俺、サトシになってました(笑)   作:黒ソニア

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うたしろ様
雪月狐様
 高評価ありがとうございます。
 お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
 それから誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。




#113:『VS 偽りの伝説〝ENTEI〟』

 

 

 

『第46話:おふくろを守れ!』

 

 

 

「あ、あれは…! ま、間違いない…!

伝説のポケモン、エンテイだ!

だが、そのエンテイがどうしてここに!?

もしかして、この事態を解決する為に現れたとか!?」

 

「…いいや、ウツギ博士。

奴の足元見てくれ…結晶が出来ている。

何よりこいつはシェリー博士の屋敷があるとされる、あの塔みたいなのからやって来た。

つまり…こいつは、この事態の元凶だ…!」

 

 

偽サトシの言葉に皆が『な、何だって!?』となる。

…だが、驚いてる暇も無くエンテイはハナコに視線に向けて…『…その者を寄越せ』と神通力みたいな力を使ってハナコの意識を奪い、あちらに誘導させる。

 

しかし、それに一早く気づいた偽サトシが「…おふくろ、少し寝ててくれ」と『波導』の力でハナコの額に当てる事で気絶させる。

そしてタケシ、ガオガエン、アシレーヌにハナコを引き渡し…偽サトシはエンテイに向けて殺気を飛ばす。

 

 

「…テメェ、いきなり人の親に手を出すとは、良い度胸してんじゃねぇか。」

 

『邪魔をするな。

その者は、ミーの母親となるのだ。』

 

「…気が狂ってんのか?」

 

 

しかし、今更ながらこいつ…テレパシーを使って会話をしてくるとは…かなりの難敵だな。

ここは…『波導』の力で強化した己の肉体で倒すまで!!

 

 

「オラァ!!」

 

 

エンテイに向けて一瞬で懐に入り、渾身の『波導』を込めた一撃を放った。

凄まじい衝撃が走ったが…手応えは無く、エンテイに偽サトシの攻撃は効かなかった。

 

 

「何っ!?」

 

『…お前ごとき人間が、私を倒せると思ったのか?』

 

 

エンテイは偽サトシを押し返し、咆哮を上げると謎の吹雪が襲う。

偽サトシは間一髪、その吹雪の直撃を受ける前に『波導』による衝撃で軌道を逸らして脱出するも…片腕が謎の結晶によって覆われてしまった。

 

 

「サトシ!?」

 

「サトシのう、腕が…!?」

 

「ぐっ…!」

 

『諦めろ。お前達が束になって掛かろうが、私には通じない。

大人しくその者を…ミーの母を返せ。』

 

 

返せだぁ? この人は俺の、俺のおふくろだ!

それとも…この程度で俺が怖気付くとでも思ったのか…?

 

偽サトシは立ち上がる。

 

 

『…まだ抗うか。』

 

「たりめぇだ! 人のおふくろを…片腕如きを凍らさせれて黙って見過ごすとでも思ったか!!」

 

 

…ん? 凍らされて…?

そう言えば、冷たい感じも体が凍える感じもしないな。

っ! 待てよ?

さっきウツギ博士が『内側は脆い』って言ってたな。

…もしかしたら…!

 

偽サトシは『波導』の力で内側から結晶を解いた。

 

 

「うしっ!」

 

『…今度は、全身を結晶化させてやる!』

 

「そう簡単に行くかよ…!」

 

 

偽サトシはボールを構え…ケンタロスを繰り出した。

 

 

「人の力で抗えないなら、ポケモンの力ならどうだ!

ケンタロス、《レイジングブル》!」

 

 

ケンタロスが《レイジングブル》でエンテイに突撃する。

エンテイは結晶の力でケンタロスを無力化しようとするが…どういう原理かは不明だが、ケンタロスは結晶にはならずエンテイにダメージが入る。

 

よしっ! この際理屈はどうだっていい!

このまま押し切る!

 

偽サトシはケンタロスに至近距離からの《じわれ》を指示し、動揺して硬直してるエンテイを一撃必殺で倒す………事は出来なかった。

 

《じわれ》は炸裂したものの、地面の亀裂に挟まっているエンテイに周りの結晶が吸収され、エンテイは力を得た様に《じわれ》を無力化し、業火を纏った…《フレアドライブ》で突撃し、ケンタロスを吹き飛ばした後、《ストーンエッジ》の岩柱が炸裂して宙に舞い…身動き取れないケンタロスをエンテイの力と、周りの結晶が合わさって結晶の牢獄に囚えてしまった。

 

偽サトシは直様ケンタロスに呼びかけるも反応はせず、『波導』の力で粉砕を図るも、周りの結晶よりも硬く出来た結晶を解くことが出来なかった。

 

 

「くそっ、どういうこった!

ボールにも戻せねぇし…!

テメェ! 何をした!!」

 

『知る必要は無い。

お前も…お前のポケモンのように閉じ込めてやる!』

 

「………まだ、勝負はついてねぇよ…!

今度は中距離から攻める…!

頼む、カメール! キミに決めた!」

 

 

偽サトシは次にカメールを出し、弱点を突く手段に出た。

 

 

「カメールは『みずタイプ』!

『ほのおタイプ』のエンテイに有利ね!」

 

「ファイトよ! カメール!」

 

 

ポケモン図鑑でエンテイのタイプを調べたセレナはそう叫び、カスミもカメールに勝機があると思い、カメールに活気つける。

 

偽サトシはカメールに中距離攻撃で『みずタイプ』の高火力技の《ハイドロポンプ》で攻めさせる。

対してエンテイは『無駄だ』と、《かえんほうしゃ》で対抗する。

 

レベル差なのか、それともエンテイという伝説のポケモンの力なのか、《かえんほうしゃ》と互角…かと思えば、徐々に押されて炎を受けてしまう。

 

 

「ぐっ…! だったら…!

カメール! 《こうそくスピン》からの《アクアジェット》!

加えてそこから《ハイドロポンプ》だ!」

 

 

カメールは気合を入れて得意とする《こうそくスピン》と《アクアジェット》で素早さを上げながら、水を纏う事で微力だが『みずタイプ』のエネルギーを高め、そこに《ハイドロポンプ》を展開させながら突撃させる。

 

これならどうだ…!!

 

勝てると思い、立ち向かうが…エンテイは《フレアドライブ》で全身を業火に包まれ、更には周囲の結晶を再び取り込んでより強い業火となって、周囲にも影響を及ぼして擬似的な『晴』にして、カメールの力を弱らせると…《ソーラービーム》を溜めなしで放ち、カメールに大ダメージが入って倒れてしまい、そのままケンタロス同様に結晶化させてしまった。

 

 

『もう諦めろ。お前達が私に敵うわけが無い。』

 

「…確かに、テメェの出鱈目な力の前じゃ、普通の攻撃は届かねぇみたいだな。」

 

「サトシ!?」

 

「だが! こっちにもテメェに負けない力を持ってる!!

行くぞゲッコウガ!

俺達の力で、エンテイを倒すぞ!!」

 

『コウガァ!!』

 

 

ボールから出て来たゲッコウガは闘志を燃やしてエンテイに立ち向かう。

 

 

「そうか! ファイヤーを倒したゲッコウガなら!」

 

「そうね! 『キズナ現象』の力だったら!」

 

「絶対に負けない!!」

 

「さぁ、最初から行くぞゲッコウガ!!

フルパワーだぁぁあああ!!」

 

『コウガァァアアア!!』

 

 

偽サトシとゲッコウガの力が重なり合う。

 

ゲッコウガから凄まじい水の柱が立ち、それがゲッコウガをヴェールの様に包み、全身に力が入る。

 

 

『…何だ、その奇妙な力は…?』

 

 

エンテイはキズナゲッコウガを目の当たりにして疑問に思う。

さっき戦ったケンタロスやカメールとは異質な力を引き出し、ゲッコウガと偽サトシが繋がってる事に気づいた。

 

更に、その力を見て…一瞬、足が引けていた事に疑問を浮かべた。

 

 

『…この私が、恐れている…だと?』

 

「何を言ったか知らんが、ゲッコウガ!

おふくろや結晶化された二人の為にも…勝つぞ!

いけぇ! 『波導みずしゅりけん』!!」

 

 

ゲッコウガは瞬時に『波導みずしゅりけん』を放ち…エンテイは再び《フレアドライブ》で全身を業火に包み、周囲を擬似的な『晴』状態にして《ソーラービーム》を放った。

二つの力は拮抗し…次第に《ソーラービーム》が優ったものの、キズナゲッコウガは既に《でんこうせっか》でエンテイの懐に入っており、《アクアブレイク》の剣を叩き込む。

 

 

『ぐっ…だが、この程度…擦り傷にもならんっ!』

 

 

伊達に《フレアドライブ》で全身を業火に包まれておらず、擬似的な『晴』によって『キズナ現象』で強化されてるとはいえ、《アクアブレイク》は大したダメージにはならなかった。

 

 

「そうか…なら、別の力も加えるだけだ!」

 

 

キズナゲッコウガは《つばめがえし》の必中技…至近距離範囲の相手に素早く放てる技の特徴を加えた《アクアブレイク》の拳にオーラを纏った攻撃を連続で放って炸裂させる。

 

攻撃の数による手段で業火を剥がしながら、擬似的な『晴』を解かしながらエンテイにダメージが入っていく。

エンテイも反撃しようとするも、素早い攻撃に反撃の隙を得られずに攻撃の猛攻を受け続ける。

 

 

『な、何だ…この、異様な力は…!?』

 

 

エンテイはキズナゲッコウガの異様な力を受け続け、徐々にダメージが蓄積されていき、やられそうになっていく。

 

 

『この、私がぁ…! ミーの父の私が…!

エンテイである私が、こんな相手に…!

負ける事は! あり得んのだぁぁああ!!』

 

 

エンテイが遠吠えと共に全身が膨れ上がり、倍の大きさにへと変化させる。

そこは更に力が上がった業火は…業炎の怪物となってキズナゲッコウガを咆哮で吹き飛ばした。

 

 

「くっ…! まだ力が上がるのか!!

だったら…! ゲッコウガ!!

最大出力、『風遁・波導みずしゅりけん』!!」

 

 

キズナゲッコウガは持てる力を風の力で圧縮した『波導みずしゅりけん』を業炎の怪物へと放たれる。

業炎の怪物はそのまま《フレアドライブ》で突撃する。

 

二つの力は拮抗する。

両者の力は互角だと…そう思われていたが、次第に業炎の怪物が『風遁・波導みずしゅりけん』を粉砕し、キズナゲッコウガにぶつかり…爆発が生じる。

 

 

「ぐぁぁぁあああ!!!」

 

 

ゲッコウガとリンクしている偽サトシに凄まじい激痛が走る。

偽サトシは膝をつき、爆発が晴れるとゲッコウガも『キズナ現象』が解けて倒れてしまった。

 

 

「そ、そんな…!?」

 

「ゲッコウガが負けた!?」

 

「ウゥゥゥウウウ!!!」

 

「サトシィィィイイイ!!!」

 

『うおぉぉぉおおお!!!』

 

 

業炎の怪物が咆哮を上げると、周囲を吹き飛ばしてタケシ達を吹き飛ばす。

それにより、気絶してるハナコは地べたに倒れ、ゲッコウガも吹き飛ばされた。

 

業炎を解いたエンテイは邪魔者がいなくなってハナコを背中に乗せると…。

 

 

『これで、ミーは母を取り戻した。

もう誰にも、ミーの邪魔はさせない!!』

 

 

エンテイは結晶の吹雪をこの場にいる全員に放つ。

倒れて身動き取れない皆を…偽サトシが『波導』の力を最大限に展開して守りきる。

 

 

「さ…サト……シッ…!!」

 

『コウッ……ガァッ…!!』

 

 

辛うじて意識を持っていたセレナと取り戻したゲッコウガが偽サトシに向けて手を伸ばすも…偽サトシは結晶化されてしまった。

 

これで今度こそ、邪魔物はいなくなったと判断したエンテイはハナコを連れ去ってしまった。

 

その後、ポケモンセンターから駆けつけたオーキド博士達が倒れたタケシ達を見て戦慄する。

 

 

「…何という事じゃ。

一体、何が起きたと言うんじゃ…!」

 

「………はか、せ…。」

 

「!? セレナくんか!

一体、何が起きたんじゃ!?」

 

「……ハナコ、さんが…エンテイに…連れて、かれちゃって…!」

 

「何!? エンテイじゃと!?」

 

「サトシが……私達を守って…結晶に…!!」

 

 

セレナの指差した先には結晶で閉じ込められた偽サトシの姿があった。

 

 

 

 

 

『第47話:立ち上がれ、偽サトシとゲッコウガ!』

 

 

 

偽サトシが破れた後、結晶の侵食は進み…それを食い止める為にブルドーザーなどが動き出すも、結晶の侵食を少し遅らせただけで直ぐ機械ごと結晶化させられてしまった。

 

時間が進む中…治療を終えたゲッコウガは悔しさのあまり飛び出し、近くの木に拳をぶつける。

 

バトルで負けてしまった。

ハナコを連れ去られてしまった。

偽サトシに守られ、結晶化されてしまった。

 

大切な人達を奪われてしまった自分の未熟さに…後悔の余り、涙を流す。

 

自分は…何て弱いんだ。

大切な偽サトシの母(ハナコ)を… 大切な相棒(サトシ)を守れなかったのは、自分のせいだと。

 

そんなゲッコウガの元に駆け寄る者───スイクンが現れた。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

皆を守り、結晶に閉じ込められている偽サトシは先程のバトルで反動で力が出ず、身動きが一切取れない中…薄れる意識を何とか堪えていた。

 

早くここから出ないと。

おふくろが…!

 

心の中で葛藤していると…声が聞こえる。

それは…セレナの声だった。

 

 

「サトシ! サトシ!」

 

 

涙目でテールナー、ヤンチャム、イーブイ、アローラロコン。

そして、偽サトシのガオガエン、アシレーヌ、ティアと共に偽サトシの結晶を溶かそうと奮闘していた。

 

ああ…皆が! 心配してる…!

連れ去られた…おふくろを…!

 

強い想いに『波導』の力を高めて、内部が弱いこの結晶から脱出しようとする。

 

そして…偽サトシの『波導』の力に同調し、外部から強い力が共鳴して結晶が徐々にひび割れていく。

ゲッコウガが偽サトシと共鳴して力を与えているのだ。

 

そこに…ゲッコウガと共に駆けつけたスイクンも力を貸し、全員の思いが重なり───結晶から偽サトシが解放された。

 

 

「…っ!」

 

「サトシ!!」

 

 

セレナは思わず偽サトシを抱きしめる。

 

 

「………大丈夫だよ、セレナ。

それに皆も。皆の声が、力が…俺を助けてくれたから。」

 

 

偽サトシはセレナの頭を撫で、涙を脱ぐう。

そして立ち上がり…ゲッコウガと対面する。

 

 

「…お前の悔しさ、俺にも伝わっていた。」

 

『コウッ。』

 

「お前も、俺の悔しさが届いていたよな。」

 

『コウッ!』

 

「…勝つぞ! 次こそあいつに勝って、おふくろを…!」

 

 

偽サトシとゲッコウガは塔に向けて歩む。

 

 

「1人で行こうって考えて無いよな?」

 

 

駆けつけたタケシが。

 

 

「あんたは1人じゃないのよ!」

 

 

共に駆けつけたカスミが。

 

 

「うん。皆でハナコさんを助けるのよ!」

 

 

偽サトシの隣に並ぶセレナが。

 

 

「うー!」

 

 

ティア、ガオガエン、アシレーヌと…いつの間にかボールから出ていたジュナイパーの全員が、ハナコを助ける為に偽サトシと共に歩む。

 

 

「ああ。行こう、おふくろを助ける為に!」

 

『コウガッ!』

 

 

偽サトシとゲッコウガは拳を合わせた。

皆と共に、おふくろを助ける為に!

今、立ち上がって塔へ向かう!

 

 

 






・キズナゲッコウガ、アンノーンの力を有したENTEIに負ける。
 流石に原作以上に魔改造された偽エンテイに初見で負けてしまう。
 持てる力の全てでぶつかったが、怪物へと変貌した偽エンテイに負け、偽サトシを守れず結晶化されたゲッコウガは悔しさのあまり涙を流すが、スイクンから活を入れられて立ち上がった。

・さぁ、頑張ってくれ偽サトシとゲッコウガ!
 母:ハナコを取り戻す為に…!!

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