俺、サトシになってました(笑)   作:黒ソニア

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ケロマツの時もそうだったけど……タケシの場合、『タカシ』になってしまっている……間違えてたらごめんなさい。


來楼羽様、豚ガリこーん様、翡翠の小箱様、ヤミ様
フェストゥムD型様
高評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。




第11節:『VS ジムリーダー〝タケシ〟』

 

 

 

『第25話:いわのジムリーダー〝タケシ〟』

 

 

「頼もー!」

 

 

俺は勢いよくジムのドアを開けて入る。

正直礼儀がなっていないが、初のジム戦という事で力強くなってしまった。

ジムの中は暗くなっている……もしかして、まだ準備中だったのか?

 

 

「…ジムの挑戦者か?」

 

 

と、そこに威厳のある声と共に照明がつく。

そこにはアニポケでサトシくんが一番に世話になったであろう人物…糸目の青年:タケシがそこにいた。

 

おー!! タケシだ!!

……てかこの人、大人の女性にはデレデレの筈なのに、なんか凄い威厳のある声を出すな。

もしかして……俺がアニポケとは違う道を辿っているからタケシにも変化が起きているのか?

取り敢えず、聞かれた事は素直に返そう。

 

 

「はい。俺はマサラタウンのサトシと言います。」

 

「……またマサラタウンの子か。」

 

 

タケシは『マサラタウン』というワードを聞いて、何処か思う所のある反応をしていた。

まーそりゃそうか。

俺が挑むまでに最低でも3人……リーフ、シゲル、あとジャイアンもどきと戦ったんだろうな。

 

 

「…キミはジム戦のルールを把握しているか?」

 

「一通りは……でも、使用ポケモンの数とかフィールドとか各々のジムによって変わるので、その辺は当然知らないです。」

 

「そうか。なら、このニビジムのルールを教えよう。

と言っても、そう難しい訳では無い。

ジムリーダーは交代認められず、チャレンジャーは交代が可能。

使用ポケモンは互いに2体。

フィールドは……岩のフィールドだ。」

 

 

タケシは指を鳴らすとジムのセットが反応し、岩のバトルフィールドが直ぐにセットアップされた。

 

ヤバ! 指パッチンでフィールドが展開されるとか、リアルで出来るんだ!?

ちょーカッコいいやんけ!!

 

 

「スゲェ! カッコいいっすね!」

 

「はは、それはありがとう。

……扉を勢いよく開けたのは少し驚いたが、キミはリーフと同じく中々礼儀がなっている方だな。」

 

「あ、すいません。初めてのジム戦なんでつい…。」

 

 

俺は少し恥ずかしそうに答えた。

にしても……その言い方だと、シゲルとアイツは態度が終始悪かった様だな。

アイツは兎も角としてシゲルもとは……いや、想像できるな。

 

この世界のシゲルはサトシくんよりかはこの偽サトシに対して態度は温厚よりたが、根はアニポケ同様なので、些か態度が悪い所も目立つ。

 

場は切り替わってサトシとタケシはそれぞれの持ち場に着き、バトルをする準備に取り掛かると……扉が開いてカスミが現れた。

 

 

「あれ、カスミは博物館に見に行くって言ってなかった?」

 

「まぁね……けど、リーフとのバトルも見れなかったし、アンタがジムリーダー相手にちゃんと勝てるかこの目で見ておきたいのよ。」

 

「ふーん。」

 

「……キミのガールフレンドかな?」

 

「ん? いや? ただのお供。」

 

「そうか。だが……女の子の前だからって良い顔はさせんぞ?」

 

 

おいおい…本音が漏れてんぞ?

でも良かった、タケシはアニポケ同様にお姉さん好きの様だな。

 

俺はリーグ公認試合という事で、グローブを嵌める。

サトシくんとは違い、俺は普段はグローブを嵌めたりしないが、こういう緊張感ある真剣試合や本気の時はグローブを装着するのだ。

 

 

「良い顔つきだ。では───」

 

「先ずはお前だ、イシツブテ!」

「ケロマツ、キミに決めた!」

 

 

俺の最初はケロマツにタケシはイシツブテだった。

最初のジムの先人はケロマツと決めていた。

タケシの方はアニポケではイワークしか使ってこなかった気がするが、まぁでもイシツブテも持っていたから想定通りだな。

 

と、考えていると、ケロマツを見て「ほう、カロス地方のポケモンを持っているのか。」と呟いていた。

 

お? タケシは知っているのか、ケロマツを。

 

 

「ん、意外と言った顔をしているな。

俺はこのカントー…しいてはニビシティからあまり出た事のない身だが、情報は常に見ている。

無論、その中には他地方の事もな。」

 

 

成程、その辺は流石に補填されているのか。

まー、アニポケでは諸事情云々で実は知ってましたとか、知らなかったとか色々とあるが、ここでは大体は知っている感じだな。

 

 

「いわタイプのジムリーダーである俺に相性の良いみずタイプで挑むのは正しい判断だ。

だが、相性有利で俺に勝てるとは限らないぞ?」

 

「…フッ、それはやってみなければ分かんねぇ事だろ?」

 

「それもそうだな。それでは……来い!」

 

「なら先手必勝! ケロマツ、《みずのはどう》!」

 

 

ケロマツは素早く《みずのはどう》を放ち、それは見事にイシツブテにヒットしたが……戦闘不能にはならなかった。

 

 

「ほう……中々の威力だな。

初心者とは思えない程、力をつけているようだ。」

 

「……イシツブテは『じめん・いわ』で、みず技は4倍弱点の筈。

ケロマツ自身もその今のイシツブテよりレベルは高い方の筈だ、それでも倒れなかった事を考えると…特性が『がんじょう』って事か。」

 

 

俺は正直、そこまでガッツリとポケモンについて詳しいわけでは無いが、ある程度の知識はある。

だから、『がんじょう』の特性で一撃では倒せないという事を把握していた。

 

 

「ほほう。中々知識もある様だな。

その通り、俺のイシツブテの特性は『がんじょう』だ。

……しかし、俺のイシツブテがレベル調整されている事を見抜くか。」

 

「ジム戦において、ジムリーダーはあくまでも挑戦者の実力を測る為の試験官みたいなもの。

俺やリーフ達以前から戦っているのは当然として、そのイシツブテからはバトルする時の雰囲気が明らかに相手を見極める感じに見えたもんで、そこから察して本来のレベルは最低でも20後半くらいはあるもんだと推測した感じっす。」

 

「……そこまで見抜くとはやるな。

サトシ、だったな。どうやらお前はこれまで相手してきたトレーナーの中で一番に素質がありそうだ。

だからこそ、敬意を持って相手しよう!

イシツブテ、《ロックカット》!」

 

 

うげっ、《ロックカット》って素早さを二段階上げる技だよな。

だとしたら、今からは攻撃が当たりにくいって事じゃねぇか!

 

俺はケロマツにもう一度《みずのはどう》を指示して攻撃するが、イシツブテは避ける。

 

 

「次はこちらの番だ。

イシツブテ、《いわおとし》だ!」

 

 

イシツブテは《いわおとし》で空から岩を出現させて落としてくる。

おいおい、これは確かXY(&Z)の《がんせきふうじ》じゃねえか。

 

俺はケロマツに岩が落ちて来た瞬間に避けるように指示をする。

それにより、《いわおとし》を回避したが…イシツブテは《ころがる》で攻撃してきた。

 

 

「さぁ、これはどう避ける?」

 

「……ケロマツ、《なきごえ》をして受け身だ!」

 

 

《ころがる》に対し、《なきごえ》を使用して少しでもパワーを下げる。

それでも攻撃はされるが、受け身という事で攻撃を流すように行動させる。

それにより、ケロマツはダメージを最小限にして躱して即時《みずでっぽう》で反撃させる。

それにより、背後から4倍弱点を受けて戦闘不能にした。

 

イシツブテは倒れた。

 

 

「……中々やるな。《なきごえ》で《ころがる》の威力を下げ、受け身で躱して即座に《みずでっぽう》でダメージを与えるか。

やはり、ただの初心者では無いな。」

 

「へへっ、俺のケロマツ達は幼い頃から一緒にいるんです。

特にケロマツは一番に付き合いが長く、バトルセンスもあるので色々と戦い方を仕込んでいるんですよ。」

 

「…成程。そういう事か。

通りで良く育てられている訳だ。

だが、今度はそう簡単にはいかないぞ?」

 

 

タケシはイシツブテを戻し……タケシと言えばこのポケモンというイワークを繰り出した。

 

俺はケロマツと会った時のイワークを思い出した。

あのイワークよりも一回り大きく、そしてレベルも高いと見抜いてダメージのある今のケロマツでは少し荷が重いかと思いボールに戻そうかとすると、ケロマツはこのままやらせろと横目で訴えてきた。

 

……やれやれ、お前は我儘だなぁ〜。

けど、お前は一番に俺の影響を受けてるもんなぁ。

 

 

「しゃあねぇ! このまま勝つぞ!」

 

「ふむ、ポケモンの意思を尊重するか。

なら、ここからどう俺のイワークを乗り越えるのか、見せてもらうぞ!

イワーク、《ロックカット》だ!」

 

「またかよ! ケロマツ、《みずでっぽう》!」

 

 

直ぐに《みずでっぽう》を指示するが、少し当たっただけで素早く回避されてしまう。

 

そして、タケシは次に《しめつける》を指示してきた。

恐らく締め付けて行動不能にして戦闘不能に追いやる気だな?

 

 

「ケロマツ、《でんこうせっか》で動き回れ!」

 

 

素早さを上げて攻撃してくるのなら、こちらは先制技を持って回避をする。

ゲームでは素早さよりも優先度が高い技の方が絶対的に有利だが、現実では限度がある。

が、今は《でんこうせっか》で避ける事は可能だ。

 

とはいえ、このままではまたもや《ロックカット》で素早さを上げてくるので《でんこうせっか》では囚われてしまう。

 

だから───

 

 

「ケロマツ、《みずのはどう》だ!

兎に角イワークに目掛けて撃ち続けろ!」

 

「甘い! 一度の《ロックカット》を積めれば、イワークでも回避は可能だ!」

 

 

タケシの言う通り、《みずのはどう》にイワークは難なく躱し続ける。

だが悪いな……それは()()()()()()なんだ。

 

《みずのはどう》を避けまくっているイワーク。

だが、そのイワークの動きが鈍り始める。

 

 

「どうした!? まだ《みずのはどう》が来るぞ!?」

 

「気づかないか? イワークはジメジメとしたフィールド…水が浸りつつある場で動きが鈍くなっているのさ!」

 

「!?」

 

 

タケシはサトシに指摘されて漸く気がついた。

《みずのはどう》によって岩のフィールドがジメジメとした泥のフィールドに変貌しているのだ。

野生のイワークなら泥の場でも適応している個体がいるだろうが、このイワークはトレーナーによって育てられたポケモン。

もっと言えば、この岩のフィールドで主に戦ってきたポケモンだ。

読み通り、水分が含まれたフィールドでは戦いにくいようだ。

 

 

「しまった! こんなやり方があるのか!」

 

「ゲームとは違ってこれは現実なんだ、技も技のぶつかり合いだけが勝敗を決める訳じゃない。

フィールドの状況も勝敗に影響する事がある!

現に、イワークは水分を多く含んだ場所で身動き取りにくそうにしてるしな!」

 

 

俺がそう言うと、タケシは苦い顔をし出す。

とは言え、調子に乗りすぎるのはNGだ。

ここは速攻で攻撃しまくる。

 

 

「ケロマツ、今がチャンスだ!

《みずのはどう》に《みずでっぽう》も加えて攻撃しまくれ!」

 

 

俺がそう命じてケロマツは最初に《みずのはどう》を放ち、その後すぐに《みずでっぽう》で攻撃する。

その二つの攻撃を受けただけでイワークはもう戦闘不能直前だった。

 

 

「よしっ! 次で───」

 

 

俺がトドメの指示を送ろうとした瞬間に体が重くなり、次第に床に押し付けられる。

そう、アニポケでもあった通り、バトルに夢中になってたせいでタケシに酷似してる弟妹達に拘束されてしまったのである。

仕舞いには「おにーちゃんをイジメるなー!」とか「イワークが可哀想!」と、幼い子達から完全に悪役にされてちょっぴり傷ついている俺がいた。

 

それを見てタケシは「止めるんだ!」と叫び、観戦していたカスミもこれは不味いと俺を助ける様に行動するが、2人の弟妹によって止められてしまう。

 

等々、俺の身を案じてケロマツがバトルを中断して俺を助けよう駆けつけてくる。

 

とはいえ、流石のケロマツも子供相手にあまり手が出し辛くて困惑していた。

 

うげー…。

 

……と、苦しんでいると、ジムの扉が開くとニビシティ前にいたオッサンが現れて「そこまでにしなさい。」と付け毛と帽子を取った。

そこに現れたのはタケシに顔が似ている人だった。

 

あ、そういえば……この人、タケシ達の父ちゃんじゃん!

 

 

「オヤジ!?」

 

「へ!? この人、石売りのおじさんよ!?」

 

「………すまんな。勝手に家出してしまって、どう顔向けしていいのか分からずに今までお前達に迷惑をかけさせた。」

 

 

と、オヤジさんは深く頭を下げていた。

突然のオヤジさんの登場にタケシを含め、弟妹達は困惑していた。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

ジム戦は中断し、俺とカスミは空気を読んでジム前で座っていた。

 

 

「…悪くなかったわよ、あんたの戦い。

きちんとタイプ相性を理解していたし、みずタイプの技を活かせていた戦術を組んでいたわ。

泥のフィールドにして動きを封じるのは予想外だったけど。」

 

「思いつきだったけどな。

けど、あの戦法を取れたのは…トレーナーに育てられたポケモンと野生のポケモンとの違いを自慢げに教えてくれやがったシゲル()がいたもんでな。

そのお陰でこんなやり方で勝てちまったよー。」

 

 

カスミはそれを聞いて「何それ?」と言われたが、正直に言えばシゲルの自慢話を所々真面目に聞いていたので、戦いの知識が少し冴えたのだ。

それだけなら良い話なのだが、お調子者のシゲルのお陰というのが、少し悔しいのだ。

 

俺が少しブー垂れていると、ジムの扉が開いてタケシが現れた。

 

 

「すまんな色々と。」

 

「いや良いよ……いや、構わないです。」

 

「敬語は不要だ。

さて、先ずはコイツを受け取ってくれ。」

 

 

俺はタケシからグレーバッジを手渡された。

 

 

「当然だぞ。最後の指示を出せなかっただけで、あのバトルの勝敗は間違いなくお前の勝利だからな。」

 

「……んー、そう言ってくれるのは嬉しいけど、ちゃんと勝ってないから納得いかねー。」

 

 

俺がそう言うと、カスミは「勝ったもんだからいいでしょうが…。」と呆れた反応をしているが、初勝利てのは大事なもんよ?

 

俺とカスミのやり取りを見ていたタケシはプッと笑い始めた。

 

 

「なんかお前達、兄妹みたいだな。」

 

「はぁ!? この生意気な奴と私がぁ!?」

 

「生意気とは失礼だな。」

 

「ハハッ、でも俺は沢山の弟達の面倒を見てきたからな。

だからそう見えるんだよ。」

 

「……そのオヤジさんとはどうなの?」

 

「正直に言うと、頭がパニクっているよ。

急に帰って来たし、今までの苦労で文句を言おうと思ったけど、オヤジが帰ってきたのを喜んでいる弟達の前じゃあなぁ…。」

 

 

おお、流石大人!

タケシってこういう大人の精神を持ってるからカッコいいよな。

ホント、ナンパしなければ優良物件で即彼女くらい出来そうなんだけどな。

 

 

「……そういえば、お前達は2人で旅をしてるんだよな。」

 

「うん。まぁ、カスミは俺のケロマツとアシマリ…カントーでは見ないみずポケモンを側で見ていたいだけの理由だけどな。」

 

「そうか………良ければ、明日から俺も旅について行って良いか?」

 

「それは全然ウェルカムだけど……良いの?」

 

「俺は元々ブリーダーになりたかったんだ。

バトルよりも色んなポケモンを捕まえて育てる事がしたかったんだよ。」

 

 

おー、そう言えばそうだったね。

まぁ、家事万能のタケシが同伴してくれるのは有り難いので即承諾する。

ただ一つ思うのはポケモンを育てるのにバトルを必須だと思うが…。

 

 

「でもジムはどうすんの?」

 

「ジムはオヤジが見てくれる事になった。

元々、オヤジはここの最初のジムリーダーだった訳だし、弟の中で一番上のジロウが後継をしたいと志願していたしな。」

 

「成程。それじゃ、ここはお前がいなくても大丈夫そうだな。」

 

「ああ。だから、明日から一緒に頼む。」

 

「「おお!!」」

 

 

晴れて、カスミにタケシ…カントーの旅仲間が出来た。

俺はサトシくんじゃないし、アニポケと違う展開で内心ヒヤヒヤとしていたが、大丈夫そうだ。

 

よぉし、明日から3人で出発だ!

 

 

 






前回と今回のバトルの話を作って分かった事はバトル一本作るのに丸々一話かかるのが分かった。
次回からがちょっと不安な部分がありますが……頑張るか!


後、バトル内容について正直「うん?」となる描写があるとは思いますが……ご了承ください!!

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