待ちぼうけの騎士〜天童アリスの護衛従者〜   作:弥次郎兵衛

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なんか…かつて無いほど筆が進んだ…


サクラコを応援し隊

私たちは今、リビングで机を囲んでいる

 

”中等部の頃にヨジロウと出会って…“

「寂しそうなコーチの背中を気遣って…」

「ま、毎晩その教会に足を運んで…」

「宿題を見てもらったり、一緒に遊んだりして」

「時には不良から守ってもらったりして♡」

「何とか元気になったヨジロウさんの姿を見たらいつのまにか…」

 

「…はい、好きになっていました」

 

そして二人の成り行きを全員が理解した

一応機械だった事は伏せている様だ

 

“じゃあヨジロウが言ってたしおりを貰った恩人って言うのは…”

「多分、私です…」

 

あ、甘酸っぱーーい!

 

ヨジロウから電車で聞いたけど女の子から聞くとこんなにも違うとは

 

見なよサクラコの顔、もう恋する乙女の顔だよ!

まあ、実際そうなんだけどね!

 

ちなみに今もヨジロウはチャーハンを作っている

さっき[パラパラどころかサラサラのチャーハン作るぞー!]って台所から聞こえたし

…サラサラのチャーハンって何?砂?

 

あ、そうだ

 

“実は電車の中で聞いたんだけど不良に助けられた時、偶然じゃなくていつも隠れて見守ってたらしいよ?”

「え!そ、そうだったんですか!?」

 

キャー!顔赤らめちゃってるーー!カワイーーー!

 

この可愛らしい生物を是非とも応援したい

それに関してはみんな同じ様だ

さっきの少し不穏な空気は大気圏まで吹き飛んだ

 

しかし、一つだけ懸念点がある

 

「問題は…」

“うん…”

 

『ヨジロウがサクラコに対して恋愛感情を持っているかどうか』、だ

 

「いや無いでしょ、ハナコの水着姿見て言った言葉『怪我すんなよ』の一言よ?」

「うら若き乙女としては心をキズモノにされました…」

 

はいはいエ駄死エ駄死

 

「そういうことなら私に考えがある」

「アズサちゃん?」

 

意外にもここでアズサが発言する

何かいい策でもあるのだろうか

成り行きを見てるとその足はヨジロウの方へ行こうとしている

 

…ハッ!

 

“ストレートにサクラコの事好きとか聞いちゃ駄目だよ!?”

「大丈夫だ、そこらへんはちゃんと弁えている」

 

ならいいんだけど…

 

そのまま台所のヨジロウに向かうアズサ

コソコソと隠れながら全員で聞き耳をたてる

ヨジロウはこれまた三つ編みを揺らしながら料理をしている

 

[あ?何だアズサ、オレの高波の如きチャーハン捌きを見にきたのか?]

「違う」

[あ、そう…]

 

…なんか、ちょっとしょんぼりしてる

 

[で?何の様だ?チャーハンならそろそろ出来るが]

 

聞いている私達に異様な緊張感が漂う

そしてアズサは…

 

 

 

 

 

 

 

「ヨジロウはサクラコの彼氏になりたいか?」

[…は?]

 

 

 

同じーーーーーーー!

それ同じーーーーーーーーー!!

それ好きかどうか聞いてるのと同じーーーーーーーー!!!

 

見てよ!サクラコがかつて見ないほど目をグルグルさせて震えてるよ!

ハナコだっていつもの余裕の表情が消えて驚愕に染まってる!

そうだよね!流石に予想できないよね!

 

[彼氏ってのは恋人の事か?]

「うん」

[つまりオレがサクラコのことが好きかどうかって事だな]

「まさに」

 

なんでトントン拍子で進んでいくかなぁ!?

もっと漫画みたいに勘違いしてよ!

 

あっサクラコ!しっかりして!意識を保つんだよ!

 

[う〜んサクラコの事は好きだが…多分、この気持ちは恋とは違うだろうな]

「そうなのか?」

[ああ、どちらかと言うと恩を感じる部分が大きい。…今まで恋なんてした事ないからオレにも分からないんだけどな?]

 

あ〜確かに

今まで機械だったし、アリスを目覚めさせるのに一生懸命だったしね…

 

それにサクラコには悪いけど機械を好きになる人もいなかったのだろう

ケイの話じゃポッドに入る前の当時も、組織にヨジロウ以外の人間はいなかったって聞くし

 

[まあそもそもの話、サクラコは恋人を作らないと思うぞ]

「?、何故だ?」

 

…ん?

流れが変わった?

何故か隣にいるサクラコの顔色が悪い

 

[昔、物語の感想を語ってたら彼氏彼女の話になってな?]

 

ヨジロウはチャーハンをお皿に移しながら言う

 

[その時言ってたんだ、

 

 

 

 

私は恋人を作らないでしょうって]

 

 

…え?

 

 

 バッ!

 

全員がサクラコを見る

サクラコは両手で顔を覆っている

 

「ど、どう言う事ですかサクラコ様!?」

「ち、違うんです!叶わぬ恋でもこの思いを無かったことにしたくなくて、ついポロッと言っちゃたんですぅ…」

 

何やってるの、もう!!

 

「嘘とかじゃないのか?」

 

そうだそうだ!いけ!アズサ!

今じゃその直球さが頼もしく感じるよ!

 

[何言ってるんだ?サクラコが嘘をつくはずないだろ]

 

さも当然の如く返すヨジロウ

 

あ〜もう駄目だ…

サクラコに対しての信頼がカンストしてるぅ〜…

 

[はい、チャーハンができたぞー。存分に食うがいい]

“わーい…いただきまーす…”

「「「「「「い、いただきまーす…」」」」」」

 

こうして一歩も進まない進展は幕を閉じ………させない!

 

いーや、まだだ!

 

まだサクラコ特製のサンドウィッチが残ってる!

 




ちなみにヨジロウは『恋』はした事ないけど『恋だったかもしれない感情』は持った事があります
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