前回といい、最近あまり感じの悪い話がありますが…お許し下さい。
例の2人はカントーくらいしか悪事はしません。
リーグまでもう少し…もう少しだけお待ち下さい。
グレン島に辿り着いた。
島に辿り着いたら…直ぐに宿探しである。
グレン島の宿は何処も事前に予約しないといけないレベルであり、島に辿り着いても宿が無ければ野宿しないといけない。
腹立つ事に、シゲルと『シゲルズガール』達は事前に予約していた様で高い宿を取っていた。
「ついでに俺達もいれろやー」と言うと、「人数オーバーさ」と笑い、颯爽と宿へと行ってしまった。
一方で、リーフはと言うと、ここでもシルフカンパニー絡みのやる事があり、スタンバっていた人達が宿へと連れて行ってしまう。
「サトシくん! 宿が無かったら声掛けてね!」
リーフは心優しいからかそう声をかけてくれるが、スタンバっていた人達の圧に俺達は頷きづらかった。
「…いざって時はカスミだけでも頼むか。」
「だな。」
「そ、そこまで贔屓しなくても良いわよ。
私達は一蓮托生でしょ?」
…てな訳で、3人が休める宿を探す。
一軒一軒訪ねてみたが……何処もかしこも満員だった。
頼みの綱のポケモンセンターも満員。
うん…詰んだ。
「…これは野宿しかないかなー。」
「こうなったらリーフの宿に入れさせて貰いましょうよ。
リーフも、サトシの為に手助けしたいだろうし。
…あの付き人が怖いでしょうけど。」
俺達がリーフの宿に向かう…前にジムの場所を把握しようと動いていた所、謎の爺さんが現れてなぞなぞで絡んで来て、それをカスミが直ぐに答えるという流れになり、なんかよく分からないが、宿先のヒントが入ったティッシュを渡して来た。
………日が暮れて、リーフの宿に行こうかとした途端、カスミが宿先のヒントから場所を特定し、そこへ向かうと…そこにはなぞなぞの爺さんがいて、泊まらせてくれる事になった。
「ありがとうございます。
…所でジムの場所を知りたいのですが…何か知らないですか?」
「…上は大水、下は大火事、なーんだ。」
うん、分からん。
「あああああぁぁぁぁぁ……。」
「オヤジみたいだぞ、サトシ。」
今、俺達は温泉に浸かっている。
普段は野宿だったり、偶に銭湯に通うが…天然の温泉は大変心地いい。
「あああああぁぁぁぁぁ……。」
「…しかし、あのなぞなぞの意味はなんだろうなぁ。」
温泉に浸っている偽サトシをほっといて、タケシは真剣な顔でナゾナゾの意味を考えていると……男性と女性の湯を分けている衝立が沈んで、タオルを巻いた状態で何やらギャラドスの像を動かした後のカスミがそこにいた。
「いやぁぁぁあああああ!!!!!」
「わぁぁぁぁあああああ!!!!!」
カスミは赤面し、タケシは驚きの悲鳴をあげる。
これは一体どういう事なのか…タケシがこちらは何もしていない事を告げ、カスミがなぞなぞの答えが『お風呂』である事に辿り着き、立ち上がって周りを見渡していると、隅に謎のレバーを見つけて興味本位で下げて今に至る様だ。
「…って、なんでサトシはタケシと違って驚きすらしないのよ!」
「…えっと、サトシは温泉に浸かってて完全に気がついて無い様子でさ。
ほら、サトシ…!」
「はぁぁ………………。」
「駄目だ、温泉を満喫しすぎて周りの異常に気づいていない!」
「こらっ! アンタは何で何も反応が無いのよ!!」
カスミは温泉に夢中になっているサトシに風呂桶を投げつける。
「痛っ!? 何すんだよタケ……………何で、カスミさんがいるんだい?」
俺は男子風呂にカスミがいる事に驚きつつ、ついカスミさんのタオルを巻いた姿を凝視してしまい、更に風呂桶を顔面に叩きつけられた。
カスミがレバーを下げた事で、風呂が混浴風呂になったと同時に何か大きな扉も出現していたので開けると、そこには下に続く階段があったので降って行った。
降って行くと、そこにはバトルフィールドがあったが…ここは物凄く暑かった。
それはまるでほのおタイプが好む様な環境、常に『ひでり』状態のフィールドだった。
「暑いな…」と、俺達が汗を拭うと、相手側の方からカツラが現れた。
「改めてようこそ、諸君。
私がグレンジムのジムリーダーのカツラだ!」
「…まさかアナタがジムリーダーだったとはな。
けど、勝負は勝たせてもらう!」
「いい意気込みだな。
勝負は
では、尋常に───勝負といこうじゃないか!」
互いにボールを構えてポケモンを繰り出した。
「一番手はお前だ、ギャロップ!」
「ゼニガメ、キミに決めた!」
カツラはギャロップを繰り出し、俺はゼニガメを繰り出した。
相性ではこちらが有利……なのだが、ゼニガメがフィールドに出て直ぐ辛そうにしていた。
「…まさか、このフィールドって!」
「そう。これまで私に挑んで来たトレーナー達はみずタイプで勝負を仕掛けてくる者達ばかりだった。
それ自体は決して間違いでは無い。
…だが、私に挑んで来るトレーナーは皆がみずタイプでしか勝負を仕掛けて来なかった…。」
カツラの脳裏に浮かぶのは、みずタイプのポケモンを相手にした記憶ばかりだった。
ほのおには他にいわ、じめんと弱点をつけるタイプがあるのにも関わらず、みずタイプのポケモンしか殆ど相手にしなかった。
「聞けば、グレンジムはみずポケモンがいれば楽勝なのど宣い、ポケモンリーグの本戦前にて行われる特殊なバトルフィールドで偶にほのおのフィールドが展開された時、こんなフィールドで戦った事は無かったとクレームが入るばかり…。
…私はカントーのほのおタイプのジムリーダーとして考えに考え、このバトルフィールドでバトルを応じる事にした。」
「……成程、ジムリーダーはチャレンジャーを力量を見定める立場。
それを踏まえて、この常時『ひでり』状態のフィールドにして、みずポケモンだけでは難しいという事を教えていたんですね。」
「その通り。このフィールドになってから誰もが最初負けていた。
対戦相手の情報だけを頼りにして勝てるほど、甘く無い事を理解してもらう為、ここでのジムの内容は一切表示していないからな。」
……成程、聞けば聞くほど納得のいく話だ。
実際俺は最善の知識からタイプを決めて、事前に使用経歴のあるポケモンをチェックするくらいなものだったが…これは完全に甘く見ていたチャレンジャー側のミスだ。
タケシやカスミもカツラの話を聞いて納得していた。
「けど、ゼニガメで勝つまで!
短期で決める、《マッドショット》だ!」
「成程、しっかりとみず技以外の技を覚えさせているか。
それは見事だ。
しかし…ギャロップ、《ソーラービーム》!」
ああそうか、『ひでり』だからチャージ無しで《ソーラービーム》が打てるのか!
しかし、《マッドショット》は掻き消されたが、ゼニガメは回避する。
見れば動きも悪い……なので、早々に決めるしか無い!
「ゼニガメ、《こうそくスピン》!
からの《アクアテール》も同時にやるんだ!」
これはゼニガメの扱う技の中でかなりの威力のある合わせ技だ。
素早さを上げながら《アクアテール》を回転をする事で多少の火力も上げて、ギャロップにピンボールの様に連続でヒットさせてダメージを与えていく。
「やるな。」
「よし……ゼニガメ、その向きからは《アクアジェット》だ!」
連続でヒットさせるにも方向によっては他の技で攻めるのが効率良い。
「ギャロップ、敢えて攻撃を受けろ!
そして《ふみつけ》!
からの《ソーラービーム》だ!」
カツラの指示にギャロップは従い、弱点技である《アクアジェット》を威力が下がってる事から攻撃を受け切って《ふみつけ》でゼニガメを踏みつけ、そこへ《ソーラービーム》で戦闘不能にされてしまった。
ゼニガメは倒れた。
「…戻ってくれ、ゼニガメ。
悪い………無茶をさせたな。」
「そう悲観する事は無い。
キミはこの不都合な状況にも適応したバトルをしてみせた。
ギャロップも体力の半分くらいは削られた。」
「そうか……なら、ここはお前の番だ!
ニャヒート、キミに決めた!」
俺はここでニャヒートを繰り出した。
「ほほう。ニャヒートか、ほのおのフィールドに適したポケモンを繰り出したか。
では…お手並み拝見だ、《どくづき》!」
「ニャヒート、躱して《かみくだく》!」
ニャヒートは《どくづき》を躱して《かみくだく》を足に当てる。
そのまま噛み続けてダメージを与えていくも、足掻きの《あばれる》を仕掛けて来た。
しかし、ギャロップの体力が先に尽きて戦闘不能になった。
ギャロップは倒れた。
「ご苦労だ、ギャロップ。
…中々の強さだな。
しかし……コイツ相手にはどうかな?
いでよ、ブーバー!」
カツラはギャロップを戻してブーバーを繰り出した。
「ブーバーか……だが、こっちも負けてない!
ニャヒート、《かみくだく》!」
「ブーバー、《かみなりパンチ》!」
二つの技が激突し、互いに不一致の技同士もあり互角だった。
「ブーバー、《あやしいひかり》!」
「! ニャヒート、《ちょうはつ》!」
これは特訓で明らかになったのだが、ゲームとは違い一歩遅れても場合によっては《ちょうはつ》で変化技を無力化と同時に一定時間無効化出来る事が判明したのだ。
「…間に合ったか。しかし、ならば攻めるのみ!
《かみなりパンチ》!」
「今度は押し勝て! 《かみくだく》!」
「甘いぞ、《スモッグ》!」
ブーバーは《かみなりパンチ》、コチラは《かみくだく》がぶつかり、拮抗している隙に《スモッグ》攻撃をして、ニャヒートは堪らず後退するが…運悪く『どく』状態になってしまう。
「どうやら、風向きはこちらに来た様だ。
ブーバー、今の隙に《かみなりパンチ》!」
ブーバーが『どく』状態となって硬直している隙に《かみなりパンチ》を放って、吹き飛ばされるニャヒートは負けずに《かみくだく》で腕を噛みいてダメージを与えるが…。
「ブーバー、《オーバーヒート》!」
全身から吹き出したほのおタイプ最大の特殊技を受けてしまい、ニャヒートは吹き飛ばされ…戦闘不能になってしまった。
ニャヒートは倒れた。
「勝負はあったな。」
「嘘…サトシが初めてジム戦で負けた…?」
「初見殺しとはいえ…サトシが負けるとはな…。」
カスミは偽サトシがジム戦で初めて負けた所を目にして、信じられない顔をしていた。
なんだかんだで、偽サトシが勝つと信じていたのだろう。
「…よく頑張ったな、ニャヒート。
お前もな、ゼニガメ。」
…俺は、頑張った二人に労いの言葉をかけ、二人を治療する為にポケモンセンターに向かった。
「え!? さ、サトシくんが負けた!?」
翌日、偽サトシが負けた事を知り、リーフは驚きが隠せないでいた。
因みにシゲルはゆっくりと休んだ後、じっとしていられず新たにポケモンを捕まえに行くとリーフに告げてグレン島を後にしたらしい。
「サトシくん…。」
「流石に負けたのが応えたみたい…。」
偽サトシは朝早くから修行をしているらしく、リーフの宿に来たのは報告に来たカスミとタケシ2人だった。
なので、この場にはいない。
「…どうしよう。実は午後にはここを出ないといけなくなっちゃったんだ。
せめて……声くらいかけたいんだけど…。」
「大丈夫、お昼前には戻るって言ってたし、挨拶くらいは出来るさ。」
タケシはリーフにそう告げた。
負けた…バトルに負けたのは初めてでは無いけど、かなり悔しいな。
俺は悔しさのあまり早起きしてしまい、ランニングしていた。
その際、ゲッコウガもボールから出て来た。
「…はぁ……はぁ……悪いな、昨日バトルに負けた。」
『コウガ。』
ゲッコウガは偽サトシに気にするなと言う様に首振り、次は勝つという意味を込めて拳を突き出し、応じる。
その際、リザードンも出て来て俺も混ぜろと三人で合わせると、更にニャヒート、フクスロー、オシャマリ、ゼニガメが出てきた。
「へへ…皆んな、同じ気持ちか。」
俺が笑うと、皆んなも笑った。
その後、俺達はリベンジ戦に向けて特訓を開始する。
といっても、急激に成長する訳が無いが、準備運動にはなるだろう。
「しかし、どうするかな…。
あのフィールドではみずポケモンであるオシャマリやゼニガメはキツイしな。
フクスローはくさタイプだから尚更厳しいしな。
…となると、次はニャヒートにリザードンで挑むか。」
手持ち交換も考えたが、俺はこの2匹で勝つと誓う。
「よし……うん? ゲッコウガ?」
ゲッコウガが、俺の袖を引っ張る。
少し離れた所で、岩に向けて…《みずしゅりけん》を放った。
「うん。中々の威力じゃないか?
《みずしゅりけん》は先制技かつ連続攻撃の技だから、高火力では無いけど、これならかなりほぼ確実にダメージを狙えるんじゃ無いか?」
俺がそんな感想を言うと、ゲッコウガはもう一度《みずしゅりけん》をしようとする。
しかし、今度は《みずしゅりけん》を溜め技の様に圧縮して大きな《みずしゅりけん》と変化して、解き放った。
岩は最初に放った時よりも違い、木っ端微塵に破壊された。
こ、これは…! この様な技を会得していたのか!
「…その技を用いれば、『ひでり』状態でも高火力のみず技をぶつける事が出来るかもしれないな!」
『コウガッ!』
ゲッコウガは俺が実用性ありと判断して自信がついた様子を見せる。
それを見ていた他のポケモン達が俺(私)達も負けられないと、特訓に力を入れた。
「そろそろ昼だな…戻るか。」
事前にタケシには伝えていたので、一旦戻って昼ご飯を食べてその後からリベンジしようと決めていた。
ポケモン達をボールに戻して荷物を取ると…何となく持ってきていたタマゴが光り出した。
これは孵化する現象で、次第に強くなって生まれたのは───
『チョゲップリィィイイ!!』
無事、トゲピーが生まれた。
「おお! よしよし、俺が親だぞ〜。」
俺は赤子の対応をしていた。
最初は喜んでいたトゲピーだったが…次第にお腹を空かせて泣き始めてしまった。
「急いで、戻ろう!」
俺は全力ダッシュでポケモンセンターの元へと向かった。
「よしよし、どう?」
俺はトゲピーにミルクをあげていた。
町に戻ったと同時に偶然タケシが俺を探しており、その時にポケセンで哺乳瓶とミルクを貰えたので、それをあげながらリーフとカスミの元へと向かっていた。
「さ、サトシ! そ、その子って…!」
「うん。タマゴが孵化した。」
「可愛ぃぃいい!!」
リーフとカスミはトゲピーを見て目を輝かせる。
しまいにはカスミが私が面倒見ると言って俺からトゲピーを取り上げると…。
『チョキ…? ピィィイイイ!!!』
トゲピーは大泣きし始めた。
俺はそれを見て急いでトゲピーを取り返して泣き止ませる。
「…」
「まぁ…トゲピーはサトシの事を親だと認識してしまったから…しゃーないさ。」
「…私、別にトゲピーをサトシから取ろうとした訳じゃないのに…。
あんなに泣かれると……流石に傷つくわよ…。」
「……わ、私はやらなくて良かった…。(※ボソ)」
カスミはへこたれてしまい、リーフは密かに安堵していた。
トゲピーは泣き止んで、再びミルクを上げて大人しくなって眠りについた。
その姿を見て、全員がほっこりとしていた。
「…それでサトシ、昼から挑むリベンジ戦はどうだ?
次は…勝てそうか?」
「ぶっつけ本番、って感じだな。
ま…なる様になるさ。
な、ゲッコウガ?」
俺はゲッコウガのボールを見てそう呟くと、ゲッコウガが出てきて大きく頷く。
そして、俺達は互いに拳を合わせるのだった。
さぁ……リベンジに行こうじゃあないか!
・ジム戦で初めて負けた。
カツラ戦を見て覚えていれば、ワンチャンあったかもしれないが初見殺しのルールで負けた。
しかし、カツラもジムリーダーとして考えた上でのルールなので偽サトシはせこいとか考えなかった。
ここで一度ジム戦で負ける事は最初から決めてました。
ずっと勝ち続けるのはなろう過ぎてね…。
・トゲピーが生まれた。
このトゲピー、大人の事情でカスミのポケモンになってしまったが、元はサトシくんが見つけたタマゴだったので、ここでは偽サトシくんのポケモンになった。
因みに、ここのトゲピーの性別は♀である。