のんびり閉鎖空間 〜ランダムで出現するキャラ達と日常は過ごせるのか?〜   作:賭博馬鹿2号

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第15話 ゴールは目の前?

俺達4人は賭博部屋に戻ってきていた。

 

「先に言っておくよ。

分析の為に、レースを5月5日開催の川崎競輪に切り替えておいた。

つまり、今日はもう未来のレースに飛ぶことは出来ない」

 

ロキは、俺達にそう告げる。

川崎桜花賞の後。4/25~27 岐阜の「G1 オールガールズクラシック」とかも気になってたんだが、まぁ仕方ない。

 

「ところでなぜその開催に?

平開催じゃないですか」

「川崎であることに意味があるんだ。さっきの桜花賞が川崎だったろう?

そのデータを活かす為には同じ場所である必要がある」

「なるほど。確かにその通りですね」

 

でも、重賞と平開催だと7車と9車で勝手が違うけど、大丈夫かなぁ?

俺がそう考えていると、リッカが前に出てきてロキにこういった。

 

「とりあえずやりましょうよ、ロキさん!」

「そうだね。

ただここは無理せず、僕の買い目を参考にして賭けてみると良いよ。

最終的にどうするかは君次第だけどね」

「勿論です!」

 

リッカは随分やる気みたいだ。

今、鍵を握っているのはリッカだ。

大量のポイントを持つリッカがどう動くかで、今日決着がつくかどうか決まる。

ここで俺が出来る事は……。

 

「リッカさん、俺の買い目も参考にしてみませんか?

絶対に勝たせますよ」

「え、っと……」

 

え、なにその微妙そうな顔。

確実に当たるんだから、乗らない話は無いよなぁ?

 

「イーフェ! ふざけた事いうんじゃねぇ!

誰がお前の買い目に乗るんだよ!」

「なぁにぃ? 俺はこの中で競輪歴は断トツだぞ?

休日1日15時間競輪をする日々を送っていた時期もある男だ! 馬鹿にするんじゃねぇ!」

「それは馬鹿にされて当然だと思うけど。

参考までに実績はどうなんだい?」

「言うまでもないでしょうロキさん!

重賞で100倍以上を当てた事がある! 1日で数十万払い戻しを受けたことも!」

「なら収支は?」

「それは……秘密ですよ」

「やっぱりね」

「そんな事だと思ったぜ」

 

何か察したようにそういうロキとスピードワゴン。

くそぉ、コケにしやがってぇ。

だが、確かに今流れが悪いのは事実だ。そこは認めよう。

俺が今どの程度やれるかは未知数。一旦普通に賭けてみるか。

 

「リッカさん。

今回のレースは、やはりロキさんの買い目を信じてください」

「え? はい」

「ですが、今回当たれば……。

次のレースは俺を信じて、買い目を参考にして下さいね」

「リッカ、どうせ当たんねぇからこいつは信じなくていいぞ」

「おいスピードワゴン! なんて事言うんだ!」

 

くそ、ここは確実に当ててやる。

まずは画面を見てみよう。

 

「ごほん。

ロキさん。見た所、今この画面は川崎10レースですか」

「あぁそうだ。

後2レースで5/5の川崎は終わりだね」

「後2レース? なんでそんな所に飛ばしたんですか?」

「この10レースが狙い目だったからだよ。

君も見れば分かる」

 

見れば? 言われたので、画面を切り替えて出走表を出してみる。

すると……。

 

「な、なにいいいい!」

「おい、どうしたんだイーフェ!」

「とりあえず1人は決まったな」

「どういう事ですかイーフェさん」

「リッカさん、簡単な事ですよ。

この1番の新人選手。この人は強すぎる事で競輪ファンの中で話題になっている選手なんです。

デビューから17戦して負けたのは1度だけ。

その時ですら3着で車券には絡んでます。

今回の相手なら、負ける要素はほぼないです」

「そんなに強い人なんですね」

 

あぁ、本当に強い。

デビューの時から見ていたが、まさか川崎に来るなんて……。

つーか、どうせならあの強さを生で見たかったあああああ!

クソおおおお! 川崎なら行ける距離なのにいいいい!

 

「おい、どうしたぁ?

まだ始まってもないのに悔しがって」

「いや何でもないぞスピードワゴン。

ロキさん、軸となる人物が分かりきっている以上、このレースが狙い目という訳ですか?」

「その通りさ」

「なるほどなぁ。なら、後は相手選びかぁ」

 

そこから、俺達は各々で買い目を決めるのであった。

 

◇

 

「よし決まったぜぇ!

みんなはどうだ!」

 

スピードワゴンはそう言う。

どうかって? 聞かれるまでもない。

 

「こっちはとっくに決まってるぜ、スピードワゴン」

「僕は君達が来る前から決まってたよ。

リッカは決まったかい?」

「買い目はロキさんと同じで行きます」

「おや、アレンジ無しで良いのかい?」

「はい。

変に考えるより、買い目はロキさんに任せた方が良いと思ったんです。

その代わり、ポイントで私の思いを見せます」

 

思いを? そう思っていると、リッカはマークシートを俺達の方に見せながら、こう言った。

 

「90ポイントを2通り。

合計180ポイント使います!」

 

すかさず、スピードワゴンはこう言った。

 

「おい馬鹿! リッカやめろぉ!

イーフェにやられるな、正気に戻れぇ!」

 

そう叫ぶスピードワゴン。

だが、俺は……。

 

「良いぞぉ! そのままだ!」

 

これで良い!

これなら今日中に決着がつく可能性が出て来た!

 

「はい行きますよ!」

 

リッカは、そのままマークシートをセットした。

 

「あぁ、クソ! 終わっちまったああああ!」

「スピードワゴン、それは言い過ぎだよ。

確かに、僕もリッカがあれだけ大胆にポイントを使うのは予想外だった。

だが、負けると決まった訳じゃない。

不完全とはいえ、この僕が分析した買い目なんだから」

「おっさんは分かってねぇ!

今は流れが悪ぃんだよ!

どう分析しようが、賭博つぅのは負ける時は負けるんだ!

だから俺も今回は様子見で1ポイントだけにした!

今は攻め時じゃあねぇんだ!」

 

スピードワゴンは必死にそう言う。

だが、ロキはその言葉を聞くと、鼻で笑いながらこう返した。

 

「流れ? そんなもの根拠がない以上、オカルトさ。

仮にあったとして、それは君達の流れだろう。

僕の買い目にまで影響するかな?」

「なに?」

「僕とリッカの買い目は

3連単 1-4-5と1-5-4。

僕はそれに10ポイントずつ賭ける」

 

なに? その買い目は……。

と俺が内心思っている中、ロキは静かにマークシートをセットした。

 

「さぁ君はどうする。スピードワゴン」

「俺は様子見だぜ。

1-4 ワイドに1ポイントだ」

 

スピードワゴンもマークシートをセットした。

 

「イーフェ。君はどうだい?」

「リッカさん、ロキさん。

2人には悪いですが、このレース2人は外れますよ。

俺の買い目は3連複1-3-5!

ここに今の手持ち全て 5ポイントを突っ込む!」

 

そう言って、俺はマークシートをセットした。

まさか、リッカと違う買い目になるとは思ってなかった。

俺が当たっても、ロキとリッカは外れる。

こりゃ、1000ポイントまでは遠回りだな。

だが!

ここで俺が当たれば、流れはこっちに向いてくるはず!

次のレースでは、リッカに俺の買い目を参考にしてもらって、リッカの残り100ポイントを10倍にするッ!

それで終いよ!

 

◇

 

「うわぁ! 凄い追い上げ!

って、結局当たったんでしょうか?」

 

「は? 4番千切れた後、切り替えただと?

何だそりゃ、どう言う事だ?

おかしいだろおかしいだろおかしいだろ」

「イーフェ落ち着きやがれッ!」

 

「1人おかしくなってる人がいるけど。

リッカ、結果から言うね。

僕達は……当たったよ。イーフェ以外」

「ほ、本当ですかぁ! やったぁ!」

 

リッカはそう言って喜ぶ。

うん、まぁ良いんだけどさ。

これでかなり1000ポイントに近づいただろうし。

でも俺だけ負けてるのは、釈然としない。

それに何より……。

 

「ポイントゼロになったああああ!

もう賭博出来ねえのかよおおおお!」

「だから、落ち着きやがれイーフェ!

それより配当だ! それ次第じゃもう1000行く可能性があるぜ!」

「確かに!」

 

少し待つと配当が出る。

結果は8.2倍だった。

ポイントの画面に切り替えると、現在の合計ポイントは……972.3だ。

このポイントは!

 

「あ、あぁ!

私が100ポイントずつ賭けてれば!」

「十分だよ。もう後少しじゃないか」

「す、すげぇ! 一気にゴールが目の前だぜ!

ロキのおっさんの分析、そしてそこに一気に賭けたリッカの度胸もすげぇ!」

「私はイーフェさんに言われて、やらなきゃって思っただけです。

これは、イーフェさんのおかげですよ!」

「いや、それはちげぇと思うぜ?」

 

3人が残りポイントを見て、そんな事を言っている。

そんな中、俺は。

 

「みんな言っていいか?

実はこれゴール目の前じゃないんだ。

もう既に1000ポイント溜まってるんだよ」

「なに? そりゃあどういう意味だ?」

 

スピードワゴンはそう聞いてくる。

さて、ここまでずっと良いとこなしだったが、ようやく一活躍出来そうだ。

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