転生者はリリベルになったが、追放されてリコリコに流れ込む   作:ライダーGX

37 / 43
お待たせしました。更新です。


第36話

今回例の事件がやって来るのを知っている俺はあえて知らないふりをする。これを知ってもどうする事も出来ないからな。

 

そして依頼人の乗せたを黒い車が一台リコリコの前に止まった。

黒服の男性がリコリコのドアを開ける。

 

「お待ちしてました~。あっ」

 

千束が挨拶をした際に黒服の男性だった為、間違えたのか言葉が止まる。

 

そして車椅子に乗った老人【松下】が入って来て、俺はそれに目を細める。

 

スーツを着てゴーグルをした状態…、そして何より機械がぎっしり詰まった車椅子。なんとも分かりやすい感じのものだ。

これが“あいつ”が裏で見ているなんて思わないよな。

 

松下が入って来たのをミカが言う。

 

「遠路はるばる来ていただきありがとうございます」

 

『少し早かったですかね? 楽しみだったもので』

 

松下が黒服の男達に話しを付ける中で、千束がしおりを持ってを渡そうとした時に俺がそれを止める。

 

「千束、待った」

 

「え?何で?」

 

「あれだ」

 

俺は松下の方に指さすと、ゴーグルと車椅子、そして手が完全にやせ細っている状態で持つのが困難、それに気づいた千束がそれに頷き、クルミにデータ化を頼む。

 

クルミがPCを使ってしおりの状態をデータ化している中、松下は千束と話していた。

 

『今じゃ機械で生かされてまして。おかしいでしょう?』

 

「いえいえ、そんな事無いですよ。私も同じですから、ここに」

 

っと千束は自分の胸辺りにハートの形をさせて松下に見せる。

 

それを見た松下は問う。

 

『ぺースメーカーですか?』

 

 

 

 

 

「いえ、()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

「え?」

 

その言葉を聞いたたきなは驚き、クルミもそれに反応し、その様子を見ていたトオルが俺の方を見る。

俺は何とも言えない様子に肩をくすね、トオルはもうため息しかなかった。

 

そんな中で松下が言葉をこぼす。

 

『人工心臓ですか』

 

「あんたのは毛でも生えてんだろうね」

 

「機械に毛は生えねぇっての!」

 

ミズキの言葉に千束は反論する。一方全く知らないたきなはそれを聞こうとした。

 

「あの!一体どう言う…」

 

「よし、出来たぞ」

 

『おお、これは素晴らしい』

 

クルミがデータを松下のゴーグル内に送信し、それを見て感心する松下。

 

「では東京観光!出発!」

 

そして出発の時間が来て、千束が松下の車椅子を押し始める。

残されたたきなは俺達の方を向いて問う。

 

「あの…さっきの話は?」

 

「たきなー!行くよー! ミズキー!車ー!」

 

「あっ!はい!」

 

千束に呼ばれた事にたきなは慌てて追いかけ、ミズキは仕方なさそうにしながらも自分の車を取りに行った。

 

残された俺達は勿論だが、トオルは少し呆れた様子でミカを見る。

 

「店長…、やっぱり言ってなかったんですか?」

 

「…千束に任せればいい」

 

「あまいぞミカ、あいつその事に関しては一向に喋らないし、それから逃げようとする。それはアンタがよく知っているだろう」

 

俺の言葉にミカは言葉を失う。

 

あいつの人工心臓は俺だけじゃなく、トオルやミズキが知っている。ここに居る以上千束の人工心臓の事は隠さずに話すのが筋だ。だがたきなには言わないのはあいつの悪い所だ…。全く…あの馬鹿は。

 

「…千束の判断に任せるのは悪くない所だけど、ちゃんと話すところはちゃんと話す。それが筋ってもんだろう? アンタに言っても仕方ない事だけど、せめて大事な事を伝えないと、後で必ず後悔する…。そこだけは分かってくれよ」

 

「……」

 

「…それじゃ行くぞトオル」

 

「え? あ、はい…」

 

トオルは慌てながら俺の後を追いかけ、スープラで千束達の護衛をするのだった。

 

「…後でボクにも教えろ」

 

「…ああ、分かった…(やれやれ…痛い所を突かれてしまった)」

 

クルミにそう返事した後、ミカは俺にに言われた事に少しばかり反省するの、いや、きちんと反省して貰わないと困るからな…。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

千束達が松下と共に東京観光している中で、俺とトオルはスープラの中で対象者の護衛を務めていた。勿論遠い場所での所でだ。

あんまり近寄り過ぎると返って気づかれるからな。

 

あの“連中”に…。

 

「…先輩」

 

「ん?どうした」

 

俺はトオルに声を掛けられ、トオルの方を見ると、トオルは少しばかり思いつめた様子で俺に問う。

 

「…先輩はどう思ってますか? 千束の事を…」

 

「どうって、それはどう言う事だ?」

 

「いやほら、先輩っていつも千束の事を考えてますよね? 僕等リリベルにとっては当時倒さなきゃいけない相手だったんですけど…」

 

「…俺はそんな事、何一つ考えてない」

 

「え?」

 

俺の言葉にトオルは俺を見て、俺は少し外を見ながら言う。

 

「俺は千束を抹殺対象なんて、何一つ考えちゃいない…、アイツは見ての通り自分のやりたい事を最優先する奴だ。どんな理由だろうと殺しは絶対にしない…、そんな奴を俺は殺す事なんて思わないさ」

 

「…本当に先輩は変わってますよ、普通なら何もかも上に従って動くのが普通なのに…」

 

「それは普通じゃないんだよ。それだと操り人形みたいになってしまう。それじゃダメなんだ…」

 

そう…、リリベルは勿論、リコリスの皆だってそうだ。DAは孤児を引き取った後に隠密な感じで殺しの教育、暗殺者に育て上げて来た。

俺は原作を知っているからこそそれに抗う事が出来るんだ。そうでなきゃ皆は何時までも操り人形のままだ…。

 

まあ千束の場合、あの手術があったから、殺しから人々を救うようになったって言うのは、言うまでもないな。

 

するとミズキから無線が入る。

 

『龍、また移動したから次』

 

「おう、分かった。それじゃ行くか」

 

「はい」

 

俺はスープラを動かし、護衛任務を続けるのだった。

 

 

後そろそろ“サイレント・ジン”が来る頃だな…。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。