今回の話は少し難しかった。
推しが尊い3世様
オデッセイ様、しずり様、シロマサ様
高評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
それから誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。
タマムシでの小さな大会を終え、俺達はプラターヌ博士と助手のアランと夜ご飯を共にしていた。
「遠慮しないで好きなのを注文しておくれ。」
紳士な博士のお言葉に甘えて、俺とカスミは目をキラキラとさせながら食べたい物を注文していた。
「しかし驚いたなぁ。
まさか、サトシがカロス地方のポケモン博士と面識があったとはなぁ。
いや、ケロマツが手持ちにいたからある意味当然か。」
「僕とサトシくんの付き合いはサマーキャンプ最終日…カロス地方に帰る日に、ケロマツがサトシくんから離れなかった時ぐらいだったけどね。
けど、これは実にエレガントな出会いだ。
何せ、こうして久々に仕事で来たカントーで、ポケモントレーナーとなったサトシくんに出会えたのだからね!」
俺はプラターヌ博士は昔と変わらないなぁと笑った。
「へぇ…ケロマツとはその時にねぇ…。
あ、あの! プラターヌ博士!
ケロマツは今、博士の手元にいるんですか!?
もしいるんでしたら、いずれみずポケモンマスターになる私に下さい!」
「あはは…申し訳ない。
今回、僕とアランがカントーに来たのは博士同士の学会が偶々タマムシであったからで、ケロマツは連れて来てないんだ。」
プラターヌ博士は申し訳無さそうにし、カスミはショックを受けていた。
「それで、サトシくんは順調にバッジを手にしているかい?
ケロマツは元気にしているかな?」
「はい。バッジは現在3つで、ここには4つ目を取りに来ました。
ケロマツは…出てきてくれ。」
俺はゲコガシラを出した。
「おお! マーベラス!
遂にゲコガシラに進化したんだね!
嬉しいなぁ…あの頃のキミが今はこうして、信頼できるトレーナーと共に成長し、進化まで果たした。
嬉しくて、つい涙が出てしまいそうだよ。」
「…博士。彼のゲコガシラに…何かあったのですか?」
気になったアランがプラターヌ博士に事情を聞く。
そして、プラターヌ博士はカロスにいた頃のケロマツの話をする。
その話はサトシくんのケロマツなので、同じ内容だった。
「へぇ…そんな事があったんだぁ。」
「あぁ。けど、もうその心配は無い。
そうだろう? ゲコガシラ。」
『ゲコッ!』
ゲコガシラは笑いながら軽く手を上げて返事を返した。
「うんうん。良い調子だねぇ。
そうだ……サトシくん、キミと同じ頃に出発したセレナちゃんとは連絡を取っているのかな?」
「あー…その事なのですが…。」
俺はポケナビが壊れた事を話した。
「そうだったのかぁ…。」
「? 博士、セレナに…何かあったんですか?」
「……実はね、今彼女はスランプ状態になっているんだ。」
博士の話によると、セレナは友達と共にトライポカロンに参加したらしい。
恐らく、その友達というのはサナの事だろう。
出場はしたものの、アニポケと同じ展開となり、セレナ自身は友達達によって励ましを受けて大丈夫そうだが…フォッコはバトルも演技も出来ない状態になってしまっているらしい。
「…そうなのですね。」
「ああ。彼女の友達達から連絡を受けてね。
どうにか上手く解決出来ないかと、少し考えていたんだ。」
「………博士、セレナと通話は出来ますか?」
俺がそう問うと、博士は頷いた。
『………もしもし、プラターヌ博士?』
「あ、繋がった。もしもし、俺だよセレナ。」
『!? も、もしかしてサトシ!?』
「おう。こうして口で会話をするのは久しぶりだな!」
『ちょっ、ちょっと待ってて!
お、おめかししてくる…!』
「落ち着けってセレナ。
これは通話だから…顔とかは見えないよ?」
そう。残念ながら、今は顔を見ながらの通話は出来ない。
ここカントー内での通信では顔を見ながらの通話が可能だが、海外にあたるカロスとの距離は遠くて出来ない。
何故だって思うかもしれないが、出来ないものは出来ないのである。
『そ、それもそうね!
………げ、元気にしていた?』
「ああ。俺は元気だよ。
……おふくろから話は聞いている?」
『………うん。大変な目に遭ったんだね。』
セレナの声が少し暗くなる。
どうやらおふくろから全てを聞いたらしいな。
「大変だったけどさ。
俺はこうして元気に生きているから大丈夫だよ。
ポケナビは壊れて今は無いけど、早い内に買い直すから待っててくれな。」
『うん。』
「………プラターヌ博士から事情は聞いた。」
『え?』
「頑張ってるみたいだな。」
『………ううん。私なんて、まだまだ…。』
「そんな事は無いさ。
……と言っても、説得力ねぇよな…。」
『う、ううん! そんな事無いよ!
サトシが私の事を気にしてくれただけでも嬉しいから!』
「そりゃ当たり前だ。
───セレナの様な美少女に落ち込む姿なんて似合わないからな!」
『美…!?』
セレナが戸惑った反応を示した事で、俺は正気になって爆弾発言した事に気づいた。
「えっ、あ……ご、ごめん…!
へ、変な事を言っちまった…かな?」
『そ、そそそ、そんな事は無いよ!?』
「へ、あ、そ、そう…か?」
ヤベェ……ヤベェよ……。
思わず本音を言っちまったんよ…!
あー…顔が熱い…体が熱い…!
……な、なんとか…して、話題を変えないと!
「そ、そうだ! セレナはカロスでの旅を終えたらどうするんだ?」
『え? あ……ううん、特には無い、かな?』
「そ、そうなのか……だ、だったらさ…。
そのぉ……次はさ、一緒に別の地方を冒険しないか?」
このままだとセレナに迷惑をかけた挙句、変なイメージを持たれたままとなる。
それは避けねばならない…!
俺はサトシくん(XY)の様なイケメンじゃないから、少しでも悪い所が漏れてしまったら終わりなんだ…!
早く悪いイメージを撤廃しなければ…嫌われてしまう!!
『………は…はいっ…!
ぜ、絶対よ? サトシが誘ってくれたんだからね!』
「え? あ、うん…勿論だが?」
『私! その時までに頑張ってスランプ克服してみせるからね!』
なんだかよく分からないが、一先ず元気になった様だ。
俺なーんにもやってないのだが……気にしすぎたか?
いや、そんなのはどうだっていい。
セレナが元気になった…それで良いじゃないか。
「あ、そうだ。最後に一つだけ。
セレナはフォッコ以外にポケモンはいるか?」
『え? ううん、いないよ?』
「なら次の目標は仲間を増やす事だ。
セレナの友達のポケモン達以外の…セレナのポケモンを捕まえよう。
そしたら、何か変わるかもしれない。」
『フォッコ以外のポケモン……うん、頑張ってみる!』
「ああ。その意気だ。
少しずつで良いんだよ。
最初から大きな夢を持たない事に危機感を抱かなくていい。
少しずつ…自分が出来る事をしていけばいいんだ。
その積み重ねが、やがて大きな事に繋がる。
そしたら、自然と自分がこうしたい、こうなりたいと願う様になれる筈さ。」
『…!! うん!!』
声だけだが、セレナに自信がついた様な気がする。
それが分かっただけでも御の字だ。
「さぁ、フォッコやセレナの友達にもう大丈夫だって教えてやろう。
セレナの元気な姿を見れば、皆んなも安心する。」
『うん。ありがとう…サトシ。
私の……。』
セレナは最後に何か言いかけた所で、電源が切れてしまった。
「…え? 何て言いかけたの?
うん? あ、あれ……電源が付かない?」
俺は通信していた小型パソコンを弄るが、反応が無かった。
「あり? もしかして俺……何かしでかした?」
「……いや。長い事通話していたから、バッテリー切れをしてしまった様だ。」
「え? そうだったのか───って、アランさん!?」
振り返ると、アランがやって来た。
「すいません! 勝手に使いすぎちゃって!」
「いや、大丈夫さ。
それよりも、セレナって子は大丈夫そうか?」
「はい、多分…って、あれ?
アランさんはセレナ達とは面識は無い感じですか?」
「ああ。彼女達に同伴しているカルムっていう少年とは面識があるが、それ以外は面識が無いんだ。」
…カルム?
そんな奴、アランと接点あったっけ?
てか…そもそもアニポケに出ていたっけ?
…後、なんか変な違和感も感じるが…。
「それよりも…キミは凄いな。」
「何が、ですか?」
「キミのバトルを見させて貰った。
あんなに楽しそうに、ポケモンバトルをするんだな。」
「ええ、そりゃあ…俺のポケモン達は俺の家族で、ヒーローですから。
そのヒーロー達が活躍し、勝つと嬉しいな決まってるじゃないですか!」
「ヒーローか……その発想は無かったな。
だが、それだけでキミのポケモン達はあんなにも凄い事を出来るのか?」
「凄い、事?」
なんだろう…沢山ありすぎて分かんないぜ!
「覚えている技だよ。
本来、ヒトカゲが《がんせきふうじ》や《かみなりパンチ》を覚えるのにわざマシンを使うのが殆どだが…失礼ながら、キミが高額なわざマシンを沢山持っている様には見えないからな。」
「え? ああ…《がんせきふうじ》は元ジムリーダーのタケシとのバトルから習得出来て、《かみなりパンチ》は今は手持ちにはいないけど、エレブーから教わってある程度形にしたんだ。」
「…」
アランは俺の話を聞いて、顎に手にやり始めた。
「………だとしても凄いな。
キミを見ていると、博士の助手をしていたい気持ちがありつつも、トレーナーとして頑張りたいと思う気持ちが強くなったよ。」
アランはボールを取り出し…ボールからヒトカゲを出した。
「勿論、俺だけで無く、俺のヒトカゲもやる気満々になった。
キミは、キミ達は人を惹きつける才能があるんだろうな。」
「そう、ですかね?」
「…敬語はいい。これからは対等に接して欲しい。」
アランはそう言って俺に対等の握手を求めて来た。
俺はその握手に自然と応じるのであった。
その後、俺達は互いに語り合うのであった。
「ふふ、アランはサトシくんの影響を受け、一歩成長していってる様だね。」
アランとサトシの会話を遠くから見ているプラターヌは嬉しそうにしていた。
「…サトシは人やポケモンを惹きつける、不思議な奴ですからね。」
「成程。キミ達も彼の影響を受けて彼と共に歩んでいるんだね。」
プラターヌはタケシとカスミを交互に見始める。
「まぁ、そうですね。
俺の場合、偶然オヤジが帰って来て、なりたかったブリーダーへの道を歩める様になり、前まではあまり好かなかったバトルも、サトシの影響で悪くないと思う様になりました。」
「アタシは……最初、サトシというより、サトシのケロマツやアシマリといったこのカントーには見ないポケモンに惹かれて一緒に着いて来ていたんです。
でも…今は違う。
アイツを通して、みずタイプポケモンマスターになるって夢を掴み取る為に、一緒に強くなる為にアイツと共に旅に出ているんです。」
タケシとカスミはそれぞれが偽サトシに付いて行ってる理由を明かす。
「もっと言うなら、ポケモンマスターという夢を追いかけるアイツの道行を近くで見ていたいという気持ちもありますがね。
アイツと一緒に旅をしていて、ポケモンとトレーナーのそれぞれのあり方を改めて考えさせられます。」
そう…偽サトシの手持ちのポケモン達の多くが、トレーナーによって心に傷を負ったポケモン達ばかり。
フシギダネ、ゼニガメ、ヒトカゲ、エレブー。
この4匹はトレーナーに捨てられて、深く傷ついたポケモン達。
フシギダネとゼニガメはどういった経緯かは知らないが、2人はそれぞれ最初は人間であるサトシ達を憎んでいる様に睨んでいた。
しかし、そんな2人はサトシを見て着いて行きたいと思い、再びトレーナーのポケモンになった。
ヒトカゲとエレブーは目の前で人間によって見限られ、捨てられたポケモンだった。
人に裏切られて心に深い傷を負ったばかりだったが、サトシの救いの手に戸惑いこそあれど、サトシの手を取り、今では自信を持ってサトシのポケモンとしている。
元々サトシと共にいたケロマツ、ニャビー、モクロー、アシマリはサトシと長く苦楽を共にしてサトシに絶対的な信頼と愛情を抱いている。
そのあり方はそこいらのポケモンとトレーナー達とでは比べ物にならないものである。
タケシとカスミはそんな偽サトシのポケモンへの愛情を間近で見て、自分達も偽サトシの様になりたいと思ったのである。
「成程…サトシくん、キミは実に素晴らしいトレーナーだ。
そんなキミに出会え、ケロマツを託せて心から良かったと、改めて思ったよ。」
プラターヌは遠くから偽サトシを見て微笑んだ。
───カロス地方。
「あ、セレナ! 良かった、元気が出たみたいね!
………それは喜ばしいけど、何かあったの?」
「え!? あ、うん。
さっきプラターヌ博士から連絡が来て、何かなって対応したら……彼と久々に話をしたの。」
と、セレナは頬に両手を当て、嬉しさを隠そうとしているが…彼女の幸せオーラが全く隠せないでいた。
「……はっはーん。
例の彼…サトシって子にねぇ?」
幸せオーラを放出し続けるセレナをやや呆れながらも、元気になった姿を見るセレナの幼馴染。
茶色いクアドラプルテールの髪型の少女…サナは安堵の笑みを浮かべるのであった。
・セレナを頑張って励ました(好感度を爆上げした)。
偽サトシくん自身はセレナの自身の印象を改善しようと考えた末の行動だが、セレナには別の意味で効果抜群だった。
これにより、セレナのサトシへの印象は『憧れの人』から『白馬の王子様』にグレードアップしたよ(笑)
・タケシとカスミの偽サトシへの評価。
普段一緒にいる2人が偽サトシを通してどう思っているのかをザックリとですが少し明るめになりました。
タケシは自分の理想とするブリーダーが偽サトシの様なものだと思い、カスミは偽サトシに出会う前までの如何に自分が恥ずかしかったかと思った。
2人は偽サトシと共に歩んで、それぞれ成長しようと試みていている。
・次回こそ4つ目のジム戦をします。
ストーリーを早く進めないと……やりたい事が出来ないので…。