待ちぼうけの騎士〜天童アリスの護衛従者〜   作:弥次郎兵衛

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赤バーだ!!やったああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!


いやー嬉しさのあまり、思わず叫びそうになりましたね
というか叫びました、偶々隣にいた何も知らない友人には変な目で見られました

やんわり事情を話したら「じゃあその作品見つけたら低評価押しとくよ」って言ったんですよ
アイツ、山と海どっちが好きですかね?(シャベルとドラム缶を用意しながら)

それはそうと、評価ありがとうございました


オレの趣味は

◼️

 

【よう、さっきぶり】

「リベンジマッチ、ですか」

 

もう何度目のリベンジか分からんが、今度こそ終わりだ

やはりと言うか

やっぱり王女のいるタワーの前で陣取っていた後輩ちゃんと相対する

 

「それじゃあ後輩、始めようぜ?」

 

ユズの作戦を軸にユミちゃんの指示の下、C&Cと共に目標の地点に後輩ちゃんを誘導する

 

オレとネル、加えてアスナで翻弄し

カリンの狙撃にアカネの爆破で押し込む

 

…やっぱ爆破っていいな、正確に狙わなくてもダメージ与えるって普通に考えてすごいだろ

 

それからしばらく、そんな調子でどんどん押し込んで行き

とうとうタワーの内部に到着した時だった

 

優秀なユミちゃんの作戦だとでも考えたんだろうか

調月リオと思われる声が少し焦った様子で無線越しに言葉を放つ

 

『トキ!主砲の使用を許可するわ!』

「イエス、マム」

 

アビ・エシェフに高エネルギー反応を感知

うわ、多分この都市の演算能力を集中させてるな

マジかよ、あれをぶっ放すつもりかよ

 

【こっち来いネル!】

 

オレはとっさに射線にいたネルを庇い、砲撃に飲まれ

そのまま衝撃で舞った土煙に包まれた

 

⬜︎

 

“騎士!ネル!”

 

あの攻撃を正面から浴びてしまった二人に声を掛ける

 

『…咄嗟にネルを庇った様だけど双方ただじゃ済まないはずよ、その証拠に』

 

土埃の中、立っていたのは傷だらけのネルだけだった

側には騎士が横たわっている

 

『正直、この場でその騎士を倒せてよかったと思っているの』

”…一応聞くけど、なんで?“

 

何故ネルではなく騎士が?

 

『この際言うけど、その騎士は何も分からないのよ。出身、素性、いつから存在しているのか、何も分からないの。どれだけ調べても何も情報がない、唯一の情報は噂だけ。それがいきなりシャーレに所属し、ネルと同等の力を持つ。そんな不確定要素を持つ存在を恐れない理由はないわ』

“………”

 

言われれば確かに

私たちにも騎士は分からない事だらけの存在だ

 

“でも「だけどよう」…ネル?”

 

傷を負ったネルが話を遮る

 

「確かにコイツは分かんねぇ事だらけかもしれねぇ」

「それでも分かる事はある」

「ゲームで負けると悔しがるし、よくあたしの事をチビとかほざくし、アリスとは仲良くクエストとやらを一緒にやる」

「もしかするとそこに何か思惑があったのかもしれねぇがな」

「…だけどな、はっきり言えることがただ一つある」

 

どこか確信に満ちた顔で、ニヤリと笑いながらネルは言う

 

『……それは?』

 

 

 

 

 

「あたしの騎士(ダチ)はあんな攻撃なんかじゃ倒れねぇって事だ」

 

 

 

 

 

「なっ!?」

【ハロー、後輩ちゃん】

 

さっきまで倒れていた騎士はいつのまにかトキの背後に立っていた

 

「このあたしとタイマン張ったことあんだ、簡単に倒れるタマじゃねぇよ」

 

◼️

 

【ようやく捕まえたぜぇ】

「いつの間にっ」

【背後取りはオレの趣味なんだ、ネル!】

「ああ!」

 

驚いている後輩ちゃんを掴んでそのままヴェリタスが開けたエレベーターに投げ入れる

はい、シューートッ!!

 

『何を…まさか!トキ!早くそこから出なさい!』

「させるかよ」

【ここを通りたくばオレらを倒せ、ってな】

 

オレ達二人もエレベーターの入り口を塞ぐ様に入る

するとタイミングよく扉が閉まり、そのままゆっくりと上昇を始める

 

「今度はあの時みたいなヘマはすんなよ?」

【この貨物用エレベーターの天井は見たところかなり高いからな、引っかかる事はないだろ】

 

段々とエレベーターのスピードが上がる

 

リオは気付いたようだがユズの作戦はこうだ

 

まず後輩ちゃんをヴェリタスがハッキングしたエレベーターに入れ、そのまま急上昇

その勢いで重力加速度を10倍にし、アビ・エシェフの回避システムを無効化するというものだ

 

「…回避システム、麻痺」

【問題だぜ後輩ちゃん。次このエレベーターが開いた時、出てくるのはどっちだと思う?】

「チート抜きに正々堂々勝負しようぜ、後輩?」

 

ーーー

ーーー

ーーー

⬜︎⬜︎

 

 

 ポーン

 

 

静かな屋上にエレベーターが到着する単調な音が鳴る

 

扉は開き、降り立つ勝者

 

「…ペっ」

【おい、血吐くならそっち向け】

 

横に並び、屋上からの景色を眺めながら歩く()()

 

「ケッ、大した事ねぇな」

【オレ達に近接で勝てると思う方がバカだ】

 

後ろにはエレベーター内でぐったりと倒れているトキ(後輩ちゃん)

 

「……」

【……】

 

特に何も言う事はなく景色を見ながら彼らは

 

ネルは下から、騎士は上から

互いの手を目掛け手を振り上げ、振り下げ

 

そして

 

 

 

 

 

  パンッ!

 

 

 

 

 

小気味良い音を出すたった一鳴りの喝采が、静かな屋上に響き渡った




なお、この時の騎士はネルの言葉を聞いていたのでかなり嬉しがってます

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