タジャドルコンボ様
高評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
それから誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。
サトシくんのピカチュウは俺の手に───そっぽを向けながらも尻尾を乗せる。
おお? 尻尾を乗せるって…もしかして、俺を友達と認めてくれ───
「あばばばばばば!!?」
…たかと思ったが、まだ俺を友達とは認めてはくれなかった。
「遂に着いたな…コガネシティ。」
「だな。」
「ん〜! ここがジョウトで一番に栄えてる街!
色んな店がありそうで迷っちゃいそう!」
「そうよねー! ティアも楽しみよね?」
「うー!」
いやぁ…何というか、ここまでが長く感じた。
ケンタロス祭り、コンテスト、グリーンフィールド、消防団、森で密猟者と遭遇。
それからさっきまで野生のリングマの群れと遭遇して大変だったり…。
まっ、それも思い出の一つだわな。
ティアなんて大変だったが凶暴なリングマの群れに追いかけられた中でも楽しんでたしな。
…ただ、その際セレナが転びそうになったから、咄嗟にお姫様抱っこして逃げ回った後、カスミが不機嫌になってたから大変だった。
何を思っての行動か知らんけど、お前だってトキワの森でスピアーに追われた際にお姫様抱っこして逃げただろう?
ああいう時は仕方ないんだって。
本当は白馬の王子レベルのイケメンじゃないと嫌だろうけどさ!
とまぁ、振り返りはさて置き。
いざ、ジョウト1の大都会コガネシティを歩き回る偽サトシ達。
今日は最低でもコガネシティで過ごすのでポケセンに宿泊し、早速ジムへ向かう。
ジムらしき建物に辿り着くが…今日は休みになっていた。
「あちゃ…休みなら仕方ないわね。」
「ジムリーダーも休みは必要だからな。」
それはそうだ。
…という訳で、今日は観光する事にする。
日用品は勿論だが、こういう大都会ならではのおふくろ宛てのお土産と…色違いセレビィに帽子をあげちゃったから帽子ないんよね、ワイ。
特にこれまで言及はしなかったが、俺の今の服装は初代無印の格好そのものなのだが、今は帽子が無い状態だ。
ぶっちゃけ、俺自身帽子被るのは好きじゃないが無しのサトシくんの姿に違和感があって帽子を被ってたが…いざ無しだと違和感があるとの事なので買う事にしたのだ。
という事で街の中で一番大きなショッピングモールで買い物をする。
最初に日用品を買い、その次に…運動後に使用する香水が切れたのでセレナとカスミに良い香りの香水を選んでもらってそれを購入した。
そして…次に俺の帽子を見に来た。
のだが、セレナとカスミが凄い気合い入れて「これはどう!?」「これとか良いでしょ!?」と反応に困る事をしてくれる。
「お、おお…。」
思わず反応に困ってしまう。
嬉しいんだけどね…生前、女の子に服を選んで貰う事なんて一度も無いから反応に困っちゃうんよね。
贅沢な悩みなんだが、俺の本質は陰キャなのよ。
セレナは言わずもがなすんごい美人だし、カスミも普通に美少女なんだから…いざって時は普通にテンパりそうになる。
てか、タケシの奴…いつの間にか姿を消しやがった。
こういう時助けてくれよ…。
「あれ? ティアもいなくね?」
「ティアならタケシにくっついて行っちゃったわよ。」
「え? まじ? まぁ、タケシが一緒なら良いか…。」
「てかそれより、サトシ…これ着てみなさいよ。」
カスミが前に会ったゼニガメ消防団の法被に似た衣装を見つけた様で、俺にそれを押し付けてきたが、折角なのでそれを羽織り…どうせならと青黒い丸サングラスを取り出して、Set(イケボ)する。
「あはは! この前のゼニガメ達が掛けてたサングラスと似たようなのがあったからつい掛けさせちゃったけど…似てないわね(爆笑)。」
カスミは大爆笑で笑い続けるが、そんな中俺はカメールを出した。
「どうだ、カメール。似合ってるか?」
『ガメッ!』
カメールを『イカしてるぜ!』と指を立て、自身もサングラスをかけて偽サトシと共にドヤった。
それを見たカスミは「プハー! 面白すぎるわよ!」と更に笑い始めてしまい、周りの人達もクスクスと笑っていた。
…ただ1人、セレナはその偽サトシとカメール(特に偽サトシ)を見て、「サトシの激レアの瞬間…!」と、図鑑のカメラ機能を使って撮影する。
「…サトシの激レア写真、ゲットだぜ…!」
「セレナ? どしたん?」
「ひやぁ!? な、何でも無いのよ!
そ、それよりこれ!
帽子だけじゃなく服もだけど!」
「ん? おお、中々良いんじゃないか?」
と、セレナから渡されたものを試着する偽サトシ。
この格好…何処かで見た事があるな。
何だっけ………ああ、確かボルケニオンの映画の時に着てた探偵コスチュームじゃなかったか?
まさかこんな所で手にするとは。
「うん、どうかな?」
「凄くかっこいい…写真一枚良い?(うっとり)」
「え? あ…うん、どうぞ?」
今俺に『かっこいい』って言わなかったかい、セレナさん…?
本来のサトシくんはともかく、俺にそんな気がある…?
………いや、それは無いな。
俺は試着室の鏡を見る。
うん、サトシくんと違って目つき悪い…。
愛嬌の無いサトシくんの姿をしてる俺…セレナはサトシくんみたいな心優しきイケメンがお似合いだし、そもそも自惚れてはダメだ。
俺は誰かに好かれるような人間じゃない───
「サトシ? 大丈夫?
もしかして本当は違うのが良かった…?」
「ん? ああ、違う違う。
…なんて言うか、この格好にこのサングラスは合うかなって。
割と気に入ったんだよな、これ。」
「どっちも良いと思うの。
ただ私は…素顔を晒してるサトシがいいと思うの…(うっとり)。」
「そう? んじゃまぁ…どっちも買っちゃおうかな。
旅してる時はこの服装にして………どの道旅してる時の帽子も別でいるな。」
「んじゃこれで良いんじゃない。
前に被ってたのとマークが違うやつ。」
カスミが不機嫌そうに俺へ帽子を投げつける。
ふむ、俺の旅してる時の格好はおふくろのお手製なのだが、似たようなのがあるのか。
おふくろの手芸の高さを思い知らされるな。
「おお、これで良いな。
サンキューカスミ。
すみません、お会計お願いしても良いですかー?」
と、俺の買い物も終わった。
買い物を終えた俺達はフードコートでアイスを食す俺達。
いやぁ、この『モーモーヨーグルトアイス』バリうめぇ…!
「あんたって幸せそうに食べるわねぇ。
その『モーモーヨーグルト』味ってそんなに美味しいの?」
「美味いよ。ほれ。」
偽サトシはカップを差し出すと、カスミは特に自分のスプーンで食して「あ、美味しい!」と満足気だった。
その後カスミが「ほら、アタシのも良いわよ」と差し出されたので有り難く一口分貰うのだった。
「うん。シンプルなストロベリーも良いな。」
2人の仲良くしてる光景を見てセレナはさっきのサングラスとのやり取りを今になって嫉妬し…勇気を振り絞って自分の『マンゴーアイス』を一口分スプーンで掬い───偽サトシに差し出した。
「さ、サトシ! わ、私のも!」
「ん? おお。」
偽サトシは普通に差し出されたセレナのスプーンでマンゴーアイスを食べた。
その行為は…恋人同士が行うアイスの食べ比べ───間接キスだった。
平然とそれをした偽サトシは気付かず、「マンゴー良いな!」と感想を述べ、セレナは「そ、そうでしょ…?」と顔を真っ赤にしていた。
「むぐむぐ………マンゴー味の後のヨーグルト味は良いな。
セレナ、交互に食ってみよ───ぜぇぇええ!?」
偽サトシの足がカスミによって力強く踏まれてしまう。
「痛えよ!? 何すんだよぉ…?」
「………あんた、今何を食べたか…分かってるの?」
「えぇ…? 何ってカスミと同じ事をしただけだぞ?」
「………今、セレナのスプーンで食べたのよ。」
「え……………あ"っ!」
今になって、偽サトシは気付いた。
「す、すすすすまんっ! セレナ!」
「い、良いの…出したのは私だし!
それに…こ、ここここいういのって、旅してると必ず起こる事だし、ふ、ふふふ普通なのよ!
ほ、ほら! ヒワダタウンに向かってる時だって!
………さ、サトシの水筒で水を飲んじゃった事があったでしょ?」
そう。あの時は後もう少しでヒワダタウンに辿り着くという油断のせいか、偽サトシ以外の3人の水筒が切れてしまったのだ。
セレナが喉が渇いてた時に偽サトシがさり気なく渡しており、間接キスをしていたのだが…あの時は全員が疲れなどからその事を忘れていたのだった。
「それは別に良いんだよ。
脱水症状なんて起こしちゃったら大問題なんだから。
そんな時に羞恥心とか言ってる場合じゃねぇだろ?」
偽サトシの言っている事は正しい。
非常時においては羞恥心を気にしてる場合じゃないのだ。
「ああ…ただ、今のは気付かずにすまない。」
「ううん…私も油断してたから…。」
とは言え、偽サトシとセレナは恥ずかしさに顔を俯かせていた。
対してカスミはセレナが意図的に差し出したのに気づいていたので、油断ならないと改めてセレナの行動に警戒するのだった。
そんな時───
「あれ? やっぱり、サトシくんにカスミ!」
「あら、こんな所で会うなんて奇遇ねぇ。」
そこに【ニューアイランド】以来、久しぶりに出会うリーフとその姉のブルーが現れた。
「リーフ! それにブルーさん!
コガネシティにいたんですね!」
「そう。ここには昨日着いたのよね。
明日にはシルフカンパニーのイベントでラジオ塔でお仕事があるのよ。
そこに、私とゲストでリーフちゃんが出るの。」
「ああ。成程。」
リーフとブルーが偽サトシ達のテーブルに座った事で、偽サトシのセレナはハッと正気に戻る。
「…おお、ブルーさん。それにリーフも久しぶり。」
「うん。久しぶりだねサトシくん。元気だった?」
「ああ。まっ、あれから色々とあったから随分と久しぶりに感じる。」
「まぁ確かに、あれから2ヶ月は過ぎてるし。
ある意味当然だよね。
………所で、彼女って。」
「ん? ああ、セレナだよ。覚えてるだろ?」
2人が話をしてる事は無かったが、サマーキャンプに2人はいた訳だから、面識は最低でもあるから覚えてるだろう。
「…ふーん………サトシくん、今セレナさんと一緒に旅をしてるんだ。」
リーフが目元が見えなくなり、心無しか不機嫌に見える。
「ああ。セレナとカスミとタケシ、それから新たにティアの5人で旅をしてるよ。」
「………ふーん、でも一緒にいるんだ………フーン。」
え? 何、何? どういう事だってばよ?
「…ねぇカスミ。サトシくんとセレナで何かふしだらな事をしてなかった?」
「…してたわよ。何なら今さっきでも。」
「………ヘェ、ソウナンダ。」
リーフのご機嫌ゲージが更にダダ下がりとなり、ギギギと機械音が聞こえた気がし…偽サトシへと話しかける。
「ねぇ。サトシくん、セレナさん……何があったのか、詳しく。
聞かせてくれかいかなぁ?」
リーフはハイライトが消え影のかかった笑顔で問いかけた。
そのリーフを初めて目の当たりにしたブルーは「あらー…」と横目で偽サトシを見て、その偽サトシは怖くて怯えていた。
カスミはリーフにオレンジ諸島、そしてジョウトで起きた事を話した。
…特に何か俺とセレナが2人でいる時の話が多かった気がする。
特に何も無かったはずだ───
「フーン………セレナさんの水着を見て、そんなに長く鼻を伸ばしてたんだぁ。」
「…いや、まぁ…セレナみたいな美人の水着を見たら…。
てか、鼻を伸ばしてないと思うんだけど…。」
「伸びてたわよ。すっっっごく、ね。」
おおい! 誤解を招く言い方をするなよ!
…てか、リーフの背後からなんか恐ろしい何かの化身が見えるんだけど?
「アーシア島ではフルーラって子にキスされて『デレッデレ』だったもんね"ぇ"っ!?」
あの、すんませんカスミ様…その事に触れないで欲しいのであります。
「………は?」
ほら、リーフさんの背後にいる謎の化身が更に殺気を纏って、『首を出せい』とでも言いかねない雰囲気をしてるよ…。
ええ? てかカスミさん、あなたも化身らしきモノ出してね?
…わーお、セレナさんも何かの化身を出してるぅ…。
偽サトシはチラリとブルーに助けを求めようとしていたがブルーは耳だけをこちらに向けながら、食してるアイスのコーナーにあるメニュー一覧を見ながら「あれ美味しそうよねぇ」と我関せずを貫いていた。
「…そう言えば、その前に突然の嵐でセレナと一緒に何かあったわよね?
あの時のセレナ、妙だったのよねぇ…。」
それを聞いて更に物騒なオーラが放出するリーフ。
カスミも物騒なオーラを出し、サレナは…思い出して頬を赤くして両手を当ててモジモジし始めた。
俺………今日死ぬの?
「その後も私の知らない所でセレナと何かあったわよね?」
「もうそこまでいくと、まるで意味が分からんぞ。」
そんな偽サトシにリーフは「サトシくん?」と声をかける。
「私、思うの。サトシくんは少し…灸を据える必要があるって。」
「本当に何でそうなるのか…。
痛い思いは嫌なんで、取り敢えず機嫌を直して下さい。
俺で出来ることがあるなら、何でもしますんで。」
「…何でも、する?
今、『何でもする』っていたよね?」
「え、あ、ああ、うん。そう言ったけど…?」
それを聞いたリーフが「フフフ…」とクスクスと笑い始める。
すると、それを聞いたカスミとセレナも反応する。
「それなら、私にも権利があるわよね。」
「何でだよ…。」
「そ、それじゃあ、私は───」
「ちょっと待ってくれかなぁ、セレナさん。
あなたはサトシくんと色々と良い思いをしてるよね?
セレナさんには権利が無いはずだけど?」
リーフがそう言うと、セレナは笑顔をリーフに向ける。
…だがその笑顔は全然笑えるようなものでは無いように見えた。
「何でそうなるのかしら? リーフさん?」
「だって元はセレナさんとサトシくんが2人が何かしてたらこうなってるって分かってる?」
「別に私とサトシで何をしようと勝手だと思うの。
サトシとリーフさん…リーフとはただの幼馴染なんでしょ?
だったら何をしても良いじゃない。」
「…」
重い……空気がメッチャ重い…。
「リーフちゃんも大きくなったわねぇ。」
「…あの、ブルーさん。そんな呑気にしてる場合じゃ…。」
「…キミが元凶なんだけど?」
えぇ……何でこうなんの?
俺が何かしたんですか?(←何言ってんだこいつ)
「…別に、ただの幼馴染じゃないけど?
大事な幼馴染。
だから、お互いに心配し合ってるだけなんだよ…セレナ。」
「…私もお互いに心配し合ってるわよ。
大事な仲間なんだもの。」
リーフとセレナは互いに火花を散らし合う。
「何でこうなってんだよぉ…。
こういうのって、互いに仲良くなるもんだろ?」
アニポケではヒロイン同士で仲良くしあってたじゃん?
…まぁ、リーフは出てなかったり、セレナは直接ヒロイン達と仲良くしてる場面とか無かったけどさぁ…。
「さっ、セレナとリーフが仲良くしてる間に私の言う事を聞いてもらおうかしら。」
「え? 何処が仲良くしてんの? 真逆だよね?
てか、何で言う事聞かないといかんの?」
「んな事は良いのよ。
という事で、さっきの店で新たにアイス買って来て。」
「…へいへい。それで機嫌が良くなるなら良いですよ。」
「それから食べさせて。」
「………はい?」
え? カスミさん?
「…ねぇカスミ、隠れて何をしてるの?」
「私とセレナで仲良くしてる間に抜け駆けは良くないよカスミ?」
セレナとリーフがカスミの肩をそれぞれ持ち、圧のかかった笑顔をしていた。
てか、さっきの『仲良く』してたんだ…。
女の子ってマジで分からん。
…やはりアニメや漫画での女の子達の心象描写はアテにならねぇ!
現実は何て難しいんだ…!
まぁだから俺は生前、彼女いない=年齢だったし。
大学卒業してからは友達と関わらなくなった………あれ、脱線してる?
「サトシくんも罪な子ねぇー。」
「…ブルーさん、お願いがあります。
この事態を収集の仕方をお教え下さい。」
「うーん………お姉さんも、リーフちゃん達と同じにしたいのかな?」
え? どうしてこうなるの?
ブルーさん、俺を揶揄って楽しんでません?
「…サトシくん、お姉ちゃんに粉かけてるの?」
「サトシ、あんたは大人しくしてなさい。」
「お願いだから、ジッとしててね? サトシ。」
…お願いだ。ティア、タケシ…!
怖いリーフ、カスミ、セレナをどうにか…!!
そう思った瞬間に…ポケナビにメールが入る。
そこにはタケシからヘルプのサインが記されていた。
「タケシからのヘルプのコールだ!
俺は助けに向かう…!!」
サッと偽サトシはこの場から逃げる様に一早く離脱する。
・偽サトシのオシャレ回でした(笑)。
劇場版ボルケニオンでの格好も手にした大した事のないちょっとした話から…後半からは修羅場回へと移行しました(笑)。
いやー…めっちゃ難しい。
リーフやセレナのキャラが少々変わったりしましたが、まぁ恋のライバルとしては仲良く(?)はなりました。