“二人とも〜?”
[『はーい』]
“なにが、好き〜?”
[『王女』]
“…よりも?”
[『王女』]
“お、おう…”
「頭がまだ痛いわ…」
「うぅ…こめかみが…」
何だって!大丈夫かい?
恐らくこの30分で振り付けを徹底的に頭に詰め込んだからだな
集中したせいで頭に負担がかかってしまったのだろう
うん、頭を痛めるほど学んだってことだな。いい事だ
そう、決してオレのアイアンクローが効いているわけではないはずだ
こめかみ?知らんよ
「絶対さっきのアイアンクr…待って、手のひらをこっちに向けないで」
とりあえずユウカを黙らせてっと
そもそもコイツ等がさっさと変だって言えばいいのに
そのせいで二度も踊らなきゃならなかったじゃないか
どーりで昨日練習してたところを偶々見たネルが爆笑していたわけだ
アイツ腹抱えて転がり回ってたぞ
…というかそんなに変だったのか
結構真面目に踊っていた分地味にショックだ
「ヨジロウは変ではないですよ?」
あ~王女の言葉が身にしみる~
[じゃあ気を取り直して早速レッスンを始めるぞー]
「「「「はーい」」」」
ーーー
ーーー
ーーー
[アル、指先はもっと延ばして繊細さを際立たせろ。そんなんじゃアウトローになれないぞ]
「分かったわ!」
[ヒフミはどこか自分を過小評価している節があるな、踊りに出てる]
「そ、そうかもしれません…」
[もっと自信をつけろ。はいリピートアフターミー!私は可愛い!]
「わ、私は可愛い!」
[ユウカ!恥ずかしがるな!]
「うぅ…こんな感情、データに無いわ…」
[お黙り、悲しみとか怒りでも因数分解してなさい]
「どうでしたか?」
[完璧でした、天女とは王女のことを言うのですね。どうです?一緒にコイツ等ほっといてゲームでもしません?]
「「「『ヨジロウ?』」」」
うん、まあ一通り
[よーし今日は終わり!明日はメンバーの位置把握と段取りをするからちゃんと覚えてくるように!]
「「「「はーい!」」」」
ーーー
ーーー
ーーー
[キィから見て王女達はどうだった]
『…あの調子ならギリギリですが間に合うでしょう』
キィの意見も上々
よーし、オレらもオレらで準備しないとだな
[確かエンジニア部にコスプレ衣装を作るのが得意な奴がいたはずだから聞いてみるわ]
『なら私はサイズと色選びですね、色は髪色が特徴的なのですぐ決まりました。あとは細かい調整だけです』
エイプリルフールの1日だけだろうが王女に頼まれたんだ
全力で取り組んでやる
待ってろよ4月1日!
ーーー
ーーー
ーーー
翌日 3月30日
「アリスちゃん!そこよ!」
「ヨジロウさんを倒しちゃってください!」
[こなくそっ…こういう時だけ団結しやがって!]
「アイアンクローの恨みよ」
『バイタルの乱れを感知』
「ここです!」
ぎゃーーー!負けたーー!
画面にはLOSEの文字が映っている
「ねえ今度は私にもやらせてくれない?」
「今度はユウカが相手ですね!」
はいはい、どうぞ
オレはコントローラーをユウカに任せ、王女はニコニコしている。可愛い
「それにしても、いきなり手にゲーム機を出した時は驚いたわ」
「すごいマジックですね」
気分転換にゲームを例の『玩具部屋』から転送し、驚いたアルとヒフミにはマジックと言っておいた
だって説明するのは面倒くさいんだもの
というかマジックっで通用するとかどんだけ心が純情なんだよ、疑えよ
特にアル、アウトローにあるまじき綺麗さだぞ
ヒフミはヒフミでペロロ様は出せますか!?って興奮気味で聞いてくるし
何だペロロ様って、可愛いキャラクターらしいが…
可愛いのか?無名の守護者より?
「それはそうと、遊んでいてもいいのかしら」
[大丈夫だ、踊りの位置やステップもちゃんと出来ていた。今日の分はもう達成している]
「早く終わりましたしね」
王女は勿論、コイツ等も優等生な様らしく、ちゃんと自分の位置を覚えた状態だったのであっという間に今日のスケジュールは午前で終わってしまった
次の予定はまだこちらの準備が出来ていないので明日だ
もう帰ってもいいのだが王女とゲームし始めたら観戦して残っていた
「ヨジロウさんはアリスちゃんと仲が良いですね。従者ごっこするほど遊ぶんですか?」
[ああ、嬉しいことにな。王女が笑顔ならオレはそれでハッピーだ]
「悪く言うつもりじゃないのだけど…何でそんなにアリスちゃんを大切にしているのかしら?」
そういえば聞かれたことなかったな
何故、か…
[さあ?]
「「…さあ?」」
どうしたんだ、そんな豆鉄砲でも食らった様な顔して
「えっ理由なんてないの!?」
「さ、流石に何かありますよね?あんなに王女王女言っていたんですよ!?」
[…必要か?
「「え?」」
オレは未だユウカとゲームをしている王女を見る
楽しそうだ
本当に、楽しそうだ
[昔は大層な理由もあったのかもしれないが、もうそれも分からない]
[だけど、オレはあの人を支えていきたい。ありとあらゆる外敵から守っていきたい]
[ただ、あの人に笑顔でいて欲しい。勿論キィにもな]
[王女とキィがこの世界を楽しんでくれればそれで良い]
[今じゃ数少ない記憶にある、あの月明かり降る夜に目指し、ポッドから目覚めた時に誓ったことだ]
[理屈じゃないんだ、
⬜︎⬜︎
「「………」」
ヒフミとアルは分からない
ヨジロウとアリス、そしてキィと何があり何を思っているのか
それでも、その目はしっかりとアリスとキィを見つめていた
「…アルさん、頑張りましょうね」
「ええ、エイプリルフールの嘘の為とはいえこんなにも意思のこもった目を見ちゃったんだもの。頑張らない理由はないわ」
互いに目を合わせてひっそりと二人は決意を固めた
実はそこそこ前に感想で「ケイとヨジロウはアリスが好きすぎる」と言うものを貰いましてね
その返信として前書きの文章を思いついたんですが思いの外妄想が捗ったんです
イタズラストレートのそこら辺の設定とか詳しくなかったんで書きました
詳しく書かれていない設定があればそれ中心に書く!!
それが作者の方針です