貞操観念が真逆の世界で、風俗の受付(兼キャスト)   作:パッチワーカー

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 日間ランキングに入ってみたいですね、色んな方に読んでもらえて嬉しいです。ありがとうございます。
 


受付ではないおしごと

 

 

 

 

 

 

 

 

 伊東様改め、なぎさ様のご要望に応えられるキャストは人が多い時間帯でさえ少ない。

 ましてや、この時間帯だと当てはまるのは僕しかいない。

 ──けど、僕は一応受付なんだ。体裁上のオススメだけはしておこう。

 

「写真と簡単な自己紹介を持ってきたので、それらに目を通してから気持ちが変わらなければ···僕がお姉様のお相手をする分には構いませんし···」

 

 そう言うと、写真と自己紹介が書いてる資料を一目見て、すぐに突き返してきた。

 

「私はやっぱりあなたが、れいくんがいいです···!」

「──分かりました。ご指名ありがとうございますね。···なら、お部屋に案内しますので少し中で待っててください。受付の仕事を引き継いでから参りますので」

「は、はい」

「なぎささん手を」

「?···あっ···ちっちゃくて細いし、キレイ···

 

 お姉様、なぎささんに手を差し出して恋人みたいな握りをして部屋に向かう。なぎささんの視線が手にばっかりいってるのが面白い。

 

「僕の手キレイだよね。ちょっとした自慢なんだ。なぎささんの手はすごい努力の跡があってカッコいいね。──なにかしてたの?」

 

 僕の努力していない手とは対照的に、なぎささんの手はタコや傷など努力の跡が滲み出ていた。こういう手はカッコいいし憧れる。

 

「私は弓道してま···弓道してたよ。学生時代に真剣にやってて、今もたまに昔の仲間と集まってしてるかな」

「そうなんだ、なぎささんの袴姿とか絶対カッコいいだろうし見てみたいな」

 

 敬語がとれたことによって雰囲気がだいぶ柔らかくなった。···やっぱりこの人キレイだし笑ったら可愛いだろうなぁ。

 

「私の袴姿?──そんないいものじゃないよ?」

「そう?絶対良いと思うけどなぁ。なぎささんキレイだし美人さんだしね」

「──れいくんはお世辞がうまいね···ちょっとキュンってしちゃった」

 

「ちょっと」と言う割に耳と頬は赤いし、口元もにやにやしてる。意外と分かりやすい人らしい。

 そうこう言いながら歩いていると部屋についた。

 

「キュンってさせられてよかった。──ん、この部屋でちょっと待ってて。シャワーはいっしょに浴び···てもいいんだね。なら、上着だけ脱いで待っててね。あと、歯磨きとかもしててもらえると助かるかも」

 

「シャワー」「いっしょに」という言葉を聞いて顔が赤くなりながらも首を縦に振ってくれた。なら、いっしょに浴びる選択肢しかない。

 

「うん、やっておくね。···早く来てね」

「受付を指名したなぎささんが悪いんだよ?···まあ早く帰れるように頑張ってくるよ。なぎささんはベッドに座っておいて」

 

 そう言い合って少し笑みが溢れていた。···よかった。だいぶ緊張が解けてみたいだ。

 

 一度手を離し、受付に戻った。

 そして、仕方なく予約が入っていないキャストに受付の仕事を頼んだ。甲斐さん以外に頼むのは少し不安だがそうは言ってられない。まだ、まともそうな人に電話で伝えた。もう30分もしないうちに最終予約時間*1が終わる。さすがにもうそんなに人は来ない。

 

 少し嫌がられながらも引き受けてもらい、なぜか生まれてしまった仕事に向かう。

 

 

 ──────

 

 

 コンコンコンっと優しくドアを叩いた。多分こういう感じで入るのは緊張させると思うけど、マナー的に仕方ない。声を出すわけにはいかないしね。

 

はい···!」

 

 小さくてもちゃんと決意が感じられる声だった。

 

 ガチャっと開け、靴を脱いでベッドに座った。

 少し間隔は空いてるけど、隣に座ってみるとかなり緊張されてるみたいだった。

 

「···」

「···ふふっ、なぎささん緊張してる?」

「してな···いわけないじゃない」

「大丈夫、初めはそんなものだし普通に僕も緊張してるし安心してね」

「え、れいくんも緊張してるの?」

 

 結構ちゃんと緊張してるけど疑われてるらしい。そう思うと彼女の手を取って、僕の胸に当てた。

ほそっという声は聞こえなかったことにしよう。

 

「どう?僕もちゃんとバクバク言ってるでしょ?」

 

「う、うん···ありがと、ちょっと落ち着いたよ。れいくんほんとに優しいね」

 

「僕はそんなに優しくないよ、けど褒めてもらえるのは嬉しい、ありがと。なぎささん落ち着いてるけど、ほんとに緊張してる?」

「緊張···というか、ドキドキしてるかな···た、確かめてみたいの?」

 

 顔を赤くしながら僕の手を掴んだ。···仕返しというには可愛くて、僕もちょっと顔が熱くなった。

 

「うん、僕も確かめさせてもらうね。──うん、ほんとにバクバクいってて可愛い。僕相手になっちゃったし、ちょっと不安だったけど安心したよ」

「れいくんが相手してくれて私はめっちゃ安心してるし満足してるよ!···だから心配しないでね」

 

 ふふっとお姉さんらしく綺麗に笑った。──なんで、彼氏がいないのか本気で不思議に思った。

 

「そっか、ならよかった。僕もなぎささんみたいな優しくて可愛くて綺麗なお姉さんが相手になってくれて嬉しい、今日は色々しようね。まずは、どうしたい?──まず、シャワー浴びてもいいし、スキンシップしてからでもいいけどどうする?」

 

「えっと······んー······あっ···れ、れいくん??」

 

 ···迷ってるようだから、まずスキンシップからでいいかな。左手は胸にあるし、右手は太ももにある。

 優しく体を触りながら少し空いていた距離を詰める。

 

「時間が無駄になっちゃうし、まずは軽くいっぱいいちゃいちゃしない···?僕なぎささんとぎゅーってしたいな」

 そう言って、答えも聞かずに抱きつきに行った。

 思ってたよりも細くて、こういうところも努力してるんだなぁ。

 

「なぎささんも細くて良いね、なのに胸は大きいしちゃんと魅力的だよ」

「そ、そう···?──れいくんって口開けば褒めるのが癖なの?」

「そんな感じじゃないって。ただただ、なぎささんが素敵なだけだよ。···こっち、ちゃんと見て?」

「···ち、ちょっと待ってね?」

「僕の目見て」

「う、うん」

 

 目を合わせて、目と目の間も詰めていく。

 彼女にとっての初めてを、僕にとってもなぎささんとの初めてだしちゃんと記憶に残したい気持ちがある。

 そう思うのは久しぶりだった。

 

「···ん、──やっぱりドキドキするね。初めてはどうだった?」

 

「···目瞑るの許してくれなかったから、記憶にめっちゃ残ったね。──本当にありがと、幸せだよ」

 

 綺麗に、というより恋する乙女みたく可愛く笑った。

 ···不覚にもドキっとした。僕も恋してるみたいな気持ちになって、身体に触れている手が、触れていた唇が少し熱くなった気がした。

 

「──シャワー浴びよっか。僕はこのまま脱ぐけど、部屋暗くする?」

「···見られるのは恥ずかしいけど、れいくんのことちゃんと見たいし明るいままでいい?」

 

「なぎささんちゃんとえっちだね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
ラストオーダー






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