俺の名前は花ヲあいす。ユダヤ人だ。
今、俺は『転生したらヒトラーだった件』というネット小説を読んでいる。すごく面白くて、俺はトイレに行かず、風呂にも入らず、長い間椅子に座って読み耽っていた。2、3回漏らした。
最初に言っておくと、俺はユダヤ人ではなく日本人である。「あいす」という名前は、近所のババアである
「君! 君君君!! ああ、よかった!」
いきなりドアを破壊する勢いでブチ開けて、ブラウン博士が息を荒くして部屋に入ってくる。息くっさぁ♡ 俺は吐き気をこらえて言う。マジで吐きそうだ。
「あの、その子、誰ですか?」
俺はブラウン博士のクソ巨体に半ば隠れている女の子を指差す。ブラウン博士は息を整えてから、何度も咳き込んでやっとこさ答える。息くっさぁ♡ 死ね。
「君! 人に指を差すのはやめなさいとずっと言っているだろう!」
うるせーなクソが! 俺は中学んとき人を殺したことがある。本当に本当だ。
「はいはい。分かってますよ。で、その子誰ですか?」
「貴様! ふぅ...すまないね、君...」
ブラウン博士は女の子に謝罪をして、俺のほうを指差して言う。俺を指差すな♡ 死ね。
「いいかい、
妙にびくびくしながら、「由打也」と呼ばれた女の子は俺の前に立つ。俺の息子も勃ちそうだ。ビクビク♡
「こっ。こ、こんにちわ! わたしは由打也ですっ! よろしくお願いします。お兄ちゃん!」
「ふぁっ......!」
俺の身体に雷が落ちたかと本気で思った。ビリビリ! 過呼吸になりながら答える。
「ああ、あ、あああぁ! お、俺が、君のお、お兄ちゃんになる、あなる...花ヲあいすだ。よ、よろしく」
ブルブルと震えが止まらない痙攣しまくりの右手を差し出すと、由打也は思いの外強い力でもってガッチリと俺の手を握った。おう。俺のチンポ握ってくれや。
「よろしくお願いいたします! あいすお兄ちゃん!!」
「イクイク! お、おお、おおおれ! しし、死んでいい!?」
ここで俺の意識は、暗黒に飲み込まれてしまった。ブラウン博士の汚い叫び声が聞こえた気がしたが、返事をする余裕は微塵もなく、俺はあっさりと死んだ。
俺が目を覚ましたとき、フローラルでベイベーな花の香りが鼻腔の隅々まで侵入してきて、気絶しかけた。だが、ゆったりと目を開くことに成功した。性交したい♡
最初に目に入ったのは、俺を心配する瞳の群れ。えろい。
あれ? なんでこんなに人がいるんだ!? 俺は困惑して心がうろちょろしていたが、表情は至ってクールな美少年に見えていたと思う。
「......あ。あ、ああ...」
ダメだ! 何か口にしようとしたけど、喉が渇きすぎているのか、はたまた脳に異常が起きているのか、声がほとんど出ないから焦った。
「あいすお兄ちゃん!!」
エロい花の香りがふわりと舞った。俺は勃起していることに気がついた。ホラホラホラホラ。俺の意識は完全に覚醒し、鼻血がどろどろと垂れ流れたことにも気づかず、妹になったばかりのユダヤを抱きしめる。おっぱい!
「お、お兄ちゃん! く、苦しいですぅ!」
「あっっ。ごめんな、ユダヤ...」
抱きしめるのをやめて、俺は改めてユダヤの姿を見る。本当に可愛らしいくりっとした瞳。膨らみかけの胸、艶やかで涼しげな口元。
いや! だめだ! バカな奴め。膨らみかけの胸がどうしたというのだ。俺は純粋で純情な男の子であっても、決してロリコンではない。絶対にな!
「...! お兄ちゃん、鼻血が...」
俺は鼻を押さえる。うぐぐ。これはすぐには止まりそうにないぞ...。俺は詳しいんだ。
「えっ、あ、ああ。ユダヤ、ありがとな」
「ん、んぅ...」
うあああああああああああ!!!! 俺は下半身を露出したい衝動に駆られてしまったが、鋼鉄の如き精神力で耐えた。頭を撫でたことで思わず漏れてしまったのだろう、彼女の甘えるような声が、俺を狂気に誘おうとしている。お前! やめろーっ!!
「お兄ちゃん! ユダヤばっかりずるい! 私も抱きしめて!」
「いやいや、駄目ですよ。お兄ちゃんは私のモノですから、ね?」
「お兄ちゃん‼︎ 私も私も〜!」
ああ、神よ。天国はココにあったのですね...。ふう。俺は頭がおかしくなったのだろうか? 誰のせいだ? ブラウン博士のせいか? あのカスジジイが俺の身体をおかしくしてしまったのだろうか? 死ね。
あるいは、『転生したらヒトラーだった件』が悪かったのか? 俺がユダヤ人と嘘をついたせいで転生ヒトラーは腹を立てて、俺の脳や眼球を改造したのだろうか? 許せねえよ...。
どれだけ考えても、マトモな答えなど出るはずもなく、俺は泣きそうになる。何かにつけて、俺は泣いてしまう。これではまるで、赤ん坊ではないか! 俺の母親は、ショタコンだった。だから、俺が産まれて大層悦んでいたらしい...。遺伝子ゼリー。
「お兄ちゃん...」
「お兄ちゃん?」
「...お兄ちゃん」
「お兄ちゃん!」
俺はゴシゴシと目を擦る。擦りすぎて涙腺マッサージ効果が出そうだ。...九十九十九みたいに眼球を取り出して水で洗いたい気分だった。
ここで俺は気がつく。俺の妹を名乗る4人組の背後に、巨体があった。息くっさぁ♡ 死ね。
「オイ、コラァ♡ ブラウン博士! これはどういうことだよ⁉︎」
俺の頭では理解できない出来事が次々に起きている。俺の頭はプツンと血管に針で穴を開けられたみたいに破裂しそうだった。
「ふむ。これはのう......」
結論から言えよ。俺はADHDなんだ。
ネコポス。