ちょっと今回シリアスめになってしまいましたが…優しく温かい目で見ていただけると嬉しいです。
あれからかなり長い時間が経った気がする。
現に僕のお腹周りが前までと変わって肉がついた気がするし、寝転がるのがより好きになり起き上がるのが嫌になった。
───そんな事を考えていると、ジジイの孫とやらが新たにポケモンを捕まえたと転送されて来たポケモンに…僕は見覚えがあった。
「ほんま凄かったわぁ〜。
早ウチもエレブーをゲットしたいわぁ〜。」
ハヤトとのジム戦を終え、ポケモンセンターにてナナコは偽サトシのエレブーに抱きつきニヤついていた。
以前にナナコに合わせる約束をしていたので改めて果たしてるのであった。
エレブーは偽サトシ以外から高い好意に小恥ずかしそうにしており、偽サトシ達はそれを見て笑っていた。
そして…翌日。
偽サトシは朝からオーキド研究所へ連絡し、次のジムで出す予定のポケモンを手持ちにする為に手持ちの調整を持ち掛けようとすると…。
『サトシくん。実は今、お爺様がそっち方面にある【アルフの遺跡】へ向けて出発した所なの。
そこで、サトシくんのエレブーの力を借りたいそうなの。
だから、手持ちの調整は後でにして貰っていいかな?』
ほほう、アルフの遺跡と言えば…ゲームでは近くにあって金銀リメイク(HGSS)ではアルセウスのイベントとかあった覚えがある。
後はアンノーンか。
…ゲームでのアンノーンは特に何も無いが、アニポケのアンノーンって詳細を覚えていないが良い印象無かったんだよな。
確かエンテイの映画がそうだった…。
あれ? 確かあれってジョウトの話だった様な…?
『サトシくん? 大丈夫?』
おっと、いっけねぇ…我が心のオアシス、女神ナナミしゃんに心配かけてはいけない。
取り敢えず承諾してセレナ達に詳しい事を話して、これからアルフの遺跡に向かう事となった。
「ほな、ウチ等はジム再挑戦の為に特訓するでぇ!」
ナナコちゃんはハヤトにリベンジする為にバトル施設や新たなポケモンを捕まえる為にここで別れる事になった。
頑張れよー。
キキョウシティからアルフの遺跡に向けて移動して早2時間が経った。
もう直ぐアルフの遺跡近くで───
「おお、サトシ!
この辺りにいたのじゃな。」
オーキド博士と遭遇し、車に乗せて貰ってキキョウシティでの出来事やティアとの初対面にヘラクロスなどの報告を改めてしたりとし、いつの間にかアルフの遺跡に辿り着いた。
アルフの遺跡には何人かの研究者や調査隊と思わしき人達と大勢いた。
俺達が顔を出すと…今回博士に声をかけていたタマムシ大学で講師してた頃の生徒だったサタケが駆け寄る。
話を聞くと、何と…数日前にここで研究していた所、偶然野生のオムナイトを発見したそうだ。
「見つけたオムナイトに関して、是非博士の意見が聞きたかったのです。
…所で、彼等は一体…?」
「うむ。まずこの子はサトシと言ってな。
今年にトレーナーになり、この前カントーリーグで準優勝を果たした実力者じゃ。」
「え!? それってもしかして…あの伝説の炎鳥ポケモン:ファイヤーを倒したトレーナーですか!?」
サタケが大声で驚き、こちらに多くの視線が向けられる。
どうやら博士の意見ではこの遺跡の何処かにオムナイトの住処があるのでは無いかという結論に至り、実力のある俺達にも手伝って貰おうと声をかけたのそうだ。
「後、サトシは人間離れした身体能力があるからな!
実に頼りになるぞい。」
…なんか馬鹿にされつつ良いように利用されてる感があるんだけど…。
でも、皆乗り気なんだよな(特にタケシ)。
仕方ねぇ、ティアの件やもしオムナイトが他にいる様ならタケシがゲット出来るチャンスかもしれないから今回は良い様にされてやるよ。
てか、博士も人間離れしてるからな?
ポケモンからの攻撃を受けてもピンピンしてるし、いつだったか忘れたがヨノワールによって魂が離脱されて倒れた大事件になったかと思えば数時間後には「んーよく寝たのぉ〜」…って何事も無かったとナナミしゃんから聞いてるぞ?
「あれが噂の?」
「ふんっ! どう見たってただの子供では無いか!
ここは子供が遊ぶ様な場所じゃないぞ!」
「それに、あの件に関してはドーピングを利用した噂が立ってますからな。
ポケモンと一緒に倒れたのがその証拠だとか。」
ただ、多くの研究員達は俺達を快く思っていないようだ。
まぁ、これに関しては分からなくもないので無視しよう。
…しかし、偽サトシがドーピングを利用したと…反則行為をしたと思われている事にタケシとカスミはムッとしており…特にセレナとティアは不機嫌で凄かった。
「お、落ち着けってセレナ、ティア…。
こう言うのは言わせておけばいいんだから…。」
「…嫌。サトシ達が頑張ったのに、それを悪く言われるのは嫌だもん。」
「…うぅ…!」
セレナの言葉にタケシとカスミも頷いていた。
ティアは次第に涙目になっていた為に俺の方が折れてしまいそうになる───そんな時に。
「どうかされたのですか?」
黒いコートを着た膝まで届きそうな長い金髪を持つ美女───シンオウチャンピオンのシロナが現れた。
「あ、あなたは…!?」
「おお! シロナ殿!
よくぞ来てくださいました!」
原作に無い思わぬ有名人が現れて偽サトシを悪く言う者達を含め、多くの研究者達がシロナへと駆け寄る。
「シンオウチャンピオン…シロナ、さん…!
どうしてこんな所に…!?」
「びっくりしたじゃろう?
実はサタケくんがここに彼女が来ると聞いてな。
実はサプライズで黙っていたんじゃ。」
おいおい爺さん…いや、偉大なるオーキド博士殿!
「おお! 雑誌やテレビでしか見た事無いあのシロナさんが!
───あだだだだだだ!!」
「はいはいそこまで…セレナ、悪いけどサトシを───」
「サトシの姿が一瞬で消えたの!」
「ま、まさか!?」
タケシを直ぐに止めたカスミと偽サトシを止めようとしたセレナだが、既に偽サトシは居らず…。
「シロナさん!」
研究員達を無意識で発動していた『波導』で薙ぎ払い…シロナへ空のモンスターを差し出す。
「お、俺! マサラタウンのサトシと言います!
えっと…さ、サインをお願いしまぁあっすっ!!」
偽サトシは体を90度に曲げてサインをお願いするのだった。
「へへへ…シロナさんのサインボール、ゲットだぜ。」
偽サトシはシロナにサインして貰ったモンスターボールを汚れない様に梱包し、頬ずりしていた。
「全くあんたってば…。」
「分かる…分かるぞサトシ…!
俺も、後でシロナさんにサインを貰おう…!」
「あんたは止めときなさい。」
「なんで…!?」
「…それにしてもサトシ…シロナさんに会えて嬉しそう。」
「それもそうじゃろう。
何せ、サトシはシロナくんの大ファンじゃからな。」
ニヤニヤしてて気持ち悪い偽サトシの代わりに博士が細かく説明する。
偽サトシはタケシよりかはマシだが、それでも綺麗なお姉さんにメロい部分があるのだが、シロナに対してはそういった所よりもトレーナーとして人間性としても憧れており、彼女ともう1人のチャンピオンを通していつの間にかチャンピオン全般が好きなオタクになっていたのだ。
「へぇ、サトシってチャンピオンオタクだったのね。
て事は、もしかしてカロスチャンピオンで大女優のカルネさんの事も?」
「詳しいぞい。
無論、他にもここジョウトとカントーのチャンピオンのワタルくんとかの話を聞くと、眠くなるまで語り始めるんじゃ。
サトシにチャンピオン話をさせる時は覚悟するんじゃな。」
「そんなにチャンピオンオタクだったんだ、ちょっと意外。」
偽サトシの知らない面を知り意外な顔をするカスミとタケシ。
そしてセレナは自分もカロスのチャンピオン:カルネに憧れている為に共感する事もあって咎めなかった。
「しかし博士、ここって本来関係者以外は立ち入り禁止ですよね?
本当に自分達がここにいてもいいのでしょうか?」
「構わん。それに…最近は物騒だからのう。
シロナくんがいればよっぽど大丈夫じゃろうが…。
なぁに、お前さん達の事は信頼しておる。
それよりエレブー、《フラッシュ》の光をもう少し明るく出来んか?」
今偽サトシ達は遺跡内にいて、博士はサタケから頼まれた石板の解読をしている。
当然内部は最低限の光はあるものの、それでもポケモンの《フラッシュ》による光の方がより明るく見える為、偽サトシのポケモンは力加減が上手い為にエレブーの《フラッシュ》を利用させて貰っているのだ。
「…しっかし、この石板…何かを表しているのは分かるのだが、一体何じゃような?」
「それを突き止めるのが博士の……お?
この石板…これって…。」
「んん? サトシ、これが何か分かるのかの?」
「分かるのかって言われると違うんだけど…。
なんて言うか…これって
偽サトシの言葉に皆が呆気に取られた顔を浮かべる。
そん中、偽サトシは『波導』の力もあってか違和感に気づいて石板を弄り始めたのだ。
「…あっ、本当だわ。
サトシが並べ変えているとどんどん何かのポケモンらしき形に見えてきた。」
「本当ね。流石サトシね!」
「うー!」
女性陣が偽サトシの行動に関心し、タケシと博士も微笑ましく見ていると…。
「驚いたわね。
若くして考古学について詳しいのね、彼は。」
多くの研究員達に囲まれていたシロナがサタケと共にやって来た。
「あ、あなたはシロナさん!
───自分は一流のブリーダーを目指しているタケシと言います。
よろしければ、自分と…いででで!!」
「はいはい、迷惑かけちゃダメでしょ。」
「まだ何もしていないのに…。」
「…あらあら、賑やかなのね。」
「す、すみません。」
「良いのよ。それより…彼、サトシくんはバトル以外にも考古学についても勉強してるのかしら?」
「いいや? あの子は勉学の方はやりたがらない子じゃから考古学なんて何一つ理解しておらん。」
「え!? で、ですが博士!
彼のあの石板の解析は見事なものですよ!?」
「あれは直感力を用いて何かを感じ取り、本能のまま動いてるだけじゃ。」
「ほ、本能のって…。」
「…もしかして、博士はサトシなら何か解読出来るんじゃないかと踏んで声をかけていたんですか?」
「まぁな。サトシはシゲルとは違い、頭を使った事は不得意じゃが。
あの様に何かを本能的に、直感的に何かを見出してとんでもない成果をあげるタイプなんじゃよ。
…少し前まで、ワシ等でも気づかなかったナナミの悩みやシンオウ地方の昔…ヒスイ地方での文献を少し見ただけでヒスイ固有の姿と思われるドレディアとヌメルゴンであると突き止めたんじゃよ。」
博士の爆弾発言に、作業してる偽サトシと博士以外の全員が驚愕する。
ここで少しだけこの世界でのヒスイについて触れると…。
元々はヒスイガーディ、ヒスイビリリダマ、ヒスイニューラと数少ないながらも数多くの学者達が何年も時間をかけてその存在を突き止めていた。
やがて、大昔にはリングマの進化系『ガチグマ』の進化アイテム…『ピートブロック』を発見したクロツグが学者達と共に力を合わせ…満月の夜に進化せる大発見をするなどの事があった。
それらの事があって、ヒスイ地方の文献を様々なポケモン博士の意見を求めていた所…偶々その事を知り、文献を見た偽サトシがヒスイドレディアとヒスイヌメルゴンをボソッと呟き、博士はそれを聞いて深く研究してそれで間違い無い事を突き止めたのだ。
「でも確か、そのレポートは博士が1から全て突き止めたと聞いていますが?」
「いやぁ、それが…サトシの奴が───
『俺、そういうので目立つのヤダから博士が全部やった事にしておいて。
実際、博士が調べたから判明した訳だし。』
…と、ナナミは反対してあったが、サトシの奴がどうしてもって事でワシの名義で大発見となったんじゃ。」
それを聞いた皆…主にシロナの偽サトシの印象は大きく変わる。
多くの人間が大きな成果・発見した場合、それを自己主張するのだが…彼は目立つのがヤダと博士の丸々成果にさせたのだ。
他にも、史上初ポケモンリーグで伝説のポケモンと対面し、しかも勝利を収めたというのにそれを自慢しない・豪語しない誠実さを持つのが彼なのだと。
「あっ、出来たわ。
やっぱりポケモンの形をしてたな。
これは…オムナイトだ。」
そんな内に偽サトシが短時間で石板を完成させてしまった。
それにより…奥の扉が開いた。
「…これって、塩の香り?
もしかして、この先に海があるの?」
と、カスミが直ぐに気づいて、俺達は真っ暗な奥先をエレブーの《フラッシュ》で眩しすぎず、且つ弱くないレベルで調整して進んで行く。
進んで行くと………カスミの言う通り、奥には海水に覆われていた洞窟池に辿り着く。
周りを見渡せば、何匹かのオムナイトやオムスターがいたのだ。
こちらに気づいたオムスターやオムナイトの何匹かは池に飛び込んでったが…何匹かは独自に壁を掘り進み、池とは異なる所へ向かおうとしていた。
恐らく発見したオムナイトはこのケースで見つかったのだろう。
そして、1匹のオムナイトはタケシの鞄にくっついて匂いを嗅いでいた。
「こ、これは…!? 大昔に滅んだ化石ポケモンオムナイトとオムスター!」
「感動じゃ。まさか、彼等は完全には滅んでおらず現代とは別離した世界で生きていたのじゃな。」
サタケや博士が感動し、他の皆も同様だった(タケシはオムナイトにタカシお手製のポケモンフーズをあげていた)。
そんな中…偽サトシは静かに呟く。
「…俺はとんでない事をしてしまった。」
「うん! 凄い発見よね!」
「いいや…やっちまった。
俺は………彼等の世界を壊してしまった。」
「…サトシ?」
深い後悔を抱く偽サトシ、そしてそれを見て心配するセレナだった。
結論から言おう。
俺の好奇心のせいでオムナイトとオムスターの世界が壊れてしまった。
今後、彼等は人間達の手によって色々と調べなどを受けて今までの生活を奪われる。
そのせいで…下手をすれば自由に生きれなくなってストレスを抱え、その生涯を終えてしまう───
「そんな事はないよ、サトシ。」
隣に座るセレナが偽サトシを案じて手に自分の手を重なる。
そして反対側で腕に抱きつくティア。
「博士やシロナさんが言ってたの。
『遅かれ早かれ彼等の生活圏は知られる事になってた。』…って。」
「…でも、俺がそれを今に早めてしまった。」
そう、俺がやらかしてしまった事には変わりない。
「違うわよ、サトシくん。
結果的にキミは彼等を救ったのよ。」
そこへシロナさんが歩み寄って隣に駆け寄る。
「キミの言っている事は正しい。
けれど、この前見つかったオムナイトはあそこにある彼等の食べ物が減った事から外へ出るようになって見つかった。
だから、キミがあの洞窟を発見しなくてもいずれ見つかっていた。」
「…でも。」
「それにね。キミがこうして博士や私達がいる時に見つけた事で、彼等を守る事が出来るの。
これから博士達と共に彼等がここで健やかに過ごせる環境を整える様にしていくって研究者達に告げていたわ。」
加えてシロナさんは語る。
もし、俺が見つけなかった場合…オムナイト達は研究者達によって生活圏を壊されていた可能性があると。
「…サトシくん、今から言うことを覚えていて欲しいの。
キミはとても優しい人間、素敵だと思う。
でも、同時に責任感の強すぎる。
自分を厳しくしすぎて周りを心配させてしまってるの。」
シロナの言葉に偽サトシは少し動揺する。
まさか、自分で自分を厳しくするのは決して悪くないが、そのせいで傷つくのは自分だけで無く、周り…つまりはセレナ、カスミ、タケシ、ティアにも影響を及ぼしているとは考えなかったのだ。
「キミはその年頃にしては大人顔負けでしっかりしてるけど、まだ成長期の子供。
これからなのだから、あまり思い詰めない様にね?」
シロナが偽サトシにそう言うと、時間を見て「…ちょっとごめんなさい。あの洞窟について少し研究者達に告げておく事があるからまた後で」と博士達の元へ向かった。
「サトシ? 大丈夫?」
「…あっ、ああ…。」
偽サトシは先程のシロナの言葉に何かを感じ取っていた。
シロナさんのあの言葉…俺に
一体、何だろう?
と、疑問を浮かべている所にカスミとタケシ…にくっついてるオムナイトに目が行く。
「タケシ、そのオムナイト…。」
「ああ。なんか懐かれちゃってな。
多分、初めて食べたポケモンフーズが原因だと思うが。」
「このオムナイトは美食家で人懐っこいみたいだからタケシに懐いちゃったの。
だから、博士達に相談してたの。
タケシのポケモンにしてみたらって。」
「いやぁ、俺としても嬉しいしな。
…って、こらこら。
さっき食べたばっかりだろう?」
タケシとオムナイトが戯れあってる姿を見て、セレナとカスミは笑い…次第に俺も笑みを浮かべる。
そして、いつの間にかボールから出ていたゲッコウガもグッと指を立てて元気を出すように偽サトシの肩を持つのだった。
ちょっと暗い感じになってしまいましたが、お許し下さい。
アニメを見ていた思っていたのですが、あのまま黙ったままでも先延ばしになっただけでいずれ生活圏は奪われる可能性があるんじゃないかと思い今回の話になりました。
・ヒスイのポケモンについて。
ここでも軽く触れておくと、罰金くんのパパンはガチグマを持ってます。
それからヒスイガーディとヒスイウィンディ、ヒスイビリリダマとヒスイマルマイン、ヒスイニューラとオオニューラ、それからヒスイドレディアとヒスイヌメルゴンの様に一部のポケモンは判明しており、徐々にこれらのポケモンや他のポケモンも現代として蘇り、名トレーナー達のポケモンにする予定です。
・軽いネタバレ。
カントー・ジョウトでは転生(憑依)した偽サトシくんがこの世界に適応する流れで、ホウエンからは本格的な成長編に入る予定。
『シロナ』
本編で触れた通り、ヒスイに関する研究が進んでおり…ジョウトにはシント遺跡関連で来ていた。
偽サトシに『
それが何なのかは次回判明…!