俺、サトシになってました(笑)   作:黒ソニア

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たはくち様
FROSTY=BLAKK様、星野林(旧ゆっくり霊沙)様
nakimi様、石油様
高評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
それから誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。




第45節:『開幕、カントーリーグ』

 

 

 

『第102話:セキエイ高原』

 

 

 

俺達はカントーリーグが開かれる場所、セキエイ高原に向かっていた。

…リムジンで。

 

 

「ありがとうございます、ブルーさん。

俺等まで一緒に乗せてもらって。」

 

「その位は構わないわよ?

でも、それよりシゲルくんはいなかったけど、大丈夫なの?」

 

「あ、シゲルは『シゲルズガール』の人達の車があると思うんで、大丈夫だと思いますよ?」

 

「…えっと、それって何?」

 

 

俺は『シゲルズガール』達の事を説明すると、ナナミさんが「彼女達はお父様の選挙活動の為のグループよ。」と説明してくれた。

 

それを聞いたブルーさんはナナミとかつて自分達が挑戦したポケモンリーグの話をし始める。

 

先ず、ブルーさんとナナミさんは同期で、カントー、ジョウト、ホウエンなどで競い合ったライバル。

ナナミさんはコーディーネーターの道に進んだが、最初はカントーリーグに挑んだらしい。

結果は準優勝で、ブルーさんと戦って負けたそうだ。

 

 

「へぇ…ポケモンリーグに挑んだ事があるって聞いてましたけど、準優勝したんですか!?」

 

「そうなの。ただ、私は悔しさもあったけど、その後にジョウトで開かれたグランドフェスティバルでブルーに勝ったの。」

 

「全く、アンタってば何だかんだ負けず嫌いよねー。」

 

 

と、ナナミさんの新たな一面を知って、可愛いなと思った。

…そう思っていると、隣にいる(右にリーフ、左にカスミ)から足を強く踏まれる仕打ちを受ける。

 

痛い止めて…。

 

 

「あらあら、サトシってばもう…。」

 

「…しかし、凄いですね。

ブルーさんは最初に出場したリーグで優勝、ナナミさんは準優勝ですし、その後のポケモンコンテストのグランドフェスティバルで優勝なんて。」

 

「ま、私とナナミはそこらのトレーナーとは違うもの。」

 

 

おおう…それを自分で言ってしまいますか。

凄い自信家だ。

 

 

「けど、お姉ちゃんちゃっかりその後のグランドフェスティバルでナナミさんに勝ってるもんね。」

 

「マジかよ…。」

 

 

リベンジ果たしてるんか…しかも、トップコーディネーターでもあるのか、ブルーさん…。

 

 

「とは言え、コーディネーターとしてはナナミの方が上ね。

一回勝った後は二連敗してるし、ナナミは今研究員として行動してるから、中々リベンジ出来ないのよねー?」

 

 

成程、この場合の『勝った』と『二連敗』はグランドフェスティバルでの事だろう。

…この2人は軽々しく語っているが、2人のいる領域は俺達からすればまだまだ先のステージ。

改めてレベルの違いを思い知らされるなぁ…。

 

 

「大丈夫よ、サトシくん。」

 

「へ?」

 

「サトシくんなら直ぐに私達よりも上に行けるわ。

自信を持って頂戴。」

 

 

な、ナナミしゃん…!!

 

 

「…ふーん、随分とサトシくんを買ってるのね。

けど、今回のカントーリーグは厳しいわよ?

なんたって…私の可愛いリーフちゃんがいるもの。」

 

「あら、分からないわよ?

勿論、リーフちゃんが凄い事は分かってるけど、サトシくんにシゲルがいるもの。」

 

 

ナナミさんとブルーさんは笑顔で返しているが…俺達には笑顔で睨み合っている様にしか見えなかった。

 

 

「…こう見ると、ナナミさんとブルーさんってライバルなんだって分かるわね。」

 

「ああ。ともあれ、サトシ、リーフ。

お二方の期待に押し潰されない様に頑張るんだぞ。」

 

 

タケシの労いの言葉に俺とリーフは互いに静かに頷いた。

その理由は勿論…窓越しから俺達の戦う舞台である会場が見えたからだ。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

「…ここが、セキエイ高原。」

 

 

俺達は会場に辿り着き、多くの人や大きなスタジアムを見て緊張感を抱いていた。

 

 

「さ、2人共。気持ちは分かるが、リラックスだ。

戦う前から押し潰されては駄目だ。

堂々として行こう。」

 

 

タケシが俺とリーフの肩を持ってくれる。

やはり、タケシは頼りになると改めて思った。

 

 

「はっ!! あそこに美人のお姉さん達が!

し、しかし、ここにはナナミさんとブルーさんが……お、俺はどうすれば良いん───いだだだだ!!」

 

「はいはい、落ち着きましょうねー。」

 

 

と、暴走するタケシを止めるカスミ。

…普段なら呆れるが、ある意味気持ちは逸れたな。

 

俺とリーフは軽く笑って歩み出す。

それに続いてタケシ、カスミ、おふくろ、ナナミ、ブルーは出場する為にエントリーする所へ向かう。

 

その間、ブルーさんのファンの人達が俺達を見て話題を上げる。

 

 

「おい、見ろよ…! ブルーちゃんだ!」

 

「マジかよ! あ、でも、ブルーちゃんってカントーリーグ優勝してるよな?

どうしてここにいるんだ?」

 

「! 見ろよ! あの子、ブルーちゃんに似てて可愛くね?」

 

「マジじゃん! 妹か? 親戚か?」

 

「どっちにしろテンション上がるなぁ!」

 

 

ブルーさんとリーフを見て物凄く盛り上がっている。

更に───

 

 

「待てよ? 更に隣にいるのって……あの伝説のコーディネーター、『天女』のナナミ様じゃないか!?」

 

「本当だぁ…!! 俺、大ファンなんだよ!!

まさかこんな所で見られるなんて…!!」

 

 

当然、ナナミさんも人気者なので、ギャラリーは大盛り上がりだった。

 

 

「おい、あれってニビジムのタケシじゃないか?」

 

「本当だ、何でここにいるんだろう?」

 

「いやそれよりも…あの2人は誰だ?

オレンジ髪の可愛い子と、大人の女性は誰だ?」

 

 

タケシ、カスミ、そしておふくろまでもが周りから注目されている。

…んで、俺はというとだ。

 

 

「…で、あのパッとしない少年は何だ?」

 

「もしかして、リーグ挑戦者か?」

 

「地味だな…一回戦で敗退だろ。」

 

「マジか…あんなパッとしなくて目つきの悪そうなガキンチョがか?」

 

 

…散々な言われようだった。

正直そう言うのはこれまでの旅で言われ慣れているから平気だけどな?

俺以外の奴だったら精神的にくるぞ?

 

 

「もう! 私の自慢の息子に何て言いようなのよ…!」

 

「大丈夫だって。言われ慣れてる。」

 

「言われ慣れてるですって!?」

 

 

おふくろは驚愕し、リーフとナナミさんまでおふくろと同じ反応をしている。

 

 

「はぁ……そう言えば、陰で言われてたんだっけ?」

 

「あぁ……俺は分からなかったが、チラホラと聞いた話、そう言う事を言う連中がいるらしい。」

 

「え? え? ど、どういう事…?」

 

 

悪いけど、一ミリも需要の無い事は話す必要がないから。

 

俺は周りを無視して受付にへと向かう。

 

リーフ達も続いて行き、リーグの出場の為にエントリーし大会のガイドブックを受け取り始めると…。

 

 

「おめでとうございます、サトシ選手!

アナタは聖火ランナーの一人に選ばれました!」

 

 

受付の人が物凄い笑顔でそう告げる。

聞くと、ポケモンリーグでは聖火と呼ばれる炎を抽選で選ばれた選手達が繋いでリーグ会場に持って行くというイベントがあるのだが…。

 

 

「すいません、辞退って出来ます?」

 

 

俺はそう答えた。

正直、余計な事で目立つ行為をしたくないので、謹んで断ろうとするが…。

 

 

「ええ!?」

 

 

なんと、世間では名誉な行為を断るのは俺が初めてだそうで、受付嬢はとても困った顔をしてしまう。

 

 

「さ、サトシ!?」

 

「何でそんな勿体無い事を言うんだ!?」

 

「だって、正直怠い。

そんな事をしている暇があったら、精神統一していたい。」

 

 

ポケモンリーグは負ければその時点で終わり。

だから、それを踏まえると心を落ち着かせる為にそんなトンチキイベントはご遠慮したいのが、俺の意見だが…。

 

 

「まぁ! 凄い事に選ばれたのね!

サトシ! 頑張って聖火ランナーをやるのよ!」

 

 

…と、おふくろはノリノリで、俺の応援をしてくれる…。

おふくろがこの調子なので、泣く泣く聖火ランナーになる事となった。

 

 

 

 

 

『第103話:聖火ランナー』

 

 

 

「おやおや? 誰かと思えば、サートシくんじゃないか!

って…キミ、いつもとは異なる格好をしているが…まさか、聖火ランナーに選ばれたのかい?」

 

「お、シゲルンルン。そうなんだよ…。

正直あまり目立ちたく無い身としては罰ゲームすぎて怠い…。」

 

「シゲルだよ!

…とはいえ、キミとしては早々から災難だね。

この調子だとこのカントーリーグは僕が───」

 

「シゲル? サトシくんの邪魔しちゃダメでしょ?」

 

 

と、我が女神ナナミ様がシゲルを見つけ、俺の邪魔をしない様に『シゲルズガール』…じゃないのか、いや…面倒だからそのままでいいか。

兎も角、ナナミさんがシゲルを連れて行った事により、俺は前のランナーが来るまでを待つ。

 

…少し待ってる間に、軽く聖火について触れておこう。

どうもこの聖火…特にこのカントーの聖火はファイヤーの炎らしい。

いや、聖なるって意味ならホウオウの方が良いやん。

確か、お隣のジョウト…シロガネ大会の方はホウオウの炎で、そっちの方が縁起いいと思うのに…。

 

……そんな事を思っていると、俺の番になった。

俺は聖火を持ちながら走り始める。

 

………走り続け、多くの人やカメラが回っている中で緊張し過ぎて体力が直ぐダメになるかと思ったが、この体は強靭なマサラ人の肉体である為、全然余裕だった。

 

さっさと次の番の所まで着かないかな…?

って、カメラマンとアナウンサーが悠長に休憩し始めたんが?

仕事しろよ……いや、俺にとっては好都合だったわ。

 

…と、考えていると、次のランナーの姿が見え始める。

 

 

「何だかんだ、俺の番は終わったな。」

 

 

………あれ、急に変な予感がし始めたのだが───

 

 

「ふっ、ふふふ……久しぶりに言えるわね。

何だかんだと聞かれたら───」

 

「聞いてねぇからさっさと消え失せろ。」

 

「ちょっと! アタシ等の久しぶりの台詞を最後まで言わせなさいよ!」

 

「そうだぞ!? 俺達がちゃんと言えたの、最初の時だけじゃないか!?」

 

「そうニャ!」

 

 

上空にニャースの気球に乗ったムコニャが現れた。

 

…たくっ、マジでムコニャは……って───

 

 

「お前等、また脱獄したの?」

 

「アタシ等を舐めんじゃ無いわよ!」

 

「このままだと、ボスに会わせる顔が無いんだよ!!」

 

「いや…もうロケット団辞めたら?

悪いけど、お前等正直悪党向いていないし、素直に更生すれば良い人生送れる気がするけどな…。」

 

「は、はぁ!?」

 

「な、何を言うんだお前は!?」

 

 

ムサシとコジロウは俺の言葉に何か思う所がある反応をしている。

…やはり、心の何処かで思う所があるのだろう。

 

 

「大変だニャア、おミャー等は。」

 

「ただしニャース、お前は駄目だ。」

 

「ニャア!? ニャんでニャーだけ!?」

 

 

だってなぁ…ムサシとコジロウは情けない部分があって愛嬌あるけど、お前は腹立つ行為ばかりしてるからな?

 

 

「…お前にはトキワジムで散々な目に遭わされたからな。

たっぷりと礼をしてやる…!!」

 

『あ、すいません!

我々用事を思い出したので帰りま───』

 

 

ムコニャが俺の怒りにビビって逃げようとするが、そんな事はさせない。

俺は…何処かの黒脚の女好きコックの渾身のムートンショットを決め、その後にコンカッセで地上に叩き落とした。

 

 

『や、やな感じ…。』

 

「ジュンサーさん、アイツ等ロケット団なんで捕らえてもらえます?」

 

「え!? ロケット団だったの!?」

 

 

ジュンサーは俺に言われて漸く邪魔しに来たのがロケット団だと分かった様で、急いで捕らえていく。

 

おいおい、そんなんで良いのか?

……いや、割とアニポケのジュンサーって役に立たない事ばかりだったな。

てか、役に立った回を俺は見た事が無い。

 

…と、やれやれとしていると、さっきまで悠長に休んでいたカメラマンとアナウンサーが慌てて動き始めたので、俺はさっさと次のランナーに聖火を渡して『逃げるんだよー!』とさっさと退散する。

 

 

「はぁ………あっぶね。」

 

「アンタねぇ………まっ、でも、直ぐに手助けに駆けつけられなかったアタシ達が言えた事じゃないわね…。

後、トゲピーが不機嫌だからご機嫌取りして。」

 

 

俺はカスミ達と合流すると、ムコニャが邪魔に入った事で不機嫌となったトゲさんのご機嫌取りをする。

俺がボコボコにしたと伝えると、可愛らしく『チョキチョキ!』と笑顔になってた。

 

うん、可愛い。

 

……あれ、でもアニポケでトゲピーってロケット団嫌いだっけ?

忘れた。

 

後、この後ナナミさんは凄い心配してくれて抱きしめてくれて怪我が無いかとか心配性を発揮してる。

 

大丈夫ですって。

 

おふくろ、リーフ、カスミ、タケシは俺の超人離れに慣れてしまっているせいか反応は薄かった。

おふくろに限っては「サトシも大きくなったわね〜。」程度だった。

 

が、シゲルはドン引きしていた。

 

お前は割と知ってる側だろう?

 

 

 

 

 

『第104話:さぁ、いよいよリーグ開戦だ!』

 

 

 

聖火ランナーも無事に終わり、夜となって開会式が始まった。

 

最初にこのリーグに関わっているポケモン協会のお偉いさん達の長ったるい校長先生の長話を聞かされる。

 

マジで怠い。まさかこの世界でもこんなのがあるのか…。

 

と、多くの人が共感している中、次にタマランゼ会長という爺さんが手短に纏める。

 

 

「ホッホッホ、長い話は抜きじゃ。

ワシや観客の皆は諸君達の活躍を期待しておるぞぉ!

これにて、第〇〇回、カントーポケモンリーグの開会式を終わる!

明日から頑張っておくれい!」

 

 

タマランゼ会長の有難いお言葉(短い意味で)に皆が『おおー!!』と力一杯、叫んだ。

 

 

「いよいよだな。」

 

「そうだね。」

 

 

俺は不適な笑みを浮かべ、リーフは緊張した顔で頷いた。

 

 

「対戦相手は既に発表されたそうだ。

…開幕から当たらない事を祈ろう。

何せ、僕と当たったら僕の勝ちは絶対だからね!」

 

 

シゲルもやって来て、自信満々な様子だった。

 

さて…その自信が折れない事を祈る。

仮にもここにいるトレーナーはバッジ8つ集めるレベルばかりだ。

油断していたら足を掬われる。

それも、トレーナーに成り立たての俺等はトレーナー歴のあるトレーナーからはカモである事を、な。

 

そんな事を思いつつ、俺達は対戦相手を確認する。

 

俺の相手は…コウムっていう選手だ。

あ、確か…アニメだとサトシくんのキングラーに3タテされる奴だったな。

 

…しかし、俺の手持ちにはキングラーやクラブはいないので、油断せずに挑もう。

 

それから、セレナにも連絡を入れよう。

あっちではカントーの後にリーグが始まる様で、俺のバトルを必ず全部観てくれるって言ってくれた。

遠くから俺の勝利を祈ってくれるらしく、絶対に負けられないと思った。

 

 

 






・ナナミとブルーはライバル。
触れるか分からないのでここで軽く。
ナナミはフシギダネ、ブルーはゼニガメでヒトカゲはモブが貰った。
モブは当然どうなったかは知らないが、ナナミとブルーは決勝戦で戦い、ブルーが勝利。
しかし、グランドフェスティバルではナナミの方が勝率が高い。
…因みに、ナナミは既に『マスターコーディネーター』である。


・トゲさんがムコニャに対して敵意を向ける?
まぁ…これに関してはいずれ触れるが、偽サトシくんは♀ポケモンにもモテるので、それ故に偽サトシに迷惑をかける連中におこおこぷんぷんまるになる。


・しれっとセレナさんと連絡を取り直していた。
これに関しては描写を忘れていました、お許しを…。

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