俺、サトシになってました(笑)   作:黒ソニア

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赫夜叉様
高評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
それから誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。




第29節:『地道に努力』

 

 

 

『第66話:俺はお前のトレーナーだからな!』

 

 

 

アニオリの街で強力なサトシくんのベトベトンをゲットした。

……ゲットしたのは良いが…。

 

 

「に、臭いがキツイ…早く何とかしなければ…。」

 

 

ベトベトンの『あくしゅう』は凄まじく、モンスターボール越しからでも悪臭が放っていた。

 

今俺はポケモンセンターの外にいる。

ポケセン内ではタケシやカスミ…そして、中にいるトレーナーやジョーイさんが臭そうにしていたので、俺は悪臭が消えるまでコイツと一緒に野宿をする事となった。

因みに、ここのジョーイさんは他のジョーイさんの中でも個性的というか、アッサリしているのか…「助けて貰ったのは嬉しいけど、臭いのは何とかしてね?」とシッシッと外に行けと合図された。

 

気持ちは分からんでも無いけど、態度悪くね?

まぁ、俺は許すけど。

 

タケシとカスミは一緒に何とかしようかと言ってくれたが、ここは俺が自分で解決しないといけない。

2人には俺のポケモン達を面倒を見てもらう様にして貰った。

 

俺のポケモン達も、激臭のあまり距離を取っていたからな。

まぁ、こればかりはしょうがない。

 

因みに…ベトベトンをゲットした事で誰かを転送しないといけなかったが、オシャマリをおふくろの元へと送った。

理由はオシャマリは臭いが凄くても俺にくっついていたが、進化したらフェアリータイプがつく故なのか、ベトベトンの悪臭に気絶してしまったので、一声かけておふくろの元へと転送した。

オシャマリには悪いが、これを機に俺の元から離れる訓練をして貰おう。

 

しかし、1人だけでは寂しいだろうからニャヒートも送り、フシギダネを転送して貰った。

モクローにはそろそろ進化して欲しいから、残って頑張って貰おう。

これにより、今の俺の手持ちはゲコガシラ、モクロー、フシギダネ、エレブー、オコリザルにベトベトンの6匹となった。

 

さてさて…そろそろベトベトンをボールから出すか。

 

ベトベトンをボールから出すと、ベトベトンはまだ反抗的であり、俺に《のしかかり》をしてきた。

 

うごっ! こ、これは…キツイな…!

けど………コイツはコイツで俺を試そうとしているな?

現に全力では無く手加減をしてくれている。

 

何か思う所があるのだろうか。

俺は《のしかかり》を受けながら、ベトベトンを相手に気合を入れて持ち上げて動き回る。

ポケモンと共に触れ合い、じゃれ合い、遊ぶ。

これがこの世界でポケモンと仲を深めるのに重要な事だと理解しているので、先ずはこうした事からしていく。

 

ベトベトンもまさか自分とこうも相手してくれている事に戸惑いを見せていた。

 

そしていると…他のトレーナーがやって来て、俺とベトベトンを見るや否や嫌な顔をしてきた。

 

しまいには…。

 

 

「あんなポケモンをゲットするトレーナーがいるなんてな。」

 

 

と、俺のベトベトンを侮辱してきた。

ほんっと……見た目がアレだからってあーだこーだと陰口をしてくる奴が多いよな。

そう言うのって自分がされたら滅茶苦茶キレるのに…何で自分がされたら嫌な事を他人にするのか、俺には理解できなかった。

 

ベトベトンは文句を言いたげだったが、「あんなのは無視すればいい。」と告げ、俺はベトベトンをよしよしと撫でる。

 

俺の行動に更に戸惑うベトベトン。

ベトベトンは《のしかかり》を止め、俺に向き合って何かを訴えて来る。

 

 

「もしかして、何で自分なんかに優しくするって言ってるのか?」

 

『ベト。(※頷く)』

 

「そりゃ、お前はもう俺のポケモンだからだ。

今までは野生だったから大変だったろうが、お前はもう俺の仲間なんだ。

だから優しく接する。

ただ当たり前の事だぞ?」

 

『…』

 

 

ベトベトンは唖然としていた。

恐らく予想外だったのだろう。

ハッキリと言うのも嫌な話だが、悪臭や見た目が気味悪い姿をしているから今まで人や他のポケモンから気味悪がれていたのだろう。

 

けどな……俺はアニポケでのお前を知ってるんだ。

人に慣れたお前は、可愛いってな!

 

 

「だから俺はお前の悪臭が制御できるまで一緒にいてやる!

取り敢えず、何とかして抑える方法を模索するぞ!」

 

 

と、色々と考えたり行動して………夕暮れになってしまった。

 

 

「んー……中々消えきれんなぁ。」

 

『ベトォ…。』

 

「ん? そんな暗い顔をするな。

俺は平気だよ。

寧ろ、お前は良くやってるよ。

現に少しは悪臭を抑えれてきてるじゃあないか。」

 

 

そう。事実、色々とやって最初の頃よりも大分抑えきれている。

しかし、あと少しという段階で中々苦戦していたのである。

 

 

「さて……今日はこの辺にして寝るか。」

 

 

俺はベトベトンに寄り添って寝始める。

 

………暫くして、タケシとカスミが心配して駆けつけて来た。

 

 

「サトシ…大丈夫か?」

 

「………ん? タケシにカスミか。

悪い、一声掛けておくべきだった。」

 

「それは良いけど……まだ駄目そう?」

 

「だなぁ。」

 

「………ここまで抑えきれたのなら、俺達でも我慢出来る。

明日からは次の街へ出発しよう。」

 

 

2人は気を遣ってくれているが……俺は中途半端が嫌いなんだ。

ここは意地でも何とかしてみせる───

 

 

『ゲコッ!』

 

 

ゲコガシラが俺の側に駆け寄り、俺とベトベトンと共に一緒に寝始める。

 

へへ……お前は優しいよなぁ。

その上、カッコよくて強い。

俺の自慢の相棒だぜ!

 

俺はそう思いながらゲコガシラを撫でていると、他の俺のポケモン達がやって来て一緒に寝始めた。

 

なんだよも〜〜お前等カッコ良すぎるじゃあねぇか!

 

俺は皆んなを抱きしめる。

 

ああ、ポカポカする……心地良いなぁ〜。

 

俺は自然と寝息を立て始めるのであった。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

翌日。日は昇っていて日差しにより、目が覚める。

 

アレ? 俺、ベットで寝ていなかった筈だが?

 

俺はふと疑問に抱いていると、ベトベトンが『ベトベト〜』と甘えてきた。

 

ははは〜可愛くなったなぁ。

 

と、ベトベトンを撫でていると、俺達はベトベトンにのしかかる形で寝ていた事に気がついた。

どうやら、俺達が寝ている間にベトベトンがその様にしたらしい。

 

 

「ふぁぁああ………あれ? 悪臭が消えてね?」

 

 

そう、悪臭が完全に消えていたのだ。

 

 

「ベトベトン! 遂に悪臭を抑えきれたのか!?」

 

 

俺がそう問うと、ベトベトンは嬉しそうに反応していた。

オマケに悪臭を吸収する能力を得たらしい。

これは恐らく電気を無効にする体質となった由来によるものに似ているだろう。

 

喜ばしい!

 

 

「改めてだ、ベトベトン。

俺と一緒にポケモンマスターを目指そうぜ!」

 

 

俺がそう言うと、ベトベトンは嬉しそうに俺にのしかかって来た。

 

ははは、こやつめ〜。

 

 

ベトベトンが仲間になった。

 

 

 

 

 

『第67話:特訓③』

 

 

 

ベトベトンの悪臭をコントロール出来るようになり、次のジムのある街、セキチクシティに向け旅を再開し、途中で特訓をしている頃。

 

ベトベトンはかなりレベルが高く、皆んなのバトルの相手をしつつ、俺の特訓に慣れてもらっていた。

 

とはいえ、俺のベトベトンはバトルしていた頃から分かっていた事だが、かなり才があり、他のタイプの技を順調に覚えていた。

 

うんうん。俺は嬉しい。

後は俺自身もトレーナーレベルを高めないとなぁ。

 

かつてシゲルやリーフにカッコつけて言ってしまった言葉───

 

 

『トレーナーとは指示を送るだけでならず、心を一つにして戦う。』

 

 

かなり恥ずかしいが、自分の理想とするポケモンマスター像がこんな感じである。

人にそれを口にしたのも、自分の為。

自分がこの様になる為に…忘れない為に告げたのだ。

 

 

「…そして、理想とするそのバトルスタイルを真にモノにするには…。」

 

 

俺は自分のポケモン達の特訓を見ながら…一人一人に感情移入していた。

 

そう、『感情移入』。

自己の感情を、対象の中に投射して、その対象と自己との融合し意識する。

 

俺はこれに着目してみた。

心理的な事は難しい事だが、これが出来るようになれれば俺はトレーナーとして大きく成長出来るのでは無いかと思っている。

 

その為にも。

 

 

「ポケモン達と触れ合う。

そして…バトルにおいてどの様な場面でも落ち着いて対処できる様にする。

知識だ……様々な状況において有効な手段を取れる様にしないとな。

苦手な事から逃げちゃいけない。」

 

 

俺は図鑑を開いて、技の一つ一つを頭に入れていく。

生前はスマホから一々調べていたが、ここはリアル。

一瞬の隙が負けに直結する。

だからこそ、調べずに頭に叩き込む必要がある。

 

俺はそう考え、ポケモン達の様子を見ながら図鑑を見ていると…ゲコガシラが近寄って来て、俺に「思い詰めるな」と言っている様に服の裾を引っ張った。

 

 

「…そうだな。意地を張ってもしょうがないよな。

共に強くなろうぜ。」

 

『ゲコッ!』

 

 

俺とゲコガシラは互いに拳を合わせた。

 

 

 

 

 

『第68話:シオンタウン』

 

 

 

セキチクシティに向かっている最中、シオンタウンに辿り着いた。

ここはゲームとは違い至って普通の街なのだが…FRLGを思い出し、ゲームのBGMが脳内で流れ始めた。

 

 

「おや? 誰かと思えば、サートシくんじゃあないか〜。」

 

「あ、サトシくん!」

 

 

ポケモンセンターに入ると、シゲルとリーフがいた。

 

 

「うっす、リーフ。それからシゲルンルン!」

 

「シゲルだよ! たくっ…キミって奴は…。」

 

「それブーメラン。」

 

 

俺とシゲルとのやり取りをクスクスと笑うリーフ。

 

いやー、まさかこんな所で出会うとはなー。

しかも、シゲルキュンは大分久し振りじゃあねぇか。

 

 

「シゲ………いや、今はいいか。」

 

「ん? なんかあったん?」

 

「実はね…。」

 

 

リーフが事情を説明する。

何でもこの辺りでポケモンが沢山いなくなるという知らせがあり、ジュンサー達が腕の立つトレーナー達に手助けの要請を出して、リーフとシゲルはこの街にやって来たようだ。

 

 

「…へぇ、そんな事が起きているのか。」

 

「やはり、キミは知らなかった様だね。

…という事は、キミはまだバッジを5つも持っていない様だね。」

 

「うん。この前ヤマブキシティのジム戦申し込んだらいないって言われたから、今はセキチクシティに向かっていたんだ。」

 

「…ナツメさん、打倒お姉ちゃんの為に修行してるみたいだもんねぇ。」

 

「彼女は底の知れない人物だったね。」

 

 

2人は既にナツメと戦った事のある様な言い方をしていた。

…が、2人の言葉にそれぞれ言いたい事があるな。

 

 

「え!? リーフにお姉さんがいたの?

てか、打倒って?」

 

「あ、うん。私のお姉ちゃんは以前、前にヤマブキのジムリーダーだった格闘使いの人からヘルプ要請を受けて、ナツメさんをバトルでボッコボコにしてたみたい。」

 

「ぼ、ボコボコ!?」

 

 

情報量が多いが…まぁ、リーフのお姉さんについては少しだけ面識がある。

リーフのお姉さんだけあってスゲェ美人だけど…それこそ底の知れない人だ。

ナツメと因縁がある様だが…同じ底の知れない同士だからこそ、何かしらの因縁みたいなのが出来たのかもしれない。

まぁ、ナツメには会った事ないので分からないが。

 

 

「シゲル…底が知れないと言っていたが、ナツメって人はどんな感じの人だったんだ?」

 

「ん? ああ……なんて言うか、ジムリーダーだけあってかなりの実力を有しているが、僕とのバトルをし終えた時…『おめでとう。まぁ、最近のトレーナーの中では優秀よりね。』…ってね。

彼女とバトルしていた時も彼女が全然本気で戦っていない様な感じがしたかな。」

 

「ふーん…。」

 

 

アニポケのナツメがホラーじみた話だったとか聞いた事があったくらいで全然知らないが…間違い無くアニポケのナツメのキャラとは別人だろうな。

 

 

「まぁそのナツメって人はさ、リーフのお姉さんを打倒にして力を付けてるって話だからさ、レベル指定無しのバトルをしたかった人なんじゃない?

ほら、ジムリーダーはあくまでも見極める立場な人だからさ。」

 

「確かにそう言われれば、そうかもしれないな。

僕の時はバッジ4つ分のレベルだったから殆ど本気でやれなかっただろうね。

……いずれ、彼女と再戦してみるのも面白いかもな。」

 

 

シゲルはプライドが高いだけあってか、舐められているのが気に入らない様だ。

まぁ気持ちは分かる。

 

 

「……にしても、ポケモンハンター、か。」

 

「フシギダネの時に現れた様な奴ね。」

 

「…ジュンサーさん達がわざわざトレーナーに助けを求めるレベルなんだ。

あの時のハンターよりも厄介だろうな。」

 

「とは言え、聞いた以上は俺達も手助けしよう。」

 

 

俺の言葉にタケシとカスミは頷いた。

 

 

「しかしだねぇ、サートシくん。

今回の要請にはバッジ数最低でも5つ以上のトレーナーの力が必要だよ?

まだ5つも持ってないんじゃあ、実力的に心配で参加出来ないんじゃないかなぁ?」

 

「シゲルくん。サトシくんは凄く強いよ。

バッジはまだ4つだけど、絶対に5つ以上の実力がある筈だよ!」

 

「どうだかねぇ〜。

ま、キミがどうしてもって言うなら、僕が特別にジュンサーさんに話を───」

 

「よし、俺はジムリーダーの資格がある2人の手助けって形で参加するか。」

 

「アタシはまだ資格があるだけで、大きな実力は無いから、私もタケシのフォローって形で参加しましょ。」

 

「ふむ。俺はオヤジに連絡して本気バトル用のポケモンを呼ぶか。」

 

「あ、俺タケシの本気ポケモン見た事ないからこの機に見ておきてぇ!

リーフ、一緒に見ねえ?」

 

「あ、うん!」

 

「…」

 

「んにゃ? シゲル、どうした?」

 

「……何でもないよ。」

 

「あ、そう? んじゃ、一緒にタケシのポケモンを見ようぜ!」

 

「あ、ああ。」

 

 

何やらシゲルが固まっていたが、何でだろうか。

加えて勿論シゲルの一緒にいる『シゲルズガール』達が『どんまいどんまい、シゲル!!』と励ましていた。

 

 

 






・ベトベトンが偽サトシに懐いた。
アニポケでは博士によって人懐っこくなったが、ここでは偽サトシくんによって人懐っこいポケモンになった。


・今回の特訓で自身を見つめ返した。
自分のポケモン達は優秀である反面、自身が未熟では無いかと薄々感じていた。
その為に『感情移入』をする事で、ポケモンと心身共にして戦えるのではと結論づけ、その為にもポケモンと触れ合い、苦手な勉強で知識を付けると改めて考える。
そして、そんな思い詰めている偽サトシに駆け寄るゲコガシラ。
アニポケではサトシゲッコウガになれた故に何かを感じ取っているのかも。
もしかすると、サトシゲッコウガになれた時、彼等は急成長をするのかもしれない。

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