のんびり閉鎖空間 〜ランダムで出現するキャラ達と日常は過ごせるのか?〜   作:賭博馬鹿2号

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第7話 初の食事

「リッカさんとスピードワゴンは、パソコンの入力って言ってもやり方分からないよね?」

 

俺達は、ゲームやパソコンが置いてある2階の部屋に来ていた。

 

「すみません、全く分からないです」

「俺もだぜぇ!」

 

さて、どうする。

今は俺が代わりに入力しても良い。

だが、今後プライベートに欲しい物が出てきた時、リッカとスピードワゴンは困るだろう。

 

「ところで件のパソコンはこれかい?」

 

ロキにそう聞かれて見てみる。

 

「そうです。それですよ」

「ふーん。

電源は付いてるけど、画面は真っ暗だ。

それに、デスクトップPCなのにアダプタがない。

動力がどこから来てるかは謎だね。

というか、これマイク付いてないかい?

もしかしたら、音声入力出来るんじゃないかな?」

「えっ、あ本当だ」

 

ロキに言われてよく見てみると、小型のマイクがパソコンについていた。

という事は、話しかけるだけで物を出せるのか?

 

「なんかよくわかんねぇがよぉ。

この箱に話しかければ、欲しい日用品が手に入るってのか?」

「マイクに対応してれば多分」

 

パソコンを俺以外に分かる人間がいて、良かった。

悪人だが、これに関してはロキがいて良かったと思う。

 

「えっと、これに欲しい物を言えば出てくるんですか?」

「多分だけど。ちょっと試してみて」

「じゃあ……」

 

そう言って、リッカは俺の聞いた事がない川魚の名前を幾つか上げてから、それを出してくださいといった。

……いや聞いた事ない魚とか、怖いんだが。

今から鮎とかに変更できませんか、ここ屋敷の主さん。

そう思っていたのも束の間、あっという間に目の前に川魚が現れた。

見た目は普通だ。良かった。

 

「す、凄い!

ちょっと怖いけど……本当に出てきました!」

「凄さよりも俺は恐怖を感じるぜ!

まるで世界全ての漁師を嘲笑うかの如く、一瞬で!

新鮮な魚をほんの一瞬で調達しやがった!

ここの屋敷の主ッ!

やはり、底知らないパワーを秘めていやがるッ!

それだけはもう間違えねぇ!」

 

純粋に驚くリッカと、安定の解説を始めるスピードワゴン。

いやまぁ驚くよな。

俺も少しは驚いたし、でもこれはもうこういうものだと思うしかない。

 

「やはり、マイク対応していたか。

原理は分からないが、魚は見た所、安全そうだ。

それが分かれば僕としては大丈夫さ」

 

ロキは驚いていない。

この屋敷で普通の生活が出来れば、あとはもういいといった所か。

 

「屋敷の主さんありがとうございます!

これで美味しい料理を作るので、会ったら必ずお礼を言わせてくださいね!」

 

リッカは、パソコンに対してそう言った。

得体の知れない相手にそんな事が言えるのは、さすがリッカだな。

 

「俺からもありがとうと言わせてください。

では、次はリッカさんの聖騎士のブローチ。

これを出してもらう事は出来ますか?」

 

俺は画面に問いかける。

……出てこない。

 

「無理、みたいですね」

「さすがにか、ん?」

 

そう思っていると、画面に再び文字が表示された。

 

“そのブローチは日用品の範疇を超えています”

 

でしょうね、知ってた。

 

「なんだぁ! 文字が出て来たぞぉ!」

「これがこの屋敷の主のメッセージという訳かい」

 

例の如く俺には日本語にしか見えんが、きちんと全員読めている様だ。これも自動翻訳の力、という所か。

リッカは驚きながら、言葉もなく真剣な表情で画面を見ている。

 

“日常を乱す可能性のある物は渡せません。

ですが”

 

ですが? なんだ?

 

“日常には多少のスパイスも必要です。

なので、ブローチは景品という形であれば与える事は出来ます”

 

景品? なんだ、ゲームでもさせようってのか?

 

“詳しくはこの階の賭博部屋に行ってみて下さい”

 

その表示を最後に文字は消えた。

 

「賭博部屋か……」

「おい! イーフェ!

どうすんだ? このメッセージに従って賭博部屋に行くのかよ!」

 

危険があるかもという訳か。

 

「行くつもりだ。

さっきも言ったが、俺はどうもこのメッセージからは敵意を感じない」

「私もそう思いました」

 

リッカが同意してくれる。少し心強い。

 

「敵意か、確かにない可能性もある。

だが、危険があるのとはまた別の話だぜ。

それでも行くんだな?」

「あぁ。どっちにせよブローチがないと進みそうにないんでな」

「へっ、その意気……買ったぜ!」

 

俺は行くと決めた。

……が。

 

「それより、まずはその魚で夕食にしよう。

リッカさん、俺に手伝える事があったら手伝うよ」

「分かりました。お願いしますね!」

「俺も手伝うぜ!」

「ふっ、暇だし僕も少し手伝ってやるとするか」

 

今は、初めての屋敷での食事を優先すると決めたのであった。

 

 

「いただきます」

 

無事に夕食は作り終わった。

ふっ、俺の活躍のおかげだな。

 

「イーフェは結局何もしてなかったね」

「は、はあ!? 野菜洗いましたけどぉ?」

「こんな捻るだけで水が出る場所なんだから、出来て当然だろうが!

せめて切るまではしろよ……。

たっく、料理が出来なそうと思ってはいたが、そこまでとはな」

「うっ、これから勉強します」

 

スピードワゴンに呆れられてしまった。

ちくしょう、これから少しでも学ぶしかないか……めんど。

 

「にしてもリッカ。

あんたまぁまぁ筋が良いな」

「そうですか? スピードワゴンさん程じゃないですよ。あんなに魚を捌くのが上手なんて!」

「刃物の扱いには慣れてるんでな」

 

リッカとスピードワゴンは料理中に大分、打ち解けたようだ。

 

「ロキのおっさんも、調理器具の使い方教えてくれてあんがとよ」

「足手纏いがいても困るからね。

最も、知ってるのに足手纏いの者もいたけれど」

 

こいつぅ……。

なんて事実を言いやがる! 全く反論できねぇじゃねぇか!

 

「イーフェさんは出来る事を頑張ってくれました!

今はそんな事は言わないで、食べましょうよ!」

「ふっ、それもそうだねリッカ。

なに、さして悪意があって言ったわけじゃない。

ただ因果調律にも目覚めず、ニートをしていた頃のフェンリルを少し思い出しただけさ。

あいつもこのくらい料理が出来なかったな、とね」

 

ザイと食べ歩きとかして日常を過ごしてた頃か。

確かに、あの頃のフェンリルはただのニートだな。

えっ?

俺、それと一緒にされてんの? ヤバくない?

 

「ロキさん、フェンリルっていうのは?」

 

リッカがそう聞く。なんて答えるんだろう。

 

「僕の開発した3人のホムンクルス。

その長男さ。息子のような者かな」

 

相変わらず武龍がカウントされてないが、まぁそれはもう良いだろう。

今更直るわけがない。

 

「ホムン?

えっと、息子さんがいるんですね!」

「あぁ。

見た目は君より幼いヘルという娘もいる。

全てはアースガルドに到達する為だけに造りあげた。

負のエネルギーとその特性を持つホムンクルス達さ」

「アース? 負の?」

「まぁ……今はもうどうでも良い事だがね。

アースガルドはもうどうでも良くなってしまったんだ」

 

ロキはそう言って俯きながら、食事をすすめ出した。

またこれだ。

変に暴れられるよりは良いがどうにも何かなぁ。

 

「何かよく分かりませんけど、元気出してください!

私で力になれる事があれば言ってくださいね!

一応、私聖騎士ですから! 元ですけど」

「あぁ……ありがとう」

 

そう言われてもロキは俯いたままだ。

これはもう仕方ないな。

ひとまず、話を切り替えるか。

 

「リッカさん。ちょっと良いですか?」

「どうしましたか? イーフェさん」

「この後、ブローチを手に入れる為、賭博部屋に行くつもりです。

リッカさんも来ますか?」

「はい、勿論! 私が使ってたものですから!」

「ありがとうございます。

スピードワゴンは」

「勿論行くぜぇ!」

「だよな。ロキさんは」

「僕かい? うーん、良いかな別に。

確か書庫があるんだったよね。そこで待ってるよ」

 

予想は付いたがやはりそうか。

 

「なら食べ終わったら、スピードワゴンとリッカさんは俺と一緒に賭博部屋に行きましょう」

 

にしても、賭博部屋か。

俺を重度のギャンブル中毒と知っての事か?

ブローチを景品にギャンブルでもしようってのか?

もしギャンブルなら……。

 

「ふふふ」

「おい、どうしたイーフェ?」

「いや何でもない」

 

ギャンブルなら、大分面白い事になりそうだ。

楽しみだぞ!

さっさと食い終わってやる!

 

「あっ、骨が喉に!」

「マジで何やってんだ阿呆がッ!」

 

……ゆっくり食べる事にした。

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