これにて、劇場編(一応)は完結となります。
…頼むっ! 面白くあってくれぇええ(切実)!!
いつの間にか偽サトシの元にあった『GSボール』から出て来たのは色違いの桃色のセレビィ。
桃のセレビィは天真爛漫に飛び回ると、被害を受けた木や土、凶悪化してしまったセレビィによって枯れた自然が復活していく。
「…スゲェ。」
「ああ。これが…『森の神』と呼ばれる、セレビィの力。」
「凄い。同時に、なんか…心地よい感じがする。
(あれ? でも…この感じ、なんか…サトシと一緒にいるような…?)」
セレナはふと偽サトシの方を見る。
偽サトシが『波導』を使ってる時のオーラと桃のセレビィのオーラが似ているように感じ取った。
言葉にするなら…清い感じだった。
そして、【ウバメの森】が再生していく中…桃のセレビィが仲間を呼び、多くのセレビィ達が現れ、『時渡』で森から逃げ去ったポケモン、ビシャスと戦ったポケモン達がこの場に現れ、セレビィ達の力で心と体が癒えて元の生活に戻っていくのだった。
「凄い…完全に元通りになっちゃった。」
偽サトシ達がセレビィ達の力…神秘を目の当たりにして言葉を失っていると、セレナが預かっていたセレビィも元気に戻り、仲間達と合流する。
セレビィ達が触れ合っている最中…桃のセレビィが偽サトシへ近づく。
桃のセレビィはぐるぐると偽サトシを見ていくと…帽子を取って遊んで欲しそうにこっちおいでとやっていた。
「…サトシ、セレビィの遊び相手になってやれ。」
「え? あ、ああ。」
セレビィ達の力の恩恵が俺にもあったのか…体は身軽になっており、ゲッコウガとエレキブルと共に桃のセレビィを追いかけていく。
かくれんぼの様に隠れたり、おにごっこの様に逃げたりと…気がつけば、童心に戻った様になっていた。
…そして、気がつけば日が昇り始めていた。
気持ちの良い朝日に…隣にいた桃のセレビィの頭を撫でて見ていた。
暫くしてセレナ達も駆けつけ、セレビィ達がやって来て…一人一人と、『時渡』で姿を消していく。
森の浄化などで役目を果たしたのだろう。
次第に最後のセレビィ…俺達と出会ったセレビィが少し名残惜しそうにしながらも、最後は笑顔で姿を消した。
『…ビィ。』
桃のセレビィは何故か物寂しそうにして、帽子を俺に返そうとしていた。
何故だろうか…このセレビィはずっと一緒にいた感じがするのだ。
もしかすると、『GSボール』の中でずっと俺達を見ていたのかもしれない。
その『GSボール』も桃のセレビィの手元へと渡っていた。
経緯は不明だが、これを回収するのも役目なのかもしれない。
とはいえ、悲しい顔を見ていると胸が痛い。
なので…俺は帽子を被せてあげる事にした。
「それが気に入ったのならやるよ。
まぁ、その…これなら寂しくないだろう?」
帽子を貰えたのが嬉しかったのか、桃のセレビィは嬉しそうに天真爛漫に飛び回る。
帽子はサトシくんのトレードマークみたいなもんだが、まぁ…俺は別に帽子無くても良いので、あげてもいいだろう。
何よりあんなに嬉しそうにしているのなら、これで良い。
すると、桃のセレビィは『GSボール』の姿形を変え…植物で出来た様な笛を俺に授けてくれた。
「貰っちゃって、良いのか?
もし、何かあったら…。」
俺が申し訳なさそうにすると桃のセレビィは───俺の頬に…キスをした。
「え?」
「「「ええぇぇええ!!??」」」
「うっー!!!」
偽サトシは予想外の行動にポカンと惚け、タケシとカスミは驚愕し、セレナも驚愕していたが…次第にティアと共に頬を膨らませて不機嫌モードになっていた。
桃のセレビィは満足したのか、偽サトシの帽子を大事そうにしながら飛び回り…『時渡』で姿を消した。
夢を見た。
これは誰かの記憶、思い出───
見知らぬ少年が森の中を元気いっぱいに駆け回る。
駆け回って疲れた少年は芝生へと倒れ込み…自然の豊かさを感じながら目を閉じた。
すると、その少年は近くで何やら悲鳴に近いの聞くと、直様駆けつける。
「おい! 何をやっているんだ!!」
少年が駆けつけると、少年と歳が近い少年達がヒメグマを虐めていたのだ。
「はぁ? 何って『魔物』を成敗してるんだよ!」
「貴重なきのみをこいつがくっちまったんだよ!」
『魔物』…ポケモンをそう呼ぶって事は、この少年の世界はまだ『モンスターボール』の無い時代なのだろう。
少年はヒメグマを庇い、少年達を懲らしめた。
「自然の恵みは人と魔物の共有財産だ!」
少年達は少年の行動…奇行に信じられないものを見る目で見ていた。
この時代はまだ人間とポケモンが共存出来ていない為、『魔物』と悪く思われている為、そんなヒメグマを庇うのが信じられないのだ。
やがて少年達は立ち去り、ヒメグマは怯えていたが…少年が謝る仕草に警戒を解いて、共に森の自然を満喫していた。
森は少年と魔物の友好を祝福するように…心地の良い風が吹いた。
少年は目に見えない何かと共にずっと、森を愛し続けた。
やがて…その見えない何かは少年の穢れのない聖なる心が森の
それが…桃色の不思議な精霊だった。
少年はその『魔物』と契約の証に『金の硬い果実』と…桃色の精霊の名が〝
………少年は村の中では異端だった。
村の、人間の中でも魔物に対して好意的に接していた。
魔物は人間と違い力を持つ生き物…危険だというのに。
村の現村長の子なのに、異端だった。
少年の異端さに村の者、そしてその村長からも気味悪がれた。
直すように言うも聞く耳持たず、村の仕事も碌にせずに森の中で遊んでおり…次第に、村の者や親からも冷たく接さられた。
歳の近い少年少女から虐められ、蔑みを受ける日々が増えた。
なのに…少年の考えは変わらなかった。
少年には弟がいた。
弟は兄よりも聡明で、兄と違って村の者からは親切に扱われていた。
そんな弟は、兄の少年を唯一嫌わず好意的に接していた。
「兄上…私は兄上が変わり者であろうと、蔑みませぬ。
しかし…どうして『魔物』に優しいのです?」
「良いか、テッシン。
自然はワシ達よりも、親父殿達よりもずっと…ずっと昔からある。
ワシ達『人間』も『魔物』も、その自然から生まれたのだ。
ならば、ワシ等は兄弟みたいなものなのだ!」
「…そんな考えをしているから、兄上は親父殿から…『次の後継者にはお前は選ばぬ!」…と、言われたのですよ。」
「ワハハ!! それは親父殿が正しい!
ワシはお前の様に賢くない…土器や鍬や鋤を上手く作れん!
字も絵も下手だ!
村の未来を思って考える事も出来ん大馬鹿者だからな!」
「…それは、やろうと思えば出来るのでは?」
「いいや! 出来ん!
ワシに出来るのは力仕事と、ワシの大好きな森を…自然を愛し、魔物と手を取り合う様に頑張る事しか出来ぬ!」
少年はワハハと笑う。
自分のことを理解してるからこそ、少年は自分には自分にしか出来ない事をしているのだと。
そんな前向きな少年…兄を誇り思う弟だった。
月日は流れ………自然による、火山の噴火が起きた。
噴火によって村の家、畑は燃やされ…村人までにも災害が襲った。
誰もが自然を恐れ、恐怖で動けない中…少年は森との友好な証である『金の硬い果実』から植物で出来たような笛を取り出し、吹き鳴らし…桃色の精霊を呼び出した。
その精霊は不思議な力で災害を元の自然に、家に、畑に戻していった。
そして色の違う仲間達と共に全てを元に戻したのである。
その現象を見た者達はその精霊を『森の神』と呼び、崇め称えた。
少年も村の者達から『神の使い』と崇められる様になる。
…だがそれをよく思わない者達により、『神の使い』として役目を与えられた少年は朝食、昼の畑仕事後、夕食後の食事に微量の毒の料理を盛られ続け…やがて、不治の病に陥った。
『神の使い』の交代を求めて多くの者が、少年の『金の硬い果実』に触れ、認められるのを願ったが、その果実は少年以外に真意を示さなかった。
そして…継承されず、『神の使い』である少年は若くして生を終えたのだ。
…その少年の弟は全てを知っていた。
一度は兄に不快をもたらした者達に罰を与えようとしたが…。
「…ならぬ。お前は、ワシの様な過ちを犯すな。」
兄の言葉を長く…長く考え、兄亡き後も苦しみ悶え…彼は兄の意思を継いだ。
それは『魔物』と共に歩む世界にする事を。
やがて弟は村の長となり、『魔物』を繋ぐ為の『金の硬い果実』を模したのを周囲の村の者達や遠い地の者達と共に作り上げた。
それが…後の『モンスターボール』。
それ以降、『魔物』は『ポケモン』と呼ばれるようになった。
後に弟は『金の硬い果実』と兄の骨の一部を…森の大きな泉にへと放り投げた。
「…兄上、私はあなたの様にはなれんが、あなたの様に人を照らせるように頑張りまする。
遅くなりましたが、ゆっくり…お休み下さい。」
そして、後に少年が愛し愛された森は兄の名前を付けた『ウバメの森』と呼ばれるようになり、兄弟の硬いキズナは今も…これからも続くのだ。
夢が終えるその一瞬、2人の兄弟…兄『ウバメ』と弟『テッシン』の微笑む姿を見た。
「………何だ、今の夢?」
ベットから目を覚ました偽サトシはボリボリと頭を掻きながらみんなのいる所へと向かう。
奇妙な夢だった。
あの夢は何だったのだろう?
…少なくても俺の妄想の類じゃない気がするのは確かだ。
何より最後に出て来た2人の兄弟…誰かの面影があるんだよなぁ。
「あ、サトシ!」
俺の姿を見て駆け寄るセレナ。
「大丈夫? 大丈夫?
あの後、急に倒れたんだから心配したんだからね!?」
すっごい心配してくれるセレナ。
…その際、凄い圧を感じたが…気のせいかな?
後、ティア? ぷくーっと頬を膨らませてるけど、どうした?
「大丈夫大丈夫。
…それより、みんなは大丈夫か?」
あの後の事を振り返ろう。
一先ず、全員は無事だった。
色違いの桃のセレビィを見送った後、駆けつけて来たジュンサー達にビシャスとハンターのジジイの身柄を引き渡した。
ハンターのジジイは知らんが、ビジャスの奴は俺にコテンパンにしたせいか俺の顔を見るや否や酷く怯えていたので、もう2度と悪事を働けないだろう(そもそも既に再起不能)。
森の被害もセレビィ達の力で元通りになったからな。
「…あっ、そう言えば。
セレビィから貰ったあの笛が無いんだけど…何か知らない?」
「それなら一応、ガンテツさんに過去の文献で調べてもらう為に一時渡してあるんだ。
サトシも目を覚ました事だし、ガンテツさんの所に行くか。」
「おお、そうか。」
「…あっ、タケシ。
サトシにもバンギラスの事を教えてあげないと。」
「…バンギラス?」
セレナの言葉に首を傾げると…タケシがボールからバンギラスを出した。
聞けば、このバンギラスは野生に帰らずタケシが面倒見る事になった。
どうもタケシの優しさと作るポケモンフーズに感銘を受けたらしい。
「俺、サトシだ。よろしくな。
タケシならお前を立派に導いてくれるから安心しな。」
偽サトシと挨拶を交わし、バンギラスもタケシを選んで良かったと笑っていた。
その後、偽サトシ達はガンテツの家に赴く。
ガンテツさんが顔を出すと…何か面影を感じたが、気のせいだろうか?
それはさておき、笛の事について聞くと…これに関しては全く詳細が無いとの事だった。
ただこれが元が『GSボール』だと聞き、セレビィに関与していた事を知ると改めて驚愕した。
「そうか…じゃが、この世の中は不思議な事が一杯だ。
お前さん達がそれを目の当たりにしたのならば、それが全てなのだろう。
この笛は、サトシくんを選びサトシくんの思いにセレビィが反応するというモノだろう。
だとしたら、お前さんが肌身離さずに持つべきだな。」
と、ガンテツさんが笛を首にかけられるようにしてくれたので、首に通す事にした。
「それはそうと、出来たぞ。
ワシお手製のボールがな!」
偽サトシは嬉々として受け取る。
『ルアーボール』『ムーンボール』『ヘビーボール』
『レベルボール』『スピードボール』
『ラブラブボール』『フレンドボール』…計7種。
(※ついでにカスミもルアーボールを受け取った。)
よしよし…俺のコレクションが増えたぞい。
残るは…『コンペボール』『ドリームボール』
『ウルトラボール』『サファリボール』
他にもオシャレボールはあるだろうか、多分無いだろう。
『マスターボール』も確かあったが…アレはアニポケ界では争いの火種になるある種の特級呪物だからノーカンにしたい。
そもそも、今現在『マスターボール』は存在しないらしいが…。
(※尚、カントーを旅した際のサファリゾーンで支給されたボールは俺の知る『サファリボール』では無く、『S』と書かれたボールなので多分違う。
…因みに、サファリゾーンで捕まえたケンタロスとストライクは終了後に通常のモンスターボールに入れ替えられているので、みんな共通のボール)
さて…今更思い出したが、映画の敵も倒した事だし此処に滞在する事も無くなったし、そろそろ次のジムを目指すべく進まないとな。
次の目的地はコガネシティのコガネジムだ。
ついでにジョウト随一の都会なので、セレナやカスミも楽しみにしている。
さてさて…ツクシは何とか勝てたが、次のジムリーダーのアカネはどうだろうか。
アカネと言えば、《メロメロ》と《ころがる》で強い…あのトラウマとされる相手だ(因みに生前ソウルシルバーで一回負けてる)、気を引き締めていかねぇとな!
・桃色のセレビィに懐かれた偽サトシ。
大好きだった少年とは違えど、姿形に心の色が違くても暖かみが同じ事から惹かれ、帽子をくれた事で彼ならば大丈夫だと…『ときのふえ』を与えられた。
・タケシのバンギラス。
自分の中でタケシと言えばイワーク、その次がウソッキー、そしてバンギラス…というイメージがあるので、タケシにバンギラスを与えました。
偽サトシにはカイリューいるし、これから仲間にするポケモンなどを考えると大丈夫かな…っと判断しました。
・追憶編に関してはここだけの完全オリジナル。
無理矢理な設定ですが、ご了承ください。
それから『金の硬い果実』に関しては『GSボール』です。
ウバメの弟、テッシンくんが書物に記し…本来は決して見つけても、泉に返すように書かれていたが色んな意味で意味なかった。