転生者はリリベルになったが、追放されてリコリコに流れ込む 作:ライダーGX
ストーカー被害に遭っている沙保里さんを護衛する事になった俺達、ストーカー被害に遭っている理由は、取引現場の画像が偶然にも映ってしまっているからだ。
これは偶然と言っちゃいいのか分からない。でもヤバい状況なのは確かな様だ。
俺達は店を出て、沙保里を見送ろうとする。
「今日はありがとう、話を聞いてくれて」
「いえいえ、あ、沙保里さん。今日は家に泊まりに行っても良いですか?」
「え? ええ良いわよ。是非来て頂戴。でも彼等はどうしよう…」
沙保里さんは俺達を見ながら少しだけ困っていた。心配はございません。
「ご心配なく!龍君達は車内で寝る事になっていますから!」
「ええ~…それは流石に」
「千束さんの言う通りです。僕達はそれにはなれていますから、ご心配なく」
トオルがそう沙保里に言い聞かせ、それに沙保里さんは若干苦笑いをしてしまう。無理ないだろうな…。
「よーし!決まりですね! それじゃあ龍、着替えを取りに行きたいから車乗せてくれない?」
千束は俺にそう言って来て、俺はそれに呆れてしまう。
全く千束の奴め…、こう言う所だから憎めないんだよな…。まあいいか、俺達は最初から車内で泊まるつもりだったから、その間に警戒しておくか。
「よし、行くか。トオル、お前は沙保里さんに付き添ってくれ」
「はい」
「たきなもお願いね? 【命大事】だからね?」
「分かりました」
そう言って俺は千束と一緒にカマロでリコリコへと向かい着替えを取りに行った。、沙保里はその様子を見てホッとする。
「何だか面白い子ね。なんか怯えていたものが一気になくなちゃった」
「ははは、それは何よりです。ほらたきなさん、行きますよ?」
トオルがそう沙保里に言った後にたきなを呼び、たきなはそれに若干不満そうな顔をしていた。
「…不安ですね。私は」
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俺がカマロをリコリコに向かわせる中、俺はあることを気にしていた。それはたきなに命大事と言った事だ。
俺は劇中の事を知っているから、あいつがそう簡単に命大事を理解する筈がない。
「…千束、たきなは本当に大丈夫か?」
「え?大丈夫大丈夫! ちゃんと命大事って言ってあるから!」
「だからだよ、あいつは今日来たばかりの奴で、俺達の方針すら知らないんだ。そう易々と納得すると思うか?」
「…え」
千束はその事を聞いて、少しばかり考える素振りをする。一応千束はたきなに説明はしただろうと思うけど、あいつは俺らが見てない所で強硬手段を取ると思うぞ。
俺が説明した事に、千束は徐々に表情が重くなっていく。
「……い、いや~…流石にそんな事は…。あ!でも今はトオル君が付いてくれてるから、大丈夫だよね!?」
「まあトオルが付いてくれてるから、強気な姿勢は出ないと思うが。それでも心配だ…」
俺はそう思いながらリコリコに着替えを取りに向かう。
そしてその予感はと言うと。
トオルがたきなと一緒に沙保里さんの家に向かっている中で、沙保里さんは千束とたきなが今日初めて会った事に驚く。
「へぇ~、じゃあたきなちゃんは千束ちゃんのバイト先の後輩で、今日初めて会ったの?」
「はい、優秀な人らしいんですが、見えませんよね」
「(ははは…、そう思いますよね。絶対に)」
トオルはその事に苦笑いをしながら思う、最初優秀な人材である事を聞かれた時は、トオルはそれに首を傾げた事は言うまでもなかったな。
そして初めて千束と会ったのは、あの作戦だ。
俺ともあったのも、この時だ。
「じゃあたきなちゃんはどうしても前のバイト先に戻りたいと?」
「戻りたいです」
たきなは早くDAに戻りたいと感じてはいるが、たきなはDAの上層部がラジアータをハッキングされて、通信障害を隠す為にたきなをリコリコに転属する形で隠蔽工作を行った。
どいつもこいつも上層部は保身に走りたがる。
たきなは知らずにそいつ等の生贄にされてしまったんだ。
するとトオルがカーブミラーを見て、何かに気づき、同時にたきなも気づいた。
尾行されている事を…。
「そっか。じゃあ私も協力するよ。なんてったってバイト経験豊富な私が──」
「すいません。先に行って「沙保里さん。近くにコンビニに行って飲み物を買って欲しいんが。これお金です」っ…」
「え?いいけど…?」
トオルはたきなが言おうとしたのを察して、沙保里を安全な場所に避難させようとする。
そう言って沙保里は近くのコンビニに向かって良き、トオルは少しばかりホッとする。
「……ホッ」
「何してるんですか?」
っとたきなが若干睨んでくるような感じでトオルを見て、トオルは呆れた感じで言う。
「たきな。貴女こそ何をしようとしているんですか?」
「相手は沙保里さんのスマホのデータを目的としています。だとすれば銃の在りかも」
「駄目です。いくら何でも沙保里さんを囮にしようとする考えは僕からすれば論外でありますし、護衛任務が滅茶苦茶になります」
「ですが…」
「それに相手が1000丁の銃の在りかを知っているかどうか怪しいものです。1000丁の銃を使うとなれば、大勢の人員が必要となります。彼がそれを知っているとも限らないですし、下っ端の可能性もあります」
「彼等がそうだと?」
「もちろん可能性の話しですよ。どちらにせよ、沙保里さんを囮に使うような事は絶対にダメです」
「…じゃあ私はどうすればDAに戻れるのですか」
たきなはどうしてもDAに戻りたがっている。
地方にいたリコリスにとってDA本部で活動出来る事は、まさに名誉と言えないだろう。
だがそれはDAの半ば洗脳と言った所だ。
トオルも俺と一緒にいて、俺の追放処分に巻き込まれてしまったから、DAの洗脳に飲まれず、真っすぐな奴になってくれたのだ。
だが今回のたきなは半ばDAの純粋な所の出身だ。こればかりはどうしよもない。
「それは僕からはどうしようもありません。ですが龍さんと千束の活動を間近で見て、それを実感して見て下さい。彼等から得られる経験はたきなが感じた事もない光景が見られると思います。それだけは保証しますよ」
「……」
たきなはそれに黙り込み、何とか危険を回避したトオルはそれにホッとするのであった。