俺、サトシになってました(笑)   作:黒ソニア

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お茶好き様、にゃんこびっく様、資格者:Y様
高評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
それから誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。




第3節:『アローラの御三家』

 

 

 

『第7話:ニャビーの別れと決意』

 

 

 

翌日、ニャビーの様子を見にポケモンセンターに向かっていた。

ポケモンセンターに辿り着くと、ククイ博士が既におって笑顔で出迎えてくれた。

 

 

「アローラ、サトシ。

ニャビーを想い、こんな朝早くから来てくれるなんてな。

キミは将来立派なトレーナーになれるぜ!」

 

「アローラ、ククイ博士。

ありがとう。

でも俺、人として当たり前の事をしているから言い過ぎだよ。」

 

 

俺がそう言うと、ククイ博士は俺の頭をわしゃわしゃと撫で回してくる。

 

とまぁ、気を取り直して俺達はニャビーの元へと向かった。

ニャビーは既に目を覚ましていたのだが酷く人間である俺達を警戒していた。

治療してくれたジョーイさんを含め、ククイ博士とおふくろに警戒心を強めていたのだが、俺の事はどうやら覚えており、ごはんを俺が渡すと警戒しながらもご飯をちゃんと食べていた。

 

ご飯を半分くらい食べると、ニャビーはご飯の容器を咥えて飛び出していく。

俺達は何処かへと向かおうとするニャビーに着いて行く。

着いて行った先は橋で捨てられた古びたソファなどがあり、そこには年老いたムーランドがいた。

やはり俺が勘づいていた通り、このニャビーはサトシくんのニャビーだった。

 

ニャビーはご飯をムーランドに渡し、「食べろ」とムーランドに告げていた。

ムーランドはニャビーの声に反応して、起きてニャビーを舐める。

ニャビーも舐められて嬉しそうにしている辺り、やはりアニポケのムーランドでニャビーの親代わりだと理解した。

 

ムーランドはゆっくりとご飯を食べる。

しかし、少し食べるとムーランドは残りはニャビーが食べろと言い、再び眠りだしてしまった。

ニャビーがまだ食べろと言わんばかりに鳴く。

 

その様子にククイ博士やジョーイさんが近づき、ニャビーは警戒心を向けるも、俺も近付いて大丈夫だと安心させる。

ニャビーはそれに渋々了解した様子をしだして、ジョーイさんがムーランドを自分を治してくれた様に元気にしてくれるのではないかと気づいて沈黙しだす。

 

しかし………現実は非情だ。

ジョーイさんはムーランドの現状を直ぐに理解してしまった。

暗い表情をしている辺り、やはりムーランドはもう長くないのであろう。

ポケモンセンターに戻って最低限の治療を施してはくれたが……ニャビーや俺達にもうムーランドが長くない事を告げた。

それにニャビーが猛烈に反応するが、ムーランドが起きてそれを諌める。

ムーランドはもう自分が限界であるのを理解していたのである。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

これからムーランドとニャビーをどうするのか、ジョーイさんとククイ博士が話し合っていると、ムーランドが俺に対して何かを訴えかけてくる。

俺とケロマツを交互に見て、ニャビーに視線を送る。

俺はそれを察した。

 

ムーランドはニャビーを俺に託そうと告げていたのだ。

 

俺は事情を把握して、こくりと頷いた。

すると、ムーランドはニャビーに声をかけると、ニャビーは近くにあったボロボロのサッカーボールに《ほのおのキバ》を繰り出した。

まだまだ威力が弱いせいで、サッカーボールに少しの焦げしかついていなが形にはなっていた。

ムーランドもそれを見て、ニャビーを褒め舐める。

 

そして次に、ムーランドは重たい身体を起こし始める。

ジョーイさんとククイ博士がそれに慌てているが、ムーランドは止めるなと言わんばりに軽い威嚇を入れる。

ムーランドはボールを少し離れた所に投げ、そこに『大』という文字の凄まじい炎…《だいもんじ》を繰り出した。

それを見たニャビーは凄い凄いと反応していた。

 

ムーランドはその反応するニャビーに何度も何度も舐める。

だがやがて………ムーランドは力を使い果たした様にその場に倒れ込んだ。

 

急いでジョーイさんとククイ博士とおふくろがムーランドに駆け寄り、ジョーイさんが切羽詰まった顔で緊急搬送してポケモンセンターに連れて行く。

俺はケロマツを肩に乗せ、ニャビーを抱えながら向かって行った。

 

 

 

それから長い時間が過ぎて真夜中。

結論から言おう、ムーランドはもう数時間の余命と陥ってしまっていた。

あの《だいもんじ》を放ったのが、大きな要因だが元から長くなかったので仕方なかったのもあるだろう。

何より、俺を見て自分がいなくなっても見てくれる人がいると安心出来た事で、最後の力を振り絞って《だいもんじ》の技をニャビーを伝授させたかったのだろう。

 

ジョーイさんはニャビーにムーランドの側にいてあげてと告げる。

ニャビーはムーランドに寄り添っていた。

 

俺とおふくろはニャビーが心配でホテルには戻れなかった。

この後に待っているニャビーを想って…。

 

そして、俺達がソファで寝落ちしていた所で、ニャビーの泣き声が響き渡る。

その事で全てを察した。

 

………ムーランドは長い長い眠りについたのだと。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

ニャビーはムーランドの墓の前で、ニャビーはムーランドから離れんとしていた。

ニャビー本人も、ムーランドが既に亡くなった事は分かってはいたが、理解したくない様子だった。

その姿にジョーイさんは目に涙粒浮かばせて目を瞑り、ククイ博士も帽子で顔を隠し、おふくろも涙を流していた。

 

俺とケロマツは……決心をつけてニャビーに近づく。

 

 

「ニャビー……お前の気持ちは良く分かるよ。

けど、ムーランドを安心させてあげよう。

じゃないと、ムーランドが安心してゆっくり出来ないぜ?」

 

 

そう告げると、ニャビーはサトシに対して怒りを向ける……が、サトシが涙をポロポロと流している姿を見て怒りが薄れる。

 

サトシはニャビーを抱き上げ、ムーランドに触れる。

 

 

「大丈夫、お前には俺が…俺達がついている。

一緒に俺達とポケモンマスターになろうぜ。」

 

 

ニャビーはサトシの問いに沈黙していた……が。

朝日が昇り、日の光が俺達を照らす。

 

眩しそうにしながら空を見上げると───

 

 

「アレは…!!」

 

 

そこにはムーランドの残滓……ムーランドが「前を向け」と訴える様に吠えて空の彼方へと消えていったのだ。

 

この様な現象にサトシ達全員が驚愕していた。

当然であろう…。

 

しかし、ニャビーはそのムーランドを見て覚悟が決まった様だ。

 

ニャビーを俺を見上げていた。

俺を……仲間だと認めてくれた様だった。

 

 

ニャビーが仲間になった。

 

 

そして、そんなサトシ達を遠くから見守る守り神の瞳にはサトシの姿が映っていた。

 

 

 

 

 

『第8話:森の中での出会い』

 

 

 

ニャビーが新たに仲間となって、サトシとケロマツはククイ博士の家の前で戯れていた。

その様子を側で見ていたククイとハナコ。

 

 

「ニャビー良かったな、サトシに会えて。

自慢の息子さんですね、サトシは。」

 

「ええ。あの子、ポケモンに対しては誰よりも優しい子なんです。」

 

 

ククイはハナコからサトシについて聞いた。

 

 

「……成程。アイツはマサラタウンでは少し浮いちゃってるんですね。」

 

「ええ。でも、あの子自身は自分から手を出す様な子じゃないのは分かっていますし、その事を理解してくれている子達もいるんです。

けど、あの子はケロちゃんと共に野や森の中を駆け回って周りの事なんて全く無視しちゃってるんです。

本当は他の子とも仲良くして欲しいのですけど…。」

 

「………気持ちは分かります。

けど、それが難しいのも事実なんです。

俺にも……そういった事を目の当たりにした事がありますので…。」

 

 

ククイの脳裏に、かつてライバルだった男を思い出していた。

 

 

「ククイ博士?」

 

「……いえ、失礼。って、サトシ?」

 

 

ククイ達の視線の先にいたサトシとケロマツ達がいなくなっていた。

周りを見渡していると、サトシが森の方にへと歩もうとしていたのだ。

 

 

「サトシ! どうした!?」

 

「ん? さっきの妙な高い声が気になったから。」

 

「あぁ、さっきの。」

 

「……妙な高い声?」

 

 

ククイが疑問を抱く最中、サトシはケロマツ達を連れて森の中へと進む。

それをククイ達が追いかける。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

この森の先で聞こえた筈なんだよなー。

 

俺はケロマツとニャビーと共に声のした方にへと歩いて行った。

ぶっちゃけ恐らくだが、アニポケで聴いたカプ・コケコの声だと思うのだが…。

ていうか、何故俺は無意識に森の中を平然と進んでいるのだろうか…。

 

 

「サトシ!」

 

「サトシ! 勝手に歩いて行くな!

このアローラの大自然はマサラタウンとは危険度が違うんだぞ!?」

 

「あ、ごめんなさい…。

けど、何故か歩いていたんだ。」

 

「何訳分からん事を…。」

 

「ん? アレって…。」

 

 

俺はあるものが視界に入ってそれを直接確かめに走る。

そのあるものとは………なんと、ポケモンのタマゴだった。

 

 

「? この辺の木に巣らしきものも見えないんだけど…。」

 

 

何処から落っこちたものなか見渡しているのだが…。

…って、冷静に考えると、落ちたら割れてエグい事になってないか?

 

───っと、考えているとタマゴが光り始める。

これは恐らく…孵化する現象!

 

そして、タマゴから生まれたのは───

 

 

「コイツは……モクローだ!」

 

 

ククイ博士が驚いた声を上げる。

まぁ、そうだろう。

アニポケ界でも御三家ポケモンの野生は数少ない。

 

本当なら赤ちゃんポケモンとはいえ、野生でモクローに出会えたのは幸運なのだが……俺の元にはケロマツとニャビーがいるとはいえ、トレーナーでは無いので素直にこの子を親の元に帰してあげるべきだ。

 

 

「……親は何処だろう?

自分のタマゴが急に無くなったら心配する。」

 

「…!(真っ先にそれを一番に思うか…。)

そうだな。何処かに………。」

 

 

ククイが歩きながらキョロキョロとしていると、サトシの前の大きな草が揺れる。

サトシや側にいるハナコは親が探して来たのかと思うと───

 

 

『クゥゥゥゥゥウウウウ!!!』

 

 

なんと、ソイツはモクローの親とは違って…野生ポケモンなら危険で有名なキテルグマだった。

 

急な展開に、サトシは固まってしまい、ケロマツとニャビーはレベル的に格上の相手に怯んでしまう。

ハナコはキテルグマの危険性を知らない故に「あらあら…。」と呑気な反応をしていた。

 

二人に手を伸ばそうとするキテルグマに、ククイが血相を変えて自分のポケモンを繰り出そうとするも───

 

 

『カッップ、コッッケェェエエエ!!!』

 

 

サトシとハナコの前に奇妙な高い声と共に姿を現した。

それは……サトシが奇妙な声を聞いて咄嗟に森の中にへと入った理由である、メレメレ島の守神:カプ・コケコだった。

 

 

「!? カプ・コケコ!?」

 

 

ククイはまさかの守神様に驚愕し、固まってしまった。

 

しかし、キテルグマはサトシ達に手を伸ばそうとするも、カプ・コケコが「駄目だ!」と言った様にキテルグマの手を振り払う。

 

流石のキテルグマも、目の前にいる存在が自分よりも遥かに上回ると分かると、さっさとこの場から離れて行った。

 

 

「……ハッ! つい、フリーズしてしまった…。

ありがとな……カプ・コケコ!」

 

 

サトシは助けてもらったので、礼を言う。

すると、カプ・コケコはサトシとケロマツを交互に見る。

そして、何故か満足したのか、生まれたばかりのモクローを持ち上げると……サトシに渡して来た。

 

 

「へ?」

 

 

サトシが素っ頓狂な声を漏らしてしまうも、カプ・コケコは「お前が親だ!」的な合図でサトシを指すと、空へと飛んでいってしまった。

 

サトシとハナコが急展開に呆けていると、第三者のククイが歩み寄る。

 

 

「…もしかすると、サトシをこの森に誘導したのはそのモクローをお前に託す為だったのかもな。」

 

 

ククイはそう納得し、サトシは腕の中でほっこりと寝ているモクローを見た。

 

てなわけで、俺事サトシはまだトレーナーでは無いのだが、モクローが新たに仲間になるのだった。

 

……マジで?

 

 

モクローが仲間になった。

 

 

 

 

 

『第9話:海辺での過酷な現実』

 

 

 

なんやかんやあって、モクローも俺の仲間となった。

もう原作を完全に壊しに壊して粉々になっている。

後、これも直感なのだが、このモクローもサトシくんのモクローの気がする。

 

確かうろ覚えなのだが、サトシくんのモクローは何故かドデカバシのタマゴの中に紛れ込んでいたやーつだったのを思い出した。

んで、何故かそのタマゴがカプ・コケコを通じて俺に渡ったというやーつなのだろう。

 

何でそうなったのか……。

いや、もうここまで来たらどうにもなれい!

 

と、投げやり精神だが、ケロマツ達とフリスビーで戯れていると、海岸近くの海辺で何やらポケモンの一悶着が起きていた。

 

 

「………あれって?」

 

「どうした? サトシ?」

 

 

ククイ博士と共に向かうと、その先で起きていたのは……。

アシマリの群れが1匹のアシマリをイジメていた所だった。

 

 

「お、おい! 何やってるんだよ!」

 

 

思わず俺はイジメられているアシマリを庇う形で立ち塞がる。

俺が現れた事で、群れのアシマリは警戒心を強めて攻撃して来ようとするが、直ぐにケロマツとニャビーが俺を庇う形で立ち塞がる。

(※モクローはサトシの頭の上で寝ています。)

 

更にはククイ博士もやって来た事で、群れのアシマリ達はイジメてたアシマリを捨て、颯爽と海にへと逃げて行った。

 

 

「大丈夫か?」

 

 

俺はアシマリは抱き上げる。

アシマリはニャビーと同じ様に攻撃を受けたせいか、砂まみれになっていた。

 

アシマリは俺の顔を見るや否や、俺に力強く抱きついて来る。

よく見れば、アシマリは目元に涙を浮かべていた。

 

許せない。

 

……とはいえ、仲間達(?)は既に去ってしまったので、どうしようも無い。

ならば、次に優先するのはこのアシマリだ。

取り敢えず博士の家に入って治療をしてもらう。

俺はアシマリの体を拭いていく……が、ふと思った事があった。

 

……待てよ?

ニャビー、モクローに続いて……このアシマリ、もしかしてスイレンの───

 

 

「……コイツは!」

 

 

ククイ博士は汚れの取れたアシマリを見て驚いていた。

治療の手伝いをしてくれているおふくろが「どうしたんですか?」と聞くと…。

 

 

「このアシマリ、珍しい()()()だ。」

 

 

なんと、スイレンのアシマリでは無いようだ。

それはそれで安、心…?

 

とはいえ、まさかの色違いのアシマリか…。

何となくだが、事情が分かってきたぞ。

 

恐らく、このアシマリは仲間(或いは家族)から迫害されてしまったのだ。

それは1匹だけ色が違う、という理由でだ。

 

人間からすれば色違いは珍しい為、優遇されるのだが…野生からしてみれば真逆。

仲間外れとして扱われる事が多い。

逆に、愛されるパターンもあるにはあるのだが、今回は前者のようだ。

 

アシマリは治療後も、俺に抱きついてきて離れようとしなかった。

俺はアシマリに「よしよし。」と、頭を撫でながら優しく抱き返す。

 

アシマリは物凄く震えていた。

俺は直感を通して、アシマリのこれまでの生い立ちを感情移入しながら想像する。

 

このアシマリは…色違いである事からきっと、生まれた頃から仲間・家族の群れ迫害を受け続けたのだろう。

それがどれだけ続いたかは分からない。

だが、きっと……俺の想像のつかないくらい、辛い日々を過ごしていたんだろう。

 

その事を感じ取った俺は……決心する。

 

 

「おふくろ、博士……俺、このアシマリを仲間にする。」

 

「ああ、それがいい。」

 

「そうね。ケロちゃんも、ニャビちゃんも、モクちゃんもみーんな、家族ね。」

 

 

おふくろはニャビーを抱き抱えながら笑顔で俺に賛同してくれた。

ククイ博士も、俺なら大丈夫だと言ってくれる。

 

 

「アシマリ。これから宜しくな?」

 

『…アウ?』

 

「大丈夫だぞ、アシマリ。

俺達はもう硬い絆で結ばれた仲間だ。

誰も、お前を1人にはさせない!」

 

 

俺の言葉にケロマツ、ニャビー、そして寝ていたモクローも反応する。

 

アシマリはそれを聞いて、嬉しそうにするのだった。

 

 

アシマリが仲間になった。

 

 

 






・て訳で、この作品のサートシくんはケロマツに加えて、アローラ御三家を手持ちに加わったよ!
……尚、まだトレーナーではないもよう。

・アローラのニャビーの話をオリジナルにしてみました。
自分、シリアスで感動する流れが下手な自覚があって、良いようにストーリーが出来ているか不安ですが、ニャビーはサトシのポケモンになりました。

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