俺、サトシになってました(笑)   作:黒ソニア

55 / 89


ジョーイ戦…思っていた以上に長くなってしまったが、これにて終幕。
勝敗の行方は───


如月冬ニ様
タユフェイト様
高評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
それから誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。




第55節:『VS 伝説〝ファイヤー〟』

 

 

 

『第113話:本戦第7試合 VS〝ジョーイ〟(後編)』

 

 

 

『ま、ままま、まままままさかのファイヤー!!

ジョーイ選手の六番手はまさかの伝説の炎鳥ポケモン:ファイヤー!!

これまで数々のポケモンリーグの実況をしてきたが!

伝説のポケモンを使用したトレーナーは彼女が初だぁああ!!』

 

 

実況の言葉に繋がるように『ワアアアアア!!!』と熱く盛り上がる。

 

…いやいや、勘弁してくれよ。

アニポケでも伝説が出て来たのはAG編のジンダイと、DPのダークライ使いのタクト編…映画を除けばそれ位だったけか?

兎も角、こんな序盤から出て来ないでくれよ…。

あれか? トキワジムでミュウツーを従えたサカキが現れなかったツケがここで来たってか?

 

………落ち着け、冷静になれ俺。

今フィールドにいるのはほのおタイプを持っているガオガエン。

技も《ビルドアップ》《ニトロチャージ》

《クロスチョップ》の3つだ。

4つ目の技をまだ使用していない。

 

ファイヤーは『ほのお・ひこう』タイプ…いわ技を覚えていないが、《どくどく》を使えるので、『もうどく』状態にして残る手持ちで持久戦に持ち込めば…!!

 

 

「ガオガエン! 《ニトロチャージ》して突っ込め!」

 

 

ガオガエンが炎を纏って素早さを2段階に上げて突っ込み始める。

隙を見て《どくどく》を当ててやる───

 

 

「…ファイヤー、《にらみつける》。」

 

 

ファイヤーの《にらみつける》でガオガエンの防御が1段階下がる…だけで無く、《ニトロチャージ》が解除されて硬直状態になって止まってしまう。

 

ファ!? そ、そんなのあり!?

 

ファイヤーの《にらみつける》がネタにされていた技だと認識は知っていたが…。

ゲームと違って滅茶苦茶強力な技になってるじゃねぇか!!

 

俺がそう驚いた瞬間に、ジョーイはファイヤーに《エアスラッシュ》を指示して、動けないガオガエンはモロに受けて倒れ込み、何とか耐えて動こうとするが、追撃の2度目の《エアスラッシュ》を受けて戦闘不能に持ってかれてしまった。

 

ガオガエンは倒れた。

 

 

「ガオガエン、戦闘不能! ファイヤーの勝ち!」

 

『あ、圧倒的だぁあああ!!!

これが伝説と呼ばれるポケモンの力!!

ガオガエン、無念にも何も抗えずに倒れしまう!!』

 

 

な、なんて馬鹿げた強さだ…。

伝説ってこんな圧倒的な強さを持っていたのか…?

もしかして…アローラで出会ったカプ・コケコも、こんな桁外れの力を有していたってのか?

 

……落ち着け、落ち着くんだ俺!

相手のペースに呑まれるな!

呑まれたら、やられる!!

 

 

「…すまん、よく頑張ってくれたなガオガエン。

………頼むぞ。

フクスロー! キミに決めた!」

 

『サトシ選手、ガオガエンを戻してフクスローを繰り出した!

インターバルもあって多少体力は回復しただろうが、それでもどうやってファイヤーに報いるのか…!?』

 

 

実況の言った通り、インターバルもあって微小だが体力は回復してるだろつうし、スタミナも回復している。

これも踏まえれば、まだ戦える!

開幕《ブレイブバード》で攻めて先ずは一発ダメージを───

 

 

「…ファイヤー、《にらみつける》。」

 

 

再度ファイヤーに《にらみつける》で《ブレイブバード》が強制解除されて硬直状態になってしまう。

その際、フクスローが何やら奇妙な声を上げていた。

 

俺がそれに違和感を覚えて疑問に抱いた瞬間に、ファイヤーが《エアスラッシュ》でフクスローを襲う。

 

 

「フクスロー!! 頼む!!」

 

 

フクスローに声を掛けるが、フクスローは体を震わせており、動こうとするも、先に攻撃が当たってしまい…戦闘不能になってしまった。

 

フクスローは倒れた。

 

 

「フクスロー、戦闘不能! ファイヤーの勝ち!」

 

『フクスロー! 一矢報い様とするも、激戦によるダメージの蓄積もあったせいか技が途中で不発となってしまい、そのまま倒されてしまったあ!!』

 

 

………いや、違う。

確かに、ダメージによる蓄積による技の不発は充分にあり得る。

ここは現実…ゲームとは違うからな。

 

だが……ガオガエンもフクスローも、あの《にらみつける》によって技が不発になったんだ。

 

()()()()()()()()()

 

あの時…ガオガエンは声や態度には出なかったが、フクスローが《にらみつける》を受けた時に奇妙な声を上げた。

 

あれはただの悲鳴…恐怖による声じゃ無い。

 

それは、長い付き合いだからこそ分かる。

俺のフクスローはモクローの頃からボーッとしている所があるが、アイツはバトルにおいて、格上相手だからってビビったりはしない。

 

あれは───特性『プレッシャー』が組み合わさった《にらみつける》だ。

 

それならば納得出来る。

この際、そんなのあり得るのか、どうしてそうなるは関係無い。

事実として起きているのだから。

アイツは意図しては無いが、結果的に行動でそれを示してくれたんだ。

 

他所からすれば、そんな事が出来るのかって思考になるが、ここは冷静に対処しよう。

出来るから、ガオガエンとフクスローは何も出来ずに倒れたんだ。

 

仕組みのタネが分かっていれば…。

後はその上で戦うのみ!

 

 

「フクスロー、お疲れ様。

お前のお陰で何とかなりそうだ。

………行くぞ。

アシレーヌ、キミに決めた!」

 

『サトシ選手、ここでアシレーヌを繰り出しました。

相性ではアシレーヌが優っていますが…果たして!?』

 

「アシレーヌ! アイツの《にらみつける》には目を逸らすんだ!

アイツの《にらみつける》は異常な力があると思えばいい!

…仮にかかっても、気を張るんだ!」

 

『フィー!』

 

 

よし、最低限だが注意を送れば…攻めるのみ!

 

俺はアシレーヌの十八番である《アクアジェット》で突撃させる。

 

そして…相手は案の定、《にらみつける》を指示してきたので、アシレーヌに相手を見ずに下を向けささて、俺が第二の目として方向などを定めようと…思った時だった。

 

ファイヤーが《にらみつける》の技をしたまま、凄まじい雄叫びを発した事により、アシレーヌの《アクアジェット》が解除されてしまう。

 

 

「何だと…!?」

 

『ああっとお!! アシレーヌまでもがファイヤーの前に技が途切れてしまったぁあ!

このままファイヤーの攻撃にやられてしまうのか!?』

 

「アシレーヌ!!」

 

 

クソォ…!!

タネが分かれば少しは改善されたかと思えば…!!

 

偽サトシが苦渋な思いを抱く中、ファイヤーがアシレーヌに向けて《エアフラッシュ》を放つ。

 

そんなアシレーヌは、大好きな偽サトシを悲しませないと…。

ファイヤーのプレッシャーを愛情パワーで《アクアジェット》を展開させて避けた。

 

 

『遂にファイヤーの攻撃を避けたぁあ!!』

 

 

実況の言葉に、俺はハッと正気になった。

そして、アシレーヌが俺の指示を待っているのを感じ取り…アシレーヌに向けて声を送る。

 

 

「《ねっとう》だ!! アシレーヌッ!!」

 

 

アシレーヌは待ってましたと、全力で《ねっとう》を放った。

その《ねっとう》はアシレーヌの『げきりゅう』が発動してこれまでに無いくらい強力だった。

 

その技にファイヤーは《かえんほうしゃ》で対抗するも、威力負けして《ねっとう》を受けた。

 

 

『ここに来て遂にファイヤーにダメージが入ったあ!!

この調子でアシレーヌはファイヤーを突破出来るのか!?』

 

 

行けるさ…だって、俺の自慢のヒーローなんだぞ!

 

 

「行けるぞ! アシレーヌ!

この調子で《アクアジェット》だあ!!」

 

 

アシレーヌは俺が元気を取り戻した事で、更に『げきりゅう』で威力の上がっている《アクアジェット》をお見舞いする。

 

それにより、ファイヤーは苦渋の顔をするが…。

攻撃を耐え、鋭い目つきでアシレーヌを睨んだ。

 

その目を見た俺は感じた…。

あの目は『怒り』『憎しみ』を含んだものだ。

 

…そう感じた後に、ファイヤーは《ブレイブバード》でアシレーヌを押し返してフィールドに叩きつけられ…戦闘不能になった。

 

アシレーヌは倒れた。

 

 

「アシレーヌ、戦闘不能! ファイヤーの勝ち!」

 

『アシレーヌ! 無念にも負けてしまう!

これにより、サトシ選手の手持ちは後1体になった!』

 

 

「アシレーヌ…ありがとう。よく頑張ったな。」

 

 

俺は審判に目線で直接近くまで行く許可を貰い、俺に喝を入れてくれたアシレーヌに空元気だが、お前のお陰で元気が出たの意味を込めて声をかけた。

 

…恐らくアシレーヌはそれに気づいていたんだろう。

だが、アシレーヌは優しく。

力を振り絞って、俺の頬にペロリと舐めてくれた。

俺はそれに頭を撫でる事で返し、ボールに戻した。

 

俺はトレーナーリングに戻りながら、最後の1匹であるゲッコウガのボールを持ちながら、ファイヤーにどう立ち向かうかを考えていた。

 

トレーナーリングに付くと、ゲッコウガが出て来て…俺の胸にトントンと軽く叩いた。

 

 

「…そうだな。

考えてたって、しょうがない。

後は…お前に、全てを託す…!

ゲッコウガ! キミに決めた!!」

 

『コウガッ!』

 

 

ゲッコウガは勢いよくフィールドにへと飛び出した。

 

 

『サトシ選手の六番手はゲッコウガ!

果たして、ファイヤー相手にどう立ち向かうのか!?』

 

 

俺とゲッコウガの、ファイヤーに向けての激闘が今始まる…!!

 

 

 

 

 

『第114話:勝つのは、俺達だ…!!』

 

 

 

ファイヤーの使用技は4つ固定されている。

《にらみつける》《エアスラッシュ》

《かえんほうしゃ》《ブレイブバード》

 

厄介なのは《にらみつける》だが…ゲッコウガなら!

 

 

「ゲッコウガ! アイツの攻撃技はこれまで戦ってきた中でも桁違いだ!

一発でも受けたら大ダメージ、そして…厄介なのはアイツの《にらみつける》だ!

やられそうになったら全力で気を張れ!!

気持ちだけは絶対に負けちゃいけない!!

行くぞ! 《でんこうせっか》!!」

 

『コウッガッ!!』

 

 

ゲッコウガが前回のトップスピードの《でんこうせっか》でファイヤーにへとぶつかる。

伝説故か、《でんこうせっか》程度では全くのダメージになっておらず、振り落とされ、《にらみつける》…いや、『伝説の覇気』と例えるべきか?

…兎も角、その技でゲッコウガも硬直状態になり、ファイヤーは《かえんほうしゃ》を放とうとしていた。

 

 

「ゲッコウガ!!」

 

 

俺の声にゲッコウガはファイヤーのプレッシャーを乗り越え、《でんこうせっか》を駆使し、全力で回避した。

 

そして返しに直ぐに放てる《つばめがえし》でダメージを与える。

 

ゲッコウガは《アクロバット》も使え、その方が威力は大きいが、《つばめがえし》は必中技に分類されている事から攻撃範囲と素早く放てる特徴を活かし、2、3発の打撃を入れる。

 

 

『ゲッコウガの素早い攻撃が、ファイヤーにダメージを与えている!

このままファイヤーの体力を消耗させるのが作戦か!?』

 

 

実況の言葉にジョーイは何か指示をしようとした、が…。

何故かそれを止めた。

 

…そう言えば、《にらみつける》と最初の《エアスラッシュ》以外碌に指示していないが、どういう事だ…?

 

いや、そんな事を考えている余裕は無い…!!

 

ファイヤーが怒りの《かえんほうしゃ》でゲッコウガにへと放つ。

 

それに対しては《アクアブレイク》の剣を突き立てて無理矢理無効にする。

直撃は防いだが、威力では負けているせいか、防戦一方だった。

 

その隙を見抜かれ、ファイヤーは《かえんほうしゃ》を放ちながら《エアスラッシュ》で空気の刃がゲッコウガに襲う。

 

俺は剣を持って体を回転させて無効化する指示を送る。

それにより、二つの攻撃を無理矢理防ぐが、スタミナと多少のダメージを受けしまうが…。

 

 

「直ぐに《でんこうせっか》で退避!」

 

 

ゲッコウガは途中、回転を活かした《でんこうせっか》でファイヤーの猛攻から退避する。

 

回転…その手があったか!

 

咄嗟の行動だったが、運の風向きはこちらにある様だ。

 

 

「ゲッコウガ! 《でんこうせっか》しながら《みずしゅりけん》!!」

 

 

先ずは《でんこうせっか》で動き回りながら、《みずしゅりけん》を連続で放ち続ける。

本来の《みずしゅりけん》は連続して放つ故に一発一発が大きなダメージにはなら無いが…。

チリも積もれば山となる、細かな攻撃も受け続ければ体力は消耗していく。

 

ファイヤーはそれに嫌がって、迎撃に《かえんほうしゃ》で無力化していく。

 

当然、威力負けしているので、《みずしゅりけん》は次々と消えていくが…最後の《みずしゅりけん》のタイミングで『波導みずしゅりんけん』にへと攻撃を変える様にハンドサインと目線で合図を送る。

 

ゲッコウガも瞬時にそれを見抜いて《みずしゅりけん》を溜めながら、《でんこうせっか》を駆使しながら攻撃を避けていき…溜まったタイミングで『波導みずしゅりけん』をお見舞いした。

 

ファイヤーはその攻撃を受けてよろめく。

 

よしっ! これなら───

 

…そう思ったが、ファイヤーは激昂して更に強い《かえんほうしゃ》を放ち、咄嗟に《アクアブレイク》の剣で耐える。

しかし、先程よりも威力が高いからか、さっきよりも炎によるダメージが襲う。

 

そして…更に《ブレイブバード》まで仕掛けて来て、剣を振りかざすも…。

こちらの攻撃は通用せず、剣は砕かれ、《ブレイブバード》を真正面から受けてしまい、俺の近くにへと吹き飛ばされてしまった。

 

大の字の形でフィールドに倒れたゲッコウガ。

 

勝負に勝ったと思ったファイヤーは凄まじい雄叫びを放ち、審判が倒れているゲッコウガの近くへと駆け寄る。

 

誰もが勝敗が決したと思った。

 

頑張った。

 

ここまで見事だった。

 

伝説相手によく戦った。

 

観客や実況、そして観客席にいるシゲル達もそう思った。

 

 

───負け、る?

 

ただ1人…偽サトシは負けると感じなかった。

 

それに同調する様に、ゆっくりと倒れていたゲッコウガがゆらりとしながら立ち上がった。

 

立ち上がった事で負け判定はされなかったが、誰もがもう勝敗は決したと思ったままだ。

 

………しかし、この2人だけは違った。

 

 

「俺達は……まだ、負けていない…!」

 

『コウッ……!』

 

「終わって……たまるかぁあっ!!」

 

 

俺は思いっきり服のファスナーを下ろして思いっきり脱ぎ去る。

 

そして───

 

 

「俺達は、まだ!! 負けちゃいない!!

───スパートかけるぞ、ゲッコウガァッ!!

フルパワーだぁああああ!!!!」

 

『コウガァアアアア!!!!』

 

 

俺とゲッコウガの意識が一つにへと重なる。

 

ゲッコウガから凄まじい水の柱が立ち、それがゲッコウガをヴェールの様に包んだ。

 

トキワジムと同じ…偽サトシとゲッコウガの力。

 

『キズナ現象』───キズナゲッコウガがここに爆誕する。

 

 

『な、ななな、なななんて事だぁああ!?

サトシ選手の激昂に、ゲッコウガが同調したかの様に謎の現象が起きたぁあああ!!』

 

 

実況と同じく会場の人達も驚愕したが、まだ勝負は分からないと分かり、凄まじい熱狂の嵐が巻き起こった。

 

 

「行くぞっ…!! 《でんこうせっか》!!」

 

 

俺の指示にゲッコウガは一瞬でファイヤーにへと《でんこうせっか》を決め、ファイヤーを押し倒す。

 

その力に会場の者、ジョーイ、ファイヤー自身も信じられない反応を示したが、攻撃は終わらない。

 

 

「連続《みずしゅりけん》!!」

 

 

倒れているファイヤーに向けて連続で《みずしゅりけん》を放った。

さっきとは比べ物にならない一撃一撃の《みずしゅりけん》を受け、ファイヤーは急いで空にへと逃げるが、空に向けても放たれて《かえんほうしゃ》で迎え撃つも…拮抗していた。

 

 

『ゲッコウガの力がファイヤーと並び、互角な戦いにへと発展した!

こんな展開、誰が予想できたでしょうか!?』

 

「ゲッコウガ!! 切り替えてファイヤーに迫れ!!」

 

 

キズナゲッコウガは攻撃を止め、《でんこうせっか》でファイヤーに迫ろうと動こうとするが…。

ファイヤーが《エアスラッシュ》で迎撃に入る。

 

そう来るか…ならば!!

 

───回転を用いて躱せ!!

 

声を出さずとも、俺の考えとイメージがゲッコウガにへと伝わり、細かなターンで攻撃を避けながらファイヤーにへと迫った。

 

そして、《アクアブレイク》を…2つの短剣にへとイメージを送り、キズナゲッコウガはそれを展開して双剣を両手に構え、ファイヤーにへと振り落とす。

 

ファイヤーは悲鳴を上げるが、まだ倒れないからこそ攻撃の手を緩めない!

 

 

「《でんこうせっか》で動きながら、《アクアブレイク》に《つばめがえし》を加えて攻撃だっ!!」

 

『コウガァア!!』

 

 

3つの技を合わせた戦法で、空中のファイヤーに攻撃をする。

猛攻を受けたファイヤーは何とか方向転換して逃げる…が。

俺達はそれを逃さず、《でんこうせっか》とターンを活かした動きでファイヤーに迫り、《つばめがえし》の状態を加える事でパワーとスピードが加わった《アクアブレイク》の双剣による渾身の二振りでファイヤーを叩き落とし、双剣をファイヤーの翼に投げ飛ばした。

 

 

『ゲッコウガの凄まじい猛攻に、ファイヤーがフィールドに叩きつけられたあ!!』

 

 

ファイヤーはその猛攻を受けて尚、ヨロヨロと立ち上がって怒りの《ブレイブバード》を展開するが、両翼に突き刺さっていた剣により、上手く飛ばずにいた。

ファイヤーはそれに苛立ちを見せていた…が。

 

空中でキズナゲッコウガが大きな『波導みずしゅりけん』を展開させており、それを地上のファイヤーに目掛けて突き立てて放つ。

 

それをファイヤーは《ブレイブバード》で迎え撃つ。

 

2つの強大な力が激突する。

凄まじい衝撃がフィールドを揺るがし、凄まじい爆発を生じた。

 

爆発が晴れると…ファイヤーが地に伏せていた。

 

ファイヤーは倒れた。

 

 

「ファ、ファイヤー! 戦闘不能!

ゲッコウガの勝ち!」

 

『伝説の炎鳥ポケモン:ファイヤー破れる!!

凄い、凄いぞ!!

とんでも無いトレーナーとポケモンがここに爆誕したぁあ!!』

 

 

実況と会場は熱狂の渦を作るが…。

 

 

「まだだ! まだ勝負は決していないぞゲッコウガ!!

相手はまだ残りのポケモンを有している!!

勝ったからと気を抜くなぁあ!!」

 

『コウガァアア!!』

 

 

そう、まだ試合はついていない!!

このままラッキーを───

 

と、思って気を張っていると、ジョーイはファイヤーを戻して、審判に向けて沈黙したまま手を挙げていた。

 

その行為に皆が首を傾げていたが、審判は意味を悟り、宣言する。

 

 

「ジョーイ選手が棄権した事により、試合を終了とみなします。

よって勝者、サトシ選手!」

 

『お……おお!?

か、勝てないと判断したのでしょうか?

んっ、んんっ!!

───Aブロック準決勝を制したのは、サトシ選手!!

土壇場で、大逆転勝利を果たしたぞぉお!!!』

 

 

一瞬会場がどよめいたが、見事な試合だった為か、その采配を理解して凄まじい熱狂と拍手喝采に包まれた。

 

 

「………何故?」

 

 

相手にはまだ、オコリザルを圧倒したラッキーがいる。

勝ち筋はあると思うが…。

 

疑問視するも、ジョーイが何も告げずに背を向けてフィールドから立ち去った。

 

 

「………腑に落ちないが。

やったな、ゲッコウ───」

 

 

俺はフィールドに相手の方を向いているゲッコウガに駆け寄ろうとした瞬間、凄まじい脱力感に襲われる。

同時に……体がブワッと熱くなり、鼻血がドバドバと出始めてしまう。

 

意識が……………。

 

ドサッと、偽サトシとゲッコウガは同時に倒れ込んでしまい、審判やリーグ関係者が駆け寄り…血相を変えて偽サトシ達を担架に乗せ始めるのだった。

 

 

 






・ラッキーに続きファイヤーも特殊個体。
経緯はいずれ判明するのでここでは全てを語りませんが、このファイヤーの《にらみつける》は特性の『プレッシャー』の力や人間に対しての憎しみにより防御1段階下げる技では無くなった。
…元々は普通のファイヤーにするつもりでしたが、ダメージなどの蓄積があるとはいえ、偽サトシくんのポケモン達をボコボコにするのに何か欲しいと思い、こうなった。
それから…何故そんなファイヤーがジョーイの手持ちにいるのかも、いずれ判明しますのでこれからにご期待下さい。

これを考えた際に思ったのは…
「もう《にらみつける》をネタにさせねぇぞ!」
という強い意志を感じ取った。

アニポケでは伝説というだけで、あり得んくらい強い力を発揮していたが、ここではある程度ナーフしている。
伝説が強すぎるのも大概だと思ったので。


ガオガエン、フクスロー
必死で立ち向かおうとしたが、ファイヤーの初見殺し兼チート技になす術なく倒れる。
しかし、フクスローの偶然…或いは咄嗟の反応により、タネが分かった。

アシレーヌ
偽サトシへの愛情パワーでファイヤーのチート技を振り切った。
加えてダメージも与え、偽サトシを立ち上がらせた。
…やっぱ、ヒロインだったか。

ゲッコウガ
ファイヤー相手に『キズナ現象』を発動させ、ファイヤーを圧倒した。
再度サトシゲッコウガ…否、ここではキズナゲッコウガ、へとなり偽サトシの考えと動きが同調してバトル漫画的な戦法を開花させた。
因みに、《アクアブレイク》の双剣はFateのアーチャーの干将・莫耶をイメージしていただければ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。