アリスを取り逃がした妹紅一行は、ひとまず今後の捜査体制を見直すことにした。
「こんなに人数がいるならとりあえず広い場所が必要だな。そもそもなんでこんなに人が集まってるんだっけ? 何しに来たんだお前らは」
自分も当事者ではないくせに、ふてぶてしく周りへと尋ねる魔理沙の疑問に霊夢が答える。
「異変よ異変。最近里で目が痒くなったりクシャミや鼻水が止まらなくなったりするから調べてくれって言われててね。全然変化の無い人もいるんだけど、症状がひどい人の分布を調べたら里から魔法の森に向かって増えていってたのよ。原因は森にあるんじゃないか、と思って見にきたら修羅場に鉢合わせたってワケ。見た感じあんたは大丈夫みたいね」
「へえーなるほどな、私が研究で家にこもりっきりになってる間にそんなことになってたのか。私は別にそんな症状は出てないなあ。アリスもそうだったし、森の中にいる奴らもそんなことは無さそうだったぜ」
「そう……空振りかしらね、まあ良いわ。今はそれよりアリスを追う方が先決よ。人里で人間……まあ曲がりなりにも一応、人間(?)を、妖怪が襲ったってことになるんだから。幻想郷のルールに反している以上、それ相応の報いを受けさせなくっちゃ」
ひとまず集まる場所を、ということで一行はパチュリーの先導で紅魔館へやってきた。いつものように門番は眠りこけていたのでスルーして大広間へ向かう。
「さ、早くアリスを探す方法を考えましょう。現場に残っていた人形からは魔力の痕跡が見つからなかったの。完全自律型に加えて行動の停止時には証拠まで抹消するなんて一体どんな術式を編み出したのか気になってしょうがないわ!」
一同が着席したタイミングでいつの間にかテーブルの上に置いてあった適温の紅茶を飲みながら、パチュリーが話を進めようとしたその時「話は聞かせてもらった!!!」
紅魔館の主がドアを跳ね飛ばしてダイナミックエントリーしてくる。
先程の紅茶と言い、跳ね飛ばされたドアやその破片が消えているところを見るにどうやら紅魔館のメイド長は今日も絶好調のようだ。
「ところで何の話してたの?」
「レミィ……はぁ、実はかくかくしかじかでね」
「なるほど、まるまるうまうまってことね、面白そうじゃない。よーし、ここを捜査本部とするわ! 咲夜、看板を立てるのよ!」
「お嬢様、既に準備済みですわ」
咲夜は誇らしげに『アリス・マーガトロイド行方不明事件』と書いた立て看板を掲げる。
「いや、事件名変わってるぜ……」
まあ結局どちらでも同じことか、と魔理沙はため息をついた。
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