“運”が良いのか悪いのか。
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階段を下りる途中、なんとなく“嫌な感じ”がしたので踊り場で立ち止まった。
俺が付いて来ないことに気付いたんだろう、前を歩いていた2人が後ろを振り向く。
「アカリ、どうした?」
「···ここの壁」
ノックスのおっさんが声を掛けてきたが、俺自身も“なんとなく”感じ取っているだけだからなあ。
ここの壁に違和感があるとしか言えぬ。
とりあえず壁を何か所か、ぽんぽん押してみる。
うーむ。何の変哲もない、単なる土の壁だな。
悪ぃ、やっぱ俺の勘違い───
♪
「······マジか」
電子音が短く響き、壁が
その奥にはダンジョンに似つかわしくない、鉄の階段が続いている。
···前言撤回、勘違いじゃなかったらしい。
ステータス“運”が強すぎる件〜なんか隠し通路見つけちゃいました〜
「おいビリー、こんなエリア見たことねえぞ」
「未踏破ゾーン···
階段の先がどうなっているのかは知らんけど、通常の下層では無いだろうな。
壁も無機質で、ピカピカに研磨されてる。
ひょっとしたらお宝が眠ってたりしてな!
「俺が1人で見てくる」
「だめ、あぶない」
ビリーのおっさんェ。
金銀財宝を独り占めにはさせねえよ?
それにもし何かしらのクソギミックがあったら···例えばクソ強いモンスターが配置されてたら、おっさんでもワンチャン
そういうのってゲームだとお約束だし。
「···なら、俺から離れるなよ」
「うん」
「······え、俺も行く流れ?」
3人なら大抵のモンスターはなんとかなるやろ。
万一ダメなら逃げればいいし。
金属音を響かせながらやたら長い階段を下りること、大体2分くらい。
一番下に着くと、そこはだだっ広い空間で。
天井も凄く高い···10mくらいか。
壁は入口と同じく無機質で、薄暗い。
そんな不思議空間のど真ん中にマジでいました、強そうなモンスター。
体長はビリーのおっさんと同じくらいだから、約1.8メートル。
頭部と羽はカマキリで、胸部と腹部はスズメバチ···虫型のキメラか。
「な···なんだよアレ···!」
部屋の隅には血塗れの白衣を着た人間が3人、ゴミのように打ち捨てられている。
···このモンスターがやったのか。
「にげよう」
三十六計逃げるに如かず。
3人で来た道を戻ろうと、後ろを振り向く。
しかしキメラが巨体に似合わぬ機敏さで、階段に回り込み立ち塞がった。
···ヤバくね?(こなみかん)