待ちぼうけの騎士〜天童アリスの護衛従者〜   作:弥次郎兵衛

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別にドキドキはしない


ドキドキ♡アイドルプロデュース!其の1

⬜︎

 

[フンフフンフフーン♪]

“ご機嫌だね”

 

今日はヨジロウと一緒にある場所で待っていた

 

それにしても机の上にあったユウカの手紙を頼りに訳もわからず指定の場所に来たけど

 

“誰も居ないね、やっぱりアリスの手紙の方の伝説の樹の下だったのかな?”

『それはどうでしょう』

“あれ、ケイ?それはどういう「ちょーっと待ったー!」えっ!何!?”

 

いきなり部屋が暗くなり聞き覚えのある声が聞こえる

あれは…

 

“アル?ユウカにアリス、ヒフミもどうしたの?”

「フッフッフ、聞いて驚きなさい先生。私達は…いえ、私達イタズラストレートは」

 

何故かヨジロウが腕を組んで頷いてる

 

「「「「アイドルになりました!」」」」

 

 

“えええ〜〜〜!!??”

 

ーーー

ーーー

ーーー

 

◼️

 

[アイドル?]

「はい!ヨジロウにチュートリアルを頼みたいのです!」

 

時は3月28日

王女の連絡を受けたオレは

野(道路)を越え、山(ビル)を越え、全速力で向かってそう言われた

 

王女には悪いがまったく話が分からない

何故アイドル?流石にこれでも長い間生きてるからそれぐらいは知っている

アレだろ?壇上に上がって民衆を鼓舞するやつ

 

『それは少しばかり違うと思いますが…』

[あ、キィ。この前のゲームはオレが勝ちでいいよな?]

『アレはまぐれです。有り得ません、何故あの場で都合よくギミックが…』

 

少し言い合った後

キィが改めて説明してくれた

 

[エイプリルフールの日、先生にアイドルだと嘘を付きたいのだが肝心の踊りが出来ないと]

「提案してくれたアルも踊れなくて…どうしようかと皆んなで悩んだ結果」

 

ヨジロウなら出来るんじゃない?

と、なったと

 

…何でそうなる

 

提案したやつも何故踊れないのに発案したんだ

名前は一応イタズラストレートというらしい、一丁前に名前付けやがって

エイプリルフールまで一週間も無えじゃねぇか

 

確かに長い間色々やったよ?組織の幹部みたいな立ち位置にいた事もあったよ?

だけどアイドルは無いかな〜?

機械の騎士がキャピキャピ踊るとかイメージ崩壊とかそんなもんじゃねぇぞ

イメージラグナロクだ

 

…いや確かラグナロクって崩壊した後再生したんだっけ

ならいいか……いや良くねぇよ

 

『一人で何やっているのですか』

[自分の意見に自分で意見してた]

 

何だその意見のウロボロス

…ウロボロスって確か永遠とかそんな意味を持つ象徴だっt『えい』痛ってぇ!!

 

[何だ何だ!?いきなり脛を蹴るな!]

『あなたが再び思考に潜ろうとしていたので呼び起こしました』

 

そりゃどうも!!

 

[イテテ…要は踊りができないからオレを頼ったと言う事ですね?]

「はい!なので教えてください!」

 

う〜ん可愛い

 

と言ってもオレも踊ったことなどないからどうしようもないんだが

……しょうがねぇ

 

[王女、一日ほど準備の時間をいただきます。キィ、手伝ってくれ]

 

王女の頼みだ

一肌脱ぐ…いや、着るとしよう

 

ーーー

ーーー

ーーー

 

3月29日

 

「ごめんなさいね、私が誘ったのに肝心のダンスが出来なくて…」

「いえいえ!大丈夫ですよ、平凡な私にとっては大きな一歩になる予感がしたので!」

「それにしてもアリスちゃん、頼んでおいて何だけどヨジロウって踊れるの?」

「何とかするって言ってました!」

 

部屋には四人のジャージを着た生徒がいた

 

赤毛で長髪のアル

自称平凡のヒフミ

ミレニアムセミナー会計のユウカ

我らが一番星、圧倒的センターを担うであろう王女アリス

 

何故このメンバーが集まったのか興味はないが

そんな彼女らがいる部屋にオレら二人が入る

 

[よう、揃ってるな初心者(ニュービー)諸君]

『……』

 

片やアリスと瓜二つの少女

片や珍しい男性であり、虎のスカジャンを羽織った何処かボロボロの人物

…事案じゃないよ

 

[踊りを任された騎s…ヨジロウだ、悪いが時間がないので少し厳し目で行くぞ]

『私は見学してますね』

 

手を叩きながら始めを促す

 

「ねぇあの人がヨジロウ?少しガラが悪そうだけど…」(小声)

「へ、平気ですよ。ユウカさんやアリスちゃんがいい人と言っていたので…」(小声)

「大丈夫です!ヨジロウはアリスの従者でとっても優しいです!」(大声)

 

生憎オレには騎士イアーが備わっているからバッチリ聞こえるんだよな〜

 

あとまたオレの聴覚機能に障害が見受けられたが今日も王女は愛らしい

 

[お前は…アルって名前だったか?この企画の発案者らしいな]

「え、ええそうよ!このキヴォトスで一番のアウトローを目指すには先生を騙すと言う悪を成し遂げなきゃいけないよ!」

 

小っせぇ悪だなおい

キヴォトスで一番狙うならキヴォトス全土を手中に納めろ

 

この発言で分かったがコイツ、根は真面目とか優しいとかだな…ちょっと抜けてそうだ

アイドルになるとかマトモな思考じゃねぇし

 

しかし、アウトローか…

 

頂上(てっぺん)狙う気概は認めるが…王女にそのアウトローとやらで悪影響を与えてみろ、即刻切り捨てるからな]

「えっ何!?王女って誰!?」

「あはは…」

 

まあいいや、その時はその時だ

 

[はいじゃあまず踊りを覚えるぞ〜]

「踊りって…こう言うのも何だけど踊れるの?」

 

ふっ舐めるなユウカ

ダンス歴、生後まもないお前らと違いオレは生後1日だからな

1日だけ先輩だ

 

「ってことは…初めたの昨日じゃない!大丈夫なの!?」

[そこは安心してくれ、キィの手伝いのおかげで完璧にしてきた]

『私が手伝いました』

 

それに関してはマジで大丈夫だ

オレは無表情でピースしてるキィを横目に答えた…後輩ちゃん(トキ)の影響か?

まあいいや

 

まずキィと踊りを勉強してこの短い期間で出来る振り付けを構成し

それを見せ、教えるために振り付けをキィがデータ化し鎧にインプット

そしてオレ自身が理解しなきゃならんので鎧を無理矢理動かして体に染み込ませる

曲に関しては出来ていたからな、踊りだけで済んだ

 

[大変だったんだぞ、そもそも男女で体の構造が違うから女の人で余裕な体勢が辛かったりしてな。何度股関節を痛めたり、転んだりしたことか]

「だから少しボロボロなのね…」

「なんか…ありがとうございます」

 

べっ、別に!王女の為なんだからねっ!

 

[それじゃあ踊るから見とけよ]

『それでは流しますね』

 

カモン(来い)!ミュージック!

 

ーーー

ーーー

ーーー

 

ゴーホーム(帰れ)!ミュージック!

 

[ふぅ…大体分かったか?]

「確かに、大体分かったわ」

「分かったけど…」

「えぇっと…」

「とっても素敵でしたよ!ヨジロウ!」

 

わぁい、王女に褒められたぜ

頑張った甲斐があったな

 

それにしても他の奴らの反応が薄い

何か不満でもあったのか?

 

「いや、不満と言うか…」

「様子と言うか…」

 

ん?どう言うこっちゃ?

 

「あ!分かりました、笑顔です!ヨジロウは笑顔が足りなかったのです。アイドル育成ゲームで言ってました!」

[ああ、なるほど]

 

そういえば踊りに集中して表情を気にしていなかったな

確かにずっと無表情な奴が踊っているのはシュールだろうな

こんな反応になるのも分かる

 

[オレもまだまだって訳だな、よし笑顔も気にしてもう一度だ!]

「いや、違っ」

 

カムバック(戻ってこい)!ミュージック!

 

ーーー

ーーー

ーーー

 

ネバーカムバック(二度と来るな)!ミュージック!

 

『何か曲に恨みでもあるのですか?』

[いや?別に何も]

 

それにしても…

 

[一体何が不満なのだ]

「可愛かったですよ、ヨジロウ!」

 

こちとら出来る限り笑顔で踊ったし、なんならウィンクも混ぜたぞ

 

「いや、不満じゃなくて…」

 

『不気味なのですよ』

[?、不気味って何がだ]

 

『あなたは他の人と違い男性ですし、肉付きもしっかりています。それにそのスカジャンとやらを着て歪な笑顔やウィンクで()()の振り付けを踊ることに違和感を覚えるのです』

 

え、そうなの?

 

振り向いて王女以外を見ると全員が目を逸らしている

…ふむ

 

[なるほどな]

 

 

 

とりあえず全員にアイアンクローをお見舞いした




そりゃ
そこそこの身長でスカジャン着た柄の悪そうな男が女性のダンスを踊り、見る人が見れば恐怖を覚えるヘタクソな笑顔でウィンクしたら…ねぇ?
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