることで、風圧の反動で部屋に突撃する。
緑谷が右足を突き出すと、窓ガラスは簡単に砕け散り、目の前には核、飯田、麗日の姿が現れた。
「緑谷くん!?」
「デクくん!」
緑谷は着地するとすぐさま麗日とアイコンタクトを取る。
麗日もそれに気がつくとお互いに頷き合い、飯田と対峙する。
「いくぞ!飯田くん!」
そう声を上げたと同時に、麗日と緑谷が2人揃って飯田、いや核に向かって駆け出す。
飯田も一瞬の迷いを見せるも、二人を比較した時に機動力のある緑谷を先に封じるべきだと考え、緑谷に狙いを定めて走り出す。
それと同時に爆豪に緑谷が来たことを伝えてすぐさま無線を切る。
緑谷と麗日はそれを確認すると、急に立ち止まり緑谷が右手を飯田に向けて突き出す。
「
真空呪文を唱える。
強烈な風が飯田に襲いかかり、思わず両腕で風を遮るように防御を取る。
しかし、爆豪の時とは違い、飯田は簡単に吹き飛ばない。
彼の個性はエンジンであり、足を中心に鍛え抜いている。
そのため踏ん張るための力は爆豪よりも強く、堪らえることが可能になっていた。
それどころか個性を発動させながら、一歩一歩緑谷に向かって歩き始める。
それを見た緑谷は目を丸くして飯田を見つめる他なかった。
飯田はその様子に不敵な笑みを浮かべて、緑谷に語りかける。
「この程度の風なら乗り越えてみせるさ!ターボヒーローインゲニウムをなめないでもらおう!」
そう叫ぶと、徐々に歩く速度を速めていく。
今はヴィランのはずだがヒーローを名乗っても良いのだろうか?
という疑問はさておき、飯田くんの歩く速度はすでに普通に歩くものと同じ程には速くなっていた。
そんな時、緑谷の動揺が消え去る。
先ほどから打って変わって、彼の表情に焦りはなく、飯田同様に不敵な笑みを浮かべていた。
次の瞬間、緑谷が麗日の名前を呼ぶと、麗日は自身の身体を浮かせて、真空呪文の中に入っていく。
そしてその速さのまま核に突撃し、しがみつく。
一瞬の出来事であった。
飯田がそれに気づき振り返った時には、すでに麗日の体は核にベッタリと張り付いていた。
「ハッハッハッハーー!!俺の勝ちだ!!」
爆豪は自身の爆破によって吹き飛んだ緑谷を見た瞬間に勝利を確信した。
緑谷の攻撃に耐え、相手を攻撃で吹き飛ばす。
まさに完全な勝利だった。
「クソナードが、オレに逆らってんじゃねえよ。」
そう言いながら、天井を見上げる。
自分自身が一番だとでも言うかのように、自身の存在を改めて自身の脳内に刻み込む。
そんな時だった。
「爆豪くん!緑谷くんが来たぞ!どういうことだ!?」
最初は意味が分からなかった。
緑谷が来た?どこに?なぜ?
頭の中に様々な疑問が浮かんでは、答えを導き出せないままでモヤモヤと漂う。
飯田に、どういうことだ!、と連絡を取るも返ってくることはない。
すぐさま緑谷が落ちたはずの、大穴へと駆け出して、下をのぞく。
そこにはデクの身体など、どこにもなかった。
落ちたはずの緑谷がいない、そこから導き出される答えは一つしかなった。
すぐさま爆豪は大穴から外に飛び出して、爆破を利用して、今の階層の一つ上へと飛び上がる。そして窓から状況を確認する。
窓は既に破壊されており、中に何者かが侵入したことを証明していた。
そして肝心の中には、緑谷と飯田、そして核に抱きついている麗日の姿があった。
爆豪は爆破を利用して室内に入るも、今目の前で起きている状況に唖然とする他なかった。
そしてそんなぼーっとした頭に響いてくる放送が、その状況の真実を無慈悲にも認識させてきた。
「ヒーローチーム、W I I I I I N!!!」
オールマイトの声で放送が響き渡る。
モニタールームでも歓声が巻き起こると同時に、心配そうな声と、この不可思議な現場の状況に混乱するものもいた。
麗日は能力の酷使で吐き気が限界を超えようとしており、その場にうずくまる。
緑谷は両の腕に痛みを感じて、しゃがみ込んでしまう。
対するヴィランチームの飯田と爆豪はそんな傷ついた様子などは見られずに、飯田に至ってはむしろ麗日の介抱に回っていた。
そんな歪な状況に、モニタールームからは、
「負けたほうがほぼ無傷で…勝ったほうがボロボロだぜ。」
「勝負に負けて、
「…訓練だけど。」
という悲観的な意見と、
「なんだよこのあっつい戦いは!!」
「どっちが勝ってもおかしくない戦いだったよね!!」
と盛り上がりを見せる意見の双方が見て取れた。
オールマイトはすぐさま会場へと赴き、会場の様子を自身の目で確認する。
麗日は吐き気を感じているだけで、重症ではない。
ヴィランチームの2人も目立った外傷はなく、問題なかった。
そして一番ダメージを負っていたのは、緑谷少年だった。
オールマイトは緑谷のそばまで寄り添うと、彼の体調を心配して声を掛ける。
緑谷はそれに対して、「大丈夫です。」と短く返答をし、立ち上がる。
左腕のダメージが大きく、火傷も見て取れる。
オールマイトが保健室へ行くように手配するか問いかけるも、緑谷は講評が聞きたいとそれを断る。
自分の足でモニタールームへと歩き出す緑谷を見たオールマイトは、彼の意思を尊重し、保健室へムリに連れて行こうとはしなかった。
そして、もう一人の心配な人物に歩み寄る。
(あの左手の火傷…最後も俺の攻撃を読んでいやがったのか。)
自分の掌を見つめながら、先ほどの出来事を思い出す、いや、強制的にフラッシュバックさせられる。
(俺の攻撃を読んで、吹き飛ばされたうえで勝つための算段を…。)
(つまり…ガチでやりあっても…俺…完全に、デクに…っ)
過呼吸になりかける。
そんな時、突然肩を叩かれて思考の沼から引きずり出される。
振り返るとそこにはオールマイトが立っていた。
そしてオールマイトは彼に講評があるから戻ることを伝える。
そして彼を思い、こんな言葉も続ける。
「勝っても負けても、振り返ってこそ、経験ってのは生きるんだ。」
そう告げると、オールマイトは肩から手を離して一足先にモニタールームへと戻る。
オールマイトの言葉で落ち着きを取り戻したのか、爆豪は静かに自分の足でモニタールームへと戻っていった。
そして講評が始まる。
オールマイトが今回の訓練のMVPはなんと、飯田少年だと話し始めた。
クラスの大半がなぜ勝ったヒーローチームからではなく、飯田がMVPなのか理解できずに疑念を抱くが、それに対してオールマイトではなく、八百万が回答を述べ始めた。
爆豪は私怨丸出しの行動と、籠手を利用した爆撃による建物の大規模破壊がアウト。
緑谷は左手が動かなくなるほどのダメージを受けたこと、そもそもそれを受ける必要がなくとも作戦が機能したではないかという疑念もマイナス評価。
麗日は中盤での気の緩みや、飯田と接敵した際の手数の無さがよろしくなかった。
そんな中、飯田は大きなミスもなく、しっかりと今回の訓練の状況に適応し、取り組んでいた。
ゆえにこの戦闘では飯田がもっとも高い評価であるとのことだった。
オールマイトもそれを否定することはなく、飯田少年も少し固いところがあると付け加えるも正解だと八百万に伝える。
そしていよいよ、次の訓練に移る。
次は、"
訓練が始まると、障子が複製腕で耳を複数個作り出し、辺り一帯の詮索を行う。
すると二人の人物の大体の場所をつかむことができた。
これでヒーロー側が圧倒的に有利になるかと思ったら、轟が前に出て障子に「外に出てろ」と促す。
障子は言っている意味が分からずに、ポカーンとしてしまうが、轟は構わずに壁に右手を置く。
(緑谷、どうやら俺と"同じような個性"を使うみてえだが、お前と俺の"
すると、彼右手から一気に氷結が広がっていく。
障子はそれに驚きすぐさまビルの外へと逃げ出し、ビルの様子を確認する。
あっという間にビル全体が薄い氷に包まれてしまった。
障子はその様子をただ見つめることしかできない。
中にいた尾白と葉隠は足を凍らされたことによって全く身動きが取れない状況になってしまう。
轟は、焦ることもなく、走ることもなくただただ普通に歩いて核のある部屋までやってくる。
「動いたって良いが、足の皮が剥がれた状態じゃ満足に戦えねえぞ。」
そう尾白に警告を飛ばし、歩いて核のもとまで接近する。
尾白もなんとか抵抗しようとするも、この状況を解決する案も出てくるわけがなく、轟に核が触られるのをただただ見つめることしかできなかった。
オールマイトの声でヒーローチームの勝利が告げられると、轟が左手を核につけて今度は氷を溶かし始める。
尾白は目の前で起きている光景に轟が"熱"を放出していることに勘づく。
ビルの氷はあっという間に溶け切ってしまう。
ちなみに氷はモニタールームにも届いており、観戦していたクランのメンバーはもれなくガタガタと震えて観戦していたのだった。
(な…なんて精密なコントロールに、広い範囲の氷結なんだ!あんなコントロールできないし、あの範囲を氷結させるなら最低でも"
緑谷はその圧倒的な
轟が戻ってくると、クラスメイトの大勢から質問や熱烈な感想、称賛の声が浴びせられる。
が、肝心の轟の視線はその誰にも向いてなどいなかった。
ただ一人がその視線に気がついていた。
それはもちろん、その視線を浴びていた緑谷本人であった。
緑谷も、もちろんそれを無視するはずもなく、同じ様に轟の方へと向き、視線を交わす。
周りには様々な雑音が飛び回っているはずだったのに、様々な人物がいたはずだったのに、緑谷と轟にとってはその瞬間はたった2人だけの空間のように感じる。
緑谷はその視線を気にするも、すぐにオールマイトの講評を聞こうと彼のそばに近づいていった。
今思えば、おそらく彼がクラスメイトの中で轟くんのことを意識し始めたのは、このあたりだったのだと思う。
その時はまだ気づきすらしていなかったのだが。
そして、そんなこんながありながらも、全コンビが訓練を終えて、授業は無事に終了した。
緑谷は腕の怪我もあったため、オールマイトから保健室利用書を受け取り、保健室へと向かった。
そこでもちろん治療を受けるのだが、その治療も養護教諭の"個性"を用いて行われる。
【妙齢ヒーロー:リカバリーガール】
彼女は世界的に見ても希少な"癒し"という治癒系の個性を持ったヒーローだった。
その個性ゆえに雄英が無茶とも捉えられる授業や試験ができるのだと考えられてもいるほどの超重要人物だった。
緑谷もそれをしってのことか、リカバリーガールのことを見て、感動の気持ちが抑えられずにいた。
だが、その感情も一瞬で砕けることとなる。
なぜか?それは…
「ムチューーー。」
その個性発動の条件が"
いきなり口づけをされた緑谷混乱するも、両の腕が治ったことに驚き、感情が上書きされる。
そしてそれと同時に全身にどっと疲れが生じるのが分かる。
どうやれ、彼女の個性は外的な力により治癒を行うのではなく、その人物の治癒能力を活性化させることによって、急速に治癒を早めているようだった。
ようは、自然治癒の前借りだった。
それによって身体にはそれを行うにあたっての体力の消耗が残る。
彼女曰く、あまりに傷が大きく、本人が疲弊しきっていると治癒はできてもその後の体力の問題で死んでしまうこともあるらしい。
そんな言葉に恐怖を感じながらも、お礼を言って教室に戻る。
教室に帰ってきた緑谷を待っていたのは、クラスメイトほぼ全員だった。
いきなり何人かの生徒が緑谷の下へ駆け出し、話しかける。
どうやら緑谷が保健室に言っている間に終学活は終わってしまっていたようだった。
「熱かったぜ!」
「さすが、個性把握テストのTOP4とTOP3の戦いって感じだったぜ。」
「緑君よく躱せたね!!」
「あんなの見せられたらこっちも負けてらんないっての!」
色々な人が緑谷の戦いを見て、熱くなったと褒めてくれていた。
それにどう返せば良いのかわからずに、ついついどもってしまう。
どうやら解散したあとに、訓練の反省会をしていたとのことだった。
そんなこんなで話を聞いていると、上鳴と麗日が大量の本を持ちながら教室に入ってくる。
麗日は緑谷の存在に気がつくと、上鳴との会話をそっちのけにしてすぐさま緑谷に駆け寄る。
どうやら先ほどの怪我の心配をしてくれているようだった。
左腕については動かせないほどのケガだったのだから当たり前ではある。
緑谷は怪我について心配されるも、両腕をぐるぐると動かして全く心配ないことを伝える。
すると麗日は安心したような表情を見せて、今日のお礼を伝えた。
緑谷はそれを快く受け取り、同じ様にお礼を伝えるが、その途中であることに気がつく。
「あれ?かっちゃんは?」
「…。」
その答えを聞いた瞬間、緑谷は教室から飛び出していた。
なにか考えがあったわけではない。
だが体はすでに動き出していた。
教室から飛び出してすぐに正面玄関が見えるところから身を乗り出す。
いた!今まさに正面玄関から出たばかりの爆豪の姿だった。
緑谷はすぐさま走り出し、階段を駆け下りていく。
必死に走りながら、頭ではなぜいま走って追いかけているのか?何をするつもりでいたのかを必死に考えていた。
だが、冷静に判断できるだけの余裕も時間もなく、考えているさなかに爆豪へと追いついてしまう。
緑谷は爆豪の名前を呼び、彼の歩みを止める。
爆豪は振り返るも、その目線はいつも通り…いや、わずかに覇気の抜けた睨みを利かせていた。
まとまっていないながらも、緑谷は爆豪に向けて話し始める。
「僕のこの力…"
そう言いながら、拳を握りしめる。
その話を爆豪は遮ろうとはせずに黙っていく。
途中言い訳のようなグダグダとした話を始めたときは、さすがの爆豪も苛立ちを隠せずにいたが…それでも、
「今はまだ君に勝てないけど…いつか
顔を上げて正面を見据える。
「"君を超えるよ!!"」
それを言われた爆豪はあっけにとられた表情をする。
緑谷も自分が話した言葉に驚きを隠せなくなる。
騙していたわけではないことを伝えようとしていたはずなのに、口から出た言葉は宣戦布告だった。
動揺を隠せずにいると、爆豪がヤケクソじみた怒声を上げる。
「今日俺はてめえに負けた…そんだけだろうが…!!」
頭をかき乱しながら、今日の出来事をまるで吐き出すかのように叫び始める。
その感情を吐露していく中で、彼の瞳はどんどん揺らめきを見せていく。
だが、決して弱い目を見せることはなかった。
「こっからだ…!」
「こっから俺は…!!
そう叫ぶ彼は、自尊心だけの怪物なのではなく、屈辱の中で決して耐えることのない、心の炎をたぎらせている少年の姿に見えた。
そして緑谷に「俺に勝つことは二度とない!」という言葉を叩きつけると、そのまま正門から学校を出ていく。
ここから、
今回も見てくださった皆様、ありがとうございました。
呪文の習得難易度については、疑問を抱かれている方も多いと思います。
メラミ<イオ
の取得難易度であること、ゲーム基準で行けばありえない話ですね。
が、今回このような設定にしたのは、ダイ大世界の設定を使わせてもらいました。
ダイ大世界では、メラ系<イオ系やギラ系のような描写があったため、今回はその様にやっていきたいと思います。(描写を見る限りはダイ大世界だとギラ系が最上位呪文のように感じました。)
ゲーム版ドラクエだけでなく、ダイ大世界の設定も取り入れることがあります。
まぁ、言ってしまうと作者の都合のいい設定を流用していく形になるということですね。
ヒロアカ原作もドラクエ原作も大きな破壊をしないように注意して進めていくつもりではいますので、設定を無理やり作ることは極力しません。(ヒロアカ世界に落とし込む過程で必要な追加設定などは加える可能性あり)
それでは次回もよろしくお願いします。