待ちぼうけの騎士〜天童アリスの護衛従者〜   作:弥次郎兵衛

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勝手に語れられる過去

パジャマパーティー

 

それは過去の話をしたり己の秘密を打ち明け、互いの仲を深める会議…らしい(アリス談)

 

「もう夜ですし、パジャマパーティーには持って来いです!」

「元気だねアリスちゃん」

「私たちも色々あったせいで逆に目が覚めちゃってるしね」

”私はちょっとキツイかな…”

「先生、仕事終わりのOLみたい」

 

やめてモモイ、その言葉は私に効く

 

今、みんなはゲーム開発部の部室で布団を敷いてパジャマでいる

ちなみに私は着替えがなかったのでスーツ姿のままだ

それにしてもパジャマ姿のみんな可愛いな~

 

”それじゃあ改めてよろしくね、keyもといケイちゃん”

『ちゃんをつけないでください』

 

アリスの布団の上に置いてあるドローンが答える

 

『そもそも私は敵だったのですよ?何故こんなにも馴染んでいるのですか』

”敵だった、でしょ?もう前みたいなことはできないみたいだし、騎士を助けたいのはこっちも一緒”

「それに騎士を助けたいという気持ちはちゃんと伝わりましたよ、ケイ!」

『…そうですか』

 

やっぱり騎士と同じでケイもアリスに甘いところがあるみたいだ

こいいうところも信用できた要素なのかもしれない

 

「それではパジャマパーティーを始めましょう!」

 

ーーー

ーーー

ーーー

 

「……」

「……」

『…何か聞きたいのではないですか?』

 

こう、いざ始めるとみんな黙っちゃうことってあるよね

ちなみにここで得た情報は明日エンジニア部などのみんなにも伝えることになっている

…今のところ何にも情報がないんだけど

 

「はい!ケイが言っていたヨジロウとは何ですか?」

 

そういえば精神世界で騎士が消える直前でケイがそんなことを口走っていたような

 

『ああ、それは騎士の名前ですね』

 

 

「騎士って名前あったの!?」

 

驚いた

いくら名前を聞いても騎士しか言わないから名前がないのかと思ってた

何か言いたくない事情があるのだろうか

 

『騎士っぽくないからだそうで、よくその名前で呼ぶなと言われました』

「あ~」

「たしかに…」

 

ヨジロウと名前はたしかに騎士っぽくない

どちらかと言うと侍みたいな、百鬼夜行にいそうな名前だ

 

「じゃあ、ヨジロウはどうして騎士とか言ってるの?」

 

なるほどその疑問も分かる

あの騎士っぽくない言動なのに自分のことを騎士と言い張る所以は何だろうか

 

『そうですね…たしかある本が始まりでした。

 子供の頃、どこからか拾ってきた多くの騎士が出てくる本を読んでから憧れ、自分で着るため

 鎧作りに励んでいました。

 ちなみに彼の言語学習はその様な本が主なので時々口調がおかしくなります。

 昔かしこまった口調になった時は寒気がしましたね』

 

へ~

そういえば前に騎士っぽい口調にしたら気味悪がれた事があるとか言ってたような

あれってケイのことだったんだ

 

それにしても

 

“機械にも子供の頃とかあったんだ”

 

キヴォトスに来たばかりでよく知らなかったけど幼少期とか存在するのだろうか

 

 

 

 

『? いえ、ヨジロウは機械ではありませんよ?』

 

 

 

ん?

 

「え、でも騎士は機械でしょ?」

『あれは鎧をヨジロウが操っているだけです。本体はちゃんといますし、ちゃんとした人間です』

”え!そうなの!?”

 

何なら明日その本体に会いにいくつもりだったらしい

 

ケイ曰く

 

何でもヨジロウは子供の頃、死にかけていた所をにケイ達の様な存在に拾われてそのまま王女の世話をする一人として育てられたらしく

本人の希望もあり人体改造などをするも私と同じ脆弱な自分で、アリスを守れる様な力を得るために鎧を作ったとか

 

『その鎧も本体から脳波を直接送っているので鎧の硬度を保ったままで本人には触った感覚も痛覚もありますよ』

 

…なぜ騎士があんなにも必死にエンジニア部の分解から死のも狂いで逃げていた意味がわかった気がした

 

「それはともかく、もし人間だったなら騎士ってもうお爺ちゃんってこと?」

 

確かに、アリスはあの廃墟で眠っていた期間は十年とかそころじゃない

リオの言う通りなら古代からの存在ならお爺ちゃんどころじゃない

もっと、もっと大昔から生きている事になる

 

『それについては安心して下さい、彼は特殊なポッドに入れられていますので私が最後に会った頃と変わっていないでしょう』

“…聞きたいんだけど、なんでヨジロウ?は鎧を操る事になったの?”

 

さっきの話通りだとあの鎧は操るためではなく着るためと言っていた

 

『そうですね…ここからは本人から聞いたことも混ぜて話しましょう』

 

ーーー

ーーー

ーーー

 

 

当時、ある事情で王女をあの台座に

私は例の機器に入らなければならない状況がありました

…ああ、申し訳ないですがその事情に関しては言うつもりはないので詮索しないで下さい

 

話を続けますが

王女は台座からいつ目覚めるか分からないので人間であり、護衛であったヨジロウは寿命と言う問題を前にして役目を放棄せざる負えないことになりました

 

ですが彼は

 

[オレは騎士だから王女を守る]

 

そう言って自分の体を保管するためにポッドに入れ、王女に害を及ぼすかもしれない存在から守る為に鎧を操ることで生き延びることを選びました

 

そこからが騎士にとっての苦痛の時間が始まったのです

 

永遠に思える程の長い間の護衛

ずっと、王女を目覚めを待ち続けたそうですよ

一度だけ大規模な攻撃にあっただけで、それ以外のことはなかったそうです

 

しかし、そんな彼でも我慢ができず王女を目覚めさせようとしましたが

残念ながら彼には資格を持ち得ません

 

時には資格を持っていそうな者を王女のいる玉座にけしかけたり

宝があるなどの情報を流したりしたそうでどうにか目覚めさせようと躍起になったそうで

他にも知り合いを増やしたり交友関係を作ったりしたそうです

 

王女の情報も消える前に新たに噂として流したりデータをインストールしたりと

調月リオが見つけたのは恐らくその内のどれかでしょうね

…そういえば、貴方たちが探していたG.Bibleも騎士が作ったものですよ

 

多くの者を向かわせましたがそれでも資格を持つ存在は現れることがなく、一時は絶望し

そのせいか何度か意識が混濁して、目が覚めると崖下にいたり砂漠に立っていたりしたそうです

ふふっ、面白いですよね

 

…笑い事ではない?

 

いいえ、それは違います

彼がこの事を私に話したとき、彼は笑い話にしました

ならばこれは笑い話なのです

 

どれだけ苦労しようと、誰がなんと言おうと笑い話なのです

それを否定するのは彼に失礼というものです

 

それはともかく先生

そう、あなたです

 

あなたが現れたことは騎士にとってまさに幸運、奇跡だったでしょう

貴方にもそのつもりは無くとも

騎士の方で貴方たちを誘導した節があろうと

 

それでも

 

 

 

 

騎士は、ヨジロウは王女を目覚めさせてくれた事を感謝していましたよ




ヨジロウは作者が数秒で思いついた名前を付けました
何故それにしたかと言われても作者自身ですら分かりません

アリスやケイの様に、理由のない名前だからこそ意味があると思ったのです
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