「お待ちしておりました、シャーレのお二方」
「あはっ、連邦生徒会から来るって聞いたからどんな人なのかと思ったけど…結構私たちと変わらないんだね☆」
ふむ…今の『茶会』の面々はこんな奴らなのか
そういえばユミちゃんに聞いたが『茶会』のこと今は『ティーパーティー』って言うらしい
一丁前な名前にしやがって…シンプルなのが逆にカッコいいなぁおい
当時はそこら辺適当だったからな
まあ確かに一部ではそんな呼び方してた様な気がしないでも無い
…と言うか
大丈夫だよね、オレのこと知らないよね、もし知ってるやついたら即刻出でかなきゃいけないんだけど
「それでは自己紹介をさせて頂きましょう」
良かった、知らないみたいだ
オレはいつも通りに自己紹介して、いつも通りに「騎士?」って首を傾げられる
“私はシャーレの先生だよ”
にこやかに話すユミちゃん
…毎度思うんだが、その発言は自己紹介になっているのか疑問になる
そしてそれで流す生徒も中々の謎だ、そして何故オレの騎士発言には首を傾げるのだ
そして一つ疑問に思う事がある
それは『茶会』のホストが居ないことだ
お堅そうな…ナガ、ナグ、ナギ、ナギサだ思い出した
それに反する様におちゃらけた、ミ……カ!よっしゃ!一発で出た!
そう、その二人しかいないのだ
一応代理としてナギサがホストを任されているらしいが…
ああなるほど、床に伏せてるのね、お大事に
…本当か?
今、声がほんの僅かだけ上擦った
ミカの方も表情が少し変化したし、違和感を感じる
マジで少しだけなので多分ユミちゃんは気付いてない
教えてあげるか?………面倒だし聞かれたら答えてあげよう
その後、ナギサがユミちゃんに依頼の内容を色々説明したらしい
オレ?面倒くさいから部屋の外で煩かったのか追い出されたミカと駄弁ってたよ
ーーー
ーーー
“コラ、ダル絡みしない”
話しが終わったのか、ユミちゃんが小言を言いながら迎えに来た
失礼な、別にダル絡みしていない
どちらかと言うとウザがられてたからウザ絡みだ
[なあ?ミk…いっ居ない!?]
“さっき帰ったよ”
う、嘘だろ、さっきまでそこに居たんだぞ
…やつは思いの外、
“変なこと言ってないよね?”
[言ってない]
三つ編みの話をふられたから王女とキィの話をしていただけなのに何故かウザがられた
まあ、それでも話は辞めなかったんだけどね
何であんなウザがったんだ?
身近の人間が不幸な目に遭ったとか?例のホストとのこととかか?
なら悪いことしたな、今度会ったら謝ろう
“じゃあ私は依頼の準備が出来たら連絡するね”
[行ってらっしゃーい]
依頼の大まかな内容を聞いてユミちゃんと別れる
[さて]
雑誌で読んだ有名な店に足を運ぶとするか
ーーー
ーーー
ーーー
[すんませーん、このケーキとあのマカロン、あとクッキーをおくれ]
[…店員さん、チンピラじゃ無いから。いちゃもんつけに来たんじゃ無いから、お菓子買いに来ただけだから]
[日持ちするお菓子とか茶葉とかあります?…じゃあその二つ買います]
[どっちの紅茶がお菓子にあうんです?あ、どっちも買えばいいか]
[…もういっそカップも買っていくか、ならポットも必要だな]
ーーー
ーーー
ーーー
いっぱい買ったぜ☆
両手は紙袋で塞がっていて6袋ぐらいある
久々に買い物したな
シャーレでの給料でそこそこ入っていた財布が今じゃ財布
[えぇっと、記憶通り(ついでに校内地図)だとこっちの方だったはず…]
にしても色々変わったな
伝統を大事にしてるとか聞いたけど改修とかは流石にするか
[ああ、あったあった。あれだな]
一際目立っている教会に向かう
それにしてもサクラコはいるだろうか?最近の話じゃシスターフッドの長になったせいで多忙をやむなくさせられていると聞いているし、もしかしたら会えないかもしれない
おっ、丁度扉の前に人がいるし聞いてみよう
[嬢さん、サクラコって人はいるかな]
「えっ?ええと、サクラコ様は多忙でいきなり会うのは…あの、どういった要件ですか?」
中等部からの顔見知りで心を助けられた恩人で、今日はお茶がしたくて来ました!
…まあ流石に面倒なので言わないが
いきなりトリニティ生でもない見知らぬ男が自分の組織の長に会いたいって言うんだ、警戒しても仕方ないし警戒するべきだ。そこがちゃんと出来てるのは大変好印象である。お嬢さんに騎士ポイントを5ポイント贈呈しよう、溜まったらオレ自作『追従者シリーズ』と交換な
オレは内心でこの子の評価を少し上げつつ、どうにかサクラコに会わせてもらうか思考を巡らせる
……あ
[自分はシャーレに所属している者で、サクラコ殿に用事があるのです。要件に関しては当の本人にしか言えなく、すみません]
とりあえず紙袋を地面に置いて
右手に転送したシャーレの証明書を見せる
これは文字通り自分がシャーレに在籍している事を表している。オレは生徒ではないのでこれを用意された、なお制作してくれたリンって奴には仕事が増えたとか言って眉を顰めてたのでお礼として追従者シリーズをプレゼントした。さらに眉を顰められた。なんでや
「あっ!そうだったんですか!こちらこそ申し訳ありません。応接間に案内しますね」
ふっ楽勝
それにしても便利だな、
「そういえば右手からいきなり現れましたが[マジックです]わあ!すごいですね!ビックリしました!」
……みんな純粋すぎない?
ーーー
ーーー
ーーー
⬜︎⬜︎
「ありがとうございます、マリー。ここからは私一人で十分です」
連邦生徒会のシャーレから来たと言う客人を知らせてくれたマリーに感謝を伝える
何か要件があるのでしょうか?
「…その、証明書やマジックを見せてもらったんですが。両手に紙袋を沢山持っていて身なりもちょっとコワい人だったので注意して下さい」
「大丈夫ですよ、マリーは優しいですね」
その方は金髪に三つ編みで、虎の絵が書いてある
両手いっぱいに紙袋を持っている、キヴォトスでは珍しい男性だったとのこと
……男性、ですか
最近は仕事のせいでめっきり会えていない彼を思い出します
…いいえ、彼は機械なのであり得ませんね
応接間の前に着き、少し頭を切り替えてから
ドアノブに手を伸ばす
ガチャと扉が開く音が響くと同時に、応接間から茶器を並べる音が聞こえる
「お待たせして申し訳ありません。私がシスターフッドの長を務めさせて頂いています、歌住サクラコと申し[知ってる]………え?」
心臓を掴まれた気分でした
突然話しを遮られた事に驚いたわけではなく
客人がこちらに背を向け、テーブルに大量のお茶菓子を並べつつ紅茶を注いでいる事でもない
聞き覚えのある声
ついさっきまで懐かしんでいた声
でもその声特有の鎧に遮られた少しくぐもった声では無い
客人はお菓子を並べ終わったのか、ゆっくりとこちらを振り向く
何度も見た仕草
私があの教会の扉を開けるたびに見た仕草
愛しいあの人の仕草
私は、一種の確信を持ちながら
「ヨジロウ…様?」
貴方は、嬉しそうに答えてくれた
[よう久しぶり、サクラコ]
ヨジロウは別に人の名前を覚えるのは苦手では無く、むしろ得意でした。では何故覚えられないかと言いますと、ただ単に名前を覚えすぎたからです