俺、サトシになってました(笑)   作:黒ソニア

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カイル012様
高評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
それから誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。




第57節:『次へ進もう』

 

 

 

『第116話:一方で…ムコニャは』

 

 

 

偽サトシ達がポケモンリーグ本戦に進んだ頃、ムコニャ3人は何度目かの脱獄でシャバにへと出ており、現在…彼等の知るロケット団アジトを転々と探し続け…漸くアジトのある場所へ辿り着いた。

 

門番係に声をかけた際、嫌そうな対応されながらも、ボスであるサカキに呼び出しを受けて向かったのだが…。

 

 

「よくも私のジムを壊してくれたな。」

 

 

サカキからは殺意を向けられていた。

 

 

「あ、あれはニャ、ニャースが…。」

 

「ニャア!? あれはムサシとコジロウが簡単に負けるのが悪いのニャ!」

 

「んだと!?」

 

「黙ってろ…!!」

 

 

サカキにより黙る3人。

 

 

「正直失望したぞ。

お前達は団員の中でも高い数値の結果を示したエリート団員だったのにも関わらず、ここ最近は我等ロケット団の足を引っ張る事ばかりしやがって…!!」

 

『ヒイィイイ!!!』

 

「お前達もだぞ…!!」

 

『も、申し訳ございません!!』

 

 

丁度ムコニャ達の隣に並んでいた

 

 

「あ、アンタ達もいたの…ヤマト、コサンジ!」

 

「……お、俺はコサブロウ───」

 

「黙れ…!」

 

「しゅ、しゅみません!!」

 

「どいつこいつも…。

お前達5人のせいで、ロケット団の戦力の5割が捕まったのだぞ!

その意味が分かっているのだろうな!!」

 

『ひぃぃいい!!!!!』

 

 

サカキは怒りが収まりきれず、不機嫌が加速する。

ここ最近の彼は下っ端を失っただけで無く、様々な理由で元本部やアジトを潰されていた。

 

 

「…忌々しい、()()に逃げられた挙句本部を破壊され、ジムの方もムコニャ(お前達)のせいで失い、私がロケット団のボスである事が露見した!!

そのせいで『ロケット・コンツェルン』は倒産!!

そして隠れ家にしていた場所もあのワタルが襲撃して来たせいで、壊滅…!!

運良く残っていた此処に辿り着いたものの、ロケット団は全盛期だった5割を失ったと知り…!!

私がどれだけ頭を抱えたか……分かっているのか!!」

 

 

これらの殆どが偽サトシと絡んだせいで失った。

オマケに撤退していた所をワタルに見つかっており、機を狙って襲撃されたのだ。

 

 

『…落ち着きましょう、サカキ様。』

 

 

そんなサカキの元に一本の通知が入る。

それはジョウトに派遣させていた者達からである。

 

 

「…アポロか。そっちは上手く行っているのか?」

 

『はい。順調でございます。』

 

「そうか。」

 

 

まだロケット団は潰えていない。

サカキの右腕と呼べる存在…ロケット団幹部リーダー:アポロが幹部3人を率いてジョウトで暗躍しており、大きな戦力が残ったのは不幸中の幸いだったのだろう。

 

 

「…例のアレを拘束する物は?」

 

『あともう少し、と言った所です。』

 

「そうか。なら後は何処へ逃走したのか…それを探り出すだけか。」

 

 

サカキは少し考え…。

 

 

「お前達!」

 

 

その声にムコニャ3人とパチモン2人はビシッと姿勢を正す。

 

 

「…本来ならば、使い物にならないお前達など、放っておきたい所だが…今は損失した下っ端の代わりが必要だ。

お前達には下っ端の代わりをやってもらう、文句は無いな?」

 

『は、はい!!』

 

「………入れ。」

 

 

サカキがそう呟くと、サカキ達のいる大部屋のドアが開く。

そこに…紫髪のオヤジ男が入って来た。

 

 

「お呼び出しで?」

 

「ああ。お前には、行方不明になったアレの調査とポケモンの補充をやってもらう。

その際、そいつ等を扱き使え。」

 

「へえぇ…よりにもよって、疫病神のコイツ等をですかい?」

 

「気持ちは分かるが、今は人材不足だ。

その内ランスが補充メンバーを用意するだろう。

その間の代用だ、文句は無いな…ラムダ?」

 

「…まぁ、しゃーないっすね。

了解ですよ、ボス。

ただ…どう使おうが俺の勝手でよろしいんで?」

 

「無論だ。好きに使え。」

 

 

ムコニャとパチモンの5人は脱獄したものの、ロケット団幹部の1人…ラムダの下っ端にされた。

 

アレとは何か、そして…この5人の未来はあるのか…?

 

 

 

 

 

『第117話:目を覚ますと───』

 

 

 

「…………ん、んん? ここは?」

 

 

意識がハッキリすると、手に違和感を覚えた。

朦朧とする中だが…よく見れば、手首に点滴の繋がっていた。

 

 

「げえっ……点滴が打たれてる?

………あれ、何で俺はベットに寝てんの?」

 

 

体を少しずつ起こしてキョロキョロとしていると、俺のいる病室に入って来る者が───

 

 

「…おふくろ?」

 

「サトシ!!」

 

 

おふくろは飛びつく勢いで駆け寄って俺を抱きしめる。

んあー…なんか安心する……って、どうして震えているだ?

てか、力入ってて若干苦しいんだが…。

 

 

「うえっ……ど、どしたの、おふくろ?」

 

「良かった……漸く目を覚ましたのね。」

 

「目を、覚ました…?」

 

 

俺が疑問を抱いていると、更にナナミさんもやって来た。

 

 

「サトシくん…! 起きたのね!!」

 

 

おふくろ同様にナナミさんも俺を抱きしめてきて、悪く無い気分…と思っていると、タケシとカスミもやって来た。

 

 

「起きたんだなサトシ!」

 

「心配したわよ!」

 

「へ? ん………そいやー、俺……。」

 

 

タケシ達もやって来て、何か少しずつ振り返る。

俺は準決勝で、ジョーイと戦い…長い激戦にファイヤーが出て来て、ゲッコウガと『キズナ現象』でシンクロして倒して、ジョーイが棄権して勝って───

 

 

「あ、決勝戦!」

 

 

寝ている場合じゃねぇ、決勝戦に挑むメンバーを考えないと───

 

 

「…サトシ、落ち着いて聞いてくれ。

お前は………1週間も寝ていたんだ。」

 

「………へ? 1週間? それはつまり…?」

 

「…残念だが、ポケモンリーグは終わった。

お前は決勝戦を不戦敗って事になった。」

 

 

それを聞いて、俺の思考が一瞬止まった。

 

1週間……それだけ長い期間が体調を崩した場合、当然敗北が決定となる。

事情によっては1、2日は猶予が認められる場合があるが、流石に1週間は無理だ。

そんなのは分かってるし当然だが……まさか自分が戦えずに敗退になるとは、思わなかった。

 

試合には勝ったが、優勝は逃してしまった…。

 

 

「……………呆気ないもんだな。」

 

「…仕方ないさ。

初めてのリーグで準優勝は見事なもんだぞ。」

 

「分かっている。

ポケモンリーグはシビアな世界。

本来は本戦に出られるだけでも至難であり、且つ準優勝まで進めたのは個人的にも凄い事だって分かってる…。

けど…。」

 

 

まさか、戦って負ける訳でなく、戦えず敗退するなんて…思いもしなかったからな。

 

俺が言葉を無くしだすと、おふくろが優しく抱きしめながら頭を撫でてくれる。

 

 

「落ち込まないの。気持ちは分かるけど、ママはサトシが目を覚ましてくれただけでも嬉しいの。

アナタは2、3日40度の熱が引かないまま、お医者さんからは命に関わるかもしれないとまで言われたのよ。」

 

 

………そこまで重症だったのか。

おふくろがまだ若干体が震えているのはそういう事なんだな。

 

おふくろからすれば、命の危険に関わる方が大事だもんな。

いや、当たり前な話なんだが。

 

 

「…ゲッコウガは? アイツは?」

 

『コウガッ!』

 

 

ゲッコウガの名を呼ぶと側にあったボールから勢いよく出て来た。

それと同時にトゲピー、アシレーヌ、ガオガエン、フクスローも出て来て、俺が復活した事に元気になっていた。

 

 

「…はは。」

 

 

思わず俺も元気が出る。

 

ああ、お前達が元気になったら、今はいいや。

 

 

「次頑張れば良いんだ。」

 

「そうだな。」

 

「その切り替えの良さがアンタの強い所よ。」

 

「おう。」

 

 

俺が元気を取り戻し、俺がおふくろとナナミさんに抱きしめられながら撫でられていると、更に…。

リーフ、シゲル、ヒロシくんがやって来た。

 

 

「サトシくん!!」

 

「どうやら、いつものキミに戻ったみたいだね。」

 

「目が覚めて良かったよ。」

 

「…お陰さんでな。

そういえばリーフ、優勝おめでとさん。」

 

 

俺がそう聞くと、リーフは一旦病室から出て…優勝トロフィーを持って来た。

 

 

「改めておめでとう!!」

 

「ありがとう。」

 

 

リーフは嬉しそうにしつつも、少し雲がかかった顔をしていた。

その理由は分かる。

不戦勝で、その相手が俺だったからな。

いざとなったら何て反応したら正解か分からなくなったんだろう。

 

 

「その………悪いな、リーフ。

折角の決勝戦…初めてのリーグで不完全燃焼な事をしちまって。」

 

「ううん、そんなのは良いんだよ。

ただ………サトシくんが目を覚ましてくれただけでも良かったから。」

 

 

リーフはそう言って誤魔化すが、心の内では完全に納得いかないだろう。

なので───

 

 

「リーフ、次のリーグで白黒ハッキリつけよう。」

 

 

心苦しいが、これしか言葉が出なかった。

 

 

「…! うん! 次は全力で戦おう!」

 

「ああ。」

 

「おっと、それについては僕を置いて話を進まないでくれるかな?

僕も…キミ達に負けたく無いからね。」

 

「そうだな。」

 

 

シゲルも加わったお陰か、俺達3人は次のリーグで戦おうと誓い合った。

その光景を見てホッとするナナミ達。

 

 

「おっと、僕もサトシにリベンジしたいからね!

そこは仲間外れにしないで欲しいかな。」

 

「勿論。」

 

 

ヒロシくんも加わった所で…ブルーさんがやって来た。

 

 

「あら、元気になったみたいねサトシくん。」

 

「ブルーさん、おはよう…ございます?

で、良いかな?

兎に角…リーフと決着つける事なく倒れて、納得いかない結果にしてしまい、ご迷惑おかけしました。」

 

「私は別に良いわよ。

何はともあれ、結果としてリーフちゃんは初出場のリーグで優勝した訳だし。

納得いかないのは充分理解出来るけど、これもまた実力。

次に向けて3人共気合い入ってるみたいだし、それで構わないんじゃない?」

 

「どうも。」

 

「……それよりも、私は元気になったサトシくんに聞きたい事があるのよ。」

 

「……ファイヤーと戦ったあの力、の事ですか?」

 

「そうよ。あんなのを目の当たりにしたらいてもたってもいられないわ。

強さを求める者からすれば、より一層…ね。」

 

「多分、タケシ達からある程度は聞いていると思いますし、俺自身も分からない事だらけなので、ブルーさんの期待に応えられないと思いますよ?」

 

「全然構わないわ。

キミ自身にしか分からない事だってあるから、ね?」

 

 

ブルーさんはウィンクしながらも、待ってましたと言ってる様な雰囲気を出しながら俺に質問しまくってきた。

質問に答えていく中…俺は少しだが、この人に関して分かった事がある。

 

ブルーさんは俺に興味を抱いたらしい。

しかしそれは…面白いおもちゃ、研究対象を見つけた様な研究者みたいな感じだった。

 

この人、ナナミさんに似て、トレーナーとしてコーディネーター、研究者としても活動しているらしい。

…モデルとかもしててどんだけやねんと思った。

 

…とまぁ、怖いレベルで興奮しているブルーさんを途中、ナナミが抑える感じで一先ず収まるのだった。

 

皆んなには…当然、俺が前世持ちでここがアニポケ世界とか言う事は出来ないからサトシゲッコウガの事は説明出来なかったが…。

俺達のこの力…どうやら、思ってた以上にコントロールが必要なのと、俺の知らない()()()があると感じた。

 

 

「次は倒れない様に、先ずはこの力を上手く発動出来る事から頑張ろうな。」

 

『コウガッ!』

 

 

俺とゲッコウガは拳を合わせ、続いてアシレーヌ達も頑張ると俺達にくっついて大変だった。

 

 

 

 

 

『第118話:マサラタウンで祝勝会』

 

 

 

俺が無事に退院して、マサラタウンに帰って来た。

ヒロシくんも誘ったのだが、そろそろ親に顔を出すと申し訳なさそうなしていたが、俺が倒れてせいもあって親に顔を出せなかったので、彼の意思を尊重してトキワシティで降りて、またバトルしようと約束して別れた。

 

オーキド研究所に顔を出すと、博士は大はしゃぎだった。

 

それはリーフが優勝した事、そして俺がファイヤー相手に勝った事でだ。

無論、シゲルが精神的に成長した事も見抜いてより一層嬉しそうだった。

 

んで、俺とゲッコウガの事についても聞かれた。

聞けば、俺達のあの現象は特性によるものらしい。

 

これで特性が『げきりゅう』から『きずなへんげ』になった……かと思えば、『げきりゅう』のままらしい。

 

俺は疑問に抱きつつも、博士は───

 

 

「あの力は特性『げきりゅう』が異なる変化…いや、進化を果たした結果じゃろうとプラターヌくんと話し合い、結論が出た。

メガシンカなどで特性が変化する事はあっても、特性は変わらぬまま未知なる力…メガシンカに酷似した力を発揮したのは初めての事で、プラターヌくんは大はしゃぎだったぞ?

無論、ワシもじゃがの。」

 

「まぁ見れば分かりますよ。」

 

「それから、特性を通してメガシンカと同等の変化をもたらした事から、近い内にプラターヌくんがここへ来ると連絡を受けたぞ?」

 

 

おー、プラターヌ博士とまた会えるのか。

それは少し楽しみかな。

 

 

「さて…他にも色々と話し合いたい所じゃが。

今回は3人が初のリーグに出て本戦に出て、リーフに至っては優勝じゃからな!

マサラタウンの住民達が総力を上げて祝勝会をするぞい!」

 

 

と、言うわけで、これから大きな庭で開かれている祝勝会に足を運ぶ。

そこではリーフが周りから話しかけられており、大変そうにしている姿と、それを見て陰で「大変だな」とほくそ笑んでいるシゲルの元へと寄る。

 

 

「助けなくて良いのかよ。」

 

「そう言うキミこそ、助けなくて良いのかい?」

 

「助けられる感じじゃねーだろ。」

 

「お互い様だという事さ。」

 

 

まぁそりゃそうか。

…と、笑い合ってると、リーフが俺に向けて「サトシくーん! シゲルくーん!」とヘルプを出していた。

 

 

「…おい、リーフ。

シゲルは兎も角、何でサトシの奴にまで声をかけるんだ。」

 

「アイツはマサラタウンの面汚しだろ…!」

 

 

俺らと歳の近い奴等…悪ガキ共が俺に対して憎む様に睨んでいた。

 

あぁ、コイツ等覚えてる覚えてる。

ゴンタと連んでた奴等や俺にガラス破片とかを投げてきた頭の可笑しい連中だ。

 

 

「面汚しとは心外じゃないかな?

サトシは優秀な成績を収めた。

訳あって体調を崩し、リーフとバトルが出来なかったが、それでも結果的には準優勝だ。」

 

「だ、だが!!

コイツはゴンタの奴を貶めて、マサラタウンを汚したんだぞ!!」

 

「貶めたも何も、アイツの方がマサラタウンを汚したんだよ。」

 

 

俺が何を言っても火に油を注ぐようなものなので、シゲルが代わりに言ってくれるが…やっぱり人として常識の無い奴等が多いよな。

 

しかも、俺等と歳が近い奴等に限っては全員俺を目の敵にしてる。

てかシゲルが言ってくれたが、マサラタウンを汚したのはアイツの方なんだよなぁ。

 

その様子をタケシとカスミが何か言いたげだったが、2人に迷惑をかけたくないから俺が巻き込まない様に抑止する…と。

 

 

「ここの子達も随分と落ちぶれたわね…。

まぁ良いわ……そんなにサトシくんの実力が認められないなら、実際にバトルをしてみればいいんじゃない?」

 

「お姉ちゃん?」

 

 

ブルーさんが広い場所の方へ指を差した。

 

 

「良い機会だし、これからサトシくんとリーフちゃんでバトルをするの。

リーグでは互いにバトル出来ずに終わってしまったから、これが小さな決勝戦って感じかな?」

 

 

ブルーの提案に悪ガキ共やマサラ民達が俺達のバトルを見たいと反応していた。

前者達は俺の恥晒しが見たく、後者達は純粋に楽しい事好きと分かれている。

 

 

「なら、折角の祝勝会なんだ、手短にルールは僕等がカントーを旅していてやっていた3対3の3本勝負にしようじゃないか。

何、それだけでも充分2人の実力が分かる。」

 

 

突然だが、俺とリーフのバトルをする事が決まった。

 

 

 






・偽サトシは戦えず、リーフが不戦勝し優勝。
目が覚めたら1週間経っていた(笑)。
…偽サトシは割と直ぐに立ち上がったが、内心では悔しい思いをしている。
しかし、これに関しては仕方ない気持ちもあるので耐えてる感じ。


・ゲッコウガの特性は『げきりゅう』?
頑なに『げきりゅう』絡みなのには理由がある。
ちゃんと全てが明らかになるのはいつ頃かな?

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