いつぶりだろう…彼等に苦労かけない様に独り立ちし、ここに来た事でもう会う事が無いだろうと思っていたが、ここで…奇跡の再会を果たした。
向こうも…ガルーラ親子も僕を覚えていた様で、僕を見て抱きついてきてくれた。
ああ、人間の元に来て良い事もあるんだなと…この時知った。
アルフの遺跡で現代まで生きたオムナイトの話題が上がった。
幸いにも、これが俺によって見つかった事は博士達の助力を得て伏せられた。
オムナイト達も…危うくポケモン協会の人間達がやって来て化石ポケモンの研究に手伝わせてくれと、露骨にオムナイト達を何匹かこちらに寄越せと来たが、博士とシロナさんの進言があり…ここアルフの遺跡は特別保護区となり、化石の発掘なども慎重にして行くとなった。
それを面白く無いと判断したポケモン協会はあーでもないこーでもないと難癖言ってきたが、次第に「…我々はこれにて失礼する」と後に知る事になるが、彼等は利益にならないと判断すると援助の話をすっぽかして去って行った。
…ミュウツーの件といい、ポケモン協会…どうも一筋縄ではいかない胡散臭さを感じるな。
「サトシくん、皆…何とかオムナイト達は保護する事が出来たよ。
だから安心して旅を続けてくれ。」
「…本当に、本当にありがとうございました。」
「いやいや、そこまで深く思い込まないでくれサトシくん。
キミは最善の行動を取っていたからね。」
と、サタケさんは俺を気遣ってくれるが、俺は今回の一件を教訓に今後改めて行動していくつもりだ。
「昨日も言ったけど、キミは優しすぎるから思い込まないでね。」
背後から俺の両肩を優しく叩いてくれるシロナさん。
「キミはキミの正しいと思った事を貫いて突き進めばいいの。
難しい事は思い込まず、私達大人に任せてくれればいいからね?」
「シロナさん…。」
眩しい……何て眩しいくらいに───カッコいいんだ、この人は…!
「シロナさん! 俺、将来シロナさんみたいなカッコいい人になりたいっす!」
「あら…ふふ、ありがとね。」
いやぁ〜美女の微笑みはいつでも心が浄化されるなぁ〜───
「いだい! いだいよセレナ!? カスミ!?
てか、ティアもそんな怒ったような顔をするなって…。」
俺の足をそれぞれ踏みつけるセレナとカスミ。
そしてティアは特に痛めつけはしないが、頬を膨らませて不満げにしてる…。
…3人のご機嫌斜めにしてるのが心に刺さる…。
「…何となくそんな気はしてたけど、サトシくんも罪な子ね。」
「昔からなんじゃよ。」
博士、シロナさんに変な事を教えてない?
止めてよね。シロナさんはナナミしゃんに並ぶ俺の憧れなんだからよ!
「あっ、そうそう。
サトシくん、キミにあげたい物があるの。」
え!? 何、何!?
「これは『エレキブースター』。
エレブーをエレキブルに進化させる事が出来る代物よ。
私は使う予定が無いから、サトシくんにあげる。」
え、えええ『エレキブースター』ぁ!?
「い、いいいいんですか!?
こんな貴重な物を貰ってしまっても!?」
「良いのよ。さっきも言ったけど、私は使う予定が無いから。
それに…サトシくん。
私はキミの様なトレーナーの力になりたいの。」
あかん…あかんですぜ、シロナさん…!
俺、俺…! ますます尊敬しちゃう〜!
「それから、今回みたいに力になれる事があるかもしれないから、私のポケナビの番号。
何かあったら迷わず相談して頂戴。」
俺の中で、シロナさんという存在がナナミ様に並ぶ女神になった。
「それじゃ、私は呼び出しを受けたからここで。
サトシくん、またゆっくり出来る時に改めてキミの話を聞かせて頂戴。」
…と、シロナさんがヒワダタウン方面の近くの町まで送ってもらい、また時間がある時に改めて話をするという約束をした。
シロナさんを見送った後、ポケモンセンターに寄って手持ちの調整する時にエレブーに『エレキブースター』を使う事にした。
エレブーは更に強くなれると知り、早く進化したいと『エレキブースター』を手に…進化の石の様に自身に取り込む様な感じに青白い光に包まれ───エレブーはエレキブルに進化した。
「やっべぇ! めっちゃかっこいいぜ!」
俺が上機嫌となり、皆も強く見えるエレキブルを見て大興奮し…エレキブルも嬉しそうにし、気合を入れていた。
さて、エレキブルに進化した事だから暫くはエレキブルの特徴を知る事と自主練も出来るようにする為に手持ち固定にする。
これで相棒のゲッコウガとエレキブルは確定(特別枠のティアも元々固定)。
さてさて…先ずは次のジムは『むしタイプ』のジムだ。
その為に『ひこうタイプ』『ほのおタイプ』は必須…という事で、トゲさんとリザードンもこのまま手持ちにする。
トゲさんもそろそろジム戦に挑んでもらおうと考えている。
レベルも今は36、ヒワダタウンに着く頃には40になるだろう。
それならば何とかジム戦で活躍出来るだろう。
…と、後はカイリュー。
カイリューでも問題ないが、他のポケモンも強くしていかないとな…って事で、カイリューとストライクで入れ替える事になった。
次のガチ戦で相手が何を出してくるか分からないが、『むしタイプ』のエキスパートな訳だし、あのポケモンを持っているだろう。
ストライクにはあのポケモンについて直で理解してもらおうと考えている。
まぁこの話はいずれ、その時に。
ヒワダタウンに向かう俺達。
今、ちょっとした山道を歩いていると…後方から「そこのキミ!」と声かけられる。
俺達は振り向くと…リボンを付けたリザードンが引っ張ってる気球に女の人が乗っており、俺達の元へと降り立つ。
「キミ、マサラタウンのサトシくんよね。
カントーリーグの試合観たわよ。
特にカイリューと戦ったバトルは手に汗握ったわ。」
「え? あっ、どうも…。」
おおう、俺って割と知名度高い方?
まぁ、伝説のポケモンと戦ったからそれなりに話題になるか。
それより…。
「この♀のリザードン、強いな…。
進化したてじゃない…レベルは50はある。」
「流石ね。良い眼をしてる!
良いリザードンを持ってるだけの事はあるわね!」
「リザードントーク……あっ、もしかしてこの辺は…!」
タケシが何かに気付いて鞄からジョウトのガイドブックを開くと、この辺は特別地区…野生のリザードンが多く住む【リザティックバレー】があるとされ、普通の人は立ち入り禁止らしい。
「すみません、直ぐ違う道を行きます。」
「ああ、いいのいいの。
ここはリザードンを持つトレーナーなら通れるって決まってるもの。」
「「「「リザードンを持つトレーナー?」」」」
「うー?」
「あ、ごめんなさい、自己紹介が遅れたわ。
私はジーク、リザフィックバレーの管理者よ。」
ジークさんの自己紹介を聞き…俺は思い出した。
これ、サトシくんのリザードン離脱回だ。
正確には離脱では無いような有る様な?
などと考えてる内に毎度の如く美人の年上お姉さんに寄ってかないかと問われてタケシが行こうと決まり、俺達はリザフィックバレーに向かうのだった。
因みに俺以外はジークさんの気球に乗るのに対し、俺はリザードンに乗っていく。
俺のリザードンはサトシくんとは違い俺1人くらいならば通常時と変わらずに飛び回り、余裕に目的に辿り着いた。
「やるわねサトシくんのリザードン。
並のトレーナーのリザードンは人を乗せて飛ぶのが難しくケースもあるのに。」
「俺のリザードンはいずれ世界のリザードンの中でもNo. 1になるからな。」
と、思わずカッコつけるとリザードンも腕を組んで俺の背後でドヤ顔を決めていた。
それを見たジークさんの♀リザードンはちょっと気を持つのだった。
「No. 1、ね……じゃあ、ここのリザードン達を見てどう思う?」
ジークが門を開けると…そこには多くのリザードンが集っていた。
「おお………これだけのリザードン、爽快だなぁ。
でも、俺のリザードンよりも強いのは…いないな。」
俺がそう言うと、この場にいたリザードン達が俺と俺のリザードンを凝視する。
「へぇ、言うじゃない。
それじゃあ…そうねぇ…。」
ジークが誰と戦わせようとかと考えていると、1匹のリザードンが我こそはと前に立ちはだかる。
「…あの子、ここのリザードンの中では3番目に強いわよ?」
「へぇ、そりゃいい。
軽くお前の力を見せてやろうぜ、リザードン!」
『グオウ!』
「あ、先に言っておくけど、トレーナーの指示は無しよ?
それでも、自信がある?
もし無いのなら───」
「言ってくれるじゃないですか、ジークさん。
行けるな? リザードン?」
俺の問いに力強く応じる俺のリザードン。
俺とジークさんは後ろに下がり皆と様子を見る。
そして…偽サトシのリザードン対No.3のリザードンのバトルが始まる。
最初は相手のリザードンが《かえんほうしゃ》を放ってきて、偽サトシのリザードンは反撃せずに真っ正面から受ける。
多少のダメージは入ったが、偽サトシのリザードンは《ドラゴンダイブ》で炎を突き抜け、相手のリザードンを突き飛ばす。
流石にこの一撃では倒れないが、それでも良いダメージが入った様で周りのリザードン達はどよめく。
「やるわね。でも、どうして《かえんほうしゃ》で返さなかったの?
《ドラゴンダイブ》を悪く言うつもりは無いけど、リザードン同士のバトルは《かえんほうしゃ》のぶつけ合いがセオリーよ?」
「…サトシのリザードンは訳あって後遺症があって、ブレス技が使えないんです。」
タケシがジークの問いに答え、知らなかったセレナとジークは驚く。
「えっ!? そうなの!?」
「ええ…前のトレーナーが人でなしだったんです。
弱いからって理由で虐めて…しまいには手当もせず大雨の中、ヒトカゲの時に逃したんです。」
「…っ、そんな事が…!」
「けど、サトシはそんなリザードンを立派に育て上げ、今があるんです。
No. 1のリザードンを目指すくらい強いリザードンに。」
「…そうなのね。だから物理技を主流にして戦ってるのね。」
いつの間にか偽サトシの隣にはゲッコウガが出ており、共に偽サトシのリザードンの戦いを見ていた。
偽サトシのゲッコウガとリザードンは互いに実力を認め合い、共に偽サトシの両翼としてポケモンマスターを目指す強いキズナを築いていた。
そうしてる間に、偽サトシのリザードンは相手のリザードンを倒していた。
「驚いた。あの子を倒すなんてね。」
ジークが驚いてる間に、次のリザードン…No.2のリザードンが前に出る。
偽サトシのリザードンはそのまま戦おうとするも、ジークの♀のリザードンがオボンの実を投げ、それを受け取る。
視線を合わせた後にオボンの実を食し、体力を回復させ…両手の拳を強く合わせて気合を入れてかかって来いと挑発する。
相手のリザードンは…《げんしのちから》を使い、偽サトシのリザードンは《かみなりパンチ》で自身に降りかかる岩を吹き飛ばす…しかし、その先に接近されて、相手も《かみなりパンチ》を放って殴られてしまう。
そのまま追撃に《かみなりパンチ》で頬を殴られるも…それを堪えて至近距離の《がんせきふうじ》の叩きつけをぶつけ、フラフラとする相手のリザードンに関心の《かみなりパンチ》で殴り返して倒した。
「凄い…ここまでの実力を持っていたなんてね…!!」
「当然! 俺のリザードンっすから!」
『コウッ!』
「でもやっぱり凄い!
サトシのリザードン!
このままここのNo. 1のリザードンにも勝てるんじゃない?」
「…そう上手くはいかないわよ。
何せ…ここのNo. 1のリザードンは───」
セレナの言葉にジークは見れば分かるわと言わんばかりの言葉を吐くと、ズシンズシンとこちらへと力強く歩み寄って来るリザードン。
しかし…問題なのはそのサイズ。
「で、デカいぞ、あのリザードン!!」
「あんなサイズのリザードンがいたの!?」
「うー!?」
みんなビックリ、偽サトシの倍近くあるリザードンだった。
「この子がこのリザティックバレー最強のリザードン…オヤブンよ。」
まんまだな…いや、マジで強いな。
図体だけで無くレベルも高い…差し詰め、最初のNo.3は51、No.2は54、そしてこいつは…60近くはあると見た。
「…気を引き締めろ、リザードン。
あいつは図体だけじゃない、油断すると一瞬でKOまで持ってかれるぞ。」
俺の忠告にリザードンはより真剣な顔になって頬を叩くのだった。
さっきと同じくジークさんのリザードンがオボンの実を投げ、それを受け取って食し…親指を立てる。
それを見たジークさんのリザードンは目をハートにして両手を合わせて俺のリザードンの勝利を祈っていた。
「大丈夫かしら、リザードン。」
「大丈夫よ、だって…ジークさんのリザードンが勝利を祈ってるもの。」
セレナもまた偽サトシに恋する者。
だからこそ、色恋の事について容易に見分けられていた。
「それに…サトシのリザードンだもの!
絶対に勝つわ!」
セレナの瞳には恋の炎を燃やし、偽サトシの勝利を祈っていた。
両者は睨み合う。
互いに相手が強者だと認めると…偽サトシとオヤブンは力強く遠吠えを上げて飛び掛かるのだった。
・次回、偽サトシリザードンvsオヤブンリザードン。
1話で終わらせる筈だったが、1話で終わらせられなかった。
先に告知しておくと、オヤブンリザードンのレベルは偽サトシの読み通り60。
・遂にエレキブルに進化。
長かった…作者(黒ソニア)の好きなポケモンのエレキブルを活躍させられるから楽しみである。
因みにしれっと進化石の様にさせましたが、エレキブルの様な道具を持たせて通信交換での進化はレジェアル仕様にしてます。
わざわざ待たせて通信交換してし直すとか面倒くさいですし…せめて続編のレジェンズシリーズ(ZA)でもそれを継続させれば良いのに…何で悪い方にしたんだろ。