「やりました!アリスは魔王を退治しました!」
うーん、ゲームをしていた王女可愛らしかったな
いろんなことに一喜一憂して見て飽きなかった
…まあそのせいで太陽が昇ってたことに気づかなかったのだが
周りを見れば死屍累々…いや途中でギブアップしたゲーム開発部とユミちゃんか
「返事がない、ただのしかばねのようだ」
“う〜ん、あと5分…いやあと5光年……”
【勇者サマ、一応生きてるぜ。あとユミちゃん、そりゃ距離だ】
あんた仮にも教師だろ
一つ言う事があるとすれば一晩中ゲームをしていたせいか王女の言語範囲がゲームのセリフに埋めつくされてしまったのが唯一のやらかしか
途中で辞めさせられれば良かったんだが
いや、でも幸せだったんだよ
王女がここにいて何か攻略するたびに笑顔になっていくんだ
長年待っていた身としては心に沁みたね
ちなみにオレは王女の従者になった
ゲームに騎士が出てきた時
オレのあぐらの上に座っていた王女が画面とオレをキョロキョロと見比べて
「騎士は騎士だったんですか?」
【そうだぞ、何ならアリスさんの、勇者の従者にしてくれても構わないが】
「!!、パンパカパーン!騎士がアリスの従者になりました!」
いやっほう!!
合法的に従者になれたぜ!
と言うことがあったわけなのだが
フッフッフ
公の場じゃオレは貴方の騎士でずっと昔から待っていましたなんて言えねぇからな
いやー流石オレ!自分の才能が怖くなるね
などとバカなこと考えてたら今日はロッカーのヴァンパイアことユズも含めて王女の武器を調達するらしい
「行きますよ騎士!」
【おう!お供するぜ勇者サマ!】
ーーー
ーーー
ーーー
「やあ待っていたよ、ようこそエンジニア部へ」
「こんにちはウタハ先輩!今日はアリスの武器よろしくね!」
エンジニア部、部員人数は三人
さまざまな機械を開発したりミレニアムで爆発を起こしたり面白機能を勝手につけたりしている愉快な部活らしいが
……にしても何だ?この悪寒は
いや、落ち着け。今は王女に見合った武器を色々説明しているのだ王女を見てこの悪寒は忘れよう
【あれ?勇者サマ、どうかしたのか】
「おや、これはお客さんお目が高いですね。…ふっふっふ、驚く勿れ。これはエンジニア部の下半期の予算70%を費やして作った我々の傑作、その名も『宇宙戦艦搭載用レールガン』です!!なお宇宙戦艦に関しては予算が無くなってしまって結局断念せざるを得ませんでしたが」
「わぁ〜!」
うわっ王女、目ぇキラッキラさせてるな
ていうか今何つった?
部員のコトリ?が長ったらしく説明したが下半期の予算70%を費やしたとは
バカなのか?その予算をもっと他のに使えなかったのか
確かにかっこいいがここまでの物を作れるのならもっと有用性があるものを作ればいいのに
こんなの使えるの鎧をフル稼働させたオレか王女くらいだぞ
一体何でこんな物完成させたのか
「「「ロマンです」」」
ならしょうがないか
うん、ロマンならしょうがない
その後王女が気に入って譲り受けられることになり
レールガンを持ち上げたことに周りが驚き、ユミちゃんとウタハが何か話していたが話の内容的に何かあってもどうとでもなる
オレはレールガンの最終調整をしている間に帰る準備をしていた
にしても『光の剣スーパーノヴァ』、か
さすが王女、いいネーミングセンスだ
準備も終わっていざ帰ろうとしたその時
ポンッ
肩を、掴まれた
後ろを見ればウタハ、いやよく見れば他二人の部員がオレを包囲するように陣取っている
「いやはや、噂の騎士がこんなところで会えると思わなかったよ」
【な、何の用ですか?】
思わず敬語になってしまった
「私たちエンジニア部は機械の事となるとそれはもう興味が尽きなくてね」
嫌な予感がして咄嗟にユミちゃんとゲーム開発部の方を見る
ちくしょう!!いねぇ!あいつら帰りやがった!
「調べさせてもらってもいいかな?」
【ぐ、具体的にどのような事を?】
「ぶ・ん・か・い」
クソッ悪寒の正体はこれか!
王女が居るのってのに今更死ねるかよ!
そう判断するやいなや、引っ付いて来たエンジニア部どもを振り払って全力で逃げた
久々に全力ダッシュして逃げ切った
…エンジニア部こわい
騎士にとってはいきなり解剖させて欲しいと頼まれた気分