俺、サトシになってました(笑)   作:黒ソニア

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レヴィ0910様
高評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
それから誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。




第37節:『リベンジだ!』

 

 

 

『第86話:リベンジ戦』

 

 

 

「……来たな。いい策は立てられたかな?」

 

 

俺達(+今回はリーフも)はカツラにリベンジすべく『ひでり』のバトルフィールドへと戻って来た。

 

 

「ん? サトシくんが抱えてるのは……トゲピーか。

珍しいポケモンを……いや、あのタマゴが孵化したのだな。」

 

「ええ。それから、今回は確実に勝たせて貰いますよ。」

 

「…良い気迫だ。私の想像を上回る戦いを期待する。

今回の使用ポケモンは3体だ。

…準備は良いかね?」

 

「3体か………ああ、問題無い。」

 

 

今の俺の手持ちはゲッコウガ、リザードン、ニャヒート、オシャマリ、ゼニガメ…そして、今俺の腕に抱えてるトゲピーだ。

フクスローは恐らくだが、まだ進化は無さそうだなと判断しておふくろの元へと送っといた。

 

トゲピーをボールに戻す。

さっきまで抱えていたが、流石に暑くなってきてぐったりしていたからボールに入れてあげるのが良いだろう。

 

さて、今回は使用ポケモン3体。

前回はゼニガメを出したが、いざここへ戻って来ると、ボールを通しても分かる……暑さで苦手意識を出してしまっている。

無理に選出する事はしない事を考慮し、カツラが次に一番手に出して来そうなのを予測すると───

 

 

「準備はできた様だな。では───」

 

「一番手はお前だ、ブーバー!」

「ニャヒート、キミに決めた!」

 

 

俺はニャヒートを出し、カツラはブーバーを出した。

やはり、ブーバーだったか。

 

 

「ほほう……その様子では、私がブーバーを出して来るのを読んでいたのかな?」

 

「ええ。アナタならこう来ると思ってたんですよ。

前回とは異なったルールで選出順も。」

 

「良い読みだ。しかし…。

私のこのブーバーに勝てるかは分からないがな!

ブーバー、《だいもんじ》!」

 

「こちらも《だいもんじ》で対抗だ!」

 

 

双方の《だいもんじ》がぶつかり合う…二つの《だいもんじ》は拮抗して消え去る。

 

 

「私のブーバーの炎と互角とはやるな。

ならばこれはどうする…?

《かみなりパンチ》だ!」

 

 

…成程、そう来るか。

カツラさんの事だ……こちらが攻撃技で抵抗すると同時に《あやしいひかり》を放つつもりだろう。

 

なのでこちらは《ちょうはつ》をしつつ《ニトロチャージ》で《かみなりパンチ》に対抗する。

 

 

「ほう……中々良い読みをしている。

が、それでは昨日と一緒だ!

ブーバー、《スモッグ》!」

 

「二度も同じ手は喰わん!

今だニャヒート、《リベンジ》!」

 

 

こちらは《ニトロチャージ》をしながらだが、相手の攻撃を受けている。

なので、《ニトロチャージ》で素早さが上がったのを利用して威力が上がっている《リベンジ》でブーバーに大ダメージをお見舞いする。

 

ブーバーは《リベンジ》を受けて倒れ、起き上がろうとして来るが、《ニトロチャージ》で再び突っ込みながら《かみくだく》でトドメをさして戦闘不能にした。

 

ブーバーは倒れた。

 

 

「…見事。よくブーバーに勝った。」

 

「やったぜ、ニャヒート!」

 

『ニャアアア!!』

 

 

ニャヒートが勝利の遠吠えを上げると、青白い光に包まれ───ニャヒートからガオガエンに進化した。

 

 

「ほお? ブーバーを倒した事でパワーアップしたか。」

 

「うっし! カッコいいぜ、ガオガエン!」

 

『ニャアー!』

 

 

ガオガエンは勝利して進化した事で、勝利のポージングをかましまくる。

 

 

「…クロスのガオガエンを見て来たから、少し不安だったけど…。

こういう所を見てると、違うって安心出来るわね…。」

 

 

カスミは安堵とやや呆れた感じが合わさった顔をしていた。

 

おいおい、俺のガオガエンはあのクソ野郎と違って優しくてカッコよくて可愛いんだぞ、コラ。

 

 

「…ふふ、勝利の美酒に酔いたい所申し訳ないが、今はジム戦。

私の残りのポケモンは後2匹もいるぞ?

二番手はお前だ、サイドン!」

 

 

カツラは2体目にサイドンを繰り出して来た。

 

…その子、『ほのお』タイプでは無く『いわ・じめん』タイプですけど?

 

ま、ガオガエンはこのまま続投したい所だろうけど、技をフルで使ってしまった以上、不利なので戻させてもらう。

 

 

「俺の二番手は…ゲッコウガ、キミに決めた!」

 

 

俺はゲッコウガを繰り出した。

 

 

「ええ!? ゲッコウガなの!?」

 

「ほほう…?」

 

 

カスミは声に出るほど驚愕し、タケシとリーフも予想外な反応を示していた。

一方で、カツラも俺の選出したのがみずタイプのゲッコウガに驚いていた。

 

 

「そのポケモンを持っている事にもだが…常時『ひでり』状態のこのフィールドでみずタイプを出してくるとはな。

どういった理由かな?」

 

「それを確かめるのも、アナタの仕事でしょ?」

 

「ふっ、その通りだな……《じしん》!」

 

「…ゲッコウガ、ジャンプして躱して《ひやみず》!」

 

 

ゲッコウガは《じしん》を躱して《ひやみず》を受ける。

しかし、タイプ一致の4倍弱点の技を受けたとはいえ、ダメージは大した事なさそうだった。

 

 

「血迷ったかな?」

 

「良いや? ここまでは想定通りですよ。

ゲッコウガ、《くさわけ》で特攻だ!」

 

 

ゲッコウガはくさタイプのエネルギーを纏った《くさわけ》で空中から突撃し、サイドンに大ダメージを入れる。

 

 

「成程、くさタイプの技を使えたか。

だが、サイドンの耐久を甘く見られては困るな。

《かみなりパンチ》だ!」

 

「ゲッコウガ、《ひやみず》で目元を狙うんだ!

そして、切り替えて《くさわけ》!」

 

 

ゲッコウガはこの暑い中でも、俺の指示を的確に聞き、通常通りの動きを見せて《ひやみず》で目眩しをしつつダメージを与え、《くさわけ》で大ダメージを与えつつ、距離を取った。

 

 

「…このフィールドでよくそこまで動き回れるな。

よく育てられている。

だが、それでは先にスタミナ切れを起こしてサイドンが勝つぞ?」

 

「いいや、勝利の方程式は整った。

…決めるぞ、ゲッコウガ!

《みずしゅりけん》を溜めろ!」

 

 

ゲッコウガはそれを待っていたかの様に頷き、《みずしゅりけん》を溜め始めた。

 

 

「んん!? 《みずしゅりけん》を…一点に力を集中する事でこのフィールドでみずタイプの技を安定させつつ威力を上げるか…。

面白い手だが…サイドン、《じしん》!」

 

 

距離があるのもあり《じしん》で攻め立ててくる。

ゲッコウガは《じしん》を受けながらも、《みずしゅりけん》を溜め続けた。

 

 

「…!! そうか、さっきの《ひやみず》2回分を受けていたな!

追加効果で攻撃を下げるのが目的…!

アレは目眩しでは無く、この状況を見越してのものだったのか!」

 

「流石はジムリーダー、御名答。」

 

「ならば、尻尾を強く叩きつけて攻めろ!

サイドン、《かみなりパンチ》!」

 

 

やはり、その手で攻めてくるか…。

サイドンの戦い方はタケシのサイドンを通してそういったやり方で遅い素早さを補ってくるのもな。

 

…だが、その全てを考慮して計算通りだ。

カツラさん、アンタは《くさわけ》で素早さが上がっているのを忘れている。

 

ゲッコウガは慣れない環境下で技の溜めが遅いのを、《くさわけ》で素早さを上げた事で補填して動き回る。

そして、最大パワーで溜めた高密度の《みずしゅりけん》を解き放って、サイドンに被弾させ、戦闘不能にする。

 

サイドンは倒れた。

 

 

「…お見事。これは完全にしてやられたな。

その様な行動は全く読めなかった。

ふふ…これだからまだまだ現役を止められないのだ…!

サトシくん、そしてゲッコウガよ、素晴らしい技だったぞ。」

 

「それはどうも。

それもこれも、俺のゲッコウガが凄いからですよ。

…名付けるなら、波導の様に溜めたから…『波導みずしゅりけん』かな?」

 

 

俺は「無いかな…」と呟くが、ゲッコウガは気合いの籠った声で『コウガッ!』と発した。

 

どうやら気に入ったらしい。

 

 

「さて…次で最後だ。

見せてみたまえ、キミの底力を!

最後はお前だ、ウィンディ!」

 

 

カツラはウィンディを繰り出した。

 

 

「戻ってくれ、ゲッコウガ!

………最後はお前だ。

リザードン、キミに決めた!」

 

 

俺はリザードンを繰り出した。

 

 

「最後はリザードンか。中々の気迫を感じるな。」

 

「リザードン、俺達の力を見せてやろうぜ!」

 

『グォウ!』

 

「さて…泣いても笑っても最後だ!

ウィンディ、《しんそく》!」

 

「リザードン、受け堪えて《ドラゴンクロー》!」

 

 

ウィンディが《しんそく》で一瞬でリザードンにへと突撃する。

俺以外の者達にはウィンディの動きが見えていなかった様だが、リザードンは攻撃を受けたものの、ウィンディを逃すまいとガッチリと掴んで、返しの《ドラゴンクロー》をお見舞いする。

 

そして、そこに畳み掛ける様に《かみなりパンチ》で殴り飛ばした。

 

しかし、ウィンディは顔を振っていた。

 

 

「いい反撃だ。

しかし…ウィンディ、《りゅうのいぶき》!」

 

「リザードン、飛べ!」

 

 

リザードンはウィンディの《りゅうのいぶき》を飛ぶ事で躱す。

…しかし、ウィンディは《りゅうのいぶき》が当たらない事を即時切り替え、カツラの指示した《しんそく》で一気に飛び掛かってきた。

 

それにより、リザードンはダメージを負うが…咄嗟に《ドラゴンクロー》で手を交差させて防御しており、ダメージを軽減させて降り立った。

 

 

「良いリザードンだ。

攻防共によく鍛えられている。

…が、ウィンディ、《こうそくいどう》からの《ワイルドボルト》!」

 

 

…!! 2つの技を使い掛かってくるか!

ジムリーダークラスならそれくらい容易にやって来るよな!

…けど、問題なのは素早さ上げてからの高火力の《ワイルドボルト》!

 

ここは…!

 

 

「リザードン! 攻撃には攻撃で凌ぐしか無い!

《かみなりパンチ》で対抗だ!」

 

「攻撃には攻撃か!

しかし、素早さの上がった攻撃にどう対抗する!」

 

「俺がウィンディの攻撃先を読んでやる!」

 

「何だと!?」

 

 

俺の言葉にカツラや観戦しているリーフ達も驚きが隠さずにいた。

リザードンは俺を信じ、《かみなりパンチ》を構える。

俺は…動き回るウィンディの音や気配を瞳を閉じて読み取る。

 

いつ襲い掛かってくるか分からない状態。

その状況において戦うポケモンは恐怖や緊張から自分の判断で動いてしまうが、リザードンは偽サトシを信じていた。

 

そして…俺はウィンディが仕掛けて来たタイミングを……捉える!

 

 

「後ろだぁぁぁあああ!!!」

 

 

俺の叫び声と共にリザードンは振り返って《ワイルドボルト》に《かみなりパンチ》をぶつける。

 

ウィンディのパワーに《ワイルドボルト》の技の威力は完全に防ぎ切れずに大ダメージがリザードンを襲う。

 

しかし…リザードンは《かみなりパンチ》でダメージを軽減させた事で、ウィンディを再び捉えた!

 

 

「リザードン! 渾身の馬鹿力を見せてやれぇえ!

───《フレアドライブ》!!」

 

 

リザードンに進化した事で新たに会得したのは《ドラゴンクロー》と、本来ならもっとレベルを上げた時に会得できるであろう《フレアドライブ》を扱える様になっていた。

故に、フィールドの『ひでり』に体力の限界が来ているからか、無意識に発動させている『もうか』を重ねた《フレアドライブ》で決める。

 

リザードンが凄まじい炎…業火を纏ってウィンディにへと突撃する。

そして、そのまま…ウィンディを押しながら共に壁にへと激突する。

 

 

「ウィンディ!!」

 

「リザードン!!」

 

 

凄まじい土煙が発生する。

……煙から晴れると、壁に叩きつけられて気絶しているウィンディと、ボロボロの身だが、立っていたリザードンだった。

 

ウィンディは倒れた。

 

 

「…見事だったぞ、サトシくん。

心燃える熱いバトルをさせてもらった。

ありがとう。」

 

 

カツラはウィンディに「お疲れさん」と告げてボールに戻した。

 

 

「ありがとうございます。

けど、頑張ってくれたリザードンやゲッコウガにガオガエンのお陰で勝てたんです。」

 

「そう悲観する事は無い。

キミのバトルへの向き合いに、戦略。

そして、ポケモンへの信頼。

どれも見事なものだった。

特に…ウィンディの動きを読み取っての指示は驚くものだった。」

 

「…俺は少しレアなもんで。」

 

 

勝利の嬉しさについカッコつけてしまったな。

 

 

「ま、今のは勝利に酔いしれてしまったんですけど…やはり一番はリザードン達の頑張りですよ。」

 

 

俺はヨロヨロのリザードンの肩を持ってそう告げる。

そうさ…俺は『波導』を扱えるから気配を辿れただけでちょっとズルをしたもんだ。

ま、ルールに反してる訳でも無いし…良いよね?

 

 

「どっちも凄かったさ。」

 

「そうそう。」

 

「そうだよ、サトシくん!」

 

 

タケシ達も駆け寄って来て俺を励ましてくれる。

 

 

「ふふ、キミはポケモンだけで無く、仲間にも恵まれているな。

それを大切にしながら、次も突き進んでポケモンリーグにへと進みたまえ!

さぁ、これが私に勝利した証のクリムゾンバッジだ!」

 

「はい、ありがとうございます…!」

 

 

俺はクリムゾンバッジを受け取った。

 

 

クリムゾンバッジ、ゲットだぜ!

 

 

「これで、残すは後2つだな。」

 

「私達で知ってるのは留守にしていたヤマブキジムと…そう言えば、トキワジムよね。

あそこもジムリーダーがいなかったのよねー。」

 

「…あそこはジムリーダーが『ロケット・コンツェルン』という巨大財閥の会長を務めているからな、あまりジムリーダーとして活動していないんだ。」

 

「ええ!? ウチのハナダジムもお姉ちゃん達が水中ショーとかやってて怠けている部分がありますけど、それでも最低限ジムリーダーとして責務を務めてますけど!?」

 

「…あのジムリーダーはカントー1実力が高いと言わしめる程実力があるからか、カントーのポケモン協会からは高く評価を受けている。

それもあってか、留守にしている期間が長くてもジムリーダーを兼任しているんだ。」

 

 

…そいや、そんな設定があったっけか?

 

 

「だが、ジムは他にもある。

大丈夫だ。キミ程の強さならば、焦らずともバッジを8つに出来る。」

 

 

大丈夫だ、問題無い。

何せトキワジム以外のジムに挑むつもりだからな!

 

後これはついでに聞いた話だが、リーフにここのジムに挑まないのかと聞くと、リーフは既にジムバッジを8つ手にしており、今はシルフの活動をしつつポケモンを育成しているそうだ。

 

…プテラの時のフシギバナを然り、リーフの手腕の高さを改めて思い知らされる。

流石はゲームの主人公だけの実力はある。

何だったら、優勝候補だろうな。

 

…負けられないなぁ…!

 

 

「今日もウチに泊まっていきなさい。

ゆっくりと、ウチの温泉を堪能すると良い。」

 

「……あの、この前みたいに温泉が混浴になったりしませんよね?」

 

 

カスミがジロリとカツラを睨むが、カツラは一瞬バツが悪そうにしていたが、「大丈夫だろう」と口笛を吹きながらトンズラしていった。

 

 

「……サトシくん?

どういう意味か、詳しく聞かさせて貰えないかな?」

 

 

リーフが俺の肩を強く握りながら光の無い瞳で俺を見てくる。

 

ちょっ、痛いし怖いんですけど…!!

ミシミシと…イタタタ!!

 

 

 






・リベンジ果たす。
カントーのジムリーダーの中でも一番に年期が入ってるだけあって苦戦した相手。
彼のジム戦が偽サトシ達に強く影響をもたらせた。


・3対3だけで丸々一話(1節)分の話…。
ポケモンリーグだと本戦に入るとフルバトル(6体)になるので、必然的に二話分になるのかと思うと長ったるくなってしまわないかと思う…。
ただでさえ、交代無しで丸々一話だもんで交代有りとかだと…最悪3話分になってしまうのか…!?

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