俺、サトシになってました(笑)   作:黒ソニア

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クロ0805様
Morita様、狩る雄様、ニックー様
高評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
それから誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。




第51節:『カントーリーグ本戦・6回戦』

 

 

 

『第109話:本戦第6試合 VS〝クロス〟(前編)』

 

 

 

「はぁ、はぁ………シゲル!」

 

 

俺はシゲルとクロスの試合を観た後、シゲルを追いかけた。

 

試合内容は…シゲルがニドキング、カメックス、レアコイル、ブーバー、ピジョット、ニドクイン。

対しクロスはゴローニャ、カブトプス、ガオガエン、アローラサンドパン、ギャラドス、ルガルガン。

 

前半、シゲルはニドキング、そしてクロスはゴローニャを繰り出した。

ニドキングとゴローニャがぶつかり…戦いの末にゴローニャが勝った。

 

次にシゲルはカメックスを繰り出して、カメックスとゴローニャでぶつかり…《こうそくスピン》で素早さ上げながら特攻する所を至近距離で《だいばくはつ》でカメックスを大きく弱らせた所、カブトプスを繰り出してシゲルを挑発し、シゲルはまんまと術中にハマってしまい…エースのカメックスがやられてしまった。

 

その事を指摘されたシゲルは完全にクロスのペースに呑まれてしまい、レアコイルを出して攻めたが、相打ちにもってかれてしまう。

 

先にシゲルのポケモンが3体戦闘不能になり、インターバルに入った所で俺達は急いでシゲルの元へ行き、気持ちを切り替えさせようとしたが…。

 

 

「問題無い…僕の力だけでアイツを倒せる!

キミ達は次の事を考えていればいい!!」

 

 

…と、完全に頭に来てしまっており、俺達の言葉に聞く耳を持たないでいた。

 

 

「落ち着けって、今のはお前はアイツの思う───」

 

「黙って見てろ! 僕はキミよりも上なんだ!

だからあんなトレーナーの風上にも置けない奴なんかに負けない!

放っておいてくれ!」

 

 

と、啖呵切って俺達を無視し続けてしまった。

…その際、俺達…というか、シゲルの状況を見ていて嘲笑っていたクロスが視界に入って、俺も少し頭にきてしまったが、後半に入ってしまった。

 

後半、シゲルはブーバー、クロスはガオガエンを繰り出した。

同じタイプ同士で戦ったが、ブーバーがまだ最終進化してないのもあり、ガオガエンに押されてしまい…倒されてしまった。

 

次にシゲルはピジョットを繰り出して、クロスはガオガエンを戻してアローラサンドパンを繰り出した。

シゲルはアローラサンドパンの事を知らずに特攻し、《ゆきなだれ》や《アイススピナー》、《れいとうビーム》を駆使してピジョットもやられてしまう。

 

シゲルは最後にニドクインを繰り出し、クロスはアローラサンドパンを戻してギャラドスを繰り出した。

『いかく』で攻撃力を1段階下がった事から特殊技で攻めて…何とかギャラドスを倒す事は出来た。

…しかし、次にルガルガンを出され、タイプ相性で勝てると…油断を誘ったせいで《ふいうち》からの《サイコファング》で呆気なくやられてしまい…シゲルは負けてしまった。

 

 

「ハッ! この程度か。

俺の挑発にまんまと引っかかって、自分のポケモンを無駄に傷つけたな。

そんなレベルならカブトを育てても、俺の様には育てられなかった。

お前───トレーナー向いてねぇよ。」

 

 

クロス…いや、クソ野郎にそう言われてしまい、シゲルは絶望し、ヨロヨロとしながらフィールドを去った。

 

 

「はぁ……はぁ……。」

 

 

俺はそれを見て急いでシゲルを追いかけて…通路の壁を背に座り込んでしまっているシゲルを見つけた。

 

 

「………やぁ、サトシ。

恥を晒した僕を……笑いに来たかい?」

 

「…!!」

 

 

シゲルは涙目になって…人生が終わったかの様な顔をしていた。

 

それを見た瞬間………俺の頭の中でクソ野郎に対する憎悪が膨れ上がる。

 

───俺の親友(ライバル)をこんな風にしやがって…!!

 

俺はそんな感情を抱きながら……シゲルの胸ぐらを掴んで、持ち上げる。

 

 

「うぐっ…!?」

 

「サトシくん!?」

 

「サトシ!? 何をしてるの!?」

 

 

俺の後を追って来たリーフやカスミ達も来て、俺の行動に驚愕していた。

が、そんな事はどうだっていい。

 

 

「何なさけねぇ事を言ってやがる……お前はこんなので折れる様な奴じゃ無いだろ!!」

 

「……っ。」

 

「お前言ってたよな……

『───僕はキミの上に立ってないといられないタチみたいでね!』

そんなお前が…一回負けたくらいで…!

悔しい気持ちは分かる!

けどあんな奴に負けた程度で折れるなよ!!」

 

「……だけど…僕は───」

 

「俺の知っている親友でライバルのシゲル(お前)はそんなんじゃねえ!!」

 

「!!」

 

 

俺の言葉にシゲルや他の皆が驚いているが、俺は続ける。

 

 

「確かに…グランキャンパスで散々な目に遭って、そんな奴に負けて、トレーナー向いてねぇとか言われて、死ぬ程悔しいのは分かる!

俺だってお前だったら傷つくさ!

だけど……俺の知っているお前は!

次にどうやって勝とうかと考えられる前向きな強い奴だって…俺は知っているんだぞ!」

 

 

お前は恵まれている俺に嫉妬していながらも、俺を追い越そうと努力していた。

 

俺は嬉しかった。

嫉妬していながら、友人として今までもこれまでも接してくれていた事に。

 

こんな事、口に出来ねぇけど…。

俺の理想像は…お前に近いんだぜ?

強くて、優しくて、ポケモンの事も詳しくて…前向きなカッコいい奴だって。

 

 

「……明日の俺の試合、絶対見ろよ。

俺はアイツに絶対に勝つ。

だから……さっさと目を覚まして、いつも通りのお調子もんに戻れよ。」

 

 

俺はそう言ってシゲルを解放し、明日に向けて部屋に戻りに行くのだった。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

『さぁ、始まりました。

決勝トーナメントAブロック2回戦:第5試合!

サトシ選手 VS クロス選手!

果たして…勝つのはどちらなのか!?』

 

 

俺はフィールドリングに立ちながら、グローブを嵌めながら静かに昨日の事を振り返る。

 

俺は部屋に戻りながら手持ちについて考えていた。

…その最中、リーフがやって来てぷんすか怒りながら「勝ったよ!」と説教を受けながらも、勝利を祝福した。

 

そして、その後に来たタケシやカスミが来て、4人で話し合った結果。

今回エントリーしたのは───

先発にゲンガー、控えにエレブー、フクスロー、フシギダネ、ガオガエン、リザードンだ。

 

…ゲッコウガを選出しなかったのは、アイツが最も警戒していると判断してのことだった。

 

 

「これがお前の最後の試合になるんだ。

しっかりとこの光景を焼き付けとけよ?

お前等はもう2度とここには来れねえ。

お前も、アイツの様に屈辱を与え、トレーナーを辞めさせてやるよ!」

 

 

…クソ野郎はシゲルがトレーナーを辞めたと錯覚している様だ。

 

 

「…はは。」

 

「何を笑ってやがる。」

 

「シゲルが、お前なんかに負けた程度でトレーナーを辞めるかよ。

アイツを甘く見て、見下している時点でお前の実力はたかが知れている。

断言してやる。

この試合、勝つのは───俺だ!」

 

 

クロスは何を思ったのか知らないが、俺に殺気を飛ばし始めた。

 

 

『サトシ選手が勝利を宣言したぞぉ!

彼はこの試合でどの様なバトルを見せてくれるのかぁ!?』

 

「俺に一度勝てた程度で良い気になってんじゃねぇよ!

教えてやる! 俺が最強だってな!!」

 

「何を言おうと、俺達の勝利は揺るがない!」

 

 

俺達の言葉に会場が勘違いして盛り上がる。

 

 

「両選手、同時にポケモンを!」

 

「ゲンガー、キミに決めた!」

「いけ、フーディン!」

 

『両選手、ポケモンを繰り出したぁ!!

サトシ選手はゲンガー、クロス選手はフーディン!!』

 

「試合開始!」

 

「ゲンガー、《ヘドロばくだん》!」

 

「フーディン! 《サイコキネシス》!」

 

 

ゲンガーの《ヘドロばくだん》をフーディンは《サイコキネシス》であらぬ方向に飛ばす。

 

その隙に《シャドーパンチ》で素早く仕掛けて、フーディンに大ダメージを与えた。

 

 

「何をみすみす攻撃を受けやがった!

チッ…《テレポート》してから《サイコキネシス》!」

 

 

攻撃を躱せないように指示したんだ、そう簡単に避けられるかよ。

てか、それをフーディンに当たってる時点でコイツもゴンタの奴と大して変わらんな。

 

…しかし、アイツと違って実力はある…が。

《テレポート》からの攻撃という分かりやすい戦い方をしてドヤっているが、その程度は想定通り過ぎる。

 

 

「ゲンガー、《ゴーストダイブ》!」

 

 

俺は冷静に次の指示を送り、ゲンガーも冷静に影の異空間にへと避けた。

 

 

「チッ、小癪な技を使いやがる。

小物にはお似合いな技だな!」

 

「そうかよ。けど…その小癪な技に、翻弄されるお前は何だろうな?」

 

 

言葉通り、フーディンの背後に現れて攻撃しようとした途端に振り返って《サイケこうせん》を指示してくるが、再度《ゴーストダイブ》で避ける。

 

クロスはその行動に苛立ち始め、フーディンも神経を使っている様な雰囲気になったが…。

 

現実世界…目の前に堂々と現れて《ゴーストダイブ》を決めると同時に《ヘドロばくだん》を放ってフーディンをフィールドに叩きつけ、追撃の《シャドーパンチ》などの連続技を放つ事で戦闘不能にした。

 

フーディンは倒れた。

 

 

「フーディン、戦闘不能! ゲンガーの勝ち!」

 

『先制を取ったのはサトシ選手!

ここまで、どの試合もサトシ選手が初戦を制している!

彼が如何にレベルの高いトレーナーかが分かるぞぉ!』

 

 

…普段なら少し小恥ずかしく感じるが、相手がクソ野郎なだけあって非常にいい気分だ。

 

 

「クソがっ! 何がレベルが高いだ!

攻撃も与えられずに負けやがって…!!

……いけ、ギャラドス!」

 

『クロス選手、二番手にギャラドスを繰り出した!

特性の『いかく』も発動し、ゲンガーの物理攻撃力を下げたぁ!』

 

 

ここでギャラドス…『いかく』は少々痛手だ。

ゲンガーが使用した二つの技は物理技だからな。

 

…ま、でも、ここは敢えてワザとやられたフリをして───

 

 

「速攻で片付けてやる…!

ギャラドス、《かみくだく》!」

 

 

ギャラドスが勢いよく攻めてくるが…。

 

 

「ゲンガー、《あやしいひかり》!」

 

 

近づいて来たタイミングで勿体ぶらずに4つ目の技の《あやしいひかり》で『こんらん』状態にし、追撃の《ヘドロばくだん》をお見舞いする。

 

 

『ゲンガー! 《あやしいひかり》で『こんらん』状態にして《ヘドロばくだん》でダメージを負わせたぁ!』

 

「小賢しい! ギャラドス!

さっさと正気に戻れ!」

 

「戻ってくれ、ゲンガー。」

 

「!?」

 

 

ギャラドスが『こんらん』している最中でこちらはゲンガーを戻す。

 

 

「エレブー、キミに決めた!」

 

『サトシ選手、ゲンガーを戻して二番手にエレブーを繰り出した!

ギャラドスにエレブーのでんき技で速攻で倒すつもりかぁ!?』

 

「…戻れ、ギャラドス。」

 

『ああっと! クロス選手も戻した!

流石に『こんらん』状態で相手するのは困難だと判断したようだ!』

 

 

何やらしてやったぜ的な顔をしているが、普通だからな?

 

 

「いけ、ナッシー!」

 

『クロス選手の三番手は……で、デカい!!

こ、これは噂で一度聞いた事があるぞ!!

これが、アローラのナッシー!!』

 

 

…なーる、その手で来るか。

確かアローラナッシーは『くさ・ドラゴン』の複合タイプだったな。

 

それで『でんき』タイプのエレブーに強気な態度か。

…このまま、ゲンガーにしてもギャラドスにして、ゲンガーを戻してエレブーにしても、アローラナッシーにして最終的に連続交換が5回までで俺がエレブー固定に、アローラナッシーでドヤ顔していい気になるのは目に見える。

 

ので───

 

 

「エレブー、《じゅうでん》!」

 

 

エレブーでこのまま倒させてもらおう。

 

 

「馬鹿め! ナッシー! 《さいみんじゅつ》!」

 

 

そう来るか。ならば───

 

 

「エレブー! 見せてやれ!

《じゅうでん》で上がった桁外れの威力の───

《10まんボルト》の『カウンターシールド』!」

 

 

これはサトシくんが生み出した必殺技の技術───

『カウンターシールド』。

攻撃を攻撃で防ぐ戦法で、《さいみんじゅつ》を無効にする有名な技だ。

 

当然、使える技術なので有り難く使わせてもらい、エレブーや他のポケモン達にも伝授済みさ。

 

ブレイクダンスのように回転しながら電撃を発射し、周囲を包んで《さいみんじゅつ》を無効にし、しかも《じゅうでん》の効果で威力が上がっており、でんき技が1/4のアローラナッシーにある程度のダメージが入った。

 

 

「何だと!?」

 

『これは凄い!

《10まんボルト》を踊りながら発動する事で、《さいみんじゅつ》を無効にしてしまったぁ!?』

 

 

クソ野郎に実況…そして、会場の多くの者達が度肝を抜かれて盛り上がっていた。

 

そして、更に運が良い事に『まひ』状態も引いて動きが鈍る。

 

 

「決めるぞエレブー! 《れいとうパンチ》!」

 

 

エレブーの《れいとうパンチ》が大きな衝撃音を立ててヒットする。

恐らく急所に当たったのだろう。

それもあって、アローラナッシーは戦闘不能になった。

 

アローラナッシーは倒れた。

 

 

「ナッシー、戦闘不能! エレブーの勝ち!」

 

 

アローラナッシーもなす術なく倒された事で、クロスが俺を強く睨んでいた。

 

 

『さぁ勢いに乗っているサトシ選手!

対してクロス選手はこの状況からどう覆すか!?』

 

「…良い気になるなよ……勝つのは、最強の俺だ!!

いけぇ! ゴローニャ!」

 

 

フィールドに出てきたのは、昨日シゲルを苦しめたゴローニャ…では無く、ナッシー同様にアローラゴローニャだった。

 

 

『クロス選手の三番手はまたもやアローラのポケモン、アローラゴローニャだあ!!』

 

 

クロスの奴はやり返してやったと再びドヤ顔をして来るが…。

それすら俺からすれば想定内だったので、冷静にエレブーを戻す。

 

 

「フクスロー、キミに決めた!」

 

『サトシ選手の三番手はフクスロー!

思えば、サトシ選手もクロス選手同様にアローラに生息…そしてあまり見かけないアシレーヌ、ガオガエンに続き繰り出している!

今カントーリーグはアローラのポケモンも大活躍だぁ!!』

 

「…どういう経緯でそいつ等を持ってるかは知らないが、良い気になるな!!

ゴローニャ! 《ころがる》!」

 

「フクスロー、高く飛んで《エナジーボール》!」

 

 

フクスローは大舞台故なのか、やる気が高い事もあって勢いよく空に飛んで《エナジーボール》を放つ……が、火力自体はあちらの方が上の様で《エナジーボール》は相殺されてしまう。

 

 

「そんな攻撃が効く訳ないだろ!

ゴローニャ! 《でんじほう》!」

 

 

でんきタイプの高火力技の《でんじほう》でフクスローに狙うが、やる気の高いフクスローには当たらず、その隙に《わるだくみ》を積み始める。

 

それにマズいと思ったのだろう。

クロスは《ストーンエッジ》を指示して岩の柱を生み出す。

そして…《ころがる》で岩の柱を使い、空高くにいるフクスローに目掛けて来る。

 

そして…躱す様に指示するが───

 

「気に入らないが…。

このままお前の思い通りにはさせねぇ!

ゴローニャ! 《だいばくはつ》!!」

 

 

!! ノーダメ状態で容赦無く指示するか。

 

これには流石の予想外だった。

直様急降下させようかと思ったが…アイツの事だ、伊達に短い期間でカブトをカブトプスにし、シゲル相手に使った事を踏まえれば───

 

俺はフクスローにある指示を送り、頷いた瞬間に《だいばくはつ》が発動した。

 

凄まじい爆発が発し……次第に二つの影が地上のフィールドに落下する。

一つは戦闘不能になったゴローニャ。

もう一つは凄まじい《だいばくはつ》で戦闘不能になったフクスローかと、誰もが思ったが───

 

 

『おお? おおおおお!!

フクスロー、まさかの()()!? これは一体!?』

 

「!? どういう事だ!?」

 

「冷静になって考えて見ろよ。

強力で高威力な《だいばくはつ》を無傷で済ませる技があるだろう。

───《まもる》で防御していたのさ。」

 

「…!! だ、だが!!

お前は《まもる》の指示をしていねぇ!!

なのに何故《まもる》が発動した!?

あいつ自身が勝手に技を出したのか!?

だったらルール違反だ!!」

 

「ルール違反? そんなルールは無いはずだ。」

 

 

俺は審判に目線を送ると、審判は頷いた。

 

 

「技を5つ以上の使用ならばルール違反になりますが、技使用数が充分にある中、ポケモン側の判断での行動は反則ではありません。」

 

「付け加えるなら、お前が途中で《だいばくはつ》をキャンセルさせない為にハンドサインで《まもる》の合図を送っていたんだよ。」

 

「…っっ!!!」

 

『何と言う判断だぁ!!

咄嗟にその様に先を踏まえて考えた事も驚きだが、フクスローがその合図を冷静に気づいて行動に移したのにも驚きだぁ!!

これまでの試合を見てきて思ったが、サトシ選手は他の選手と比べて何枚も上手を行っている!!

とてもトレーナーになりたてとは思えない!!』

 

 

実況の解説に会場は凄まじい熱狂に包まれるが…試合に戻ってもらいたい。

 

 

「ゴローニャ、戦闘不能! フクスローの勝ち!

クロス選手のポケモンが先に3体戦闘不能になったので、インターバルに入ります。」

 

「……クソがっ!!」

 

 

クロスがトレーナーリングの手すりを力強く叩いた。

 

おいおい、そんな力強く叩くと……リングが壊れるだろう?

お前の手が痛もうが構わないが、直す人の事を考えろよ。

 

 

 

───お前のやりそうな事はある程度読めんだよ。

舐めるなよ?

俺の親友を傷つけた代償はこんなもんじゃない。

テメェは、俺を怒らせたんだからな。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

5分間のインターバルに入ってる中…カスミとタケシは偽サトシの元へと向かった。

 

 

「す、凄いね、サトシくん…。

わ、私、あそこまで先の事まで思いつかないんだけど…。」

 

「これに関しては流石の私もビックリね。」

 

 

リーフは半ばガチガチ状態になり、ブルーも偽サトシのバトルに驚きが隠せないでいた。

 

 

「…凄いね、サトシくん。

ちょっと怖い感じもあるけど。」

 

 

ナナミは偽サトシのバトルを見て、そう呟いた。

 

 

「…あの子、怒っているのよ。」

 

 

ハナコがそう呟くと、ナナミ達はハナコを見る。

 

 

「皆ももう分かってるけど…。

あの子、自分の事に関しては滅多に怒らずに流すのだけど。

誰かの為…それも、自分にとって大事な人が傷つくと、あんな風に怖いくらいに凄くなるのよ。」

 

 

ハナコは理解している。

ブルーの夢について真剣な顔だったのも、シゲルが負けて落ち込んでいた際にキツめに行動をとったのも、最愛な息子の事を熟知していたから何もせずに見守っていた。

 

 

「……サトシ、僕は。」

 

 

試合中、ずっとナナミの隣で静かに偽サトシのバトルを見ていたシゲルは何を思うか。

 

後半戦がいよいよ始まろうとしていた。

 

 

 






・偽サトシくんは自分よりも誰かの為に戦う方が強いタイプ。
…だから、勝ってくれい!
そして、そのままクロスを圧倒的にボコボコにして思い知らせて欲しい。
自分、なろうはそこまで好きではないが、こういうのは嫌いではない。
寧ろ好きである。

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