[いや〜アズサを尾行するなんて、お主も悪よのぉ?]
隣でヨジロウさんが何か言ってます
[あれ?聞いてる?おーいハナコちゃー「静かにして下さい」…うす]
私は未だ暗い通路を進むアズサちゃんを見ます
良かった、気付かれていないようですね
「はぁ、何故こうなってしまったのでしょうか」
[オレを踏んだ数分前の自分を恨むんだな]
全くですよ…
ーーー
ーーー
ーーー
数分前
(また今日もアズサちゃんはどこかへ行く様ですね)
私は壁を最早いつも通りにどこかへ行くアズサちゃんを追いかけていました
理由は…なんでも良いでしょう
好奇心だとか、疑問だとか、疑念だとかどれでも良いでしょう
それにしてもアズサちゃんは何者なのでしょうか
隠しきれていない…と言うよりも隠す気がない戦闘への
転校してきたと聞きましたが……
「まさかゲヘナ?いえ、あり得ませ[ゔっ]…あら?」
足の裏から伝わる何か柔らかい感触
「…ふぅ」
まず、整理しましょう
明らかに地面ではありませんね、柔らかいですし
偶々モモフレンズのぬいぐるみが落ちてた訳でも無さそうですね、声聞こえましたし
そしてその声は異性の声ですね、激しく聞き覚えがありますし
「…………」
そ〜っと
覚悟を決めて下を見れば
[…………あ゛?]
お腹を抑え、こちらを睨み上げる
ーーー
ーーー
ーーー
「何故あの場所で寝ていたんです?」
[朝アズサと追いかけっこしたせいで疲れてな、眠くなったから寝てた]
マイペースの擬人化か何かですか?
黙々と進むアズサちゃんをと隠れる様に潜む私を視界に入れ、状況を理解した時のあの笑みは忘れられません
こう、漫画みたいに目と口を三日月にして笑ってました
「そもそも、何でついて来るんですか」
[面白そうだったから]
…この人
「はぁ…」
何なんでしょう、この人?
先生の護衛である事は知っていますが気になることがあります
それはこの人の王女と言う存在
例の紙芝居で色々と話されましたが、もしそれが本当なら、自分は長い間待ち続けた騎士?と言うことになります。ヒフミちゃんたちは半分、いえ9割以上作り話として聞いていました。
確かに右腕が義手なのは目を引きますが…あり得ませんね。
もしそれが本当ならこの人は何歳なのでしょうか
それに話に出てくる『王女』もその気になれば世界を滅ぼせると言いますし…荒唐無稽過ぎます
一応先生に存在の有無は聞き、居ることは確かな様です
居ない存在に従っていると言う事件性がある様なことはないようですね
…そもそもミレニアムの一年生がそんなことできるはずがないでしょうに
「…分かりませんね」
情報が少なすぎます
[ん?何か言った?眠いからハッキリ言ってくれ、聞き取れん]
「気にしないで下さい」
いけません、口に出てしまっていた様です
ですが都合のいいことに眠いのかあまり聞き取れていないようですね
「ふぅ…」
[おい、なに物思いに耽ってるのか知らねぇが誰かいるぞ]
ヨジロウさんの言葉に思考から戻り
アズサちゃんの方を見る
[ありゃ誰だ?ヘソ出して寒くないのか?帽子かぶってるし……キャップちゃんって呼ばない?]
「黙っててください」
本当になんなんでしょう
ーーー
ーーー
それからしばらく、耳を潜めて聞いた話は驚愕のものでした
『桐藤ナギサのヘイローを破壊する』
アズサちゃんと話ていた人物はそう命令しました
その声はどこか空虚で、まるでこの世界に意味はないかの様で
その言葉が冗談でないと嫌でも解らされます
ですが
アズサちゃんはその言葉に僅かながら、反抗の意思が垣間見えました
それが嬉しくて、私には眩しく見えました
「ヨジロウさん、アズサちゃんは………ヨジロウさん?」
反応がない
隣で同じく耳を立てていた人物に話しかける
「…え?」
うそ…ですよね?
[くぅ…かぁ…キィぃ……]
寝て…る?
は?訳がわかりません
確かにさきほど眠いと言っていましたが…今?
たった今、殺害予告が目の前で起こっていたのに寝る?
…流石の私でも腹が立ってきますね
[王女ぉ…十字架は聖剣じゃ…いやハンマーでも無「フンッ」い゛っ!!]
丁度お腹があったので思いっきり踏んでみました
[は…腹がっ、潰れ…っ!「起きましたか?」ハッ!]
ギギギッと、まるで錆びた機械の様に振り向くヨジロウさん
「寝てましたよね?」
[い、いや、別に話は聞いてたぞ!アレだろ!?ナギサが死んだんだろ!?]
「生きてますよ」
どうやら本当におおよその話は聞いていた様子
サクラコさんは本当にこの人のどこに惹かれたのでしょうか?
「はぁ…」
私はため息を吐きながらアズサちゃんが戻った通路
私達が通ってきた道を戻ろうとして
ふと、疑問を抱きます
(…?、話を聞いていた?)
細かいところは違いますが重要な部分
つまりアズサちゃんともう一人の話の内容である
『桐藤ナギサのヘイローが破壊される」と言うことを知って…
「…………」
[お?どうした?]
この人は、
「…いえ、早く戻りますよ」
[へへっ勿論でさぁ、ハナコさ「やめて下さい」…へい]
帰りの通路で隣にいる、今まさに鼻歌を歌い始めた
今まで出会った事のない得体の知れない
私は
少しの恐怖を抱きました
ヨジロウ本人としては
『王女に関係なさそうだし別にいいかな、何か不都合なことが起きたら干渉しよう』
くらいに思ってます
ざっくり経緯
1、朝にやったアズサとの追いかけっこで疲れて壁際で寝る
2、アズサから隠れる様に壁にそって歩いてハナコに踏まれる
3、いきなり踏まれたことに多少イラつきながらも焦るハナコと、どこかへ行こうとしているアズサを視界に入れる
4、オモロそうやな…ついてこ!!
5、アズサがなんか喋ってル…なるほど、ナギさをkoろすと…ZZZ
6、痛ってぇ!!腹が!!!チャーハンが!!!!