のんびり閉鎖空間 〜ランダムで出現するキャラ達と日常は過ごせるのか?〜   作:賭博馬鹿2号

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第13話 賭博連戦

よし……買い目は決まった。

行くぞ、今からレースが始まるッ!

 

「そういえば、場内全体映像ってどんななんだろう」

 

さっき隠し機能を探していた際、映像を切り替えられる事に気付き、その中に場内全体映像という名前のものがあった。

どんな映像なんだと思いつつ、切り替えてみる。

 

「おっ! これは」

 

場内が広く映し出される。

バンク(※レースを走る所)を中心に、お客さんやキッチンカーまで見える。

映像の拡大や縮小も出来るようだ。G3のしかも決勝戦なだけあって、客はそれなりに多い。

現地にいる気分が味わえるし、今回のレースはこれで見てみるか。

 

「さ、始まるぞ!」

 

買い目は三連複3-4からの……全流し!

5×7の35ポイント。負ければ残りは15ポイントの大勝負だ!

 

 

「3いいぞ! 3いいぞ!

4は速く位置上げてくれ頼む!

うわ、外出したけど届かんか!?

3!? 垂れるなああああ! やめろおおおお!

馬鹿野郎おおおおお! ふざけるなあああ!」

 

え、嘘、嘘だろ。外れたの?

 

「…………」

 

呆然としながら画面を見つめる。

あまりの衝撃に言葉もない。

 

「ふむ、なるほどね」

 

後ろでロキがなんか言ってるが、もはやどうでも良い。

俺の勝負はこれで絶望的になってしまった。

 

「やべぇ……。

よし。ここは気分を変えて、競馬にしよう!」

 

俺はリモコンで賭博の種類を競馬に切り替えた。

レースは……おっ!

これG2青葉賞じゃないか! 滅茶苦茶良いな。

映像は後方映像にでもしてみるか。見たことないし。

 

「よし決めた。買い目は10-11の馬単。

さっき穴目を狙ったら固く来たから、今度は固めに!

1番人気、3番人気で来れば勝ちだ!」

 

使うポイントは5で良いか。これで当たれば100ポイント以上になる。

人気どころなのに、このオッズはかなりおいしい。

元の倍以上になるから、かなり良いだろう。

 

「良し、行くぞ行くぞ行くぞぉ!」

 

そしてレースが始まる。

視点は11の後方映像にしてみた。

 

「始まった!

ほー、この視点面白いな。

位置結構いいぞ。悪くない悪くない。

よし、最終直線内を付いたぞ! 完璧だ、そのまま行……。

うわああああ!!! やばい、伸びてねえええええ!

嘘、嘘だろぉ!?」

 

慌てて、レース映像を通常の視点に切り替える。

だが、それを見てもやはり伸びていない。

 

「やばいやばいやばい! ああああああ!」

 

……外れた。

しかも、1番人気、2番人気、4番人気での決着である。

馬券内に来ていない人気馬は俺が買った3番人気だけだ。

 

「な゛ん゛て゛た゛よ゛お゛お゛お゛お゛!!!」

 

固い決着の読みは当たってたのにぃ! こんな事があって良いのか!?

クソ、こうなったらこのまま12レース目に行くか?

いや、もしくは切り替えて、別時間軸のレースに賭けるのも良いかもな。

 

「どんなレースに切り替えられるんだ?」

 

レース選択メニューに飛んでみる。

いくつかあったが気になったのは……。

 

「おぉG1天皇賞春か。いいな……ん?」

 

よく見てみると、レース選択画面には注意事項が書かれていた。

 

①未来のレースを1度選択すると、過去のレースに戻ってくる事は出来ません。

(※ただし、競輪・競艇は選択肢の範囲で行き来可能です)

②未来のレースを選択出来るのは、各賭博1日1回まで。

 

……なるほど。

未来に行けるのは各賭博1日1回。なら、決まったな。

 

「春天を選択っと」

 

残り10ポイントで勝負を挑んでやる!

俺は天皇賞春に映像を切り替えた。画面にはパドックが映る。

 

「うーん……どうしようかな」

「イーフェさんイーフェさん! 今の今のなんですか!?」

 

俺が考えていると、リッカが後ろから話しかけてきた。

 

「今の、って競馬の事?

馬のレースをするギャンブルだよ」

「馬のレース!? それは戦いの練習とかですか?」

「いいや違うよ。

確かに、俺の住む国だと昔戦争に関係する側面はあったけどね。

でもこれに関しては、単に馬が走るスポーツとして楽しんだり、ギャンブルとして楽しむものだよ」

「そうなんですね。

馬は少ししか見た事がなくて……こんな姿は初めてで驚いちゃいました!」

「なら驚くよね。

ちなみに今のこれはパドックって言って、走る前の馬の様子が見れるの。

リッカさんもこの映像見て、競馬やったら?

これは競輪とは違って、1着を当てる単勝って賭け方もあるよ」

「え!? 1つ選ぶだけでいいんですか!」

「そうだよ」

「良いと思った子を1頭選ぶだけならやりやすいかもしれません!

やってみますね」

 

そういって、リッカはパドックを観察しだした。

……フハハハハ! かかったな。

競輪だけでなく、競馬の道へも進ませることに成功したぜ!

 

「私、6のヘデンル君が良いと思います。

この子、凄く勢いがあると思うんです」

 

リッカはしばらく見てから、そういった。

 

「落ち着きがないようにも見えない?」

「いや、そんな事は無いと思いますよ。

周りの人に抑えられて、頑張って力を温存しているにも見えます。

レースになったら、多分力を発揮してくれるんじゃないかな?」

 

俺は、13 ジャスティスパスが良いと思ってたんだが……。

数々のモンスターと戦ってきたリッカの観察眼を無視していいものか?

 

いや良い! パドックなんてプロでも分からない。

なら、馬をほとんど見たことがないリッカが見ても分かる訳が無い。外れるに決まってる。

 

「そう。でも、俺は13のジャスティスパスで行くよ。

……複勝 5ポイントだけ」

 

これだと2倍程度にしかならないので、勝っても15ポイントだ。

でも、リッカの選択でなんか少しだけ弱気になってしまった。

上手く行く……とは思うのだが……。

 

「そうですか?

その子も良いとは思いますけど、私はヘデンル君の勝ちに20ポイント行きます!」

「20ポイントってリッカさんにしては強気だね。どうしたの?」

「さっきスロットマシーンで結構増えたんですよ!

だからこのくらいは大丈夫です」

 

昨日50増えたリッカが結構増えたという事は、100とか増えたんだろうか。

クソ、負けてられないな。

レース開始だ!

 

……そして、数分後。

 

「あああああんまああありだあああああ!」

 

負けた。普通に。

 

「やったぁ! ヘデンル君ありがとう!」

 

そしてリッカは当たってた。馬鹿な……そんな事があって良いわけがない。

俺の残りポイント5だと? 普通に詰みじゃないか。

いや、まだだ。まださっき見つけたあの機能が

 

「ロキさんはやらないんですか?」

「今は保留かな。ちなみにリッカは今何ポイントだい?」

「342ポイントです!」

 

……は? さ、さんびゃくよんじゅうに?

ば、馬鹿な。こっちはポイント力、たったの5だというのに。

342だとおおおおおお!?

 

そう思っていたその時!

 

「ぬうああああああ!? なんだぁこいつはぁ!

ま、まるで歯がたたねえええええ!」

 

バカラの方からそんなスピードワゴンの声が聞こえてきた。

良かった、ちゃんと同類も居そうだ!

思わず笑いながら、俺は同類の方へと歩み寄る。

 

「すぴいいいいどわっごおおおおん?

どうした? 情けない顔をして?」

「うるせぇ! カジノは運だ。負ける時は負けちまうんだよ!」

「それで? 今のポイントはいくつだ?」

「……4だ」

「フハハハハ雑魚め! 俺のポイントは5です」

「醜い争いだなぁ」

 

なんかロキの声が聞こえてくるが、気にしない。

 

「バカラは、テンポが速いんだよ。

競輪のお前より減るスピードが速いのは当然だろうが!」

「なにを言おうと、所詮敗者の言葉だなぁ?」

「オメェもだろ!」

 

2人で口論をする。

いやいや、自分より負けている者を見る事ほど楽しいものはないなぁ!

 

「ふむ、合計が351か。

分けていない分のポイントを合わせても、総計376.7ポイント……」

「ロキさん? どうしましたか?」

 

そんな事をしていると、ロキがなにやら真面目な顔をしていた。

俺には聞こえないが、何やら呟いているように見える。

 

「リッカはただのビギナーズラックだ。

この先、確実に負ける。

イーフェはともかく、スピードワゴンもこの調子ではさすがに負けが見えているな……。

なら」

 

ロキはリモコンを手に取り、俺達にこういった。

 

「みんな聞いてくれ、今から僕も賭博に参加する。やるのは競輪さ。

ただしデータ分析をする時間が欲しい。

モニターを使うから、一旦カジノでもするか外で待っていてくれ」

 

俺は思わず頷いた。そうしてしまう位、本気に見えたのだ。

無気力に見えていたロキがやる気を出している……。

こりゃ、一体なんだってんだ?

元の世界では悪役だったロキ。

しかし、今は頼ってみる事にした。この状況を打開するために。

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