「みんな!先生が起きたよ!」
モモイが大声で言う
目を開けると私が一番遅かったのかアリスを含めたゲーム開発部が揃っていた
アリスが目覚めている事に喜ぶも束の間
周りを見れば何だか慌ただしい
「何が起きたのですか!リオ!」
「分からないわ、いきなり騎士につながっていたコードが途切れたと思ったらそれ以降騎士からの電気信号が消えたのよ」
どうやら騎士に何かがあったらしい
”どうしたの?“
「先生、起きたのね。さっきも言った通り分からないの、モモイやアリスが目覚めたと思ったら騎士の信号が途端に消失したのよ」
「先生、アリスの精神世界で何かありましたか?」
騎士が帰ってきていない事に驚きながらも、あの時何があったか思い出す
確か帰る方法を考えていたら騎士とkeyが声を荒げ言い争いをしていた
それに気づいた私たちが見にいくと騎士が消えるとかの不穏な言葉を聞いた気がしたような
とりあえず精神世界で起きたことを話す
「まさか騎士もkeyと同じ様な存在だったとは…」
「通りで情報が無いわけね、自分で消したのでしょう。いえ、そうなると何故アリスの情報は残っていたのかしら…」
意見を交換していると
「騎士は、消えてしまったのですか?」
アリスが一向に起きる気配のない騎士をまを見て泣きそうになりながら呟く
”だ、大丈夫だよアリス、きっと騎士は無事だから“
「先生の言う通りきっと治るよアリス!」
そう言っても騎士は動かない
まるで抜け殻の様だ
…先生として生徒を励ますが本当のところはわからない
みんなが不安そうな顔をしている中
『その通り大丈夫です。王女、騎士は生きています』
後ろから声がした
振り向けば一機のドローンが浮いていた
カチャ
隣を見ればリオが銃口をドローンに向けている
「…あなた、keyね」
『ええ、その通りです調月リオ』
ーーー
ーーー
ーーー
「あの騎士に何をしたの」
『安心してください、すでに私には以前の様な事はできません』
すでに?
『私は自らに自己破壊プログラムを起動し消えようとしました』
『騎士に止められましたが途中まで進行していたことによりその大半は消失したという事です』
“…自己破壊プログラムって?”
いかにも危なそうな言葉に思わずそう聞くと
『…起動すればデータもろとも文字通り消え去るプログラムです。私という存在が消える事によって騎士と王女にこれ以上危害が加えられることがないと判断し、行動しました』
結果として気づいた騎士が文字通り身を挺して阻止したと
『王女のためにも騎士を起こしたいのは私も同じです、故に協力を要求します』
「…信用できないわ、貴方はつい先程まで世界を滅ぼすと言った存在よ。この時間で意見を曲げて助けてなんて、そう易々と信じられるなら私もこんな事していないわ」
リオは自虐を混ぜながらそう話した
確かについさっきまでアリス、私の生徒を使って世界を滅ぼすと宣言していた存在を騎士を助けるとはいえ、信用して言う通りにするかと言うとなるとできないのは理解できる
『ええ、貴方の言う通りでしょう。ですので騎士を、彼を目覚めさせられるのなら私をどの様にしようと一任します』
『不安があるのであれば再度プログラムを実行し、消え去りましょう』
『ですので、どうか』
『どうか、彼を起こしてあげてください』
keyの声から感じられたのは精神世界の時の様な上から語りかけるよな高圧的ではなく
ただ、自分の大切な存在を救いたい
それだけだった
「…ダメです」
今まで黙っていたアリスが口を開く
「アリスは騎士とkeyの話を遠くから少し聞いていました」
「騎士を助けるのは賛成ですが」
「騎士が自分の相棒を頑張って止めたのに、もう一度消えようとするのは許しません」
そのままアリスは言葉を繋いでいく
「それに、keyはアリスのために消えようとしたと言いました」
「アリスのためにしてくれるのなら例え敵だったとしても信用します」
「なぜならアリスは勇者になる事を望んでいますから!」
きっとアリスの信用の中には騎士とkeyが見せた仲睦まじい様子も入っているのだろう
『王女…』
やっぱりアリスは魔王じゃない、立派な勇者だ
「なのでkey…いいえ、これからはモモイが間違えて読んだケイと呼びます。ケイ、騎士は今どの様な状況なのですか?」
『今は彼の意識があるところに閉じ込められている状況でしょう』
「すぐに行かないと危険と言うわけではないのですね?」
ケイが肯定するとアリスは少し落ち着いた後、目を開いて声高らかに言った
「それではケイ!」
「パジャマパーティーをしましょう!」
え?
次回、騎士解剖図鑑