待ちぼうけの騎士〜天童アリスの護衛従者〜   作:弥次郎兵衛

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小説を書き始めてようやく分かったこと

感想を送ってくれるのが一番嬉しい


廃寝忘食

「ヨジロウとお泊まりです!」

[ヤッホーイ!]

『こら、落ち着きなさい』

 

本来ならこのままシャーレに戻る筈なのだがユミちゃんの意向でお泊まりする事になった

何でも

 

“今まで頑張ってきたんだからお泊まりぐらいしちゃいなよ”

 

…だそうだ

はぁ、やれやれ全く…ありがとうございまーーす!!

 

[まあ、お泊まりって言ってもまだ太陽見えてるんだけどな]

「ではヨジロウが集めた玩具で遊びましょう!」

 

よっしゃ!今まで集めた

7932兆1354億4152万3222個の遊び道具と

4925兆9165億2611万0643通りの言葉遊びや指遊び

合計 1京2858兆0519億6763万3865の遊びをお披露目しましょう!

 

おっとモモイ達に感謝として二つ貸したから今は1京2858兆0519億6763万3863だな

…まあ、流石にそんな持って無いし、仮に持ってたら玩具業界真っ青なインフレだな

 

「先にアリス達があの玩具部屋で選んだもので遊びましょう!」

[イエーーーーイ!]

『…いえーい』

 

…キィさん、もう少し抑揚つけても良くないですか?

 

ーーー

ーーー

ーーー

 

「アリス〜ご飯食べにいくよ〜」

「分かりました!」

 

モモイが呼んできた

遊んでて時間を忘れてたが、そうか、もう飯時か

 

『早く行きますよ』

 

そのまま王女を真ん中にオレとキィとで手を繋いで食堂に行き

先にテーブルを取るために座っておき

王女がトレーを持ってきて食事を始める

 

…ん?王女、どうしたんです?

 

「ヨジロウは食べないのですか?」

[あっ]

 

そうじゃん、オレ今食えるじゃん

あれ?つーことは今から食うのは久々の飯になるのか

…何にしよう

 

こういうのは何か特別なものにしたいな

待てよ?ポッドに長い間いたのにいきなり飯を食うのはどうなんだ?

こう、突然の固形物は体に悪いって聞いたことあるし

 

『どうしたのですか?』

[いやな、長い間食わなかったから何食べるべきか分からないんだよ]

 

体にイイもん…サプリとかプロテインでも飲むか?

確か筋トレ狂いのスミレにお勧めされたのが合った筈…

 

「ヨジロウ!」

 

はい?なんでうわ眩しっ!

お、王女の目が!目がァ!なんて輝いてるんだ!

 

「久しぶりの食事はアリスが作ります!今まで頑張った褒美です!」

 

フンスと息を吐きながら声をあげる王女

 

王女の飯

 

王女の…飯

 

王女が()()()()()()()()()()()飯…っ!

 

[マジすか!?やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!]

『こら、食堂では静かにしなさい』

 

はーーい!!!!

 

ーーー

ーーー

ーーー

 

「ユウカ!キッチン貸してくれてありがとうございます、この借りはいつか返しますね!」

「いきなり貸してくれって言われた時は困惑したけど…なるほどね、ヨジロウにご飯を作ってあげたいのね」

 

無事にユウカに頼んでミレニアムのキッチンを借りる事に成功し

王女はキィと一緒にお粥を作ってくれるそうだ

改めて考えたけどポッドから出てステーキ食っても身体に異常はない気がする

 

いくら長い間ポッド内にいようと不調が出る様な作りはしてない

…髪は伸びたし金髪になったけど

あ、王女、水ありがとうございます

 

「今のアリスのジョブは料理人です、ヨジロウの為に完璧なお粥を作ります!」

『王女、エプロンをどうぞ』

 

そしてキッチンに消えていく二人

 

ーーー

ーーー

ーーー

 

…もう出来たかな?

 

「まだ二分しか経ってないわよ?」

[……わーってるよ]

 

とりあえず王女が置いてくれた水でも飲んでみるか

 

……………………………………………………………………………………………………………………

……………………………………………………………………………………………………………………

…………………うん

 

 

 

無理だ

 

 

 

[がふっげほごほっ!!]

「え!?なに!?」

 

オレは水を吐き出した

…………うそだろ、おい

 

『何かありましたか』

 

キッチンから王女の手伝いをしてた筈のキィがヒョコっと顔を出してきた

見ていたユウカが事情を説明する

 

説明を聞いたキィは理解したのか

バカにするのと同情を混ぜた様な目でこっちを見てきた

 

やめて、今のオレにそれは効く

 

『ヨジロウ』

[…はい]

『あなた

 

 

 

 コップで溺れかけましたね』

[………はい]

「嘘でしょ!?」

 

いやー!やめてユウカ!そんな目で見ないでー!

純粋な反応が一番効くのよーー!

 

『ユウカ、この男は息の仕方を忘れる様な人間ですよ?』

 

キィの言う通りオレはコップの水で溺れかけた

飲もうとしたのに飲めなかったと言うか、何というか…

まあ、結論から言うと

 

[水の飲み方を…忘れました]

「嘘でしょっ!?!?!?!?」

 

しょーがねぇだろ!液体飲むなんていつぶりだと思ってる!数えたくも無いわ!

 

『はぁ、これから王女の作る料理を食べるのに水も飲めないなんて呆れますね』

[面目しだいもございません]

『…ユウカ、水を入れたコップを下さい』

「え、ええ」

 

?、何するんだ?

ユウカから水をもらって…え?床に座れ?

はい、座ったぞ…それで何でお前も座ってるんだ

 

私に少し寄りかかりなさい?

いやいや、そんなことしたらお前が潰れrゴメンゴメンごめんなさい、殴るのやめて下さい、すんませんした

 

あっ、横向きにか、軽い横抱きだな

それでコップの水を少し口に含め…と

 

[オレは赤子じゃねぇ…っ!]

 

構図はさながら母親に哺乳瓶をもらう赤子のそれだ

くそったれぇ!世界はっ、なんて残酷なんだ…っ!

オレは…オレはぁ…っ!

 

「うわ、泣いてる…」

[泣゛い゛て゛ね゛ぇ!]

『早く飲んでください』

 

その後はキィの指導の下、無事に水の飲み方を思い出しましたとさ

めでたし、めでたし……それとくたばれ世界

 

ーーー

ーーー

ーーー

 

[う、うめぇ…っ!美味いっす!!王女!!]

「良かったです!」

 

オレは王女が作ってくれたお粥を食べていた

キィのお陰で無事に食える、マジで感謝しますキィさん

だけど世界、テメーはダメだ(理不尽)

 

もしお粥で溺れてさっきの水みたいに吐き出したら王女に合わせる顔がねぇ…

…お粥で溺れるって何だ???

 

「ケイが手伝ってくれたお陰です!」

『いえ、王女が頑張ったからですよ』

 

改めて思うが王女とキィがオレのために…っ!

くぅ!感極まるぜ!

 

[時々くる塩気がいいアクセントですね!]

『それはあなたの涙です』

 

オレの涙すら調味料の一部にするとは…さす王!!(流石王女!世界をアーカイブ化して!の略)

 

 

…嘘だよ?

 

ーーー

ーーー

ーーー

 

そして夜、寝室にて

 

「パジャマパーティーです!」

『王女、あまり遅くまで起きていると次の日に支障をきたしますよ』

[そっすよ、早く寝た方がいいのでは?]

 

パジャマに着替えたオレ達は王女の発言に物申していた

一応パジャマパーティーなる存在は知っているが従者として一言だけ言わせてもらう

 

そりゃあオレだってパジャマパーティーしたい

 

機械の頃はむしろそれを注意する側もやったことがある

昔はオレも一度だけある組織に所属した事があって、睡眠をしない身としてその任を受け負った

 

あいつら寝ろって言うのに寝ないんだ

部屋開けて寝てると思えば廊下の端から戻ると話し声が聞こえる

 

注意すればするで「ごめんなさーい、お母さーん」ってそれはもう楽しそうに言うし

…オレはあなた達のお母さんじゃありません!

 

まっ、あまりにも楽しそうだったから混ざったんだけどね☆

その結果他の部屋の奴らも来て大所帯になってバレたんだけどね…

 

しかもあろう事か、あいつらオレを生贄にしやがった

周り見れば全員寝てんの

お陰でオレ一人だけ怒られたわ、許すまじ我が同胞よ

 

…懐かしい、今は勿論だがあの頃も楽しかったな

 

「でもケイとはパジャマパーティーをしましたよ?」

『あっ王女、それは…』

 

ん?

 

過去を思い出してたら気になることを言う王女

見れば同時に顔を背けるキィ

 

[…王女]

「何ですか?」

[パジャマパーティーをします!]

「わーい!やりました!」

 

笑顔で喜ぶ王女

この相棒、自分はパジャマパーティーやったくせにオレの横で平然と注意しやがった

ずるいずるいずるい!オレも王女とパジャマパーティーやりたい!

 

『くっ…』

 

くっ…、じゃねぇよ「くっ」じゃ

 

[お前何しれっと抜け駆けして注意してんだ、何だ?オレとはしたく無いってか?]

『いえ、別にそう言う訳では…』

 

お、なんか歯切れが悪い

ならここはあえて目をウルウルしながら下から見上げる様に

声を高めにし手は口元、それで可哀想を演じる…っ!

 

[キィはボクとパジャマパーティーをしたk『不快です』へぶっ!]

『何ですかその口調、すぐ直しなさい』

 

な、何だ!?顔に何かが…

これは…枕?

 

「あ!枕投げですね!」

 

あ〜、なるへそ

 

『い、いえ、違…キャン!』

[ハッハー!ガラ空きだぜ相棒!]

 

お返しと言わんばかりにキィの顔面にシュートォッ!

…フッ、流石オレ、まるで吸い込まれる様に、綺麗にクリーンヒットしたぜ

 

ん?王女もやります?はい、どうぞ枕です

それで誰狙うんです?キィですか?…え?違う?

他にこの部屋には…

 

あ、オレ?

 

[うぉぉぉぉぉお!!]

 

あ、危ねぇ!!生身で王女の全力投球…いや全力投()は洒落にならん!

 

[ふぅ…危なかっ『私のことを忘れてはいませんか?』…スゥーッ]

 

振り向けば100点満点な笑顔のキィ

その笑顔に青筋が無ければさらに追加点あげてたよ

 

「いきますよケイ!」

『サポートは任せてください』

 

…詰んだか?

 

ーーー

ーーー

ーーー

 

『…そんな事があってかヨジロウは私に懐く様になりましたね』

[あ〜ガキの頃か、よく死にかけてた時期だな]

「そう…なんです…か」

 

ありゃりゃ、これはお(ねむ)だな

 

枕投げも無事にオレの敗北で終わり

本題であったパジャマパーティーもしばらくして、王女がウトウトし始めた

 

…枕投げはやばかった

王女の豪速枕、『光よ!(枕ver)』はやばかった

もう感想が「やばい」で固定されてしまうほどやばかった

 

間一髪で避けた1時間前のオレ、よくやったぞ

こう鼻先を『チッ』って掠ったんだ…これ間一髪じゃねぇな、当たってるわ

枕投げでこの効果音はしちゃいけないだろ

 

[そろそろ寝るか]

『そうですね、電気を消しますよ』

 

へーい

 

布団に入るのも久しぶり…と言うかほとんど初めてと言っても良いほど覚えてないが

…ふむ

 

[ふかふかする]

『当たり前でしょう』

 

当たり前、当たり前か…

 

[ああ…そうだ、当たり前だ]

 

この当たり前をどれほど望んだ事か

 

「おやすみです…ケイ、ヨジロウ…」

 

眠気に襲われながらも挨拶をしてくれる王女

オレ達は顔を合わせ、言葉が重なる様に口を開く

 

[『おやすみなさい、王女』]

 

あなたに幸福が在らんことを

 

そうして、パジャマパーティーは終わりを迎えた

 

 

 

 

 

 

 

 

その後『水の飲み方』に続き『睡眠の仕方』を忘れたオレは再び泣く羽目になるのだが…

それはまた別のお話




時々へんな過去を描写することで執筆の使命感を出してモチベを維持しようとする高等テク
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