のんびり閉鎖空間 〜ランダムで出現するキャラ達と日常は過ごせるのか?〜 作:賭博馬鹿2号
その1
番外編は、本編と一切繋がりが関係ありません!
その2
内輪ネタ、メタネタ何でもアリ。
本編以上に好き放題。
その3
原作からのキャラ崩壊等、起こり得ます。(一人称違いなど)
以上が許せる方だけ、先に進んでください。
番外編プロローグ 壊されし屋敷とゲーム(1/2)
※これは、本編とは異なる時空の並行世界のお話です。
◇
屋敷1階、大広間にて頭を掻きながら叫ぶ男がいた。
「ちくしょう! どうしてこうなった!」
名はイーフェ。
この閉鎖空間たる屋敷に1番始めに来た男である。
彼の近くには、彼と同じく屋敷に飛ばされてきたロバート・E・O・スピードワゴン、ロキ、リッカ、花園ゆりねがおり、皆程度の差はあれど、動揺した様子を見せていた。
なぜそうなったのか理由は単純、屋敷の脱出に失敗したからだ。
事の発端はイーフェが召喚されたばかりのゆりねに対して、こういった事からだった。
「花園さん。
ちょっとこの屋敷のドアを出来るだけ壊してくれない?
こちらの脅威を示せば、屋敷の主が俺達を元の世界に帰すかも」
「ちょっと、物を下手に壊すのは良くないわよ。
でもそうね、帰る方法がないなら試しで」
そう言って、ゆりねは片っ端から屋敷のドアを破壊しまくった。
異能の力しか通さないはずの扉がゆりねの物理的パワーで簡単に破壊され——ついでにそれにより、ホーリーゲイザーで扉を壊すロキの研究も扉並に無意味なものになっていた。
残す扉が屋敷の玄関ドアだけとなった所でなんと!
全員が元の世界に戻る事が出来たのだ!
…………1分だけ。
「イーフェの言う通りだぜぇ!
また屋敷に戻ってくるなんて、どうなってやがるッ!」
スピードワゴンは右手を握りしめ、下から突き出しながら大声で叫ぶ。
「おかしいわね。
さっき壊したドアが元に戻ってるわ。
でもそれだけじゃない。
何かさっきまでいた屋敷と雰囲気が少し違うような」
「えっ! そうなんですかゆりねさん。
私には何も分かりませんけど……」
ゆりねとリッカは周囲を見渡しながら、会話をしている。
そして……。
「一体さっきのは……」
ロキは、先程まで研究が無駄になった事で取り乱していたのだが、反対に今は冷静。
俯きながら呟いていた。
「ロキさんはどこに行ってたんですか?
消滅したから帰る世界はなかったんじゃ?」
ふと疑問に思ったイーフェがそう問いかける。
「見た事のない場所にいたんだ。
宇宙のような、黒い、それでいて神秘的な空間さ。
アースガルドともまた違う。
そこには軍服の少女がいて……」
「私の事か?」
屋敷に1人の少女の声が響く。しかし姿はない。
「どこにいるんだぁ?
人の臭いもしねぇぞ?」
スピードワゴンが辺りを見渡すが、彼ですら姿を捉えられない。
「は? 何言ってんだスピードワゴン。
目の前に居るじゃねぇか?」
そう言ったのは、この中では最も一般人に近いはずのイーフェだった。
「え? イーフェさんはこの声の人がどこに居るか分かるんですか!?」
「どこって、その階段の上に立って……え、俺にしか見えんの?」
イーフェは思い出す。
つい昨日、奏音と会った時、彼女の姿はイーフェしか見えないと言ったような事を言っていた。
つまり……。
「軍服の貴女は屋敷の使用人か?」
これまでの情報を照らし合わせるとそうなるなと、イーフェは思った。
「おっと、そうなるか。
かなり違うが、ややこしい事をしてすまないな。
こうすれば姿が見えるか?」
少女は全員の前に姿を現す。
軍服、というか軍服風の格好で下はスカートになっている服を着ている。
髪はポニーテールで歳の頃は15.6くらいと思われる。
「トウナ・アルバート。
それが私の名前だ」
「なにぃ!?」
「おい、どうしたイーフェ?」
イーフェはその名前、そしてよく見ればその外見を知っていた。
だが、彼が驚いたのは決して、知っているフィクションのキャラだったからではない。
もっと特別な理由で彼女を知っていたからだ。
「その名前にその外見!
おいおい、そりゃ俺が友人のトーシュエンが合作で作ったオリキャラじゃねぇか!
しかもネットに出してねぇ完全内輪向けのキャラだぞ!?」
「そう、その通りだ」
トウナのその声を聞いて、ゆりねは思わず声をあげる。
「ちょっと待って。
この屋敷そんなのもありなの?
それがアリなら、小さい子供が自由帳に描いたキャラクターとかも召喚されそうな勢いじゃない」
「こればかりは事情が特別なのだ。
普通はこんな事にはならない」
「特別って?
適当な説明じゃ納得できないわよ」
少し憤るようにして、腕を組みながらゆりねはそう言う。
「そうだな……番外編だからという事情にしておくか」
「なるほどね、納得したわ」
「これ以上ない程適当な説明で納得してる!?」
イーフェは思わず突っ込む。
だが、ゆりねは本気で納得していた。
それもそのはず。
邪神ちゃんドロップキックという作品はメタネタが豊富なので、この程度の事態は慣れきっているのだ。
「もっと言うと、私は本編でもっと後に登場する予定のキャラだったんだが、そこの花園ゆりねが屋敷を壊したから少しおかしな流れになったんだよ。
まぁ、細かい事は番外編だから気にするな」
「なるほど、要は本編より早目の顔見せという訳ね」
異様な順応性でメタい事情に納得するゆりね。
彼女のいた世界観的にはさほどおかしい事ではないから、当然といえば当然である。
「なんか事情はよくわかんねぇがよ。
だが嬢ちゃんが悪人じゃねぇ事はわかるぜ。
何の目的でここに来たんだ?」
「簡単な話だよ、ロバート」
「いやトウナ、スピードワゴンの名前呼び珍しいって」
思わず突っ込むイーフェ。
だが、普通に考えて、それなりに仲良くなっておきながら、未だ苗字呼びのイーフェの方がおかしいという事に彼は気付いていない。
そんなイーフェを無視して、トウナは無視しつつ……。
「私はな。
もし屋敷の住人を連れてこれるような事があれば、簡単なゲーム企画を開催して欲しいと命令されて来たのだ」
静かにそう告げるのであった。