俺、サトシになってました(笑)   作:黒ソニア

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誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。

…それから今更になりますが、偽サトシのいる世界はアニポケ界になるのですが、PPの概念はあった方が良いか無くても良いか…どっちが良いでしょうか?




#115:『立ち上がる時』

 

 

 

『第50話:襲いかかるエンテイ集団(後半)』

 

 

 

「アシレーヌ! 《アクアジェット》!」

 

 

《アクアジェット》で分身体エンテイへと迫る。

対して分身体は《アイアンヘッド》で迎え撃ってきた。

 

だが、こっちは真正面から打ち返す気は更々なく、寸前で相手の攻撃を躱して《アクアブレイク》で弱点を突く。

大ダメージの筈だが、分身体とはいえ腐っても伝説のポケモン:エンテイ…ダメージは入ったが、多少のダメージ程度の様子だ。

 

今度はあっちが《かえんほうしゃ》を仕掛けてきた。

本来なら効果今一つ故に《アクアジェット》を用いれば大した事ない…そう思える筈が、炎は通常とは異なる紫色で見た限りでも高い威力故に喰らえば《アクアジェット》で水を纏ってる状態でもダメージを受けるのは明白だ。

 

アシレーヌは《アクアジェット》を維持したまま躱して再び《アクアブレイク》を放つ…が、分身体エンテイは《フレアドライブ》で凄まじい炎を纏って《アクアブレイク》の威力を軽減させ、擦り傷程度のダメージしか入らず返しの《アイアンヘッド》でアシレーヌを叩き飛ばす。

 

アシレーヌはダメージを負ったが体勢を立て直す。

 

…しかし、《フレアドライブ》で水技の威力を下げるか。

数時間前の時もそうだが、擬似的な『晴』状態にするは厄介だ…その技術は頭に入れとくして、その状態って事は───と、思った瞬間に《ソーラービーム》を放って来た。

 

アシレーヌは《アクアジェット》で飛び回って回避し続ける。

何とかして《ソーラービーム》を回避したものの、その隙を突いて《アイアンヘッド》を仕掛け、アシレーヌはそれを受けてしまう。

 

だがアシレーヌも負けずと《アクアブレイク》で返し、分身体エンテイを押し返す。

そこへ更に《サイコキネシス》で分身体にダメージを入れつつ頭を地面へと叩きつける。

その後、追い討ちの《アクアブレイク》で叩き込んで大ダメージを入れる。

 

ここまでのダメージを入れた、この分身体エンテイの体力も限界だろう…そう思った矢先に《フレアドライブ》を展開して業火と化した姿で《ソーラービーム》を放って来た。

 

 

「ちっ、さっきよりも威力が増してやがる…!」

 

 

アシレーヌも同じ気持ちで余裕の無い表情を浮かべながらギリギリ回避していくが…最後の一発がアシレーヌに被弾しようとしていた。

 

 

「アシレーヌ! 《サイコキネシス》で障壁!」

 

 

寸前で《サイコキネシス》の防御策で直撃は防いだものの、弱点タイプの衝撃がアシレーヌに響き、壁に叩きつけられる。

 

 

「アシレーヌ! 大丈夫か!?」

 

 

偽サトシの声にアシレーヌは何とか立ち上がる。

 

良かった…けど、体力は1/3は切っただろう。

次で決めなければ、やられるのはこっちだ。

 

 

「アシレーヌ、次の攻撃で決めるぞ…!」

 

 

アシレーヌは強く頷き…最後の力を振り絞り、特性の『げきりゅう』を発動させて《アクアジェット》で突撃する。

対して分身体エンテイは《フレアドライブ》で再び全身を業火に燃やし…《かえんほうしゃ》を放ってきた。

一度使ってきた時以上の炎だったが、アシレーヌは負けずと炎を避けながら突き進む。

 

そして…相手との距離が近くなったタイミングで───

 

 

「アシレーヌ! 奴の周りを囲いながら《うたかたのアリア》!」

 

 

《うたかたのアリア》…『みずタイプ』の全体技にして音技。

それを囲いながら使用する事で、分身体エンテイの周りを水に浸し…音技でダメージを入れながら、全身の業火を剥がしていく。

 

だが、相手も反撃で《ソーラービーム》を放とうとしたタイミングで歌いながら《アクアブレイク》を顔に放って明後日の方向に逸らす。

その後、《サイコキネシス》で床にへと叩きつけ…《うたかたのアリア》を決め、分身体エンテイは結晶に戻って崩れ去った。

 

 

『……くっ…!!』

 

「うっし! よくやったぞアシレーヌ!」

 

「やった! 2体目も倒した!」

 

「…パパ、負けちゃうの?」

 

『っ!! 大丈夫だ、ミー。

こんな敵、さっさと倒してやる!』

 

 

エンテイがそう叫ぶと、分身体が飛び出してアシレーヌに襲い掛かろうとする。

 

偽サトシは咄嗟にアシレーヌをボールに戻し、ジュナイパーを繰り出す。

 

 

「ジュナイパー! 《かげぬい》!」

 

 

先ずは《かげぬい》による影の矢を放つが、分身体エンテイの《かみくだく》によって噛みちぎられて無力化されてしまう。

 

そして相手は《フレアドライブ》で突撃して来る。

『ほのおタイプ』は弱点…それも、高火力技だからまともに一撃でも受けたらアウトだ。

 

ジュナイパーもそれを理解している為に躱す…が、相手は体勢を変えて《かえんほうしゃ》も放ってきた。

 

 

『そいつは炎に弱いと見た。』

 

「そうだな。だが、それでジュナイパーを倒せると思ってんなら…甘いぜ。」

 

 

ジュナイパーに《アクロバット》を指示して、巧みな動きをしながら炎を躱し、隙を突き《アクロバット》の蹴りを2発炸裂させて距離を取る。

 

この技は持ち物が無ければ2倍の火力となる高火力技。

アニポケ界ではメガストーンやオシャレな物を付ける以外は容認されていない為、ほぼ確定で2倍攻撃の高火力で放てる。

《つばめがえし》は威力が劣るがその分必中技である為に追尾性能があり、状況を見てどちらかを使用するのが大事だ。

 

今回は《アクロバット》を使用して距離を作りつつ、《かげぬい》で中距離攻撃をしようとする…が、分身体エンテイは《フレアドライブ》で見境無く暴れるようにしてくる。

 

 

『どうだ。これで手も足も出まい。

貴様等如きが敵う相手では無いのだ…!』

 

「おいおい、さっきまでの余裕な態度が無くなってるぜ?」

 

 

ここは敢えて煽って相手の判断力を奪っていく。

とはいえ、ジュナイパーもこれでは手出しが困難…と思うだろうが、ジュナイパーはマサラタウンにいる間に、戦法を会得していたのさ。

それは───

 

 

「さぁやるぞ! ジュナイパー!

《アクロバット》を維持したまま、《かげぬい》!」

 

 

『ひこうタイプ』の技を使用してる状態で新たに技を使用する事で、《かげぬい》の矢に風を纏わせて威力を高め、鋭く早く放つ術を手にしたのさ。

 

風を纏った影の矢が素早く放たれ、分身体エンテイの体を掠りつつ影に被弾して分身体エンテイが爆発してダメージを受ける。

その様子を見て苛立ち始めたエンテイが分身体にさっさと倒せと指示し、《かえんほうしゃ》で無差別に攻撃していく。

 

…やはり、分身体と言えど、本体と違って体力が落ちていけば業火に身を包んで戦う事が出来なくなると見た。

 

 

「決めるぜ、ジュナイパー。」

 

 

俺の言葉にジュナイパーの目つきが鋭く光る。

《ゴーストダイブ》を指示させて姿を暗まし…ジュナイパーを探す分身体エンテイだが、気配に気づかず背後からオーラを纏って奇襲かける時───

 

 

「《シャドークロー》に《アクロバット》っ!!」

 

 

全身のオーラに影の鋭い爪に風を纏った突撃が炸裂し、分身体エンテイの体力は一気に削れ…結晶に戻り崩れ去った。

 

分身体3体が敗れ、合計で3体分の分身達がやられた事でそれなりに反動が効いてご機嫌斜めなエンテイ。

 

 

「へっ、一度勝った事から分身で容易く倒せると思ったのか?」

 

『…粋がるな。分身達を倒したのがよっぽど嬉しかった様だ。

───今度こそ絶対的な敗北を刻み、結晶にして粉砕してくれる…!!』

 

 

エンテイが咆哮を上げ、周囲の結晶を吸収して前に出る。

 

…だよな。こいつにはこういった能力があった。

全く、紛いモノが故に厄介………んっ?

いや、完全には回復しきってはいないか?

 

 

「パパァ…。」

 

『大丈夫だ、ミー。パパが付いている。』

 

「うん。」

 

 

ミーはそう言うと、俺に向けて言い放つ。

 

 

「…出てって! あなたも、その2人も!

ここは、私の…私とパパとママの世界なの!」

 

「悪いけど、出て行かない。

キミの側にいるのは俺のおふくろだ。」

 

「…おふくろって何?

ママじゃないんじゃない!!」

 

 

…ありゃりゃ、まだ5歳だから『おふくろ』の意味を知らなかったか。

だったら…ここは恥ずかしいけど、ミーちゃんにも分かりやすく言ってやるか。

 

 

「その人はな、俺の……俺の!

───マ(・)マ(・)ン(・)なんだよ!!」

 

 

偽サトシの発言に一瞬の静寂が生まれた。

普通に『ママ』と答える筈が『ン』までついてしまい、つい恥ずかしくて顔が真っ赤になってしまいそうになるが…ここは堪えてエンテイに指を差す。

 

 

「今更だが、一つ聞く…お前は本当にあの子の父親なのか?」

 

『何を言う。私こそが、あの子の父親だ。』

 

「本当にそうか?

俺は父親ってのがイマイチ分かってない所があるが、一つだけ言える。

───本当に父親だって思ってるんなら!

子供の間違いを肯定せずに間違いだって教えてやれよ!」

 

『間違いなど無い。ミーの全てが正しい。

あの子の望む事を全て叶えるのが、父親(私)だ。』

 

「…ハッ、そうかよ。

間違いを認めず、全てを肯定させる事しか出来ない。

所詮は、父親を偽る幻想…紛い物の幻か。」

 

 

偽サトシの言葉にエンテイは怒りを露わにする。

 

 

『御託はもう良い…お前達は消えろ!

ここは、ミーの世界なんだ!』

 

「消えねぇよ。おふくろを取り戻し、お前達の間違いを…正してやる!

───行くぜ、ゲッコウガ! キミに決めた!」

 

 

偽サトシはゲッコウガを繰り出す。

互いの譲れない物を賭けた、戦いが幕を開ける───

 

 

 

 

 

『第51話:激突、キズナゲッコウガ vs ENTEI』

 

 

 

「最初から全力全開で飛ばすぞ!

ゲッコウガ! フルパワァだぁぁあああ!!!」

 

『コウガァァアアア!!!』

 

 

偽サトシとゲッコウガの力が重なり合い…ゲッコウガから凄まじい水の柱が立ち、それがゲッコウガをヴェールの様に包み、全身に力が入る。

キズナゲッコウガとなり、エンテイへと迫る。

 

エンテイは分身体よりも高密度な紫色の《かえんほうしゃ》を放つ。

本来なら躱すのが正しいだろうが…ここは敢えて炎を受けて共に耐え抜き、炎から飛び出した所で渾身の《アクアブレイク》のオーラを鎧腕の様に固めて纏った拳を炸裂させ、エンテイを殴り飛ばす。

 

 

『ぐぉっ…この前よりも、パワーが上がってるだと…?』

 

 

エンテイが信じられんと呟いているが、こっちは止まらずに接近して今度は《つばめがえし》も加えた素早い両腕の連撃のラッシュを炸裂させる。

 

 

『こ、このぉ…!!』

 

「まだまだぁ! こんなもんじゃねぇぞぉお!!」

『コウガァア!!』

 

 

エンテイが《フレアドライブ》で業火に身を包み、擬似的な『晴』を展開させてこちらの《アクアブレイク》のラッシュの威力を下げてくる。

威力が下がった事でやり返すパワーが上がって《ソーラービーム》を放つが…その動きは読めていた。

 

攻撃が放たれる前に《アクアブレイク》の拳を頬に放ち、一瞬でも軌道がそれた隙に《かげぶんしん》を展開し、分身を巧みに扱って《ソーラービーム》を回避する。

 

エンテイは分身達を薙ぎ払いながら本体のキズナゲッコウガを狙うが、偽サトシと意識がリンクしてる事もあって、技の速さの方が勝って分身達を次々と生み出して躱してく。

そして…動きに関してはゲッコウガに任せ、偽サトシは『波導』でエンテイの弱い部分…急所を探る。

力の流れが弱い部分を捉え、それをゲッコウガにも伝わって回避から《つばめがえし》を加えた《アクアブレイク》を炸裂させる。

 

 

『グォォォッ…!!』

 

 

流石のエンテイも急所を受けたダメージで後退する。

 

その間にも偽サトシはキズナゲッコウガを通して『波導』で急所を探る。

どうやら今の一撃で喰らった部分に力を集中している様で、他の部分が弱くなっていた。

欠かさずそこの部分へと素早く放たれる《アクアブレイク》のラッシュを炸裂させていく。

 

 

『グォォォォァッ…!!』

 

 

流石のエンテイもその攻撃のラッシュで擬似的な『晴』状態の業火が解けて大幅に後退する。

 

そこへ逆さず『波導みずしゅりけん』を炸裂させ、エンテイを壁へと吹き飛ばした。

 

 

「どうだぁっ!!」

『コウガッ!』

 

 

偽サトシとゲッコウガは吹き飛ばしたエンテイに己達の力を思い知らせる。

エンテイは2人を憎らしげに睨みながら、ゼェゼェと息を上げていた。

 

 

『…馬鹿な。この私が……圧されている、だと…?』

 

 

エンテイは疑問を抱く。

前に倒した時はダメージは入れられたが、ここまで追い詰められる程の強さでは無かった。

 

…それだけで無い。

分身体達と戦った3匹達にも本来なら勝てた筈だ。

この短い時間で、一体何があったのだ…と。

 

その答えは…奪われた人を取り戻すと誓った思いの強さだった。

ゲッコウガ、ガオガエン、ジュナイパー、アシレーヌ…この4匹は10歳になるまで共に過ごして来た仲間であり、それ以上に家族なのだ。

大切な人を取り返す、その強い思いと偽サトシとの絆が伝説の力を超える力を引き出したのだ。

 

 

『っ、あってたまるものか…!

この私が! ミーの父たるこの私が負けることなど、あってたまるものかっ!!』

 

 

エンテイが周囲の結晶を取り込み…体を大きくする。

この前と同じく《フレアドライブ》を使い業火を…業炎に変えた怪物へと変貌した。

 

 

『…今度こそ、燃やし尽くす!』

 

 

業炎の怪物が《フレアドライブ》で突撃して来る。

 

 

「…ここからが正念場だぞ、ゲッコウガ!」

『コウガッ!』

 

 

キズナゲッコウガは鎧腕の《アクアブレイク》に《つばめがえし》を加える事で、風を纏い威力を上げた拳を放つ…が。

最初は拮抗していたものの、業炎の怪物の方が力が勝り、キズナゲッコウガは吹き飛ばされる。

 

 

「ぐっ…!!」

 

 

痛みがゲッコウガを通して俺にも響く。

何ていうパワーだ…剣だと容易に砕かれるのは見えてたから、鎧腕にして更に《つばめがえし》を加えれば或いはと思ったが、これでは《アクロバット》だったとしても無理だな。

…ならば、この手を使うしかない!

 

キズナゲッコウガは《かげぶんしん》で2つの分身を作り出す。

そして、3人のキズナゲッコウガが力を集約させ…大きな『風遁・波導みずしゅりけん』を作り出した。

 

 

「これなら行けるだろ!

───『風遁・巨剣波導みずしゅりけん』!!」

 

 

風を纏った大きな波導水手裏剣を構えて突撃して行く。

対して業炎の怪物は更に威力が上がった《かえんほうしゃ》を放った。

 

2つの力が激突する。

威力が上がった事もあって最初は圧されるが…偽サトシとゲッコウガの気合いにより、負けずと炎を振り払っていき…業炎の怪物へと炸裂させる。

 

 

『グゥゥゥッ…!!』

 

 

手応えあり!

………そう思った矢先に0距離《ソーラービーム》を受けてしまい、キズナゲッコウガは吹き飛ばされ…倒れたゲッコウガと膝をついた偽サトシは意識が飛びそうになる。

 

痛え………意識が、飛びそうだ…。

 

激痛に耐え苦しむ偽サトシ。

 

………俺の名を呼ぶ声が聞こえる…。

 

意識が途切れかける中、自分を見て揺らぐおふくろの顔が写る。

 

そうだ………負けて、たまるものか!

 

偽サトシは立ち上がる。

 

…強い………だが、まだ…諦めてたまるものか…!

相棒(サトシ)が…立ち上がっている…!

 

ゲッコウガも立ち上がる。

 

 

「ゲッコウガ、俺達の力はまだ…こんなものじゃねぇ!

もっともっと…! 強く…!

行くぞぉぉぉおおおおお!!!!!」

 

『コウガァァァアアアアア!!!!!』

 

 

偽サトシとゲッコウガの力と意識が更に強く、重なり合う。

水のヴェールが膨張し、凄まじい水のエネルギーが溢れると、それがキズナゲッコウガの体へと吸収され…全身に更なる力が漲る。

姿も、ヴェールで覆われていたフォルムが露わになり、背中から巨大な手裏剣が発現する。

 

『キズナゲッコウガ』を超え───偽サトシに似た『サトシゲッコウガ』へと進化を果たした。

 

 

「決着つけようぜ…!」『コウッ…!』

 

 

 






・今更ですがこの劇場編は『家族』がテーマ。
大切な家族を奪われて、覚醒した偽サトシ達。
ガオガエン、ジュナイパー、アシレーヌは偽物とはいえエンテイを倒し、ゲッコウガは原作のサトシくん達と同じ境地に立ち、チートENTEIと対面する。

次回で劇場編ラスト…偽サトシとゲッコウガ vs ENTEI の決着となります。
結末は如何に…!?

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