発光様
高評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
それから誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。
そして今回から前書きストーリーの新シリーズ。
『偽サトシのポケモン達の日々』をお届けします。
それでは…どうぞ!
オーキド庭には沢山のトレーナーのポケモンが集っている。
主にいるのはカントー出身のポケモントレーナーとオーキド博士と交友のあるポケモン達。
庭には草原、山の一部、川…といった様々なエリアで生活し、その一部に偽サトシのポケモン達はいた。
オーキド庭の一部には偽サトシ達が修行に使ったバトルエリアがある。
そこで偽サトシのポケモン達が集い…互いに技をぶつけ合い、切磋琢磨していた。
朝の午前からお昼までと昼休憩午後から日が落ちるまで、全員が積極的に己を磨いていた。
『試合終了〜!
この度のポケモンコンテスト:コガネ大会を制したのは、セレナ選手です!』
見事、コガネシティのコンテストリボンをゲットしたセレナ。
戦った相手はゴローニャのコーディネーターとオオタチのコーディネーター。
セレナは第1審査をテールナーで挑み、第2審査は二試合共ヤンチャムで挑み、見事優勝を果たした。
「…所で、サトシくん。
サトシくんって、どんな女の子がタイプ?」
ブルーさんが当然、凄いドストレートに爆弾発言をして、俺は飲んでいたジュースを吹き出してしまった。
「ゴホッ、ゴホッ!!
………なんちゅう事を聞いてくるんッスか、ブルーさん。」
…ともあれ、ちょっと反応に困る質問に対して俺は何とかして流そうとしたが、周りはジッと注目してくる(主に女性陣)。
こ、ここは………申し訳無いが───
「…特に考えた事は無いですかね。
ほら、みんなには既に言ってると思うけど、俺ってひねくれ者じゃん?
一応男の子だもんだから、ある程度は反応するけど…実際は、ねぇ…。」
「初耳だが? 別にそうとは思えないけどな。」
「そう?」
割と態度で出てない? そうでも無い?
「うん。サトシくんはそんな感じじゃないよ。
どっちかと言うと、何事も真っ直ぐな人だね。」
「そうそう。リーフの言う通りね。
加えて優しいって、私は思う。」
「リーフもセレナも…俺を過大評価しすぎてない?
本当に優しくて真っ直ぐな人間なら…嫌な奴でも、悪口なんて言わない。」
「でもそれって普通じゃない?」
まぁそうだけどさ。
「私も割と普通だと思うわよ?
最近の子ってチヤホヤされてる事が多いから変にプライドが出来て、自分が誰よりも上だって誇張するのが多いと思うのよねー。」
「ああ、確かにそうっすね。」
後は民度の悪いマサラ民やクロスの様に純粋に終わってる連中も多い印象だ。
俺の記憶では、初期無印の頃やイッシュ地方のトレーナーやモブがかなりアクが強い印象がある。
「リーフちゃんや皆は割と受け入れてるけど、サトシくんとはあまり関わりが無かった私としては結構印象が変わったわね。」
「うっ、どのくらい悪くなりました…?」
「逆逆。好印象よ。
キミみたいな子は少ないからおねーさんポイント高いわよ?」
あ、良かった(ホッ)。
「所で、気になる事が一つあったのよねぇ。
『面が良くても中身が残念ならそこまで───』
って、結構気になる事があったのよねぇ。
…で? サトシくんの好みの女性ってどんな感じなの?」
おっほぉい………さっきのが適当だったバレてたか(汗)。
「…あの、結構恥ずい状況なんすけど。」
「良いから良いからぁ。
こういうのって、聞いておいた方がこっちとしては楽なのよ。
ほら、キミは割と周りに合わせる気遣いの上手い子だから、私達も割と合わせたいのよねぇ。
あっ、私は恋愛的に見てる訳じゃ無いわよ?
おねーさんの好みは歳近いのが良いから。」
あー…成程?
そういう事ならぁ…分からなくも無いか?
にしても好みかぁ…ぶっちゃけ、サトシくんの偽りである自分としてはモテる要素とか可愛げとか皆無だし…あんま意識した事なかったな。
ぶっちゃけ、男なら可愛い子なら誰でもOKな所があるからなぁ(あくまでも個人的な偏見)、俺もそっち側だし。
うーん………そうだなぁ───
「ぶっちゃけると、外見が良くて…強いていうなら、揺るがない人間性…ですかね。
今はそれ以外に特に思い当たらないです。」
「えーっと…つまり、美人で真っ直ぐな女の子?」
「そんな感じになるんですかね。
まっ、偉そうな事を言えない身分ですけどね。
俺、
そう…この肉体、この姿は本来サトシくんのものだからな。
今では多少は自分がサトシだとは自覚してるものの…やはりまだ完全とはいかない。
何より、今の自分は『サトシ』であるからこの人間性になってるが、生前の自分は今の自分とは全く異なる人間だったからだ。
「…ほほう? それはどうして?」
「…自分のこの外見に自信が無いってのもあるけど、何より自分自身という中身が残念だって思うんです。
みんなは好印象みたいだけど…上手く詳細を伝えられないんですけど、俺は自分が好きになれないんっすよ。」
偽サトシの言葉にブルー以外は言葉を失っていた。
まさか、偽サトシがその様な考えを持っているとは思わなかったからだ。
「ポケモンマスター、それが俺の夢です。
───多くのポケモンと友達になって、バトルが強く、カッコよくて優しい…そう言う理想像を求めているからそれを目指してるんです。」
「………ふーん。そうなのねぇ。」
ブルーの偽サトシの印象は更に上がった。
自分に違う様で近い性質を持った人間だったからだ。
セレナは偽サトシへの愛が強く、重くなった。
前々から自分を過小評価していたけど、まさか自分自身の事が嫌いとは思いもやらなかったからだ。
それでも…偽サトシへの恋心は揺るがない。
リーフとカスミは偽サトシの一面を知って、まさかここまで自分嫌いとは思わなくて少し動揺する。
しかし、それでもリーフはそんな偽サトシに近づきたいと思った。
タケシの偽サトシへの人物像が少し変わった。
元々自分よりも周りを気遣う一面があるのは重々理解していたが…まさか自分嫌いとは思わなかったからだ。
それでも、そんな偽サトシを良い方に導こうとタケシ…それとカスミは思った。
「………あー、変な空気にしちゃったや。
えーっと、まぁ、俺は外見も中身もまだまだだから磨かないといけない。
そういった意味で
「成程ねー。キミは見た目と中身、両方を重視している訳ね。」
「割と世の中ったらそういうもんじゃないです?
男も女も、見た目と中身が肝心。
片方が良くても、片方が疎かじゃあダメなもんはダメって事です。」
「うんうん。
おねーさんポイント上がったわよ、サトシくん。」
お? ブルーさんの好感度が上がったのかな?
それは嬉しいんだけど…ブルーさん以外がしんみりしてるや。
俺のせいなんだけどさ。
「サトシくんが私と歳が近ければねぇー?」
何を思ったのか、ブルーさんは悪戯をする様な顔をしてそう呟くと…。
「サトシくん? お姉ちゃんに何をしてるの?」
「…何もしておりませぬが…?」
リーフがハイライトが消えた瞳をした真顔で圧をかけ。
「あんた、揺るがない人間性とかカッコつけてたけど、本当はただ美人な人が良いんじゃないの?」
「…そんな事は無いであります…。」
カスミもまたハイライトの消えた瞳で冷たく圧をかけ。
「サトシ? ブルーさんみたいな美人な人に迷惑かけないでって言ってるしでしょ?」
「…かけてないもん。僕何もしてないんだもん。」
セレナも2人同様ハイライトの消えた瞳で見つめながら圧をかけ。
偽サトシは…何故3人にこうも怖い目に遭わされるんだと、悩み苦しむのだった。
「何だかんだ、いつもの雰囲気になったな。」
タケシはそう呟いた。
翌日、シルフカンパニー創立記念日という事らしく、ヤマブキシティとコガネシティでイベントが行われ、リーフとブルーさんはここコガネ担当で、ヤマブキでは親父さんと社長さんのお祖父さんが担当してるらしい。
長いスピーチなどが終わり、休憩時に裏方に大勢の人やテレビなどの対応でお疲れ状態のリーフとブルーがやって来た。
「はい、お疲れさん。」
「ありがとう、サトシくん…。
すぅぅぅぅ………はぁぁぁぁ…。
分かってはいたけど、大勢の人の前で長いスピーチや質問の対応とかぁ…もう疲れたぁ…。」
「リーフちゃんは初めてだから余計に使われるわよねぇ。
あー、これでもまだ半分しか終わってないのよねぇ…。」
「まじですか。り、リーフ…。」
「………あ、あはははは……午後からはラジオ塔でイベント番組に出るんだよねぇ…。
そこでまた山のような質問攻めが待ってるんだぁ…。」
「加えると、質問トークとかもあるから喋りまくるわよぉ?」
「……………」
リーフの瞳から光が消えていた。
昨日の事もあるし…リーフってこういう体質なんだろうなぁ。
「俺等なりに手伝える事があれば手伝うから…。」
「あっ、それならサトシくんもスペシャルゲストで出てみるぅ?
サトシくんは今や世界中…カントーとジョウトでは特に伝説のポケモンを倒したっていうトークでリーフちゃんの代わりに体を張れるわよぉ?
…ただ、質問攻めで疲れるだろうけど。」
「…リーフさん、頑張ってくだせぇ。」
「ふぇぇぇ…。」
リーフさん頑張れ。
俺に出来ることは…何も無いようだ。
『…こちら、アポロ。
シルフカンパニー本社の突入準備完了。
ヤマブキシティのリニア駅も爆弾設置完了。』
『…こちら、アテナ。
こちらも、ラジオ塔の突入準備完了。
コガネシティのリニア駅も爆弾設置を完了。』
『…よし。ではこれより。
───オペレーション『M1』を開始する!!』
ヤマブキシティ、コガネシティに魔の手が襲う。
悪の組織…ポケモンマフィア:ロケット団『
「………なんか、変な空気になったな。」
ベンチに座ってる偽サトシが嫌な予感が襲い、表情が強張る。
「え? もしかして、変な香りがする?」
「いや、セレナからは良い香りがするよ。」
「へ? あ、なら良かったぁ…(ホッ)。」
「またあんたは………どうしたの?」
「サトシのこの感じ…まさか、何か感じたのか?」
「ああ、午前中には全く感じなかった…嫌な感じが───」
その瞬間───爆発音が発生する。
突然の爆発に、コガネシティにいる者達の二つの悲鳴に覆われる。
一つ目は、突然の爆発にパニックになる悲鳴。
二つ目は───何者かに襲われ、助けを求める悲鳴だ。
「な、何が起きたの…?」
俺達は逃げる人達の中から事情を聞く為に声をかける。
「何があったんですか?」
「さっきリニア駅で爆発が起きたんだ!!
しかも、そこから大勢のロケット団が襲いかかって来たんだ!!」
「…!? ロケット団だって!?」
ロケット団の襲撃、だと…!?
少なくてもアニポケには無かった出来事だ。
…ゲームでは一応あったが、アレは確か行方不明のサカキを求めてのテロだったが…。
「…リニア駅って、確かラジオ塔の隣にあったよな!?」
「ああ! リーフとブルーさんが巻き込まれてるかもしれない!」
「急いで向かいましょ!」
「そうよね!」
偽サトシ達は急いで爆発が起きただろうリニア駅とラジオ塔に向けて駆け出す。
その最中にて…大勢のロケット団が民間人や観光客といったこのコガネシティにいる人々を無差別に襲っていた。
「やれ、ラッタ! 《かみくだく》!」
「派手にだサイホーン! 《とっしん》!」
「ヒャッハー! ドガース、《じばく》!」
ロケット団のポケモン達が多くの人を傷つけ、建物は壊されていく。
「これ以上はさせへんでぇ!
ミルタンク! 《まるくなる》からの《ころがる》や!」
アカネのミルタンクが強化された《ころがる》でロケット団のポケモン達を一掃する。
「コガネシティのジムリーダーとして、これ以上の悪事は許さへんで!」
「おいおい、中々の上物の姉ちゃんが来たぜ?」
「へっ、その泣き面を拝ませて貰おうじゃねぇか!」
「やっちまうぞ、ゴラァア!」
ロケット団は新たにポケモンを繰り出して襲撃して来る。
「そのレベルじゃ、ウチのミルタンクは負けへんで!」
再び強化された《ころがる》で迎撃し返す。
…だが、迎撃しても次から次へと新たなポケモン達が襲いかかる。
やがて他のロケット団員のポケモン達も現れ、数は増える一方だった。
「「「「ドガース、《じばく》!」」」」
4匹のドガースによる《じばく》がミルタンクを襲う。
ミルタンクとドガースとのレベルと実力の差があれど、強力な自爆技による連続攻撃がミルタンクに大ダメージとなり…倒れはしなかったが、戦闘続行不可能状態となってしまう。
「ミルタンク! 戻ってや!」
アカネは一目散にミルタンクをボールに戻す───と、途端に次のポケモンを出そうとしたアカネをロケット団員の1人が後ろから抑える。
「おうおう、随分と可愛い顔してやがんなぁジムリーダーさんよぉ。」
「は、離してや!」
「手を焼いた分、たっぷりと───」
「させるかよ、ボケ共!」
偽サトシがアカネを囲うロケット団員を喧嘩殺法で一瞬で片付ける。
「無事ですか、アカネさん。」
「サトシくん! ありがとう! 助かったで!」
いやー良かった良かった。
なーんか、危ない雰囲気を感じ取ったから向かって良かったぜ。
じゃなかったら、アカネちゃんがガラの悪いロケット団にとんでもないです仕打ちを受ける所だった。
…にしても、こいつ等何処かで見た覚えのある連中だなぁ。
「うぐっ…こ、この痛みは…!
あっ、こ、こいつは…!
あの時のマサラタウンのサトシ!
オレンジ諸島での恨み…晴らさせてもらう!」
と、倒れていたロケット団員が立ち上がり、複数人で襲い掛かろうとする。
「ああ、なんか覚えのある様な気がしたら…ボンタン島のチンピラ共か。」
「そうだ! あの時は無惨にも敗北したが!
今回こっちにはあの時以上の数に加え、武器があるんだからな!」
あの時のチンピラ…いつの間にかロケット団になっていたのか。
何人かがあの時の連中か。
大勢のロケット団員が鉄パイプや斧といった凶器を持って襲いかかる…が、相手がスーパーマサラ人:偽サトシなのが悪かった。
偽サトシはワイヤーを『波導』の力を込める事で変幻自在に操り、凶器を粉々にして一網打尽に纏め上げると、そのままコンクリートの地面に埋め立てる。
「何や凄いなぁサトシくん。
………けど、大丈夫なん? この人達?」
「ご心配無用。
死なない様にしつつ、衝撃で気絶してるだけです。
ワイヤーで拘束してありますし、逃げられませんよ。」
フッ、これがポケモン達を育ててる合間に会得した対悪党特攻手段だ。
『波導』の力で上手い具合にこいつ等の体を死なない程度に調整し、その後容赦ない一撃をお見舞いして衝撃を逃さないように内部に響かせて完全にKOする…完璧だな(キリッ)。
「まるでマジシャンみたいやなぁ。」
「…いや、マジシャンとかの域を逸脱してるわよ(呆れ)。」
「まぁまぁ、これで大怪我せずに完全無力化出来るなら良いじゃないか。」
「そうよカスミ。
それにしても、流石サト───まだロケット団が来てる!」
やれやれだぜ…数だけは無駄に多いんだな。
今度は『蒼』の引力で一片に集めて…空中で爆散させて一掃する。
「気をつけろ! あそこの連中只者じゃないぞ!
ポケモンで一気に片付けろ!!」
と、ぞろぞろと他の所で暴れていたロケット団員がポケモンを出して襲いかかってくる。
「キリがねぇな。
早くラジオ塔に向かわねぇと行けないのに…!」
「…なら、ここは俺が引き受けよう。」
タケシは…色違いイワーク、バンギラスを繰り出して襲いかかるロケット団のポケモン達を返り討ちにする。
「タケシ!」
「ここは、俺が相手になる!」
「うっー!!」
ティアもタケシと共に元のラティアスになって戦う様子を見せた。
「お前は一刻も早くリーフとブルーさんの元へ向かえ、サトシ!
なぁに、ティアに関しても任せておけ!
それからセレナ、カスミ! サトシを頼む!
アカネさんも、そっちをお願いします!」
「ジムリーダーだとぉ…?
こいつまさか、ランスを倒したっていう奴じゃないか!?」
「へへっ、そりゃあ良い。
俺が倒して幹部に昇進してやるぜ!」
「何言ってるんだい、アタイだよ!」
「…という訳で、向こうがこっちに意識を向いてる隙に!」
「ああ、頼む!」
と、ここはタケシに任せて俺達はラジオ塔に向かうのだった。
・前半は偽サトシの事を知る回だった。
いつもの見知った外側の偽サトシでは無く、見せない内側の偽サトシを知ったセレナ、カスミ、タケシ、リーフ、ブルー。
セレナはそれでも揺るがない愛を。
カスミは自分に自信が持てるように。
タケシは自分嫌いから変えようと。
リーフは近づきたいと思った。
ブルーはますます偽サトシへの興味が湧いた。
※この度は大変申し訳ございませんでした(土下座)。
ジョウト編に入ってから、面白くない話・不快になる話など…【俺、サトシになってました(笑)】を読んでくれてくださる方々にご迷惑をお掛けして、誠に申し訳ございませんでした。
本来の『#121』は削除させていただきました。
その詫びとして、『#122』から『#121』として投稿させていただきます。
詳しい事は活動報告で少し詳細を触れていますので、ご確認をお願い致します。