のんびり閉鎖空間 〜ランダムで出現するキャラ達と日常は過ごせるのか?〜 作:賭博馬鹿2号
俺達は食事を終えると、久々に4人揃って行動をしていた。
目指すは機械部屋。
さて、どんなミッションだろうな。
「ここも毎日来てるから慣れちまったなぁ。
初めは訳分からん機械ばっかで驚いたのによぉ」
「私は未だに不思議な部屋だなぁって思ってますよ」
スピードワゴンとリッカはそう話す。
最近この2人は料理の時しか一緒にいなかったが、やはり仲が良さそうだ。
「さてと、この機械に聞きゃあ良いんだったなぁ。
おい! 屋敷の主!
ロキのおっさんの研究が進む道具を」
スピードワゴンが言いかけたその時だった!
“60”
パソコンのモニターに数字が表示される。
こ、これってまさか!?
「あ? なんだぁこいつはぁ?」
「スピードワゴン! マズいぞ!
これは誰がが召喚された時に出るやつだ!
スピードワゴン達が召喚された時は1度に3つの数字が出た!」
「なんだとぉ!?」
「今回は1つの数字だから1人だけだが、それでも来る!
何者かが!」
「えっ! 新しい人来てくれるんですか?
歳の近い女の子だと良いなぁ」
リッカはこの状況のヤバさがよく分かってないみたいだな……。
スピードワゴンとロキは以前と同じ様に、警戒の色を強めた。
「リッカ、すまないが変身してくれるかい?」
ロキは真剣な表情でリッカにそう言う。
「え? なんでですか?」
「召喚されるのがいい奴とは限らねぇ。
やむを得ず、戦わないと行けない時もあるそうだろ?」
「う……はい。そうでした」
スピードワゴンに言われ、山賊を返り討ちにして殺した時の事でも思い返したのだろうか、少し顔色が悪い。
ただ覚悟を決めたのか、リッカはその場で変身を……って! やべぇ服脱げる変身じゃねぇか!
「逃げろスピードワゴオオオン!」
「は? 何言ってんだ?」
マズい!
見てる事がバレると問題になりそうな変身シーンが!
変身シーンが始まってしまう!
どうすれば。
「さぁ、皆さん。行きましょう!」
「え、待って、もしかしてもう変身終わったの!?」
「そうですけど……?」
待ってくれ。
変身シーンが一瞬も見えなかったぞ?
まさか、前見た変身スピードはあれでも遅かったのか?
ロキとの研究で、変身の勘を元に取り戻し、これが本来のスピードだとでも言うのか?
だとすれば、それは良い事だ。
良い事なんだが……。
「変身シーンが全く無いのも、それはそれで違うだろおおおお!」
「おい馬鹿野郎落ち着け!」
変身シーンとかいう見せ場無くすなよ!
後、リッカも折角の名乗りをやめるなよ!
太陽の輝き胸に秘め! ってやつやれよおおおお!
「え、と、イーフェさん大丈夫ですか?」
「あぁ、すまん。大丈夫大丈夫。
ただ今度から良かったら、あのカッコいい名乗りやってくれないか?」
「あれダサくない?」
は? なんて事言うんだロキ。
「アレはああやって名乗ると、昔王都で見た舞台みたいに、見てくれてる人に元気が出るかな? って思ってやってるだけなので、普段は名乗ってなくて……」
「俺の元気が出るからやってくれぇ!
厨二魂に刺さるんだよ!」
「きめえぞ、イーフェ!」
「うるせぇ、スピードワゴン!」
貴様に俺の気持ちが分かるものかぁ!
「って、待てイーフェ!
なんか異様な臭いの持ち主がこっちに近づいて来やがるッ!」
「異様な臭いだと!?」
マズい、召喚された奴が近づいてきてるのか!
「こいつはヤベェ!
残虐性、異常性において切り裂きジャック以上だぜぇ!」
切り裂きジャックって、アニメ版4話で残虐性、異常性においてディオ以上だぜって言ってたやつじゃん。
待て、じゃあ異常性だけで言ったらディオ<切り裂きジャック<近くの誰かって事!?
「滅茶苦茶ヤベェじゃねぇか!」
「あぁ! だが奇妙なのは、この臭いッ!
異常性と同時に善の心も感じられるッ!
こんなやつ、この俺ですら見た事がねぇ!」
異常者なのに、善人?
……やばい気しかしない。
「ふむ、スピードワゴンのその分析がどの程度当てになるかは不明だが、リッカひとまず警戒はしてくれ」
「分かりました」
ロキに言われて、リッカはいつも通り剣を下段に構える。
「とりあえず、まず私が行きますね」
リッカはそう言って、扉を開けて出て行った。
「おいマジかよリッカッ!
絶対に鉢合わせるぞ!」
「さて、どうなるかね」
俺達は恐る恐る外に出て行った。
すると……。
「あ、あの!
そんなに見ないでもらえますか!?」
リッカは誰かと話していた。
まだここから顔はよく見えないが、相手は恐らく若い女だ。
リッカよりも少し背が高く、フリフリの目立つ黒い格好をしている。
あの格好……結構、キャラが絞られるぞ。
「その剣、最高にクールだわ!
その甲冑も! 最高に格好いい!
もうちょっと見せてもらえない?」
「な、なんか恥ずかしいんですけど……」
声が聞こえて来た。
なるほどな、誰か分かった。
そして、スピードワゴンが言っていた意味も。
「なんか争ってる感じではなさそうだなぁ」
「みたいだね、心配して損したよ。
それに普通の女じゃないか」
「イーフェは、あの女の事は知ってるのか?」
「まぁ、そうだな」
俺はリッカともう1人の方へと近づいていく。
「あら? あなたは?」
「初めまして、俺はイーフェって言います。
こっちの騎士の格好をした女の子はリッカさん。
奥にいる白衣の科学者がロキ、その隣が……」
「ジョジョのスピードワゴンじゃない!?」
さすがに分かるか。
この中じゃダントツのビッグネームだもんな。
「そうなんですよ。
ちなみに今の状況はどの程度分かってますか?」
「気づいたらここに居たのよ。
まさか私が異次元に飛ばされるなんてね。
それで、今これは何が起こってるの?」
んー、なんて説明しよう。
「詳細は、今ここに居る全員わかっていません。
分かるのは、あらゆる世界から人間が召喚されて集まっているという事。
そして……この屋敷から出れない状態にあるという事」
「ちょっとそれって!」
「はい、ここは閉鎖空間です。
ただ、謎の力で衣食住には困っていません」
「そうは言っても、大学があるし早く帰らないと。
帰ったら何ヶ月も経ってて、留年とか嫌よ私」
やはりこういうところは常識人だな。
「時間の流れはなんとでもなると思いますよ」
保証はできないけど。
「ところでお名前聞いても良いですか?」
「ゆりねよ。花園ゆりね。
騎士でも科学者でも石油王でもない普通の女子大生だけど、よろしくね」
「えぇ、よろしく」
花園ゆりね——。
根強い人気を持つ連載13年目の漫画「邪神ちゃんドロップキック」の主人公の1人。
アニメは3期+OVAが作られ、舞台化もされた日常系作品だ。
自分では普通の女子大生を名乗っているが、その戦闘力は圧倒的。
もう1人の主人公である魔界から来た邪神ちゃんを一方的に拷問にかけられる程、圧倒的だ。
さらに、天界の神リエールを拳1発でKO出来るほど強い。
ゴスロリ服を普段着として着ていて、厨二病気質の所があるが、根は善人であり、神保町に住む悪魔、天使、神の全てから信頼されている。
「もしかしてその反応、私の事を知ってるの?」
「まぁそうですね。
詳しくは後で話しますよ。
ひとまずよろしくお願いしますね、花園さん」
花園ゆりねという人物は、根は良い人なのだが、怒らせると滅茶苦茶怖い。
特にもう1人の主人公である邪神ちゃんに対して容赦がないが、それ以外の人物に対しても、例えばゆりねにセクハラをした大学教授が謎の死を遂げたりと、怒ると本当に容赦がない。
強くて良い人ではあるんだが……。
やれやれ、戦力は増えたが同時に気の抜けない生活になりそうだ。