それはそうと、ケイとか過去描写が全くないから設定作りまくれるの良いですよね
めっちゃ楽しいです
……不安要素はデカグラマトン編、何がくるかマジで分かんない
矛盾が生じないかの恐怖で小説のマインスイーパーやってる気分です
夢を見ていた
いや、夢じゃないな
回想だ
あの夜の、回想だ
キィと喧嘩したあの夜の
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どこかの研究所、一人の騎士が立っていた
【…なあ、そろそろ終わりにしないか?】
『貴方を再起不能にしたら終わりにしましょう』
当たり一面に転がるロボの残骸
壁中が傷だらけになり、周りの天井も吹き飛んでいる
【お前だってもうロボのリソース無いだろ】
『貴方こそもう三日間休まず戦闘をしているのです、相当疲労は溜まっているはずですよ』
一応鎧を着込んで補助をしているがさっきから頭がやばい
休まず戦い続けていたせいか、ずっと頭の中で蝉の鳴く声が聞こえる
…そろそろ冬なんだが
【王女のためになるかは目覚めた時聞けばいいじゃねぇか】
『いいえ、王女は世界を滅ぼすためにいるのです。そのための私です』
そうかい
【何度も言ってるが別にお前にアレやめろ、コレはだめだとか無責任なことを言うつもりはねぇ】
【オレが言っているのは自分と王女を尊重しろって事だ】
『だから言っているでしょう、自分を尊重した結果が王女と世界を滅ぼす事なのです』
いいや違うね、それは違う、断じて違う
普段はこんな他人の気持ちを勝手に決めつけることはしないが断言できる
何年一緒にいると思ってやがるこのAI
顔が無くとも、表情が分からずともお前の声だけでこれまでやってきたんだぞ
『それに、いくら貴方でも機械である私に長期戦は無理なのですよ』
【なっ!?】
後ろから襲われた、が
咄嗟に剣を後ろに回してガードが間に合う
嘘だろ…まだリソース残ってたのかよ
【一体全体何体いるんだ】
もうこれ以上疲れさせんなよ
あれだ、一匹見つけたら十匹はいるの法則だ
ロボを剣で弾き飛ばす、斬る、殴る、叩きつける、蹴る…
…クソ、意識がそろそろ飛ぶ
あー、頭の中にいる蝉の合唱に鈴虫が仲間入りしやがった
【ガッ】
その不意を突かれたのか
横から思いっきり吹き飛ばされ、そのまま壁を突き破った
…もう、ダメなんだろうか
オレは壁を貫通した部屋に仰向けに寝転びながらそう考えてしまった
…星が見える
オレはまだ見ぬ王女とキィには人生ってやつを楽しんでもらいたい
無論王女が世界を滅びしたいと願うなら喜んで従う
でもな、分からねぇじゃねぇか
もし王女が世界を愛する、世間的に言う心優しい少女になるならどうすんだ
オレはキィと王女が争う光景なんて見たく無い
第一、キィ本人に自分がやりたいことを聞いた事がない
いつもいつも、そういう役割、使命、そのための存在だの
うるせぇよ
オレも役割は持っているがそんなことよりやりたいことやれよ
このポンコツAIめ
【…?】
ん?おかしいな、何でこんなに長い間考え事ができる
追撃はどうした
キィの方を見ると
恐らくアイツが使用している監視カメラがオレでは無くオレの
…そういえば何処かの部屋に突っ込んだな
体に鞭打って無理矢理立ち上がったオレはキィの視線の先、つまり後ろを振り向いた
【…あ】
頭の合唱が鳴り止んだ
【あぁ…】
きっと、相棒も同じだ
オレは
オレ達は
その光景を生涯忘れることはないだろう
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【…んあ?】
「騎士!ようやく起きたね」
周りを見ると
何でいるんだ?つーかなんでオレは寝てる
なんか昔を思い出した様な気がするが
落ち着いて記憶を整理しよう
確かオレはユミちゃんと別れて廃墟に行って…
「騎士、起き早々悪いが一緒に来てほしい。アリスの命が危ないんだ」
【さっさと話せ】
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【ふむ…】
ウタハから聞いた話を要約すると
ユウカもいるセミナーの会長、調月リオとやらが王女のヘイローを壊すらしい
王女のことを『名も無き神々の王女』という兵器だと言い
世界を守るため、オレを傷つけたことに心痛めた王女を誘拐したらしい
無論ユミちゃんたちは反抗したらしいがロボを引き連れていたのでどうしようもなく
さらに嬉しいことに会長の部下であったネルも反抗したらしい
まあ、その後負けたらしいけど
その後はみんなで話し合って王女がいるエ…エリドゥ?という都市に行くらしい
…らしいばっかだな
ふーむ
まるで囚われのお姫様を助けるRPGみたいだ
とりあえず王女がヘイローを壊されることはないだろう
王女にはキィが付いてる
というかヘイローを壊すとかまどろっこしいこと言わずに殺すって言えばいいのに
ネルとか余裕で使ってくぞ、主にオレがチビって煽った時に
…恐らくそこら辺の意思が固まってないんだろうな
そもそも王女の正体も調べればわかると思っていたがこんな大胆に出るとは
勿論、オレについての情報はとうの昔に削除済みだ
「騎士にもアリスを助ける手伝いをして貰いたい」
【当たり前だ、オレはあの人の従者だしな。それに今回のことは非常にヤバい】
聞けばそのエリドゥは都市そのものがコンピューターで支配できるらしい
キィの奴に渡したら一番ヤバいやつだ
そっこーアトラハシースの箱舟ができる
それにしても調月リオか
一つの組織の長として守るべき者達の為にこのキヴォトスでほぼ禁忌を成し遂げようとするとはな
そんだけの決意があるんだろう
【それじゃあ行くか…あ、ユウカー頼みがあんだけどー】
それについては好感が持てる
その標的が王女じゃなかったら気に入っていたかもな
「さて、準備もできたことだしエンジニア部with騎士でみんなと合流してアリスを救いに行こうじゃないか」
【…そういえば、お前らオレを分解しようとかしてないよな】
「「「………」」」
おい…おいこっちを見ろ
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⬜︎
やっほー
そう言いながら騎士は現れた
「騎士!アリスがね、アリスが」
【おーおー大体話は聞いてるぜ、勇者サマが殺されそうなんだろ?いつ行く、オレも同行しよう】
“………”
…こんなこと思っちゃダメなのかもしれないけど…なんだか、『軽い』
アリスのヘイローが壊されそうだと言うのに言動が軽い
あんなに仲良くしていたのに心配じゃないのだろうか
「…騎士はアリスが心配じゃないの?」
ミドリも同じことを思ったらしく少し怒った様に言った
【心配じゃないね】
「え?」
そんな薄情な
みんなが目を開いていると
【第一勇者サマは死なない、オレがいるかぎりあの人に危害を加えることはできない。何より】
信じてるからな
騎士はそう言った
…うん、やっぱり騎士は騎士だ
【さ、勇者サマ救出RTA始めるぞ】
“うん、行こう!”
騎士が信じているのは『鍵』
たとえ自分に攻撃した、そんな相手でも唯一無二の相棒だから