【第二部開始】もしも新宿決戦で五条悟が北を向いて両面宿儺に勝っていたら? - 呪術廻戦『受愚戴転』 -   作:糾縄如氏

47 / 84

【あらすじ】
手持ち呪霊、9割喪失。絶体絶命。
さぁどうする、夏油勲!?



第2部 5話『私の月、私の燈』・下

 

 ――漆黒を身に纏った女は。

 ――ただ、嫣然と、そこに佇んでいた。

 

 

 

「……ま、マジですか」

 

 

 

 手持ちの呪霊、九割を総動員した大攻勢。

 考えうる限り最大の肉薄を経て。

 

 夏油(カオル)は――驚愕せざるを得なかった。

 

 何ひとつして、彼女の手傷にならなかったという結果を前に!

 

 

 

「へぇ。技量は足りてないけど、頭は足りてたってわけだ。困ったなぁ。――その方が厄介じゃんね」

 

 

 

 壊れたステージのうえ、変わらずに立つ灰原(ゆい)

 

 彼女は、うざったい風をやり過ごしたような顔色で――何をするまでもなく、正面から『うずまき』を耐え切っていた。

 

 

 

 ――出した呪霊は全て、祓われた。

 ――綱引き勝負でさえ、彼女の完勝だった。

 

 そして、彼女は――壊れたステージを降り。

 少年と同じく、地に足を下ろす。

 

 

 

「こんな長引いたのは初めてだ。――『蜘蛛の糸(ラプンツェル)』、本気で殺しにかかるわよ!」

 

 

 

 そのくせ、まだ本気じゃなかったと言うのだ。

 ――少年は、思った。

 

 

 

(素晴らしい……! 人間、こうも強くなれるものなのか!!)

 

 

 

 夏油勲は、高揚していた。

 感涙さえ浮かべていた。

 

 

 

 ――そう、これこそを求めていたのだ。

 

 

 

 夏油傑(きけん)に向かうことで刺激を得て、死にそうなくらいの恐怖と苦痛を感じてこそ――初めて、己が生きていると実感している!

 

 こんな世界があったんだ。

 こんなにも、強くなれるんだ――なんて、面白い!!

 

 

 

 ……それはそれとして、

 

 

 

(――これを何とかする方法、何とか――宿儺ぁ! 何かないかっ!?)

 

 

 

 スローモーションになる世界。

 目の前にゆっくり迫る死の黒糸。

 

 これに見惚れていては終わってしまう!

 打開案を持たない頭で、迷いなく教えを乞うた。

 

 

 

 ――呪霊の手持ちはほぼ皆無!

 ――俺自身の呪力も限界が近い。『点』を呪力に変換して対抗――それだけで埋め合わせできる実力差か?

 

 

 

『……貴様。仮にも、その術式を持って半月であろう。思いつかないならば、ここで死ね』

 

(なんだって!? 頑張りゃ何とかなるのか、この場面!?)

 

 

 

 ――なんとかなる、らしい!

 そう呆れ声でもって保証され、少年は目を剥いた。

 

 

 

(うおおお! なんかそう聞くと本当に何とかなる気がしてきたぁ!)

 

 

 

 ――ならば上等。俄然、抗う気になった!

 ――あとは手段だ、どうすればいい!?

 

 

 

 これまでの情報を洗い直せ。

 目の前の敵の事だけじゃない。

 

 この術式に向き合った二週間を!

 己が秘めたる力を引き出せ!

 

 

 

 思いつけオレ、思いつ――!

 

 

 

「わかったァッ! こ〜ゆーことだぁああ!」

 

「コイツ、今度は何を――!?」

 

 

 

 誰がどう見ても絶対絶命の崖っぷち。

 

 だというのに、勝利を確信した声は堂々と轟く。

 

 

 

 ――本来、その術式運用には何らメリットがない。

 

 ――だが、この場面、この条件においては話が変わる!

 

 

 

 夏油勲は輝く笑顔でもって、大手を広げ、その頭上にて仕掛けを披露する。それ即ち――!

 

 

 

「これだ――呪霊、合体だあああ!!」

 

 

 

 そう! 低級呪霊同士の、合体を――!

 

 

 

――

―――

 

 

 

 残った手持ち個体のほぼ全て。

 30体を素材とした、15体の合体呪霊。

 

 それらは――産まれた時から、破綻していた。

 

 

 

(呪力量だけはデカい、けど。それだけね。無理矢理くっつけられて苦しんでるし……)

 

 

 

 ――無意味な苦し紛れ。

 ――灰原結はそのように見做していた。

 

 

 

 彼らの頭上、風船のように浮遊するそれらは――産まれながらに戦闘不能。攻撃能力はおろか生存能力がない。

 

 

 

 整合性を無視してくっつけられ、壊れている。

 

 瀕死のため呪力は莫大に見えるが、あくまでも蝋燭の最後の火に過ぎない。

 

 下等で、不出来な、浅ましさここに極まれりの下策――。

 

 

 

 ――――全て、問題なし。

 

 

 

 

「さぁ、トドメを――!」

 

 

 

 呪力全開。灰原結は攻撃に全力を投じる。

 髪は勢いそのまま、少年を串刺しにせんとして――。

 

 

 

 ――髪が。すべて真上に向かった!

 ――夏油勲でなく、合体呪霊へと!

 

 無条件(フルオート)に、莫大な呪力反応に従って!!

 

 

 

「――『蜘蛛の糸(ラプンツェル)』ッ!? なんで!?」

 

「――コガネ、47点ぶん、呪力ブースト!」

 

「あいよ――っ!」

 

 

 

 それが、少年の狙いだった。

 

 夏油勲は迷わず一直線。

 剥き出しになった灰原結へと駆け寄る。

 

 そう! これが、唯一の攻略法!

 

 

 

「即ち! ――フィジカルによるゴリ押しじゃぁあああ!!」

 

「ぐっ、あ――ァああッ!!?」

 

 

 

 そう、シンプルに拳!

 

 ただただ、呪力を纏っただけの拳!

 

 男女平等パンチによる鉄拳制裁!!

 

 

 

「おっ、まえ――があっ!?」

 

「予想的中だぜ。髪にお任せしすぎてよぉ――ケンカの経験値が足りてないんじゃあないか!?」

 

 

 

 驚くほどに一方的なタコ殴り。

 しかしそれは必然であった。

 

 この術式の仕様が――呪力の大きさに反応するフルオートであると、灰原結は知らなかったのだ。

 

 

 

(さっき大型呪霊を出した途端、ザコへの攻撃は一切なくなっていた――この術式は、より大きな呪力に反応する。死に際の呪力とは、この場で最も大きなモノ!)

 

 

 

 ――さっきの瞬間、夏油勲だけはそれに気づけた。

 

 呪霊の喪失反応による濃霧。観測不能の只中であろうと、彼は『呪霊操術』で、どれだけの手駒が死んで、どれだけ残ったかを把握できる。

 

 

 

(何故!? あり得ない! 私の『蜘蛛の糸(ラプンツェル)』が、こんなガキに攻略されるわけが――!!?)

 

 

 

 ――では、なぜ今日まで彼女は気づけなかった?

 

 ――そもそも『外付けの術式』だからだ。

 

 

 

 生得術式であれば4~6歳の時点で、術式の概要をおよそ自覚できるが、外付けではそういかない。マニュアルもない以上、彼女は術式を手探りで知っていくしかなかった。

 

 

 

 あとは、すべて彼女自身が言っていた。

 

 ――これほどに時間が掛かった事は無い。

 ――襲ってくる奴は皆んな殺したハズ。

 ――演奏を最後まで聴かれた事は無い。

 

 

 

 ――――つまりだ!

 

 

 

「機会がなかった! アンタはこれまで、ピアノ演奏で無防備を装い、襲われた瞬間に術式を解放! 初見殺しの短期決戦で勝ってきた! そら初めてだろうさ――こういう泥臭いのはよぉ!!」

 

 

 

 とはいえ――術式のマニュアル操作に切り替われば、その時点で負ける。それこそ『点』を呪力に変えられれば必敗!

 

 

 

「んぐ、が――ぁ、ああクソダラあああ!」

 

「でもなぁ、こちとら、ケンカなら負け無しなんだよッ!!」

 

 

 

 故に間髪なく、腹や顔面に容赦なく威力(ぼうがい)を叩き込む。

 

 足を払いのけ、打撃を重ね、呪力強化された身体のHPを確かに削っていく。

 

 一見して絶対的優位。だが夏油勲に後はない。

 

 

 

 ――今こうしている間にも、頭上の合体呪霊(デコイ)は次々と祓われまくっている。この優位条件で倒しきれなければ、もはや打つ手なし――!

 

 

 

 これが最後の逆転要素。

 タイムリミットは間近!

 

 

 

 故に――いっさいの躊躇なく、機械的に、冷徹に。少年の拳は命を削りにかかる!

 

 

 

「どうだ、殺されるってのは痛いんだぞ、苦しいんだぞ! それでもまだ、弱肉強食なんて言えるのかよ!」

 

「――んなこと、最初から知ってんだよ! この世界は力がすべてだ!!」

 

 

 

 殴り合いでなく、一方的な殴り。

 その撲殺過程においてなお、女は叫んでいた。

 それこそ、彼女の言ったように、剥き出しの感情を。己が本性を。

 

 

 

「兄さんも、誰もが、いつかは喰われるんだ! お前も、私も――――!!」

 

 

 

 ――そんな。

 

 ――噛み殺してきた、悲鳴に似た声さえも。

 

 

 

 だが無情にも、少年の拳は、容赦なく黙らせにかかり――!

 

 

 

 

 

「――やめだ」

 

 

 

 

 

「――、は?」

 

『……む?』

 

 

 

 

 

 ――少年の、拳は、止まっていた。

 

 

 

 否、それどころか。

 その場の呪霊すべてが、自ら命を放棄し、消え去っていた。

 

 彼の胸中、両面宿儺でさえ意図を図りかね、困惑を漏らす。

 

 

 

 さっきまでの威勢が、嘘のように拳を下ろし、

 ――少年は、ただ静かに立って、女を見据えていた。

 

 

 

「……なんのつもりだよ」

 

「最初に言ったろ。アンタとは戦いに来たんじゃない。……改めて、戦うべき相手じゃないって分かった」

 

 

 

「んなこと、言ってる場合じゃねーだろが!」

 

 

 

 もはや邪魔立ては一切無し。

 振るわれた灰原結の術式(かみ)は、少年にぶち当たる。

 

 巨大呪霊さえも圧殺した質量と速度の両立。

 それが容易に彼の体をふっとばし、盛大に転がした。

 

 

 

 ――にもかかわらず。

 

 ――少年は、何事もなかったかのように、再び立ち上がっていた。

 

 

 

 ――――わけが、わからなかった。

 

 

 

「余裕ぶっこきやがって、なんなんだよお前は! なんだって今更死にに来た、私相手に説教かよ、ええ!?」

 

 

 

 幾度と、その身に鞭打ちは放たれた。

 

 女にとって、ここまで己を傷つけた相手は初めてであった。もはや容赦する理由がなかった。たとえ、相手が無抵抗であろうと。

 

 やられたらやり返す。殺さなきゃ殺される。血走った眼の女により、少年は当然の応酬を受け――。

 

 

 

「――そういう、アンタは気持ちいいのかよ――楽しいかよ、これが! 今、思いっきり殴らせてやってんだぞ!!」

 

 

 

「――、っ……!!」

 

 

 

 それでも、その眼差しは健在であった。

 

 それ故に――より、苛烈に、髪の嵐は黙らせんと荒れ狂う。

 

 

 

「クソ親父にも言えたことだがよぉ――力は、強いからこそ容易に間違う! アンタは強いから灰原結なんじゃない、灰原結だから強いんだろ! 今振るってる力は本当に、灰原結(アンタ)のためになってるのかよ!?」

 

「……ご立派な命乞いね。いい加減に――!!」

 

 

 

 呪力を伴う髪の暴雨、決まり切った勝敗。

 だが、少年に屈服の二文字はない。

 

 その全てを、だから何だとばかりに声は、果敢と響く。

 

 

 

「この儀式を起こしたのはクソ親父だ! アンタが人を殺さないといけないのも、オレが傷付くのも――すべては、夏油傑の責任だ!」

 

「夏油傑……じゃあなに、復讐したいわけ? その前にここで死んじゃうけ、ど!?」

 

 

 

 再度、ブッ飛ばす。

 もはや何度目かも分からぬ鞭打ち。

 

 スパーンと破裂音が空を裂き、裂傷を刻みつけ、

 

 

 

「そうだな、でも今、もっと大事なことを見つけた気がする――オレはァッ!」

 

 

 

 だが――少年は。

 何度でも立ち上がり、激怒を振りまく彼女の元へ。

 

 歩みを進め、胸を張り――威風堂々、叫んだ。

 

 

 

「オレは、このくだらない戦いを――呪術を、終わらせるッ! これ以上、呪術(ちから)によって不幸になる人のいない世界を作る!!」

 

 

 

 ……何もかも、チグハグだった。

 

 敗北し、ここで死ぬ事が決まった男だ。

 これ以上なく、攻めに回った女こそが、自覚していた。

 

 だというのに、何が見えているのか。

 

 

 

 ――彼の目には、曇りひとつない信念があった。

 

 

 

「そんなの、できるわけが――」

 

「できるかできないかじゃない。まだ何様でも何者でもないんだ。全力を尽くさなきゃ、オレは死んだように生きているだけだ!」

 

 

 

 何が、そうさせるのだ。

 何が、そのように言わしめるのか。

 何の確証もないと自ら認めておいて、何故そこまで。

 

 

 

「自分の持てる力、総てを注ぎ込んだ後じゃなきゃあ諦められねぇ――オレは、まだ産まれ落ちちゃいないんだ!!」

 

 

 

 ずんずんと、歩みは進む。声は高らかに。

 身を焼く拒絶など意に返すことなく。

 真っ直ぐと澄んだ瞳が、女を見ていた。

 

 

 

 ――――、けれども、偽善だ。

 

 ――そのような綺麗事で身は守れない。

 ――そんなバカ正直でいたらバカを見る。

 

 

 

 そう――――『あの人』の、よう、な――。

 

 

 

「だから、頼む。……オレに手を、貸してくれッ!」

 

 

 

 ――失ったハズの、陽光(ひかり)が刺した。

 ――その少年を前に、瞳孔が萎んだ。

 

 

 

「……本気で、言ってるの?」

 

「やるさ。必ず、生きている限りはやり通す」

 

 

 

 ――ああ、そうか。

 

 ようやく、灰原結は自覚した。

 いや、わからないふりをしてきたという方が正しい。

 

 

 

 ――本当に、バカみたいだ。

 

 ただのガキの妄言だ。裏表のない、子供の善良さだ。

 

 それを持ち続けられるヤツなんて、バカか底抜けの善人であると相場が決まっている――私には、無理だった。

 

 

 

 きっと、そういう人たちが――兄を殺したのだろう。

 

 

 

「なにより……やれることを精一杯やるって、気持ちいいからな!」

 

「――、!」

 

 

 

 そして。目の前にいるのは、その類の人間。

 まさしく、底なしの善人で。

 

 彼女は、悟った。

 

 ――否定できるわけがなかった、と。

 

 

 

「……、分かった――貴方の夢に、賭けてみる」

 

 

 

 燈は、燃え移った。

 滲み出す一筋が、その白貌に輝く。

 

 微かに。けれども熱く。強く――失った輝きを、取り戻すかのように。

 

 

 

―――

――

 

 

 ……さて、灰原結は、危機に瀕していた。

 なにせ、この状況はよろしくなかった。

 

 

 

 ――中学生男子の前で号泣する成人女性(24歳)、なんて絵面が爆誕する瀬戸際なのだ!!

 

 大人の威厳が損なわれる――既に結構損なった気がするが、これ以上の被害は回避したい。

 ぐっと防波堤を呪力強化し、分水嶺間際で何とか押し留めんとして、

 

 

 

「うわ、分かっちゃいたけど、この学ランもうダメかぁ……ですがご安心! 何を隠そう呪霊に替えを携帯させているのです!」

 

「うっわ汚ねっ」

 

 

 

 すんっ、と、急速に落ち着きを取り戻す。

 それほどまでに――大口を開く呪霊から、綺麗な日用品がお目見えする絵面は強烈であった。

 

 

 

「え~、リアクション悪っ――いやそっか、今は服より薬品ですよね。はい薬箱どうぞ!」

 

「いや違うし。まず君でしょ。滅多切りされてブたれまくって。終盤の煉獄さんみたくなってるし……」

 

 

 

 取り戻した冷静さでもって、灰原結は薬箱を受け取り、中身を漁る。

 

 ――彼の状態は深刻だ。見ているだけでも痛々しい。なにせ真新しい傷がたくさん――あれ?

 

 

 

「……えっ、もう塞がってんの。キモっ」

 

「ふふん、傷の治りには定評があるんすよ。こないだプールの授業で勢いよく飛び込みすぎた時なんか、頭打ったけど数分で治りましたし!」

 

「ダチョウか何か……?」

 

「そのせいか、この前髪いくらチョン切ってもすぐ戻っちゃうんですよね〜……というか灰原さん、なんでそんなテンション低いんです?」

 

「いやこれ素だから。もう酒抜けてっし」

 

 

 

 思わず低めの声が出ていた。

 そして、今更取り繕うのもバカらしくなって、術式を解除した髪を搔く。

 

 

 

 ……このガキに、全てを賭けた。

 自分で、自分の感性がわからない。泳者として無謀が過ぎる。

 

 けれども――これでよかったのだと。

 不思議なくらい、そう思えているのだ。

 

 

 

「……どうせだから、私の荷物も入れてくれる?」

 

「はい! ……って、いや。危なくないですか、荷物分散させた方が、いざって時――」

 

「そん時は必ず私が守る。あと、敬語じゃなくていいし、呼び捨てでいいから」

 

 

 

 モヒカンから奪った特攻服を羽織り、歯を見せて笑う少年。

 似ても似つかない塩顔だけれど――やっぱり、重ねてみてしま――。

 

 

 

「では、結姐さん! お近づきの印に、こちらをどうぞ!」

 

 

 

 ――、はい?

 

 

 えっ、なんで空のコップを手渡された?

 なんで、手持ちの呪霊2体、わざわざ潰した?

 

 そんで、えっ、なんか汁出して、コップに注がれて――えええええ、コイツ、呑んでる!?!?

 

 

 

「……(無言で口をパクパクさせる結)」

 

「っか~染みる~! 呪力カラッカラの体に活力が戻ってくるぜぇ! ほら姐さんも、ぐいっといっちゃいなって、ぐいっと!」

 

「い、いや、私、こんなことしなくても呪力捻出でき……」

 

 

 

「ほらイッキ! イッキ! 姐さんの良いとこ見てみた〜いっ!」

 

「その台詞言いたくて姐さん呼びにしたんじゃないでしょーね!? ああもう分かったわようざったい!」

 

 

 

 灰原結は、推しに弱かった。

 ヤケクソ染みた気分で呪霊を掴み、毒杯を煽り――、

 

 

 

 

「ごっぶ、マッズい辛っ!? 喉焼け、えっう゛――オェ、ェェェェェ!」

 

「あれま、姐さん二日酔い? も〜、しょうがないなぁ」

 

 

 

 

 ……コイツ。やっぱロクでもないヤツなのでは?

 なんて思考を最後に、意識を放棄したのであった……。













【次回予告(27・木に投稿予定)】



 ――五条悟は、完全体両面宿儺に勝利した。

 全部が全部、丸く収まったと思われた2018年。



 だが、それでいいのか。
 彼だけは喜べなかった。

 噛み締めた無力感(のろい)は、今――この時にこそ、牙を剥く!



 特級術師・乙骨憂太
 滞留区画(ブロック):甲信越



 ――2025年。『現代の異能』、再始動――。




――
―――



……え~。ハイ。そういうわけで。

本当に申し訳ございません(土下座)
夏油(カオル)編は一旦お休みして、次回から別ストーリーに移らせてください。

2部が群像劇である都合上、原作同様こうならざるを得ませんでした。

来年頭には(カオル)の話は再開させます。
どうか引き続き応援の程、よろしくお願いします。



【シリーズ構成について、より詳しく↓】

第二部は『幕』の中に、
A編、B編、C編といった複数のストーリーがあります。



※イメージ↓

第一幕 池袋ブロック -虎杖悠仁編-
第一幕 新宿ブロック -伏黒恵編-
第二幕 仙台ブロック -乙骨憂太編-
第二幕 東京第二ブロック -秤金次編-



それぞれ主人公は異なり、滞留区画も異なります。

つまり、第一幕・勲編が終わったら、
「一方そのころ」と別主人公の話が挟まってから、
第二幕・勲編につながっていくわけです。

そうして広がった話や伏線が、最終的には全て合流し、夏油勲のストーリーに帰結します。



読み進めてくだされば雰囲気でわかるよう作るつもりです。

それだけ遠大な話になるんだなー、ということだけ、ご承知おきください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。