俺、サトシになってました(笑)   作:黒ソニア

116 / 125


 この劇場編のストーリーは順調に進みますが、次回のコガネシティのストーリーの投稿は多分遅れます。

誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。




#114:『結晶塔:ミーの世界』

 

 

 

『第48話:突入、結晶塔』

 

 

 

偽サトシ達はハナコ…そしてエンテイがいる結晶塔へと向かう。

その際タケシからガオガエン、アシレーヌのボールを受け取って戻し、何故か持っていたポケギアを受け取り、偽サトシはラティアス姿のティアに乗りながら、耳に起動したポケギアを傾ける。

 

 

『サトシ! 聞こえておるな!』

 

「聞こえてるよ、博士!」

 

『うむ、無事に結晶から脱出出来て何よりじゃ!

…っと、今はそれよりもお前さんに伝えておかなければならない事があるな。

先ず、タケシから聞いてるだろうが、カメールとケンタロスはまだ結晶に閉じ込められたままだが、恐らくまだ大丈夫じゃろう。

あの結晶に閉じ込められた状態はモンスターボールに入れられた状態に近い事が分かった。

…じゃが、時間が過ぎればどうなるかは分からん。

それは、ハナコさん自身もそうじゃが。』

 

「っ!? どういう事だ!?」

 

『今【グリーンフィールド】を侵食しつつある結晶は元はアンノーンが生み出したものなんじゃ。

アンノーンは本来、我々のいるこの現実世界とは異なる時間と空間が歪な世界に生息されるとされ…更には人を察知する力と人の心を具現化させる力があるとされる未だ謎の多いポケモンなんじゃ。

…要するに、あの異質なエンテイと結晶はミーちゃんの心をアンノーンが具現化して生み出されたものと見た。』

 

「…概ね何となく理解した。

けど、それとおふくろの話とどう繋がる!?」

 

『お前さんが戦ったあのエンテイの力が悪い影響を及ぼしておる。

呼応してアンノーンの力が異質な変化を及ぼし…このままだと、悪化してこの【グリーンフィールド】、または結晶塔自体が現実世界とアンノーン達の世界に影響を及ぼし、お前さん達もハナコさんも…どうなるのか分からないって事じゃ!』

 

 

…成程、つまり早い話だ。

あのエンテイを倒し、アンノーンをどうにかしねぇと全てにおいて不味いわけだ。

アンノーン…想像以上にヤベェポケモンだな。

 

博士との通話で内心焦る中…タケシ、カスミ、セレナを乗せたスイクンが足を止める。

目の前には結晶で塞がれていた。

 

 

「…スイクン? 一体どうした?」

 

「ここって…もしかして、水路のあった場所かしら?」

 

 

スイクンが乗せている3人へ降りろと体を震わせる。

3人が降りた後…スイクンは体を水色のオーラで纏うと、目の前の結晶に咆哮を放つ。

すると、結晶の中にあった水が呼応し、スイクンが持つとされる『浄化』の力が作用して結晶は解けた。

 

 

「! ここから塔の中に入れる!」

 

 

俺達はここから塔の中へと侵入して進んで行く。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

塔の中は異世界の様になっていた。

 

 

「…どうやって進むの?」

 

「…ティア、《サイコキネシス》を上手く使ってタケシ、カスミ、セレナを頼む。

俺は…この植物みたいな足場を利用する。

…上の方は足場が無いから、『波導』を上手く使って空気を蹴って飛ぶ。」

 

「そんな事が出来………るんでしょうね、あんたは…。」

 

 

カスミが呆れながら言うが、この状況ではぶっ飛んだ事が出来る超人パワーが役に立つというものだ。

 

そう話していると…スイクンが何かに勘づいて上ではなく、下の方に向かっていた。

 

 

「スイクンはどうしたのかしら?」

 

「…もしかすると、上の方にはエンテイとおふくろがいるが、下の方にはアンノーンがいるのかもな。」

 

「成程、つまりスイクンはアンノーンを止めに向かってくれたのか。」

 

「ああ。あっちはスイクンに任せよう。

俺達は…おふくろを助けに、上へ。」

 

 

俺達は上の方へ進んでいく。

途中、やはり足場が無かったので『波導』の力で…月歩を瞬時に習得して空をかけていく。

 

その光景にカスミが口を大きく開けてドン引きしてるが無視する事にする。

進んで行くと───

 

 

「それ以上は進ませない!」

 

 

と、謎の声と共に俺達は謎の空間に閉じ込められた。

すると、上の方から謎の女の人を乗せたエンテイが降り立つ。

 

 

『…まだ懲りぬか。』

 

「俺のおふくろを返してもらおうか。」

 

「ここはアタシとパパとママしかいないわ!」

 

『そうだ。』

 

 

…たくっ、親は子供の我儘を聞くもんだが、やって良い事と悪い事がある。

それすら分からずに娘の言葉を肯定するとは………いや待て、何で俺はあのエンテイをあの女の人の親だと認識してる?

 

 

「…あなたの名前はミーですね?」

 

「あら、よく分かったわね。」

 

「え!? でも、ミーちゃんって5歳の筈でしょ!?」

 

「…ここでは彼女は何でも出来て、何者にもなれる。

つまりはそういう事なのだろう。」

 

 

っ!? そうか…そういう事なのか。

 

 

「…サトシ、ここは俺に任せて先に行ってくれ。」

 

「っ!?」

 

「大丈夫。それに…5歳とはいえ、相手はお嬢さんだ。

ここは年長者の俺が紳士に対応するさ。」

 

 

少なくとも目の前にいる女の人は大人の女性では無く、まだ幼い女の子として見ているタケシ。

 

時は一刻を争う為…偽サトシ達はタケシにこの場を任せ、3人はティアに乗って上に向かう。

 

 

「さて…ここは、自分とポケモンバトルと洒落込もうか。」

 

「良いわ。私の力を見せてあげる!」

 

『ミーなら、何でも出来る。』

 

 

タケシは突然現れたバトルフィールドに立つ。

 

 

「さて…ポケモンブリーダーとしての真髄、お見せするとしようか。」

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

ミーの相手はタケシに任せておふくろがいるだろう上を目指す。

今だったら邪魔は入らない。

 

 

「本当に不思議ね、ここ。

変な空間に閉じ込められたと思ったらすり抜けたんだもん。」

 

 

セレナの言う通り、ティアの力と偽サトシの力で閉じ込められてるだろう空間にヒビでも入れて抜け出そうとしたが…偽サトシの違和感から平然と抜け出せたのだ。

 

 

「正に何でも出来る、何でもなれる…アンノーンの具現化の力、か。」

 

 

ティアの念力で宙を浮いてる偽サトシは周囲を見渡して警戒していた。

…そして、ハナコの気配を感じ取った偽サトシはもう直ぐ辿り着くと。そう思った矢先にさっきの様に不思議な空間に閉じ込められた。

 

タケシがいる空間では花畑の空間だったが、今回は…水の中だった。

 

 

「うぐっ! お、溺れちゃう!」

 

「落ち着け、セレナ!

ここが本当に水の中だったら上手く喋れない。」

 

「え!? あ………本当だわ。

息できる…水の中なのに。」

 

「…これも、何でも出来る力なんでしょうね。」

 

「───そう。ここは私の理想の世界なの。」

 

 

突如、ミーとエンテイが現れた。

ただし、ミーの姿はさっきの様な10代後半の姿とは違い…俺達と変わらない10歳であろう姿だった。

 

 

「嘘…タケシ、負けちゃったの…!?」

 

「…いいや。まだ下の方で戦ってる気配がある。

まだタケシは戦っている!」

 

「ええ!? で、でも、だとしたらどうしてミーちゃんとエンテイが!?」

 

「…成程。これもまた何でも出来る力か。

あっちのミーちゃんも、こっちのミーちゃんもどちらも分身体だ。」

 

 

付け加えると、エンテイもだ。

 

 

「…そんな事が出来るなんて!」

 

「ママの所には行かせない!

ここは私とパパとママの世界なの!」

 

『そうだ。ミーの言う通りだ。』

 

 

くそっ、このミーちゃん肯定BOTめ…!

 

 

「…だったら。ティア! サトシ、セレナをお願い!

ここは…世界の美少女、カスミが!

お相手するわ!」

 

 

カスミはボールを構えた。

 

 

「カスミ………すまん、頼む!

行くぞ、セレナ! ティア!」

 

 

俺とセレナはティアに乗って勢いよくこの水の空間からおふくろのいるだろう場所へ向かう。

 

 

「さぁ、魅せて上げる!

みずポケモンをこよなく愛するアタシとポケモン達の力をね!」

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

…可笑しい。

 

 

「やったあ! これで2連勝!」

 

 

俺は頑張って戦ってくれた、オムナイトを労ってボールに戻す。

 

…それより、あの子のポケモンの力だ。

最初はカブトを繰り出し、相手はモココを繰り出した。

いざバトルが始まり、タイプ相性は向こうが有利だった事もあって苦戦したが…変化技を駆使して巻き返す…が、《あやしいひかり》で『こんらん』になったのにも関わらず、直ぐに何事も無かった様に攻撃を仕掛け、最初拮抗してたのが嘘だった様にカブトはあっさりと負けてしまった。

 

続くオムナイトを出し、ミーちゃんも変えてヒメグマを出した。

ポケモンが変わった事で少しは変わる…と思ったが、最初は変化技で苦戦しても直ぐに何も無かった様にやり返す…まるで向こうの都合の良いようにバトルは進んだ。

 

謎に力を増すポケモン…何でも出来る世界。

間違い無い…ここでは、俺達ではミーちゃんに勝つ事は不可能だ。

 

俺は急いで紙に『ミーちゃんには勝てない、時間を稼げ!』とカスミ宛にゴルバットを出して送る。

カスミ宛の理由は、間違いなく上で戦ってるのはカスミだと確信があるからだ。

 

 

「…さて、出来る限り悪あがきをするとしよう。

頼む、力を貸してくれ…イワーク!」

 

 

タケシは相棒のイワークを繰り出した。

 

 

「すまないイワーク、力を貸してくれ!」

 

 

イワークはタケシの言葉を瞬時に把握して、期待に応えられる様に難敵に立ち向かう。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

理不尽すぎない?

 

 

「やったやった! また私が勝っちゃった!」

 

 

私のキングラーを倒したミーちゃんはキングドラに抱きつき無邪気に喜ぶ。

それだけなら全然良いけど…最初の私のパルシェンにはバトルに不慣れでぎこちない様子だったけど、そもそもにおいて攻撃を受けても状態異常にされても直ぐに何とも無いように戦い、しかも段違いにパワーアップしてる…明らかに異常ね。

 

 

「…さて、残る手持ちで戦えるのはスターミーとラプラスだけど…。」

 

 

レベル50あるキングラーが倒されてしまった以上、レベル30未満のニョロモとコダックは出せない。

コダックに於いてはこの水の中じゃ身動き取れないでしょうし…(コダックは『みずタイプ』なのだが、何故か泳げないカナヅチ)。

 

迷ってる時に…下の方からゴルバットが現れてアタシの肩に降りて咥えてる手紙を渡してくる。

思っていた通りタケシのゴルバットで、手紙には『ミーちゃんには勝てない、時間を稼げ!』と書かれてあった。

 

…それを読んだ私は冷静になる。

やっぱり、ここはアンノーンの力でミーちゃんに都合が良い世界だから絶対に勝つ事が出来ない。

目の前にはエンテイもいるし…ここはタケシの言う通り、サトシ達の為にも時間を稼ぐ事に専念しましょう。

 

 

「あら、もうおしまい?」

 

「まだまだ! アタシ達の全力はここからよ!

行くのよ、MySteady!」

 

 

スターミーを繰り出し、アタシはサトシ達を信じて戦うのだった。

 

 

 

 

 

『第49話:襲いかかるエンテイ集団(前半)』

 

 

 

タケシとカスミにミーちゃんの相手を任せ…最上階に辿り着いた偽サトシ達。

 

そこは広めの空間で…奥の方には大きなベットに横たわるミーちゃんに膝枕して微動だにしないハナコの姿があった。

 

 

「おふくろ!」

 

 

偽サトシ達は急いで駆け寄り、声をかけるも…ハナコに変化は見られない。

まだエンテイの神通力で意識を奪われているままだった。

そして…。

 

 

『ここから出て行け。』

 

 

突如現れたエンテイが敵意を向けながら部屋の壁に穴を開ける。

 

…おいおい、出て行く気は微塵たりともないがそこから出て行けって…我儘にも程があるだろうが。

 

 

「何が出て行けだ。

人の親を攫っといてこの高い所から飛び降りろって?

───ふざけんのも大概にしろ。」

 

 

俺はエンテイの敵意以上の殺気をぶつけ返す。

 

 

『その者はミーの母となったのだ。

…どうしても出て行かないのならば、今度こそ───お前の全てを燃やし尽くしてやる!』

 

 

そう言うと、エンテイは咆哮を放つ。

しかし、覚悟の強い今の偽サトシはそれを威圧で返し…相殺される。

 

両者は睨み合い…周りに影響を及ばさない様、移動する。

 

 

「セレナ、おふくろと…その子を頼む。」

 

「う、うん! サトシ、気をつけて!」

 

「ああ。」

 

「うっ!」

 

「ああ、今度は勝つからな。」

 

 

俺はゲッコウガのボールを構えると…エンテイは自分の分身を目の前に顕現させる。

恐らく、技の《かげぶんしん》とはレベルの違う…強度の高い簡易的なクローンと見て良いだろう。

 

なら…本体が出張ってくるまで、他のみんなで倒す!

 

 

「行くぜ。ガオガエン、キミに決めた!」

 

 

最初の一番手はガオガエンを繰り出した。

ガオガエンも気合を入れており…開幕、《ニトロチャージ》からの《じごくづき》を仕掛ける。

本来《ニトロチャージ》の様な後からステータスの上がる技は、ある程度技を使用し、新たに技を切り替える際追加効果を発動出来る事を知った。

 

それは兎も角として…素早さが上がって勢いのある《じごくづき》を受ける分身体エンテイだが、瞬時に《いわくだき》で弱点を突いて吹き飛ばす。

 

痛いな…けど、伝説相手とはいえ、こんなのでやられるガオガエンじゃないぜ!

 

ガオガエンは再び《ニトロチャージ》と《クロスチョップ》の合わせ技…『メテオクラッシュ』で吹き飛ばし返す。

 

とは言え、流石に分身体とはいえこれで倒れず、立ち上がって《じだんだ》を仕掛ける。

だがガオガエンは既に宙に飛んでおり、攻撃を回避して空中からの『メテオクラッシュ』を炸裂させた。

 

手応え有り…!

そう思った矢先に至近距離から、分身体エンテイの《きしかいせい》を受けてしまう。

体力の少ない上に高火力且つ、効果抜群の大ダメージを受けて倒れそうになるガオガエン。

 

 

「ガオガエン!!」

 

 

偽サトシの大きな声…そして、ガオガエンが倒れそうになって無意識にその方向へ顔を向けるハナコ。

それらによってガオガエンは寸前に踏み止まり、分身体エンテイが使った《きしかいせい》を土壇場に会得して放った。

 

最大火力の《きしかいせい》を受け、分身体エンテイは結晶に戻って崩れ去った。

それと同時にエンテイが何やら反動を受けた様子を見せる。

 

 

「…あの分身体はエンテイ本体にも影響が出るのか。」

 

 

それなら本体が出張った時にも勝機がある。

 

敵を倒し、やり尽くしたガオガエンは倒れるが、偽サトシに親指を立てた。

 

 

『…1体程度を倒せた程度でいきがるな。』

 

 

エンテイがそう言うと、天井に向けて咆哮を上げると…下の方から2体の分身体エンテイが飛び上がる。

そのエンテイ達はミーを乗せていた為、タケシとカスミの相手をしていたエンテイ達だった。

 

2人のミーが消えると、ハナコの膝で眠っていたミーが目を覚ます。

 

 

「パパ! そんな人達倒しちゃって!」

 

『ああ。勿論だよ、ミー。』

 

「…たくっ、聞いてらんねぇなぁ。

───親父だって言うなら!

悪い事を肯定せず、間違いだって教えてやるもんだろうがぁ!!」

 

『ミーを怖がらせるな!』

 

 

エンテイは分身体の1体を前に行かせ、偽サトシはアシレーヌを繰り出した。

 

 

 






・劇場編後半突入。
 原作通りタケシとカスミは戦ったが、アンノーンが作り出したミーの世界では絶対に勝てず、それならばと時間稼ぎをする流れになった。
 そして、偽サトシとゲッコウガvsエンテイのバトル…の前に分身体エンテイ達とのバトルが始まった。
 果たして、偽サトシは無事にハナコを取り戻せるか…!?


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。