のんびり閉鎖空間 〜ランダムで出現するキャラ達と日常は過ごせるのか?〜   作:賭博馬鹿2号

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第14話 遊戯部屋にて

カジノでもするか、外で待つか。

ロキにそう言われて俺の答えは決まっていた。

 

「カジノに興味はねぇ!

外で待つ、これだけだぁ!」

 

そう言いながら、ダーツの矢を投げる。

俺は賭博部屋の隣の遊技部屋に来ていた。

 

「あっ! また外した!」

 

尚、ダーツもクソ弱いのであった。

 

「駄目だ! ギャンブルもゲームも駄目だ!

おーい、そっちはどうだ?」

 

遠くのダーツ台にいるスピードワゴンに話しかける。

俺より的の大きさが小さく、距離も遠い高難易度台に挑戦しているようだが……。

 

「はっ、こんなん楽勝よぉ!

話になんねぇなぁ!」

 

スピードワゴンはそう言って、最後の一矢を最も点が高い所に命中させた。

マジかよ。

でも、原作ではよく分からん帽子の刃物を自在に使ってたし、それに比べりゃダーツ位は訳ないのか。

 

「こりゃ、面白くねぇぜ。

リッカもこっち来りゃ良かったのによぉ」

 

そう、今この遊技部屋にいるのは俺達男2人だけ。

リッカは、賭博部屋にロキと共に残る事にしたのだ。

 

「続けたいって言ってたし、仕方ないでしょ」

「そりゃあそうだがよぉ。

今賭博を続けるのは賢くねぇと思うぜぇ?

なにせ、このスピードワゴンの読みではリッカのビギナーズラックはそろそろ終わるッ!

俺も忠告はしたんだが、続けるって聞かなくってよぉ」

 

確かにスピードワゴンですら、大敗している今、リッカがそろそろ負けてもおかしくはない。

ギャンブラーである俺にはよく分かるが、賭博というものには流れがある。

そして、これは完璧に外れる流れだ。

 

「ロキのおっさんはなんかやる気だったけどよぉ。

それもどうなる事やらだぜ」

「というか、ロキはなんであんなにやる気だったんだろうな」

 

リッカの変身後の姿がそんなに見たいのか?

いや、多分アレはそれだけじゃないよな。

 

「そりゃあ、リッカの為にやる気になってるんだろう」

「やっぱそうかぁ……」

 

単に、リッカ自身の為にやる気になってるとしか考えられん。それも下心抜きで。

本人にその自覚があるかは分からんが。

 

「なるほど、ロキは光堕ちしたか」

「光堕ち?

意味はよくわかんねぇが、多分違うぜ。

むしろ、場合によっちゃあこいつは悪い傾向と俺は考えるぜ」

 

悪い傾向?

下心抜きでリッカの為にやりたいと思ってるのに?

 

「考えてもみろよ。

あいつは」

「皆さん、こっちはどうですか?」

 

スピードワゴンが何か言いかけた時、渦中のリッカが扉を開けて入ってきた。

 

「っと。

まっ、今は気にするほどでもねぇし後にすっかなぁ」

 

何かヤバいフラグの匂いがするんですが……。

でも、続きを聞こうにも。

 

「やぁ2人とも、待たせたね」

 

見れば、当のロキ本人がリッカの後ろに居る。

 

「こっちはボチボチ楽しんでましたよ」

 

続きを聞きたかったが仕方がないので、ロキには適当にそう返す。

すると、スピードワゴンも続けてこう言った。

 

「俺はあんま楽しめなかったぜぇ。ダーツってのは簡単すぎんだよぉ。

それよりだロキのおっさん!

データ分析とやらは終わったんだろうなぁ?」

「一応ね。

ただ、使えるデータが少なすぎて不完全だ」

「不完全だぁ?

賭博に参加するから待てつっといて言っといてそりゃあねぇぜ!」

「なに、賭博に今から参加する事には変わりない。

待たせてすまなかったね。行こうか」

 

おいおい、不完全な状態でやる気かよ。

今日の流れ的にそれだと負けるぞ。

 

「ロキさん。何か作戦でもあるんですか?」

 

俺は一応聞いてみる。

不完全だと分かって賭ける以上、何か考えがあるんだろう。

 

「作戦はないね」

「えぇ……?」

 

マジかよ、終わったな。

 

「ただし、僕の今日の狙いは勝ちに行く事じゃない。

データを増やす事さ。

何も1日で勝負を決める必要はない。

毎日やって、正確な分析が出来るようになるまでデータを集まれば良いんだよ」

 

あぁなるほど、長期的な戦略でいく訳だな。

確かに期間が決められてない以上、それが1番賢いやり方か。

にしても正確な分析、か。

それで勝てるものなんだろうか? ギャンブルに確実はないからなぁ。

 

「というか、データを集めるだけなら賭けなくて良いんじゃ?」

「今日の分析結果がどれほど正しいか知れるし、当たる可能性だってある。

賭けてみる価値はあると考えるよ」

 

ふむ。不完全な分析とはいえ、多少の自信はあると見える。

 

「なるほどなぁ。考えたなロキのおっさん。

なら! 早速行こうぜ!」

「あぁ、勿論さ。

ポイントは君達が分けてない25ポイントを使わせてもらうよ。

君達は最初1人30ポイントだったんだろう?

それよりは少し少ないがまぁ丁度いい」

 

予備ポイントから使うか……。

いざという時はそこからポイントを取ろうと思ってたが、まぁ仕方ない。

俺は手持ちでやるしかねぇ。

そういえば、ポイントといえば。

 

「リッカさんはあの後、賭博どうなったの?」

「あの……それなんですけど。

実は私もあの後、負けちゃったんです」

 

やはりか。

ビギナーズラックが終わるというスピードワゴンの読みは正しかった。

 

「そうなんだ。

……ところでどのくらい負けたの?」

 

かなり無粋なのは分かってるが、ポイントは全員共有。

こればかりは聞かざる負えない。

300ポイント以上持っていたリッカが大量に負けていたら、今後の動き方も変わってきてしまうからだ。

 

「その……20ポイントも」

「そうか20ポイント……。

20ポイント!?」

 

は? 300ポイント以上ある内のたった20ポイント?

なんでそれで負けた風になってるの?

それかすり傷だろ! もっと攻めろよ!

……ポイント分けてくんねぇかな。

 

「イーフェ、君、余計な事考えてないかい?」

「いやいや、そんな事はないですよ」

 

ロキめ、なぜ分かった!?

 

「そういう訳なので、私は一旦やめておきますね」

「残り5ポイントの俺がやるのに!?」

 

思わず声が出る。

20ポイント負けた程度で引くなんて、俺からすればありえなさすぎる。

 

「おい馬鹿やめろイーフェ! 好きにさせとけよ!

すまねぇなリッカ。こいつはギャンブルの事になるとデリカシーもねぇみてぇで……」

「…………そうですよね。

イーフェさんの言う通りです」

「は? どうしちまったんだよリッカ?」

「これは私のブローチのためのギャンブル。

なのに私が失う事を恐れるなんて、臆病者にも程がある!」

 

えっすまん、俺なんかスイッチ押した?

 

「私、続行します! 行きましょう!」

「おい、イーフェの馬鹿野郎!

今日流れが悪いのに、リッカがやる気になっちまったじゃねぇか!」

「逆に考えるんだ。勝っちゃえば良いんだってね」

 

これは好機だ。

リッカはまだ300以上ポイントがある。

ビギナーズラックはなくなれど、ロキの分析がある。

それは不完全かもしれないが、上手くいけばあるいは……。

リッカがポイントを4倍にも出来れば、今日だけでもう目標達成である。

それに、ロキの分析がなくてもだ。

 

「それにこの俺の完璧な予想があるッ!

乗れば確実に」

「じゃあもうダメだな」

 

スピードワゴンは頭を抱えながら、部屋を出ていった。

 

「何でだよ!」

 

俺は突っ込みながら、スピードワゴンについていく。

 

「あっ、待ってください!」

「やれやれ、そう急ぐ必要もないだろうに」

 

外に出る俺をリッカとロキが着いてくる。

そうして、賭博部屋に向かうのであった。

ロキの長期的に見て賭ける作戦。それは悪くない。

だが、大量のポイントを持ったリッカが賭ける以上、今日はチャンスだ。

このギャンブル……今日で決着を付けてやる。

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