モモイ「…サラサラとかじゃない?」(適当)
[ん!このサンドウィッチ美味いな]
「あ、ありがとうございます!ヨジロウ様のチャーハンもおいしいですよ」
“…………”
今みんなはヨジロウが作ったサラサラのチャーハンを食べている
私は頼まれたお水を運んだりしてまだ食べていないが、みんなの反応的に好評の様だ
…と言うか見た目がもう米じゃない
具は普通なのに米が普通じゃない
何これ?砂?まさかの予想的中しちゃった?
私の知ってるチャーハンと形から違うんだけど
チャーハンってドーム型に盛り付けるよね?これ砂場の山みたいな形だよ?
…なんか子供頃、砂山でトンネル作って遊んだの思い出しちゃったな
下手したらクシャミで吹き飛びそうなチャーハンをスプーンで掬う
それにしても…
片や女の子が作ったサンドウィッチ
片や男の子が作った見た目砂のチャーハン…
何だこのロマンスが始まらなさそうな組み合わせは
生徒を応援する立場として何とか良い方に向かわせたいのだが
“うーん…”
どうにかならないだろ…うわ!美味しっ!このチャーハン美味しい!
何これ!サラサラしてるのにチャーハンだ!
サラサラなのに口の中で固まる!
もちもちして、ちょっとしたお餅みたいだ
香ばしくって初めての食感、ちょっとハマりそう
……今度シャーレで作ってもらおう
「………っ」
ん?サクラコがソワソワしてる
どうしたんだろ
チャーハンに驚いたのかな?
目線の先には…
“…あ”
ヨジロウのほっぺにサンドウィッチのパン屑が!
そうか!分かった!
そのパン屑を取ってあげたいんだね!
他のみんなも理解した様で真剣な目でその様子を見ている
恐る恐る手を上げようとするサクラコ
頑張れサクラコ!そのままヨジロウのほっぺに手を伸ばすんだ!
「あれ?ヨジロウ、ほっぺたにパンがついてるわよ」
[あ、ホントだ]
ああっ!サクラコが崩れ落ちそうになってる!
涙目になって…何て哀れな…
「コハル…ちゃん……?」
「なんてことを…」
「え!?な、何!?」
もはや殺人を目の前で見た様な反応だ
コハルはあたふたしている
サ、サクラコは…
[お!これ二つ目は具が違うのか!嬉しいな!]
「はい…良かったです…」
駄目だ、お終いだ
見事に意気消沈している
“くっ…”
もう諦めるしか[ん?サクラコ]ない……え?
[お前も口元に具材つけてるぞ]
「え?ど、どこに…」
[ここ]
そう言ってヨジロウはサクラコに付いている小さいお肉取って……た、食べたぁ!?
「え?あぅ…へ?」
[くくっ、どっちも付けてたみたいだ、お揃いだな]
ヨジロウは爽やかな笑顔でそう言った
…やば〜〜
ーーー
ーーー
ーーー
”「「「「「「ご馳走様でした」」」」」」“
[はい、お粗末さまでした]
私たちはチャーハンを食べ終わった
[それじゃあ台所係はオレに任せてもらって“ダメです”…な、何ぃ!?]
いや、美味しかったよ
最初の方に思ってたこと素直に謝りたいと思うくらいには美味しかったよ
“折角サクラコがこれからも作って来てくれるんだから良いでしょ”
[いや、サクラコはこれからも何て言ってないが…]
“作って来てくれるよね!サクラコ!”
「え?え?」
そうだよ、このまま行けば毎日会えるんだよ!
自分ができる精一杯の目力を込めて、未だにさっきの事で混乱しているサクラコを見る
「……あ」
ようやくサクラコも気づいたのか、ゆっくりと頷いてくれた
「ヨジロウ様が良ければこれからも作って来てもよろしいですか?」
[え?そりゃあサクラコが来てくれるなら嬉しいが…大丈夫か?忙しく無いのか?]
「す、少しだけなら大丈夫です!」
フンスッと聞こえそうな勢いでサクラコは言った
よし!よく言った!
[そうか?なら良いんだが…]
フッ
これで作戦成功だ[これから…]ね…ん?デジャヴ
[これからサクラコの料理が食えるのか…フフッ嬉しいな]
「ひょえ!?」
あーいけませんお客様!そんな爽やかな笑顔で言ったら!
と言うか何でサクラコに対してだけそんな爽やかなのさ!意味わかんない!
あー!サクラコが!サクラコがーー!
その後、お昼だけじゃ足りないことに気づき
お昼だけサクラコと一緒に食べてそれ以外はヨジロウが作ることになった
ーーー
ーーー
ーーー
[じゃ、皿洗ってくるわ]
話も終わり
食器を台所に持っていったヨジロウを見送って私達は…
“見た!今の見た!?すごかったね!!”
「流れる様にやっていた」
「あんなこと現実にあるのね…」
「こっちもドキドキしました!」
「うふふ、流石と言ったところでしょうか?♡」
「良かったですね、サクラコ様」
いや〜、暖簾に腕押ししてたら暖簾がクロスカウンター打ってきたのを見た気分だよ
そんなカウンターを打たれた当の本人は如何に
目線がサクラコに向かうが
“サクラコ?”
後ろを向き、俯いて黙っている
回り込んで顔を覗いてみれば
「あわわわわ/////」
ありゃま、お目目グルグルさせてるわ
“どうだった?まるで少女漫画みたいだったけど”
「は、恥ずかしくて…ヨジロウ様のお顔が見れませんでした…」
…うん!ハッピーエンドだね!
サラサラチャーハン
使用するお米を長年積んできた剣、及び包丁捌きで文字通り細切れにする
さらにヨジロウとケイ(暇つぶし)で作った秘伝の調味料(という名の化学物質)を使い、口の水分を少し吸収して固まる性質を与え、少量だと分からない味をハッキリとすることが可能でこれにより完全に初めての舌触りを体験でき、その影響で食べる人はそこそこ喉が渇きやすくなる
今後登場する予定も気配も全く無い料理である