ある日の放課後、秋水は非常に困っていた。
まぁその困らせてくるブツを処理する為にグラウンドへ向かう途中、ヴヴヴ三姉妹が途中のベンチで何か打ち合わせをしていた。
「あ、ソマちだ!」
「よすヴィヴち、姉妹で出かけるの?」
「週末にお出かけだからその打ち合わせ!」
元気に声をかけてきたのは三女のヴィヴロスだ。
元気一杯愛嬌たっぷりで、かなり人気があるウマ娘だ。
「ちょ‥‥‥ヴィヴロス‥‥‥秋水トレーナーにそんな呼び方駄目だよ」
「いや良いって良いって、ソーマさんって苗字呼び苦手なのよ」
「そうなんですか?」
「ほら、やよいちゃんと似てるからさぁ〜」
ヴィヴロスを注意したのは次女であるシュヴァルグランだ。
長女とヴィヴロスにはあまり似てないが、非常に整った顔つきをしており更に姉妹の中では一番スタイルが良い。
ちなみに余談だがファンの男女比がほぼ半々と言う感じで女性人気がかなり高い。
「そうなのですか、意外ですね」
「そうそう、だから気軽に下の名前で呼んでね♪」
「それは恥ずかしいので遠慮します」
キッパリとNOと言うのは長女であるヴィルシーナだ。
長女故に確り者なのだがかなりレベルの高いシスコンであり、またウインバリアシオンと同じシルバーコレクターと呼ばれている。
原因は主に貴婦人なのだが。
「ソマちはなんで此処に?」
「いやぁ、実はニシノちゃんにリベンジ果たす為にクッキー作ったんだけどミスっちゃってさ〜」
「秋水トレーナーがミス?珍しいですね」
料理に関してはミスをしないと思っていたシュヴァルは意外な事過ぎてビックリしていた。
「食ったら一時間位大人になるクッキー出来ちゃってさぁ〜分量間違えたかな?」
「何の材料を使ったらそんな効果が出るのですか!?
貴方は錬金術士か何かですか!?」
「だから甘い匂いしてるんだ!」
「そうそう、でも処分方法に悩んでてさ〜
下手に焼却処分したら煙から効能が広がるかも知れないから取り敢えずコンクリ詰めして埋めるかな」
「そんなウランやプルトニウムみたいな事が必要な危険物なの!?」
ヴィルシーナのツッコミとは裏腹に、割りと興味津々なヴィヴロス。
「ねぇ〜ソマち〜お願〜い♪
クッキーちょうだい」
凄い甘えた声でお願いしてくるヴィヴロス。
流石末っ子、あざとい。
「良いけど悪用するなよ〜」
「うん!ありがとうソマち!」
そう言って手渡されたのは何故か滅茶苦茶ファンシーに梱包されてるクッキー。
枚数は六枚だ。
「ほらお姉ちゃんもシュヴァちも食べよ♪」
「ヴィヴロス‥‥‥」
「駄目?」
めっちゃキラキラした目で頼まれ、断れずにシュヴァルとヴィルシーナは一枚手に取った。
そしてヴィルシーナは南無三と心の中で唱えて一口齧る。
硬すぎず柔らかすぎずの絶妙な食感に、コーヒーにも紅茶にも合うギリギリのラインを攻めた甘さ。
香りは使っている小麦粉が良いのかまるで力強く育った小麦の見せる黄金の海を連想させる。
そして口に残る嫌な食感は無くスッと溶けて甘さと香りを残し消えていく。
「お、美味しい!?」
「‥‥‥秋水トレーナー‥‥‥凄く美味しいです」
「こんなに凄いクッキーなんて初めてだわ」
三人はこの味に感動しゆっくり食べる筈がいつの間にか食べ終えてしまっていたほど夢中になってしまった。
これにはヴィルシーナは内心落ち込むが、妹達の笑顔と旨そうに食べてくれて嬉しい秋水の顔を見て何とか立て直す。
「どうどうソマち、大人になった?」
「これで確認すりゃ一発よ」
そう言って何処からとも無く現れる姿鏡。
しかもご丁寧に滅茶苦茶煌びやかな細工のされた凄い物だ。
「へぇ〜こうなるんだ〜」
ヴィヴロスは絵に描いた様な陽気に見える美女になっていた。
身長は少ししか伸びてないが天真爛漫な笑顔は映えており、スタイルもかなり良くなっている小動物系な感じだ。
「僕‥‥‥ですか?」
「せやでシュヴァち」
次はシュヴァルなのだが、スタイルは大きくは変化していないが顔付きがよりシュッとして下手なイケメン芸能人よりもカッコよくなっているのだ。
しかも身長も伸びており、サラシを巻いて男装すれば何人か釣れそうだ。
「私‥‥‥ですか‥‥‥?」
「同じ質問は答えにくいなぁ〜」
次はヴィルシーナなのだが‥‥‥凄い美人なのだ。
顔の作りは大きくは変わらないが身長とスタイルは微増し、何処か妖艶な空気を纏う傾国の美女と称されそうな程に成長している。
「ねえねえソマち、この中だと誰が好み?」
かなり謎な秋水の女性の好みのタイプを聞き出そうとするヴィヴロス。
秋水は三人を見比べると一つ頷いた。
「系統が違い過ぎて無理、だな」
「どーゆうこと?」
「ヴィヴちは可愛い系だろ
そりゃめっちゃ可愛いから好みだ
でシュヴァちはカッコいい系だろ
こう‥‥‥なんかグッとくる
でだシーナは美人系じゃん
滅茶苦茶好み
つまり三人共好み過ぎて選べませんねぇ!」
「「っ!?」」
「お〜ソマち女の子の喜ばせ方知ってるんだね」
「?
生憎と学生比率が男寄りまくりの場所で過ごしてきて高校は男子校だったからそんなの学ぶ機会はありません!」
彼の出身校はトレーナー専門学校各離島支部、通称男塾支部と呼ばれる超男臭い学校だ。
学園長が昭和な人間であり、かなり気性の荒い人物なので鉄拳制裁は日常茶飯事だった。
ちなみに秋水達が入学した翌年には革命を起こし、そのまま鮫と自由遊泳させられて死にかけたとかなんとか。
「シュヴァルちゃん!?
え!?何で大人になってるの!?」
「あ、キタさん‥‥‥秋水トレーナーのお菓子食べたらこうなったんだ」
「いったいどんな魔法よ!?」
「お菓子って、もしかしてこの間のチョコレートの件ですか?」
シュヴァルグランに話しかけたのはキタサンブラック、スイープトウショウ、そしてニシノフラワーだ。
「おう、ビターで作っちゃったからニシノちゃんに辛い思いをさせちまったからリベンジのお菓子作ったんだけど‥‥‥ミスって一時間くらい大人になる副作用が出ちまったんだよ」
「どんな副作用よ!!!もう完全に魔法じゃない!」
「残念、ソーマさんは魔法使いにはなれないのです」
「「「「「?」」」」」
「っ!?」
少しからかいネタを振ってみるもヴィルシーナ以外は全く理解出来てなかった。
流石長女、ムッツリであったか。
「週に何回か変なの出来ちゃうんだよなぁ〜この間なんて走る芋羊羹が出来ちまったし」
「ねぇ、材料に賢者の石とか使ってんの?」
「いや、至って普通の材料だぞ
俺の中のニンジャソウルが悪さしてんのかなぁ?」
「秋水トレーナーさん忍者なんですか!」
「Oh‥‥‥ネタ振りしても素直に返されるとソーマさん困るぞ」
一人少し落ち込むが、自分がどんな大人になるのか興味津々な中等部生徒達はヴィヴロスからクッキーを受け取り一口。
「美味しいです秋水トレーナーさん!」
「うっ‥‥‥ま、まぁまぁね」
「美味しい‥‥‥」
「次はもっと旨いの作ってリスとニシノちゃんがふんぎゃろ!するくらいなの作ったるでぇ〜!」
とか言いつつ姿鏡を三人の方に向けて大人になった姿を見せた。
ニシノは何と言うか‥‥‥順当に成長した清純そうな大学生みたいな感じで、家庭教師の綺麗なお姉さんと言われたら納得されそうなくらいだ。
キタサンブラックは何と言うか‥‥‥初恋キラーや性癖クラッシャーとか呼ばれそうなほど素晴らしい成長をしており、一部男からは「お前のせいで毎日祭りだ!」と暴れられてそうだ。
スイープトウショウは‥‥‥見なかったことにしよう。
例えて言うなら強いて言うならマツコ◯デラックスだ。
流石に細かく解説しては彼女の芽生えて間もない乙女心が粉砕されるので黙るしか出来ない。
それを見てキタサンブラックは慰め、何かあったら自分の所に来いと伝えるのだった。
喫茶まんはったん
開店時間その日次第
閉店時間その日次第
当店は量が距離やその象徴的なウマ娘で表しています、挑むなら覚悟を