僕のヒーローアカデミア 僕の師匠は異世界最強の魔導士!? 作:ポップ推しの視聴者
突然の奇襲に混乱する雄英高校1-Aの面々たち。
そんな中、相澤先生は単身で敵陣に乗り込み、さらに生徒たちは黒いモヤによって様々な場所に転移させられてしまう。
緑谷出久は蛙吹梅雨、峰田実とともに水難エリアに飛ばされてしまう。
「うぉお!!緑谷!蛙吹!よかったぁぁあ!一緒だぁ〜〜!」
峰田が2人の仲間を見つけたことに感動しながら蛙吹へと抱きつく。
その時にさりげなく胸に顔を埋めていることを察知した蛙吹は、すぐさまその舌を使って峰田の頬を強く叩く。
そんな様子を緑谷は苦笑いをしながら、見つめているも、すぐさま水面の方へと目を向ける。
するとそこには数人のヴィランが顔を出していた。
だが、一人ふえ、また一人増えとどんどん水中からその姿を現していき、あれよあれよという間に数十人の数にまでに増えてしまう。
そんな光景に高校生3人は背筋をゾッとさせ、思わずたじろいでしまう。
高校生にして感じてしまった命の危機。
3人とも息を呑む。
オールマイトを殺すつもりで乗り込んできたヴィラン、そしてそれはこの時間を狙った準備された奇襲。
峰田はオールマイトならこの状況を打破できると信頼し、それを2人に伝えるも、2人の表情が明るくなることはなかった。
それどころか、蛙吹は峰谷は峰田に対して今の現状を説明し始めた。
オールマイトを殺すことができる戦術か戦力、もしくはその両方を確立している可能性があること。
そして、そんな相手が自分たちに襲いかかってきているのだ。
「果たして私たち、みんな無事でいられるかしら?」
蛙吹はまるで他人事かのように平然とした態度でそんな言葉を紡ぐ。
緑谷はそんな平静を装う蛙吹に、驚きを感じながらもその事実を再認識して苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。
対して、それを告げられた峰田は時間の経過とともに顔が真っ青になっていく。
あわあわと慌てて混乱してしまう。
オールマイトを殺せる算段、それを実行させるわけには行かなかった。
それを阻止するために今自分たちができること、それは…
「僕たちが戦って、ヴィラン達の作戦を食い止める!」
緑谷たちだけではなく、各地に飛ばされた他の生徒達も同様の答えを導いたようで、ヴィランの迎撃を行っていた。
だが、緑谷のその発言に峰田は驚愕を通り越して、涙を垂れ流しながら先ほどの発言と矛盾するとわめき始めた。
「オールマイトを倒せるかもしれない相手なんだろ!?俺たちが勝てるわけねえって!!」
オールマイトに勝てる相手に学生が勝てるわけもない。
それはごもっともな発言であった。
だか、緑谷はヴィランたちの様子を見ながら、抱いていた疑念を話し始める。
ここにいるヴィランたちは、皆水中戦を想定しているヴィランだった。
つまり水中戦で生徒たちを嬲り殺すための布陣である。
だが、そんな万全を喫した作戦の割には、看過できない【穴】が存在する。
それを緑谷は指摘する。
「あ…あす…つ、つゆちゃん…がここにいることだです。」
そう、蛙吹の"個性"は"蛙"である。
得意な戦地はもちろん水中である。
そんな水中戦を得意とする蛙吹を海難ゾーンに飛ばすメリットなど存在しない。
それはつまり、
「敵には僕たちの"個性"が割れていないって事だ。」
相手は
だからこそ、環境を指定し、その環境に特化しているヴィランを集めて、数で嬲り殺そうとしたわけである。
そこが、彼らが…実力の劣る可能性が高い彼らに残された勝利への道だった。
自分たちの個性というアドバンテージをどの様に活かすか、そこにかかっていた。
そんな事を考え、互いの個性の情報を交換する。
個性の名前だけではなく、自身の個性のできることも詳しく説明していく。
蛙吹の個性の話が終わり、次に緑谷が
自身の得意分野も、【弱点】も。
「僕の個性は【魔法】。詠唱に応じた属性の攻撃呪文や補助呪文を唱えることができる。」
「ただし、この魔法の発動には必ず詠唱が必要になる。詠唱ができない状態…例えば、水中なら多分1.2発が限度、声を発せられない状況では何もできない。」
そう説明した。
そして、峰田が自身の説明を終えると突然船全体に大きな衝撃が響く。
船が大きく揺れ、緑谷たちは倒れてしまう。
痛む、尻を撫でながら何が起きたのか確認すると、船が真っ二つに切り裂かれていた。
船は決して小さいものではない。
だがそんな船を一撃のもとで2つに引き裂いてしまう攻撃力に3人の顔は青白く変わっていく。
そんな恐怖についに峰田はパニックを起こしたのか、自身のモギモギを手当たり次第に水面のヴィランに向かって投げつける。
緑谷はそんな峰田の奇行に驚いて即座に止めに入る。
わざわざ個性を知られていない、というアドバンテージを自ら捨てるメリットなど全く存在しない。
ただの愚行であった。
だが、ここでヴィランが行った行動が緑谷の目に留まる。
「なんだこれ?気持ち悪いな。」
ヴィランはそのモギモギに触れることはなく、水流で自身から遠ざけていたのだ。
これは、ヴィランたちが生徒たちの個性を警戒していることを示していた。
その瞬間、彼の頭にはとある作戦が思い浮かんだ。
対する峰田はヴィランへの恐怖でパニックを起こし完全に戦意を喪失していた。
そんな様子を見た蛙吹は、峰田に本当にヒーロー志望なのかと問いかける。
そんな平然な様子の蛙吹に峰田は泣き叫びながら訴える。
「ついこの間まで中学生だったんだぞ!?入学してすぐ殺されかけるなんて誰が想像するんだよ!!」
確かに峰田のいいことにも一理…いや、むしろそれが普通なのであろう。
だがしかし、彼らが目指すヒーローとはそれらを覆す存在なのである。
沈んでいく船の様子から、もう一分と残されてはいないだろう。
だがそんな絶望的な中でも、緑谷はある記憶をよみがえらせていた。
「敵が勝利を確信した瞬間が大きなチャンス。」
情熱大陸でかつて最高のヒーローが語った話であった。
そして覚悟を決めると振り返り、2人に自身の考えついた作戦を伝える。
全員が協力しなければ成し得ない、起死回生の打開策であった。
緑谷は蛙吹のベロを越しに巻き付けてもらい、助走できる距離を確保する。
そして思い切り走り出す。
「おりゃぁぁああああああああ!!!」
大きな掛け声を上げながら思い切り飛び上がると同時に、蛙吹もベロを使って思い切り緑谷を投げ飛ばす。
当然ヴィランたちの視線は、いきなり飛び上がった緑谷に集中する。
「逃がすかよぉ!!?」
1人のヴィランが右手に水を纏わせた状態で、思い切り振り下ろす。
すると縦方向の水刃が発生し、緑谷に襲いかかる。
空中で動けるわけがない、これで仕留められると確信したウィランたちだが、緑谷の次の行動を驚きを隠せなかった。
「
空中で真空呪文を放った緑谷は、軌道を変えてその斬撃攻撃を躱す。
それを見たヴィランたちは緑谷への警戒度を高めて作戦を再び練り直す。
「編隊のうちの右半分!!逃げたやつの後を追うぞ!!」
大声で響き渡った指示に従うように、船の左側にいたヴィランたちは一斉に緑谷を追いかけて船から離れていく。
その隙に、峰田は船の壁にモギモギをくっつけて、人の形のようなものを作り出す。
そして、大勢のヴィランが動き出したことを確認すると、峰田と蛙吹は船にできた亀裂から水中の中へと飛び込んでいった。
一方緑谷は、水面から放たれる攻撃を真空呪文で躱しながら飛んでいく。
が、投げ飛ばされただけなので徐々に高度を落としていく。
そろそろ限界だと判断した緑谷は水面にいるヴィラン達に向かって右手を向ける。
「
数人のヴィランを巻き込みながら、水面に氷が生成される。
氷の攻撃にヴィランたちはくっついて行動するのはまずいと判断し、すぐさま散開する。
緑谷はそれでも構わずに、何度か氷結呪文を放ち、半径5m程度の氷のフィールドを作り出す。
「
真空呪文を用いて、氷のフィールドに着地する。
そしてヴィランたちの場所を確認する。
何人かはこの氷のフィールドに氷漬けにされているため行動ができない。
(さっき船を割ったヴィランの攻撃力は凄まじかった。それに追いかけてきたときの水刃、その個性持ちは氷に閉じ込めてある。他の個性は分からないけど、あれ以上の攻撃力はないと信じたいな。)
「
自身に攻撃力上昇呪文をかけて、構えを取る。
すると案の定というべきか、1人のヴィランが水中から飛び出して緑谷に襲いかかってくる。
緑谷はその攻撃をしゃがんで躱すと、そのまま右肘をヴィランに向けて叩き込む。
攻撃力上昇呪文をかけているためその火力は一撃でヴィランを悶絶させるほどのものだった。
そして、地面に叩きつけるとそのまま氷結呪文を唱えてフィールドに新たなヴィランの氷漬けを作り出す。
それを見たヴィランたちは遠距離攻撃を繰り出し始める。
それを全て回避していくが、数の多さが回避し続けることの困難さを表していた。
そんな弾幕の中から再びヴィランが水中から突撃してくるも、左足で踵落としを繰り出し、脳天一撃でヴィランの意識を刈り取る。
近接戦の危険を察知し、遠距離攻撃をできるものは距離を取り、近距離しか攻撃手段を持たないヴィランは氷のフィールドを削り取り始める。
蛙吹たちは海面から7m近く深い場所へとたどり着いていた。
その上、海面付近では多くのヴィランたちが、船の上にいるであろうヒーローの卵たちに襲いかかろうと船を見つめていた。
蛙吹は水中をゆっくりと泳ぎながら、ヴィランたちの下をなぞるように泳いでいく。
そして、ベロに引っ張られている峰田は、上にいるヴィランたちに向けてモギモギを軽く押し出す。
モギモギは水中に沈むことはなく、プカプカと海面に向かって浮上していく。
浮上していくモギモギはやがてヴィランたちの身体へとくっついていく。
「ん?なんだこれ?」
ヴィランは自分たちの身体に付着する紫色の何かを、引き剥がそうと手でつかむもその瞬間に彼らの敗北は確定してしまう。
引き剥がそうとした、彼らの手のひらが紫色のブヨブヨにひっついて離れなくなってしまったのだ。
そんな事態に驚愕して、必死に引き剥がそうと足掻けば足掻くほど、紫色のブヨブヨはひっつき、さらに多くのブヨブヨが身体に付着していっていた。
それに気づき、周りに警告を飛ばそうと視線を向けた先では、自分と同じ様に紫色のブヨブヨに身体の自由を奪われ、戦闘不能に追い込まれていたのだ。
その瞬間に船の周りにいた大勢のヴィランたちは、自身たちの敗北を痛感せざるを得ないのであった。
ヴィランたちを制圧した蛙吹たちは沈みかけの船の上に戻り、
「し、信じられねえぜ!!俺たち生きてるんだ!!ヴィランに…勝ったんだぜ!!!」
「えぇ!すごいわ、峰田ちゃん!」
互いの健闘を称え合った。
しかし、まだ戦闘の全てが終わったわけではない。
まだ他の場所での戦闘は継続しているであろうし、なにより、まだ緑谷が戦っているはずだった。
それを理解している2人は、すぐさま蛙吹の跳躍で緑谷の作戦を第2段階へと進めたのである。
蛙吹は緑谷の頭上を通過すると、大きな声で緑谷の名前を呼ぶ。
すると緑谷は満面の笑みを浮かべながら、蛙吹と峰田の名前を呼ぶ。
その瞬間、緑谷は蛙吹と峰田が無事に作戦を成功させて、敵を殲滅したことを把握する。
そしてそれと同時に、この場にいるヴィランたちに不敵な笑みを浮かべる。
氷のフィールドから大きく飛び上がり、右手の人さし指を空中に掲げる。
そして彼のできる最大級の攻撃呪文を唱える。
「
人さし指を水面に向けて振り下ろすと、雷が水面に直撃し、辺り一面に強力な電流が流される。
その電撃によって感電したヴィランたちは、みなもれなく意識を失い、戦闘不能へと追い込まれる。
そして空中にいる緑谷をベロで拾い上げて、蛙吹、峰田、緑谷の3人はヴィランを殲滅したうえで、陸地へ着地し、水難ゾーンを抜けたのであった。
(また、通じた。大丈夫、今の僕の魔法はヴィランでさえ通じる。)
入試試験のロボット、訓練での爆豪、そして本物のヴィラン。
数多くの困難に正面から打ち勝ってきた、緑谷。
そしてその全ての敵に自身の魔法が通用してしまったことで、彼は勘違いをしてしまう。
【自身の力が凶悪なヴィランにでも通じてしまうのだと。】
3人は、ヴィランと戦った後だとは思えないほど明るく興奮した様子で戦地を離れていた。
「なぁ!俺たち倒したんだぜ!ヴィランを!!」
「そうね、2 人とも本当にかっこよかったわ。」
「いやいや、2人の力があったからこそだよ。本当にありがとう。」
そんな会話をしながら、彼らは広間の見える場所に移動しようとしていた。
緑谷はある懸念を考えていた。
それは、相澤先生がムリをしている可能性だ。
相澤先生は戦いに挑む前に、「一芸だけではヒーローは務まらん。」と発言していた。
緑谷もその後の集団戦闘を見たことで、イレイザーヘッドの戦闘スタイル、強みを理解したつもりであった。
だがしかし、本来の強みである戦闘であれば、普段からもっと集団戦でヴィランたちと戦闘をしても良いはずだった。
普段のイレイザーヘッドの戦闘は、末梢で相手の個性を消してから即捕縛の短期決戦。
普段の戦闘スタイルが一番得意な戦闘スタイルだと考えるのが自然である。
そこから導き出される答えは…
(…相澤先生は、無理して集団を相手に戦っている可能性が高い。だとしたらこのまま1人で戦闘を継続させるのは危険なはず。)
相澤先生を助けたい。
少しでも楽にしたい。
そういった考えが彼の中に芽生えていた。
そんな彼らが広間の見える場所まで行き見た光景は、まさしく地獄と呼ぶにはふさわしすぎる光景であった。
その光景に忘れていた恐怖が彼らの心を巣食う。
巨大な黒い身体の怪物が、イレイザーヘッドの身体の上にのしかかり、動きを封じていた。
しかも、その付近は血だらけであり、どれだけ悲惨な攻撃を加えられたのか、想像することすら憚られた。
イレイザーヘッドは怪物の方を見て"
"
腕を握りつぶされたイレイザーヘッドはたまらず悲鳴を上げる。
その悲鳴は生徒たちを恐怖のどん底にたたき込むには十分すぎるものだった。
そして、3人は瞬間的に理解する。
あれこそが、平和の象徴を殺すための手段なのだと。
体が震え始めて、背筋が凍りつく。
だが、この場で唯一人だけ、違う意味で体を震わせているものがいた。
「ふー、ふーっ!」
緑谷だった。
イレイザーヘッドの様をみて、怒りを滾らせていた。
握る拳に力がこもる。
自分たちの先生がヴィランによって、見ることすら避けたくなるような仕打ちを受けている。
これに怒りを感じざるを得なかった。
本来であれば恐怖によって、支配されていたであろう。
だが、彼の力はこれまで通じてしまっていた。
ゆえに感覚が麻痺していた。
そんな中、黒いモヤの男が体中に手のひらをつけた男の側に突然現れる。
それこそワープでもしたように。
そして2人はコソコソ話を始める。
だがそんなことはどうでも良かった、肝心なのは黒いモヤの男がこちらにやってきたことだった。
(黒いモヤが広間に来た!?ってことは入り口の方では決着がついたってことだ。みんなは無事か!?それとも…っ!!)
そう考えた瞬間、緑谷の中で何かが吹っ切れる。
体は自然と動いていた。
周りの静止する声は全く聞こえなかった。
緑谷の視界にはすでに、
【3人のヴィランの姿しか捉えてはいなかった。】
「ゲームオーバーだ…。」
そう呟いた男を他所に、緑谷は右手に魔力を集めて呪文を唱える。
「
緑谷の手から放たれた光弾は、黒色の怪物に着弾し爆発をたさ巻き起こす。
蛙吹と峰田の2人はその凶行に目を見開き、唖然とする他なかった。
掌の男と黒モヤの男も何事かとこちらを見つめている。
粉塵が巻き上がり、着弾地点の様子はまだ分からない。
そんな中一人の男がヴィランに向かって大声で叫んだ。
「相澤先生から離れろぉお!!!」
「
大きな声を上げて、自分たちにけんかを売ってきた生徒に対して、めんどくさそうに掌の男は首元をかきながら呟くように話し始めた。
「流石ヒーローの卵。まるで本物のヒーローみたいじゃないか。」
「とりあえず…。」
次の瞬間、掌の男が蛙吹の目の前に現れる。
蛙吹と峰田は突然のことに全く行動ができなかった。
だが、速度上昇呪文をかけた緑谷だけは違った。
そして感じ取る。
このヴィランはやばいと。
蛙吹に掌が触れようとした瞬間、わずかに早く緑谷のほうが行動を起こせた。
「離れろ!!!」
「
右手に火炎呪文を纏わせた状態で、掌の男に殴りかかる。
強い衝撃が辺りに響く。
緑谷は今の自身の攻撃に目を見開き、過去の会話を思い出す。
(魔法使いの戦術…とは少し違うがこれは覚えておいて良いものだ。)
そう言うと、師匠は木の枝を拾い上げて空へ構える。
(
雷が木の枝に落ちてきて、帯電する。
そのあまりの激しさと荒々しさに緑谷は思わず息を呑む。
(これが魔法剣。剣に魔法力のコーティングを施し、その上から魔法による強化を行う攻撃方法だ。)
かつて師匠から教わった魔法剣、そしてその自己アレンジの魔法拳であった。
(は、初めてうまくいった!魔法拳!こんな土壇場で成功するなんて…!)
そんな喜びを感じながら、直撃した場所に視線を映す。
するとそこに立っていたのは、全くダメージを受けてないようにすら見える黒い異形の巨人であった。
なんとか、間に合わせることができました。
小説内で初のオリジナル技【魔法拳】が登場しました。
魔法剣に似た技能だと思っていただければ大丈夫だと思います。
魔力のコーティングなど魔法剣にも少しオリジナルの設定を盛り込んでおります。
新しい魔法や技能もどんどんでてきますので、
ぜひとも次回もお楽しみください。