[完結]自傷スキル持ちは配信するな!   作:訥々

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いれぎゅらー②

“運”が良いのか悪いのか。

 

──────────────────────

 

階段を下りる途中、なんとなく“嫌な感じ”がしたので踊り場で立ち止まった。

俺が付いて来ないことに気付いたんだろう、前を歩いていた2人が後ろを振り向く。

 

 

「アカリ、どうした?」

「···ここの壁」

 

 

ノックスのおっさんが声を掛けてきたが、俺自身も“なんとなく”感じ取っているだけだからなあ。

ここの壁に違和感があるとしか言えぬ。

 

 

とりあえず壁を何か所か、ぽんぽん押してみる。

うーむ。何の変哲もない、単なる土の壁だな。

悪ぃ、やっぱ俺の勘違い───

 

 

 

 

 

「······マジか」

 

 

電子音が短く響き、壁が()()()

その奥にはダンジョンに似つかわしくない、鉄の階段が続いている。

···前言撤回、勘違いじゃなかったらしい。

 

 

ステータス“運”が強すぎる件〜なんか隠し通路見つけちゃいました〜

 

 

「おいビリー、こんなエリア見たことねえぞ」

「未踏破ゾーン···()()()()()。これは間違いなく人間が作った空間だ」

 

 

階段の先がどうなっているのかは知らんけど、通常の下層では無いだろうな。

壁も無機質で、ピカピカに研磨されてる。

ひょっとしたらお宝が眠ってたりしてな!

 

 

「俺が1人で見てくる」

「だめ、あぶない」

 

 

ビリーのおっさんェ。

金銀財宝を独り占めにはさせねえよ?

それにもし何かしらのクソギミックがあったら···例えばクソ強いモンスターが配置されてたら、おっさんでもワンチャン(ヤバ)い。

そういうのってゲームだとお約束だし。

 

 

「···なら、俺から離れるなよ」

「うん」

「······え、俺も行く流れ?」

 

 

3人なら大抵のモンスターはなんとかなるやろ。

万一ダメなら逃げればいいし。

 

 

 

 

 

金属音を響かせながらやたら長い階段を下りること、大体2分くらい。

 

 

一番下に着くと、そこはだだっ広い空間で。

天井も凄く高い···10mくらいか。

壁は入口と同じく無機質で、薄暗い。

 

 

そんな不思議空間のど真ん中にマジでいました、強そうなモンスター。

体長はビリーのおっさんと同じくらいだから、約1.8メートル。

頭部と羽はカマキリで、胸部と腹部はスズメバチ···虫型のキメラか。

 

 

「な···なんだよアレ···!」

 

 

部屋の隅には血塗れの白衣を着た人間が3人、ゴミのように打ち捨てられている。

···このモンスターがやったのか。

 

 

「にげよう」

 

 

三十六計逃げるに如かず。

3人で来た道を戻ろうと、後ろを振り向く。

しかしキメラが巨体に似合わぬ機敏さで、階段に回り込み立ち塞がった。

 

 

···ヤバくね?(こなみかん)

 

 

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