頭平成のミレニアム生による変身アイテム開発記録   作:ご覧のスポンサーの提供でお送りします

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「こんな二次創作のために!
 これ以上誰かの涙はみたくない!
 皆に笑顔でいて欲しいんです!
 だから見ててください……俺の、小説ッ!!」

(読者の情緒を殴る音)(赤バーになる評価欄)

「☆5代……!」

(評価バーが超変身する音)(評価バーペガサスフォームが爆誕する音)



空我

 

「超古代の遺跡から発掘した遺物を復元できました!!」

 

 

 ここは学園都市キヴォトス。

 雲ひとつない青空の下で、多種多様な学生達が青春を謳歌している。

 

 理系の学生が集うミレニアムサイエンススクール。ここでは、たくさんの胡乱な部活が年がら年中ライブ感で部活動をしている。

 ミレニアムの中枢、ミレニアムタワーのとある一室で今日もまた怪しげな活動が行われていた。

 

「で?」

 

 ミレニアムの生徒会(セミナー)の会計である早瀬(はやせ) ユウカは、冷ややかな目で目の前の()()を見ていた。

 

「いやだから超古代の遺跡から発掘した遺物(レリック)を復元したんですよ! 凄いでしょ! さいっこうでしょ! てんっさいでしょ!!」

 

 ユウカとは逆にテンションフォルテッシモな学生がひとり。

 ピンクじゃない(マゼンダ)の髪の毛はボサボサ。一部がテンションの高さを表すかのように跳ね上がっている。

 

「ルリ!」

 

 彼女の名前は本郷(ほんごう) ルリ。

 胡乱な部活動が数多くあるミレニアムでも輪をかけて胡乱な部活、『仮面ライダー部』に所属する2年生だ。勿論、部員は一人である。ルリ曰く、「わたしはそれを望んでいる」らしい。

 

「とりあえず落ち着いて。頭ウォータープリーズ」

 

「……まぁ、いいでしょう」

 

 額に青筋を浮かべながらユウカは怒りを抑えた。

 自分の中の悪魔(怒り)にこの程度で負けてなるものか。とりあえずユウカはルリの()()を聞くことにした。

 このルリという少女は、いつも何かしらの玩具(おもちゃ)を作って遊んでいる。そしてその大半がろくでもないものなのだ。中には……というか究極の救世主が現れる程度の確率でDANGER!なものを作ってたりするので目が離せないのだ。

 本人曰く、「It's never Over───」らしい。早く終われ、とユウカは常々思っている。

 

「始まりはミレニアムのクローガタケで発掘された謎の遺物(レリック)でした……」

 

「手短に言いなさい」

 

「えぇ~、しょうがないですねー。そんならフルスロットルで行きますよー!!」

 

 ルリは机の上に置かれている"ベルトのようなもの"を持ち上げた。

 

「アークルです」

 

「は?」

 

「そしてこれがアマダムです」

 

「あま……何?」

 

「超変身できます。以上! Time Out……

 

「以上どころか異常よ、その説明は」

 

Reformation……

 

「何て???」

 

 ルリは"アークル"を机の上に戻した。

 ユウカは額に手を当てている。あまりにもルリの説明が意味不明すぎて困惑していた。

 

「えー、もう一度聞きます?」

 

「…………不本意だけど」

 

タイムベント。\デーン/」

 

 ユウカはちゃんとルリの説明を聞くことにした。

 こういう面倒な手合いは、相手するのを面倒くさがると余計に厄介なことになったりするのだ。じkっくりと丁寧に因数分解するように話を聞けば、何だかんだ満足して早めに終わったりするのだ。

 

「まずこの中心部を見て下さい」

 

「赤い……宝石?」

 

「はい。それがアマダムです」

 

「アマダム……」

 

 アークルはベルトのような形状をしている。そして中央部には一際目立つものが埋め込まれている。赤い宝石、アマダムだ。

 

「何か凄いエネルギーを持ってるっぽいので色々と実験してみたところ、物体を原子レベルで分解して再構成する作用があることが発覚しました! モーフィングパワーですね!」

 

「ちなみにさっきから出ているその固有名詞はどこから来てるのよ?」

 

「わたしの趣味です。良いでしょう?」

 

「いや……まぁ……そうね」

 

 ユウカは沈黙した。

 沈黙こそが万能(オールマイティ)の答えだと、魂が教えてくれていた。

 

「まぁ、色々とすっ飛ばしますと(クロックアップ)……このアマダムはモーフィングパワーを利用して肉体を改造する道具の一部だったっぽいですね」

 

「肉体を改造って、どういうことよ?」

 

「何かすさまじき戦士になるっぽいですね」

 

「『何か』で済ませて良いやつじゃないわよ多分それは」

 

「視力と聴力が数十倍になるとか」

 

「ほらやっぱり!」

 

「あと身長は200.0cmになりますね」

 

「何よそれ!? 身長伸びるの??? どういうことよ!?」

 

 ルリはシミュレーションで得たデータをユウカの目の前に出した。

 ユウカはデータを一瞥する。

 

【予測される身体数値

 ■身長:200.0cm

 ■体重:99.0kg

 ■パンチ力:約3.0t

 ■キック力:約10.0t

 ■ジャンプ力:15.0m(ひと跳び)

 ■走力:5.2秒(100m)

 ■視力:人間の数十倍

 ■聴力:人間の数十倍】

 

「????????????????」

 

 ユウカは一旦、机の上にデータが表示されているタブレットを戻した。

 すぅー、はぁー。

 重い荷物を枕にするわけにはいかないので、深呼吸。

 もう一度データを確認した。

 

【予測される身体数値

 ■身長:200.0cm

 ■体重:99.0kg

 ■パンチ力:約3.0t

 ■キック力:約10.0t

 ■ジャンプ力:15.0m(ひと跳び)

 ■走力:5.2秒(100m)

 ■視力:人間の数十倍

 ■聴力:人間の数十倍】

 

「何よこれ!?」

 

「いやスペックですけど。すさまじくないですか?」

 

「いやすさまじいけど」

 

「ほら、キック力とか凄いですよ!」

 

「もっと他に測定すべき項目あったわよね絶対」

 

「いやキック力は大事じゃないですか! だって、すさまじき戦士になるんですよ!?」

 

「すさまじき戦士」

 

 ユウカは結論を出した。

 今回もルリの作ったこれはゴミである、と。

 

「マッテローヨ!」

 

 撤収の気配を感じたのか、ルリがぐっと身を乗り出してきた。

 アークルをユウカに向かって突き付けてくる。

 

「そんなに超戦士の力が信用できないなら、試してみて下さいよ!」

 

「数値に懐疑的なわけじゃないのよ。こいつの存在に懐疑的なのよ」

 

「ちゃんとわたしが丹精こめて調べた数値がそんなに信じられませんか!? 財団Bの全面支援もありますし」

 

「あなたはいい加減その怪しげな企業との関係を切った方が良いと思うわ」

 

「怪しげだなんてそんな……」

 

 財団Bはルリに技術支援をしている謎の企業である。

 企業理念に『夢・クリエイション』を掲げている。

 

「とにかく! 一度試してみればもう炎の如く実感できますから」

 

 ユウカは怪訝な表情でルリを見つめ返す。

 

「……安全なのよね?」

 

「えー、ユウカちゃんは心清く体健やかなるものですよね。なら大丈夫です! はい!」

 

「大丈夫な要素を1パーセクも感じられないわ……」

 

「大丈夫ですって! ちょっとひとたび身につければ永遠に汝とともにありてその力となるだけですから!」

 

「ねぇ」

 

 ユウカはバックステップをかました。

 ルリの言葉にただならぬ身の危険を感じたからだ。

 アークルを試着してくれなかったユウカにルリは口を尖らせている。

 

「とにかく! それ(アークル)は処分よ! 全て因数分解するから!!」

 

 ルリはしぶしぶ机の上にアークルを置いた。

 

「でもですねユウカちゃん。少し困ったことに処分する方法がないんですよ」

 

「ないって……どうしてよ?」

 

「見た方が早いですね。さぁ、実験を始めましょうか」

 

 ルリは窓を開けると、アークルをぽいっと外へ投げ捨てた。

 ここはミレニアムタワーの7階。

 普通に危険行為であった。下に人がいたら大変だ。ユウカは慌てて窓へ駆け寄った。

 窓の下を覗き込む。

 するとそこでは、クッソデカいクワガタがアークルを背中に乗せていた。

 

「きゃぁあああああ!?」

 

「おっ、ゴウラムですね」

 

 クソデカいクワガタ……ゴウラムはそのまま浮上してくると、アークルをぽいっと室内に戻した。アークルを室内に戻した後、ゴウラムは不思議な鳴き声を上げて遠くへ飛んで行った。

 

「アマダムを捨てようとすると、どっからともなくゴウラムちゃんが現れるんですよねー」

 

「…………は、は」

 

 ユウカは蟲が嫌いだった。

 

「もういいわ」

 

「……いいって?」

 

「帰るわ」

 

「あ、うん。これまでの説明をもう一度聞きたいならミレニアム仮面ライダーファンクラブへ! アベマ、ティーバーでお気に入り登録がオススメです!」

 

 ユウカは今にも吐きそうな顔をして部屋を去っていった。

 

「さて、」

 

 室内にはルリと完成したアークルがひとつ。

 

「どうしたものかなぁ……」

 

 セミナーの会計であるユウカに部活動の成果として認められないのならしょうがない。アークルをどうにか処分しないといけない。しかし、文字通りダイレクト処分をしようとするとどこからともなくゴウラムが現れる。

 何かに利用できればいいのだが。

 

「あ」

 

 ルリはポンと手を叩くと、アークルを持って部屋を出た。

 

 


 

 

「で、今も元気にすさまじき清掃業をしてるらしいですよ」

 

「へぇ」

 

 キヴォトスのあらゆる問題は、流れに流れて最終的にとある場所に行き着く。

 その旅の終着点の名はシャーレ。

 シャーレの最高責任者である"先生"とルリはコーヒーを片手に談笑していた。話題は、最近巷で噂の"クウガ"について。

 

「やっぱ投げるだけでゴウラムが来てくれるってのがありがたいみたいで、ビルの窓ふきの時とか重宝してるみたいですね。クウガ自体のスペックも高いですし、色んなところから引く手数多らしいですよ」

 

 あれからアークルはとあるキヴォトスの老人に行き渡った。考古学者だったその老人は試しにアークルを着用。そして、超変身の末によぼよぼの肉体は身長200cm、体重99.0kgのマッシブボディに早変わり。

 若返った身体で「世間に恩返し」をするため、肉体労働を始めたところこれが話題に。

 空を自由に駆けるゴウラムと、キヴォトスにやたらと多い無駄に高いビルの窓拭きをしてくれるその姿から『空我(クウガ)』と呼ばれ大人気に。

 

「何でも近頃はボディカラーを切り替えれるようになったとか。ほら」

 

「うわっ、青い姿もかっこいいなぁ」

 

「やっぱり先生もそう思いますよね! カッコいいですよねー、クウガ」

 

 ちなみにユウカはどうしてもゴウラムが苦手なようで、街で出会っても未だに苦い顔をしている。

 ルリはそのたびに「あんなに愛らしいゴウラムちゃんのどこがダメなんですか!!」と叫んでいる。ユウカだけでなく、一部の虫嫌いの生徒からも同じような意見を聞くので、何か対策が必要かもしれない。 

 

「せっかくクウガが2000も特技を持ってるんですからねー。何か良い感じにゴウラムの不評を振り切る特技とかあるんじゃないですかねーとは思ってるんですが」

 

「もういっそのこと無機物っぽくしてみるのはどうかな?」

 

「と、いうと?」

 

「うーん……バイクと合体するとか…………ないか」

 

 その時、シャーレの窓に影が映った。

 黄金の2本角に赤い大きな複眼マッシブなボディ。ゴウラムに乗って、クウガが雑巾片手に現れた。

 

「おっ、クウガだ!」

 

 ルリと先生は目を輝かせながら窓に駆け寄った。

 

「いつもありがとうね!」

 

 シャーレのガラスは完全防弾かつ防音仕様だ。数十倍になった聴覚で音が聞こえたのかもしれない。クウガがルリ達の方を向いた。

 ガラス越しにサムズアップ。

 キヴォトスの空は今日も、雲一つない青空だった。

 




クウガ25周年を祝ってます
いや本当です
信じてください
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