のんびり閉鎖空間 〜ランダムで出現するキャラ達と日常は過ごせるのか?〜   作:賭博馬鹿2号

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第20話 カノンへの質問

さて、何から聞いていこう。

核心に迫りすぎるのはさすがに警戒されるだろうし、まずは……。

 

「奏音さん。

さっき俺の事、私達と同じって言ってなかった?」

「ギクッ! いやー、そんな事言いましたかねぇ?」

「言ったはずだ。何が同じなんだ?」

「言ってないですぅ!

それに! 仮に説明しても、イーフェさんには分からない!」

 

俺には分からない、か。これは恐らく事実だろうな。

気にはなるが、まだ情報が足りないか。

なら、次だ。

 

「屋敷の主は、俺達をこの屋敷から出すつもりはあるのか?」

「出すつもり?

うーん、どうなんでしょう。

でも多分……って、答えませんよ!」

 

さすがに答えられないか。

だが反応からするに、出す気が無いとは言い切れないようだな。

なら、脱出の可能性はあると見ていい。

 

「なら他に聞くが」

「だから答えられないですってば!」

「まぁ待ってくれ。

多分、これは答えられない事でもないはずだ」

「え〜……なんですか?」

 

純粋に、この1週間近くでの疑問なんだが……。

 

「1週間近く馬術を練習してて気になってたんだよ。

俺は普段使わない筋肉とかを滅茶苦茶使ってるのに、その割には痛みがほぼないなぁってね。

それに落馬も何度かあったけど、防具有りとはいえ痛みがさほど無かった。

このコースには特殊な仕掛けでもあるのか?」

「あぁなるほど!」

 

奏音は俺の言葉を聞いて手をうった。

 

「これは、ただのコースじゃないんですよ!

馬術を安全に行う為、乗馬関係で起こった体へのダメージは小さくなるような魔法がかけられてるんです!

というか、私がかけました!

凄いでしょう!?」

「そうだったのか。

後もしかしてだけど、体力消費も抑えられるようなってない?

俺にしては、かなり長く練習出来てると思ったんだが」

「えぇ! 乗馬での体力消費は抑えられるようになってますよ!

コース外で乗るのと比較して、数倍は体力が持つんじゃないんですかね」

 

マジで凄いな。

道理で急に馬に乗った俺が、手加減しているとはいえ、スピードワゴンの練習量をこなせてる訳だ。

自分で頼んでおいてなんだが、その魔法がなかったら、とっくに馬術の練習をやめてただろう。

体力が長持ちし、筋肉痛や落馬のダメージもほぼ無いのはデカい。

まぁそれでも体力が減るには減るし、頭は普通に疲れるので、長時間の練習がしんどい事には変わりないのだが。

 

「ふっふっふ! これは相当凄いんですよ!

馬ロボも電池が無尽蔵なので、ずっと乗り続けられます!

つまり屋敷の外では考えられない位長い時間、練習が出来てしまう訳です!」

「あぁ確かに。

1日12時間は練習してたもんな」

「え? じゅ、12時間!?」

 

なぜか驚かれる。

こっちの時間は把握してるものかと思ってた。

 

「それはちょっとやりすぎですよ!」

「俺もそう思う。マジでやめてほしいと思った。

ちなみに多い日だと14時間の日があって、殺す気かと思った」

「14時間!?

そんな時間やり続けるなんて、ありえません!」

「でも、俺が居た世界では1日基本14時間労働、給料ほぼ最低賃金、サービス残業月約200時間で働く人間ってのが存在してたぞ」

「すいません。貴方も創作の世界から来たんですか?」

「なんでだよ」

 

マジで居たんだって。

 

「あっ!

創作の世界といえば、近い内にこの屋敷に新しい住人が来るかもしれませんよ!」

「かもしれません?

なんか随分曖昧な言い方だけど?」

「えと、私は詳しく知らないので、噂程度と言いますか」

 

まぁ確かにそれはそうか。使用人だもんな。

 

「誰が来るのかも私には分かりません。

ただ分かる事もありますよ!

そろそろマスターが、新しいイベントを皆さんにお知らせするみたいなんです!」

「イベント?」

「前の賭博みたいな事です。

日用品を越えたものを屋敷の皆さんに与える為に、特定の条件を与えるのを、こっちではイベントって呼ばせてもらってるんです」

 

まぁ確かにゲームのイベントみたいだな?

 

「なんでそんな事をするのかとかも気になるが、そもそも今、日用品以外の物欲しくないぞ?

なんでそろそろイベントなんだ?」

「それは、リッカさんとロキさんに明日話を聞けば分かりますよ!」

 

あー、なるほど。あっちの方が行き詰まってるのか。

となると、扉破壊に支障が出る。

イベントの出番って訳か。

 

「なるほど。

じゃあ明日2人に聞いてから、機械部屋の屋敷の主に話を聞くか」

「え、機械部屋にマスター?

あっ、そう思ってるんですね」

「ちょっと待ってくれ。

あのパソコンに出てきてるメッセージって屋敷の主じゃないのか?」

 

確かに屋敷の主ですとは、一言も言ってなかったけど。

 

「私と同じ立場の者は後何人か居て、マスターからもらったマニュアルを基に、交代であのパソコンでの応対をやってるんですよ。

つまり、パソコン応対をしてるのは代理人であって、マスター本人ではないんです」

 

なるほど。パソコンから24時間いつでも頼んだ物を出してくれるのは、さすがに変だと思ってた。

屋敷の主がそんな事するか? って。

あくまで、やってたのは使用人だったんだな。

って、待て。

 

「じゃあ、奏音があのパソコンの中の人だった日とかもあったの!?」

 

なんで、気付かなかった俺?

こんなすぐボロ出しそうな子なのに。

 

「いえ、私はその業務から外されてまして」

「だよね」

「だよね!?」

 

俺が屋敷の主でもこの子は外すと思う。

的確な役割分担だ。

 

「って、長く話しすぎました!

貴方には姿が見えてしまうみたいなので、普通に居なくなります!

今回会った事は忘れて下さいね! では良い日常を〜!」

 

奏音はそう言って、音を立てずに走って馬術部屋から出てい……。

 

「扉をすり抜けた!?」

 

マジか、扉をすり抜けていなくなった。

さすがはこの屋敷の関係者、そのくらいは出来るか。

 

「さて、スマホを取って帰ろ。

あっ、しまった!

スマホで奏音の写真を撮っておけば、説明が早かったか」

 

でも俺にしか姿が見えないような事を言ってたし、写真でも同じだったかもな。

 

「さて、今日は寝て、明日話し合うか」

 

俺はそのまま寝ることにした。

 

 

「なぁにぃ!? 屋敷の関係者と会っただぁ?」

「うん」

 

俺は朝の食卓で奏音と少しだけ話した事を言った。

 

「どこまで聞けたイーフェ?」

 

ロキがそう聞いてくる。

だが、真剣なスピードワゴンとは違い、軽い世間話をするかの様な表情だ。

 

「肝心な事は言えません、で聞けずですね」

「マジかよ」

 

残念そうにするスピードワゴン。

だが、そう悲観するほどでもない。

 

「この屋敷の主は俺達を出すつもりがあるのか? と聞いたら迷った様子だった。

つまりそれは関係者にも分からないという事。

逆に言えば、脱出の可能性はある」

「なるほどな?

ゼロではなくなったっつう訳か。

だがなぁ……」

 

スピードワゴンは頭を抱え込む。

 

「もっと具体的な脱出法とか聞けなかったのかよッ!」

「あぁ」

 

試してはないが、出すつもりがあるか? の時点で警戒されたから厳しいはず。

 

「だが、一歩前進出来るかもしれない事は聞けた」

「なにッ! なんだぁそりゃぁ!?」

「ロキさん、ひょっとして研究が行き詰まってませんか?」

「うっ、よく分かったね。

確かに、やってみたは良いが難航してるよ」

「リッカさんは大丈夫なの? 毎日研究で」

「疲れて大変ですけど……旅の時に比べれば大丈夫ですよ!」

 

と言うリッカだが、少しは疲れが見えるな。

そもそも、ホーリーゲイザーを撃つのは半年ぶり。

そんな状態から1日に何発も撃っているのだろうから、疲れて当然である。

良かったのは、健全な疲れである事くらいか。

ロキが裏で変な事をしたら、俺はともかくスピードワゴンが絶対に気づくしな。

 

「実は、研究に役立つものが手に入るかもしれないんですよ」

「なんだって?」

「前、賭博でブローチが手に入りましたよね

今回もなにかしらのミッションを達成すれば、日用品を越えたものが貰えるらしいんです。

ミッション内容は昨日の時点では不明でしたが……。

あの言い方からするに、今日、機械部屋でパソコンに聞けばミッション内容が分かると思います。

後で行ってみましょう」

「なるほど、それは賛成だね」

「私も良いと思います!」

 

よし、次の行動は決まったな。

問題はミッションの内容だ。

さて、一体どんなものなんだろう。

 

そういえば、新しい住人が来るかもって話もあったな。

ま、それは、多分もうちょっと後だし今は考えなくて良いだろ、ハッハッハッ!

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