待ちぼうけの騎士〜天童アリスの護衛従者〜   作:弥次郎兵衛

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久しぶり

王女は長い髪を揺らしながらユミちゃんから降り、地面に立った

この地を王女自らの足で立った

まるで赤子の様に幼く、無垢な目でぼーっとオレを見ている

 

ついに、ついに王女を目覚めさせることができた

 

今すぐにでも跪きたいという衝動に駆られるが、ダメだ

今そんな挙動をとったら不思議がられる

自制できた自分を褒めてやりたい

 

他の奴には到底分からないだろう

この方が今こうして立っている事の嬉しさが

この方がこうして目を開いて世界を見てくれる喜びが

 

 

初めまして王女

 

お久しぶりです王女

 

おかえりなさい王女

 

おはようございます王女

 

 

ずっと、ずっと待っていた

 

どんな事を話そう

この日のためにいろんなものを用意した

語りたい、やりたいことが頭の中を埋め尽く

 

が、そんな考えはすぐに吹き飛んだ

 

 

 

 …ギュッ

 

 

 

手を、握られた

 

 

 

 

 

王女は近づいてきたと思えばオレと手を繋いだ

繋いでくれた

 

そこにどんな意図があったのか分からない

もしかしたら何となくだったのかもしれない

 

それでも、耐え難い感情の濁流がオレを襲った

もしオレが機械じゃなかったら泣いていた自信がある

 

だが、それを表に出してはダメだ

頭では分かってる、分かってるんだが

感情がキャパオーバーして体が震えてしまう

 

しばらくするとユミちゃんが気にかけてきた

 

…谷崎ユミ

 

オレはこの人に多大なる恩を感じる

あんたのおかげで王女が目覚められた

感謝の念しかない

 

この護衛の依頼を受けたことを心底良かったと思うよ

連邦生徒会長サマにも感謝しなきゃだな

 

…うん、決めた

オレはこの護衛の依頼を何が何でも完遂してみせる

 

そして

王女にこの世界の美しさ、そして楽しさを教えてあげよう

 

⬜︎

 

私たちは工場の奥へと進み、妙な機械に承認されたと思えばいきなり変な部屋に落とされた

色々合ってその部屋の台座で眠っていた女の子を起こしてしまう事になり

ひとまず保護し、騎士の協力の下…何とか脱出したんだけど

 

“えっと…”

「…離さないね」

 

騎士の手を握って離さないのである

この子が騎士と見つめ合って数秒後、歩き出したかと思えばいきなり騎士の手を握ったのだ

 

…それにしても横に並ぶと身長差が目立つ

2mの騎士と150cmくらいの女の子、他の人から見たら事案まっしぐらだろう

 

“騎士?”

 

さっきから何やら黙って震えている騎士に話しかける

 

【…一先ずこの…子を安全な場所に連れて行く、一旦ミレニアムに帰ろう】

「それもそうだね、この子が誰かわかんないけど私達の部室に戻ろう」

【それと、ユミちゃん…ありがとう】

“?、うん”

 

そういうと騎士は女の子を抱えて歩き出した

 

抱え方は、お姫様抱っこだった

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