のんびり閉鎖空間 〜ランダムで出現するキャラ達と日常は過ごせるのか?〜   作:賭博馬鹿2号

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第19話 馬術場の夜

昼は結局、スピードワゴンが中心となって作る肉料理になった。

ギャンブルに勝利し、ブローチを手に入れた祝いの為。

そして、扉を破壊したリッカを労う為。

まだ昼だがスピードワゴンは、かなり豪勢な食事を振る舞ってくれた。

 

「俺はリッカみてぇに前では戦えねぇからよぉ。

こうやって、少しでも支えてやりてえんだ」

「スピードワゴンさん……ありがとうございます」

 

さすがはジョジョ1部のヒロインと言われる男!

圧倒的ヒロイン力ぅ!

 

「イーフェ、なんか変な事考えてねぇか?」

「いや何でもないぞ」

 

ただヒロインだと思っただけだぞ。

 

「だったら良いんだがなぁ。

リッカはたんと食えよ! 今日の功労者だからなぁ!」

「ありがとうございます!」

 

リッカはそう言って、食事を続ける。

さて、これを食べたら隠し扉探しか。

一体どうなるか。

正直あまり期待できそうにないけどな……。

 

 

昼食後、屋敷の行ける箇所は各々が使ってる自室を除いて、全て回った。

だが、隠し扉は1つも見つからなかった。

スピードワゴンはガッカリした様子だったが、俺は焦ってもしょうがないと言って、とりあえず今日は切り上げる事にした。

ま、本当は、さっさとスピードワゴンに乗馬を教えてもらいたかっただけなんだけどな!

まず安全の為、機械部屋で乗馬服やヘルメットなどの防具をきちんと2人分用意し、乗馬する事にした。

スピードワゴンは、逆に装備を煩わしそうにしていたが、俺としては防具がないと不安なので、スピードワゴンにも付けさせた。

 

「しゃあねぇなぁ。

こうなったら、気分切り替えて教えてくぜ?

さっきお前が言ったみてぇに、ダーツの時みたく、こんな行動が実は良い方向に繋がるかもしれねぇしな。

……今はそう考えて動くしかねぇ。

またしてもだが、俺らはリッカに賭けるしか出来ねぇんだからよぉ」

 

今、リッカとロキはこの場には居ない。

 

どこに居るかというと、トレーニングルームにいる。

隠し扉を探す所までは一緒だったのだが、結局、隠し扉がないのが分かった所でロキがこんな提案をしてきたのだ。

 

リッカの奥義 ホーリーゲイザー。

それを研究したいと。

 

ロキ曰く、全体攻撃のホーリーゲイザーを一点集中技に出来れば、破壊できる扉が増えるのでは? との事。

なるほど、至極真っ当な考えである。

 

そしてさらにロキは、技を分析し研究さえすれば、自身の技術でリッカのホーリーゲイザーを一点集中技へ改変する事も可能とも言ってのけたのだ。

俺は内心、本気で言ってるのか? 本編だと技をパクってただけのロキが他人の技改変なんて本当に出来るのか? と思ったが、出来ると言った以上、口は出さないでおいた。

 

今、ロキはトレーニングルームでリッカの技を見ながら、分析中である。

あの部屋の中には、耐久性が異常な模擬戦用の個室があり、ホーリーゲイザーを撃っても問題ない。

それは、先程実際にリッカがホーリーゲイザーを撃って証明済である。

マジで個室内に傷1つ付いてなかったからな、何なんだあの部屋。

 

そんな2人の様子を見届け、今、馬術練習に至っている訳だが……。

ロキの奴、リッカの魔力がなくなった時に、魔力供給(Fate式)しないだろうな?

滅茶苦茶、王道展開だけど無いとは言えないんだよなぁ。

 

「おーい。ぼぅとすんじゃあねぇぞ!

まず俺が乗り方と降り方から教える。

俺がやるから、次にやってみろ」

「すまんすまん。よし頼んだぜ!」

 

そうして、馬術練習が始まった。

……数時間後。

 

「クソッ! 難しい!」

「思ったよりは根性あんじゃあねぇか。

だが、その程度じゃまだ上手く乗れねぇぞ!

ほら、姿勢が崩れてるぜ!」

 

自力で早歩き位は出来るようになってきたが……なんだこれ。

ちゃんとした真っ直ぐの姿勢で乗るの、地味にきっっつ!

でも、ジョッキーはこれ以上に辛い姿勢なんだよなぁ。

尻浮かせてるし。

凄い仕事だわ、改めて。

 

「はぁはぁ……」

「オラァ! 続けて行くぜ!」

 

クソ、教え方が昭和かよ。

いや、確かに昭和末期の漫画キャラだけども!

にしても俺は軟弱なので、普通にキツイぜ。

 

「うっし! そろそろ走ってみるか!

降りろ! 俺がやり方を教えてやるッ!」

 

ふぅ、休める……。

 

「なぁ、もうちょい優しくしてくれねぇか?」

「なに? かなり優しくしたつもりだったぜ?

教える時、物投げたりしてねぇだろ?」

 

どんな基準だよ。スラム街すぎるって。

 

「ちょっと飲み物飲まないか?」

「貧弱だなぁ、こりゃあ先が思いやられるぜ」

 

こうして、俺とスピードワゴンは馬術特訓を。

リッカとロキは、奥義の研究をする日々が始まった。

 

そんな日々は1日、2日と続き……。

屋敷に来てから、あっという間に1週間近くが経とうとしていた。

 

「明日で屋敷に来て1週間か……。

はぁ、今日も練習辛かったな」

 

俺は3階の自室でそんな独り言を呟いていた。

スピードワゴンは、別に出来なくても怒ったりはしないのだが、俺からするととにかく練習量が多い。

本人的には加減しているらしいのだが、俺的にはかなり多い。

 

「別に大して上手くもなってねぇしな。

結構辛いぜ……ふぅ」

 

だが、料理を毎回作ってくれる点はありがたかった。

結局、今日に至るまでの食事は、ほとんどスピードワゴンが作ってくれてる。

これはマジでありがたい。

ちなみにリッカ、ロキとは、食事時に毎回顔を合わせているが、今の所、特に懸念していたような事はなく、順調に研究が進んでそうだ。

でも実情は分からないから、今度、トレーニングルームに顔出してみても良いかもな……。

だが、今は。

 

「もう夜だ。

さっさと寝て、明日に備えねぇと。

……ん? あれスマホは」

 

普段、最近スマホは部屋に置いてる。

この辺りに……あっ、そうだ!

今日は俺が乗馬してる様子をカメラで撮る為に、向こうに持って行ってたんだ。

仕方ない、取りに行くか。

 

 

「えーと、電気電気」

 

俺は馬術部屋の電気を探す。

スマホの明かりもないので、薄暗くて見つけにくいが……これか。

 

「よしついた」

 

電気を点け、忘れたスマホを取ろうとする。

その時!

俺はこれまでにないモノを目撃してしまった。

 

「馬場異常なし! ロボット異常なし!

ふー、今日も良い感じです!」

 

目の前には1人の少女がいた。

黒い髪に赤い目、背の低い少女だ。

なんだ? 新しく誰か召喚されてたのか!?

だが見た所……うーん、知らないキャラだ。

しかし、アニメによく居そうな外見ではある。

声や表情は全然違うが、外見的にはこのすばのめぐみんが少し近いか? 年もその位に見える。

一体、何者だろう。

 

「えっ? イーフェさん、もしかして見えてますか?」

「なに? 俺が分かるのか!?」

 

マジで何者だ? 俺が分かる?

アニメやゲームのキャラじゃないのか?

待て、あるいは俺がプレイした事があるメタ系の作品の可能性も……。

 

「わ! やっぱりそうなんですね!

私の姿が見えると言う事は、やはりマスターの言う通り、イーフェさんは私達と同じ……。

って、見られちゃったどうしよおおおお!」

 

なんかよく分からんが、混乱してる。

待て、今マスターと言ったか?

 

「もしかしてだけど。

ここの使用人、とかか?」

「え、と、まぁ当たらずも遠からずというか。

少なくとも、貴方が考える様な物語のキャラクターではありません」

 

物語のキャラクターではなく、屋敷の関係者か。

なぜ今、ここで姿を現したんだ?

 

「ああ、その顔!

私が出てきた事を不思議に思ってますね!

本当は姿を見せるつもりはなかったんです。

ちょーっと、ドジしちゃっただけなんです!」

「よく分からんけど、そうなのか?」

「はい!

そういえば申し遅れました!

私、奏でるに音と書いて、カノンと言います!

以後……会うかは分かりませんが、ひとまず宜しくお願いします!」

「奏音さんか。

日本人っぽい名前なんだな。

屋敷の主は、ひょっとして異世界モノでありがちなチート持ち日本人とかだったりする?」

「違います!

じゃなかった! 言えません!」

 

……この子、正直すぎるなぁ。

今まで、表に出なかった理由がちょっと分かる気がする。

他の面が優秀なのかもしれんが、交渉系はかなり下手と見た。だから屋敷の住人との接触は控えるべきと主が判断して、出さなかったのかもしれない。

だが……今はこうして接触している。

この子からならひょっとして、屋敷の情報、少しは引き出せるかもしれないな。

 

よし、試してみるか。

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